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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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   『サイコメトリック・
                  キラー』



原題『Thinning the Predators』
(1996)
ダイナ・グラシウナス/ジム・スターリン:著
小林理子:訳
ハヤカワ文庫NV


〔ストーリー〕
 FBI捜査官のレヴェットが追うのは、謎の連続殺人鬼、デイヴィット・ヴァンデマーク。彼は7年前に妻子を殺害され、その犯人を執念でつきとめて殺害した男。以来彼は、連続殺人鬼・凶悪犯のみをターゲットとする、シリアル・キラーになっていたのだ!! 彼には人知を超えた、得体の知れない能力があるのか? 復讐の天使になったつもりか? レヴェットがヴァンデマークを追うころ、おなじように彼の事件に注目する女性記者がいた。そして、アメリカの犯罪史上もっともおそろしい凶悪犯が誕生するときがくる…!!!


 ずーーっと小説レビューをサボってましたのです、すいません~
これからちょくちょく、気に入ったものを書いていこうかと思います。
コレはとくにお気に入りでして、三回くらいは読みなおしちゃったかもです。

 ストーリーを簡単に説明しますと、一介の捜査官レヴェット、彼が追うナゾの連続殺人犯デイヴィット・ヴァンデマークとの鬼ごっこ!(← でもこれ、前半のみ)

 ヴァンデマークは連続殺人犯を殺害する、連続殺人犯なのです。この設定、いままでありそうでなかったですよね。そういえばむかし、霊能者が霊能者に殺されて、霊能者で犯人をつきとめる!! という、霊能者だらけの『霊能者狩り』という作品がありました。こちらは、連続殺人鬼だらけのお話です。よって、快楽殺人や異常犯罪者の不気味さも味わえちゃうという、ひと粒で何度も気持ち悪いホラーであります。

 レヴェットはヴァンデマークの殺害法則を見つけ、まだ検挙されていない(発覚していない)連続殺人鬼が潜んでいそうな場所に網をはります。たとえば、国境近くで若者が行方不明になっているとか、地方で女性ばかりが行方不明になっている、子供が消息を絶っている… けれど、まだ一連の事件として認知されていないから、騒がれていない。そんなデータ、とにかくデータを集めて、これだ!と、思って乗りこんでみると… あーららー、ひと足お先にやられちゃってました。

 それに、ヴァンデマークはやたら紳士的でして、元弁護士さんだし、頭いいし、わざわざ急所をはずしてレヴェットを撃ったり、「もう追ってきちゃだめだよ!」 なんて、かわいらしい警告を発したり。なので、レヴェットは余計むきになってヴァンデマークを追ってしまうのですね。もうこれ、完全に恋愛感情ですよね。

 この一連の不可解な殺人事件に目をつけたのが、美人ジャーナリストのヴィーダ。彼女はレヴェットとコンタクトをはかり、ヴィーダまでしだいにヴァンデマークの虜になっていきます。ヴァンデマークは自分が正しいことをしていると思っているのでしょうか? なぜ、連続殺人犯の居場所がわかるのでしょうか? そして、7年前にヴァンデマークの身に起きた、悲しい事件を知ることになるのです…

 この作品を読んで思ったことは、これぞ映画世代にふさわしい作品ということ。映画が進化することによって、小説だって新しい手法を模索しなくちゃいけない。スピード感、多角性、ヴィジュアル、フラッシュバックやフラッシュフォワード、カットイン、フェイドアウト、スローモーション、クローズアップといった、あらゆる映画の手法を使用しなくちゃいけない。それで、これはまさしく風間賢二さんも書いてらっしゃるとおりに、アメリカ的な、もっといっちゃうと、ハリウッド的な作品なのです。

 よくキングが、『キャリー』はページからがしたたってる小説だ、なんていってましたけど、こちらもがぽたぽた垂れてきそうなお話。冒頭、ひとり歩きの若者ばかり狙うカニバリズムは、ほんとうに気持ち悪いし、じっさいにその匂いまで嗅げちゃいそうなほど。

 ヴァンデマークが敵なしなのは、タイトルでもネタばれしちゃってますが、サイコメトラー(物に触れたり、人物と接触したりしてさまざまな情報を得る能力者)なのですね。
 彼は7年前にエレベーター事故に遭い、昏睡状態に陥っているころに妻子を殺害されてしまいます。半死の目に遭って、ようやく意識が回復したときには悲惨な現実を知り…

 そして、これぞハリウッド的なのは、手法のみならず、ジャンル・ミックスとして確実に売れる内容だということ! これはエンターテイメントの鉄則です。よって、展開はスピーディーで派手、ハイテンション、ロマンスや友情まで出てきちゃうといった、かなり、ある意味お気楽(!!)な作品。

 でも、すごく楽しいですよね。内容がギッシリ詰まった作品だと思います。

 ヴァンデマーク、レヴェット、ヴィーダの3人はやがて、運命に導かれるように、ひとつの場所に集結していき… そして、最後の最後に、とおんでもない殺人鬼が登場します。こ、これはかなり手強いし、異常すぎる!! ヴァンデマーク、危うし!! この史上最悪な異常者をやっつけることができるのか??

 ね、読んでるだけでも、そうとうおもしろそうでしょ
映画化したら、ぜったいヒットすると思うのに~。未読の方は、ぜひともご覧になってみてください!!









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   Night of The Demons



(2009)アメリカ
出演…モニカ・キーナ
エドワード・ファーロング
シャノン・エリザベス
監督…アダム・ギーラッシュ
★★★


〔ストーリー〕
 かつて、夫人がバルコニーから首吊り自殺を図ったという、いわくつきの邸宅。85年後の現代、季節はハロウィーン、アンジェラはこの邸宅で大規模なハロウィン・パーティーをひらくことを計画する。集まった若者たちのなかには、マディー、スザンヌ、ルイーズ、彼女たちのボーイフレンドのジェイソン、デックス、それから薬の売人のコリンがまぎれこむ。だが、宴もたけなわのころ、ライトが消えて警官たちが乗りこんできてしまう。焦ったコリンは、換気孔に薬を投げ捨てるのだが…


 オリジナルを観たことがあるのか、ないのか、ないのか!
 まーったく記憶にございませんのです、すいません。でもたしか、オリジナルは88年の作品だったはず。それで、コメディ・ホラーなんですよね。お色気もままあって。今回のリメイク、わたしはわりと楽しめたので、このオリジナルを 「今度観ようリスト」 にくわえておこうと思います。
 ちなみに本作の監督は、「Autopsy」(2008)のアダム・ギーラッシュ。 

 内容は、あら、簡単
 かつての惨劇があったお屋敷で、若者たちがハロウィンパーティーをひらいたところ、気づいたら悪魔が乗りこんできたー! という、よくあるストーリーです。

 50年代、邸宅の女主人ダイアナは、夫の制止を振りきってバルコニーから首吊り自殺を図ります。勢いがつきすぎちゃって、落ちた拍子に首がブツン! まあ、ふつうロープだったら、首がそう切断されることはないのですがね… 伸びるだけで、って、なんの話だ!! とりあえず、派手なオープニングなのでよしとしておきます。

 それから、現代。
 アンジェラ(シャノン・エリザベス)が企画したハロウィン・パーティーは大盛況、詰めかけた若者たちでおおいに賑わっておりました。ゴキゲンな音楽、ドラッグ、セックス、アルコール、セックス!! 楽しく入り乱れております!! そこへ、薬の売人のコリン(エドワード・ファーロング)がまぎれこんだことから、警察が犯罪のにおいを嗅ぎつけてしまい… パーティーは突然中断、焦ったコリンは薬を換気孔に落としたところ、それは地下室へと落ちてしまいます。

 警官たちがいなくなったあと、すっかり気分がしらけてしまったアンジェラ、館の庭に隠れていて、もどってきたマディーや友人やボーイフレンドたち。コリンは薬をとりもどすために、「地下室の鍵を貸してほしい」 と、アンジェラに頼みこむのですが…

 このあとは、みなさんの予想どおり~、まんまと地下に降りていっちゃう若者たち、そこにはけして開けてはいけない扉があるんですが、さっさと開けちまいます。すると、なかにはなんと…!!!

 前半のハロウィンの雰囲気がとっても楽しくて、賑やかな仮装パーティーは見ているだけでもおもしろいです。いいですよねー、ハロウィンの雰囲気って大好き!! この賑やかさがずーーっとつづいてくれればよかったんですけどね。なんと、このパーティーは途中で終わってしまうのです。それで、ほとんどの若者たちも家に帰ってしまいます。

 オープニング間もなく、なんか、急にへんなオッサンが出てきたなあと思っていたら、これがエドワード・ファーロングだったなんてーーー!!! はあ~、あの「T2」「アメリカン・ヒストリーX」の美少年がねー、変われば変わるものです。あまりのオッサン化に、わたしの脳内変換がついていきませんでした。

 ですが、このオッサン化とみっともなさがちょっと中途半端な感じでして、痩せる気がないなら(それで自虐ネタでいくなら)、もうすこしがんばってオッサンになってください! といいたいところです。なのですが、このオッサン化したファーロング、男子のなかではいちばん活躍します。

 男子たちがパッとしないのにくらべて、美女たちの競演がわりとよかったです。それで、最初にコメディと書きましたが、このリメイク作品もそれを踏襲しています。あと、こわがらせ方も古いです。あー、どっちかというと、〈ダークキャッスル〉系お子ちゃまホラーかもしれません? ファミリーむけ? このブログに訪問していただいている方には、たぶん、もの足りないんじゃないかな?

 だって、肝心のディーモンがなかなか出てこず、やっと出てきたと思っても、仮装パーティーの若者たちとたいして変わんないですよ、ひーん…(涙)。わたしはもっと、デモンズぽいのを期待してたのに~。前半の賑やかなテンションのまんま、物語が進んでくれればよかったんですけどねー。いえ、けしてつまらなくはないんですけどね!! とりあえず、〈ダークキャッスル〉系ということを明記しておきましょう。

 ということで、画像は軟弱男子より美女を優先に~
あと、自虐ファーロングはテンションさがるので貼りません!!(←と書きつつも、いちばんの見どころでもあるのです








いわくつき物件。
ちなみにわたし、
破格の幽霊屋敷があったら
即買いします。
(だってどうせ見えないし~)








ネコ耳がキュート
スザンヌ役の
ボビー・スー・ルーサー。









アンジェラ役の
シャノン・エリザベス。









かわいい系美人。
ヒロインのマディー。










こんなんですよー、
…まあ、それなりに
楽しいんですけどね!











……
それなりに、
おもしろいんですけどね!!







   The Loved Ones



(2009)オーストラリア
出演…ハビエル・サミュエル
ロビン・マクリーヴィ
ジェシカ・マクナミー
監督…ショーン・バーン
★★★★


〔ストーリー〕
 イケメン高校生のブレントは、自身が運転する車で事故を起こし、助手席に乗せていた父を死なせてしまうという心の傷を負っていた。事故から数ヵ月後、卒業ダンスパーティーの季節になり、同級生の地味な少女・ローラからパートナーになってくれないかと誘われる。しかし、ブレントにはミアという美人の彼女がいた…
 ダンス当日、強迫観念から逃れるように、ひとり絶壁をのぼるブレント。あるいはそれは、自殺願望なのか…? だが、頂上にたどりついたブレントに魔の手が待っていた…!!!


 巷で話題のオージー・ホラー。
 みなさんも大好きな、イケメンを監禁・拷問・ひたすらいじめぬく!! という、なかなか過激なホラーです。
 それで前評判どおり、これはそうとうおもしろく、やはり評判どおりにクレイヴンの「The People Under the Stairs」「壁の中に誰かがいる」1992)にそっくりです。ただたんに似ているというより、かなり意識して作られたものなんじゃないかな?

 監督のショーン・バーンは、なんとこれが初の長編作。なんでも、本作はトロント映画祭で観客賞を受賞、熱狂的に支持されたんだとか…それもそのはず、ひさびさに飛ばしてるホラーを観ちゃった!!といった納得の出来です。
 わたしはポスターから、こてこてのコメディを予想してたんですが… 意外や意外、シリアスなホラーでした。そして、容赦がないです!!

 物語は、イケメン・ブレント(ハビエル・サミュエル)が父とドライブしているところからはじまります。ブレントは最近免許をとったばかり、父とわきあいあいと会話していると… 突然、血だらけの男がフラフラ~っと車道に出てくるではありませんか!! とっさに男をよけようとしたブレント、道路脇の木に激突してしまいます。その事故で、最愛の父を亡くしてしまうのでした…

 それから約半年後。
 表むきは元気に振る舞うものの、いつまでも心の傷が癒えないブレント。ある朝、クラスメイトのおとなしい少女ローラ(ロビン・マクリーヴィ)から、プロムのパートナーになってくれないかと誘われます。でも、ブレントにはミア(ジェシカ・マクナミー)という彼女がいて、ローラを振ってしまいます…

 じつはこのローラ、地味でおとなしい少女の皮をかぶった、真正キ印娘だったのですよ~~!!! という、どっかで見たようなオープニングです。

 「壁の中に~」 ではナイスなキチガイ兄妹が出てきましたが、こちらはナイスなキチガイ父娘です。父もキチガイ、娘はさらに輪をかけたキチガイ!! そういえば、テンションもそっくり似てるかも~
 おまけにこの父娘、拷問好きで、支配欲が強く、一度狙った獲物(つねにイケメン!)はとことんなぶりつくすという、信じられない悪行をくりかえしているシリアルキラーなのでした…

 ポスターからは想像つかないかもしれませんが、内容はそうとう過激。で、イケメンが拷問される映画と聞くと、ハァハァしちゃうかと思いきや… うーん、ここまで過激すぎちゃうと、どうしてどうして、柄にもなく本気で主人公を応援しちゃいましたよ!!

 キチガイ父(リチャード・ウィルソン)に誘拐されたブレント、キチガイホームに連れていかれ、3人(+~人)だけのプロムナイトがはじまります。
 椅子に縛りつけられ、正装させられて、あんなことやこんなことも!!とにかくイケメンなのに、容赦ないっ!!なまじイケメンすぎちゃって、あえぐ姿がとってもセクシー …じゃなかった、かわいそすぎるよっっっ!!

 こんな絶望的・逼迫的状況で、どうやって脱出するか? いや、脱出できるの?? というのが、この映画の醍醐味なんですねー。

 ローラ役のロビン・マクリーヴィが吹っきれた狂人をのびのびと(!)演じてまして、これは男性じゃなくてもこわいかもしれないです。
 それに、恐怖のツボがいたって直球なので、ほんとうにこわくておもしろいものを観たい!! という欲求に素直に応じてくれる作品でもあります。

 「壁の中~」 でも近親相姦が隠し味になってましたが、こちらもチラッとほのめかす程度になんとなく。キチガイ一家というと、近親相姦タブーってつきものなんですかね? 気持ち悪い話ですが。

 シリアスな映画なんですけど、音楽の使い方がユニーク、ストーリー展開もすこし変わっているかもしれません。リドリー監督の「Heartless」(2009)とまではいきませんが、ここ最近観たホラーのなかでは非常にユニークな作品です。

 最後に最後に、正直に書いてしまいますがー、
こういうレベルのホラー映画を観たいんですよーー、わたしは!!!











どうですー、
こんなイケメンがあんなことやこんなこと、
とにかくたいへんなことにっっっ!!!







心に傷をかかえた
ブレントと、
恋人のミア。








そのころ、
振られちゃった
ローラちゃんは…








ハーイ、
キチガイハウス
にようこそ~









おびえる姿がまた、
カワイイ…!!






パパもそうとう
ヤバイです。
顔、こぇーよ!







   The Last Exorcism


(2010)アメリカ
出演…パトリック・ファビアン
アシュリー・ベル
アイリス・バール
監督…ダニエル・スタム
総指揮…イーライ・ロス
★★★


〔ストーリー〕
 エクソシズムで著名な牧師、コットン・マーカス。彼の持論は、「悪魔憑き」 はすべて分裂病や精神ヒステリー、過度の信仰心から起こる病気だと思っていた。それを証明するべく、カメラクルーをひきつれて “最後のエクソシズム” にむかうマーカス。じつは、病気の息子のために 「悪魔憑き」 を信じる人から謝礼を得ており、足を洗いたいという理由もあったのだが… そして、手紙をもらった問題の農場にむかった彼らに、予想もしない恐怖が待っていた…!!!


 製作総指揮がロスということで、なんだかんだいって、わりとよかったです。

 えーと、監督のダニエル・スタムは、「The Necessary Death」(2008)というモキュメンタリーを撮った方らしいんですが… 観ていないし、どんな内容なのかもまったくわかりません!! ですが、これはそうとうな悪趣味系の映画らしくて、そういうところがロスに気に入られちゃったみたいなんです。

 この手の映画って、もうさんざん観てきたのでー、評価のほうもはっきり二分されちゃってます。でも、作品じたいはそう悪くないです。もっと早い時点で出てきていたら、かなり高評価になったんじゃないのかな? というほどの出来。とりあえず、ストーリー説明のほうから。

 コットン・マーカス(パトリック・ファビアン)は、エクソシズムで有名な牧師さん。
 彼は一児のパパ、若いうえにハンサム、話も上手いから信者たちの人気者。ホラー映画に出てくる牧師さん(宣教師)って、こわーいイメージがありますけど、マーカスはかなり現代的です。牧師さんというより饒舌な政治家みたいです。しかもJFK系のTVむけの。このキャラクターがまず、つかみどころがよいのです。

 じつはマーカス、エクソシストであるにもかかわらず、「悪魔憑き」 をまったく信じておりません。悪魔に乗り移られた! といっている人のほぼ99パーくらいが、「精神病だろ? てか、大騒ぎしすぎだろ!!」 程度にしか考えておりませんでした。それでも型通りのエクソシストをすれば、信者たちは治っちゃうもんだから、「やーっぱり、ただの精神病じゃん!!」 と、常日ごろから悪魔たちをひそかにバカにしておりました。

 それで、もう「悪魔憑き」 なんて時代遅れなことはなくそう!(…ついでに~、こういう詐欺まがいのことからいいかげん足を洗おう!)と決意したマーカス、アイリス(アイリス・バール)を中心とするカメラクルーをひきつれて、最後のエクソシズムにむかうのであります。それはとある片田舎の農場、ひとり娘のネル(アシュリー・ベル)が悪魔に乗り移られてしまったというのですが…

 ほぼうろ覚え情報で申しわけないんですが、エクソシズムって、一応ちゃんと手順があるんですよね。

 まず、①実地調査→ ②教会が「悪魔憑き」足る証明をする→ ③ローマ教皇にエクソシズムの許可をもとめる→ ④エクソシストの権限を持つ神父を派遣→ ⑤憑りついた悪魔の名前を特定→ ⑥その悪魔にあったエクソシズムを展開する

 …こんな感じでして、かなーり時間のかかる、ややこしいカソリックの儀式なんですが、こちらのマーカス、最初っからエクソシストの権限なんて持っちゃいません!! たぶん、聖職者としても位が低いほうの方なんだと思います。
 んで、そんな勝手なことおおっぴらにやっちゃって、よく怒られないなあ? と、そこだけ疑問だったんですが、マーカスの嘘臭さがにじみ出ていておもしろいですよね。そーなんです、わりと人間臭い主人公として撮られていまして、そこがリアルを生みだすのです。

 新しい部分といったら、このキャラのおもしろさくらいなんですが…
 ですが、ストーリーもドラマがしっかりしていてよかったです。「パラなんちゃら~」 なんかより、ずっとホラーしていると思います。いちばんの見どころは、やはりアシュリーちゃんの豹変ぶりなんでしょうか… 「エクソシスト」のリーガンとまではいきませんが、なかなかショッキングです!! ショックというより、気持ち悪い系のこわさですね。

 結末は例によって例のごとく、お決まりのアレですが… でも、無名の役者さんたちの迫真の演技は、なかなか見る価値ありです。この手の映画が好きな方、まだ飽きてないよ~! という方なら、最後まで楽しめるかと思います
 ということで、なんとなくおすすめ~











インチキ神父の
コットン・マーカス。









ネルはごくふつうの
女の子ですが…








とりあえず、
悪霊退散じゃ、
うりゃっっ!!!









簡単に終わるはずの
エクソシズムが…??









どんどんヤバイことに
なっていっちゃいます!!







   Frozen



(2010)アメリカ
出演…エマ・ベル
ショーン・アシュモア
ケヴィン・ゼガース
監督…アダム・グリーン
★★★


〔ストーリー〕
 スキー場にやってきた、パーカー、ジョー、ダンの学生3人組。美人のパーカーを使って、リフト代をごまかしていた彼らは、係員がおなじなのをいいことに、ナイターで最後の滑走をしたいとワガママをいう。「天気が悪くなってきている」 という制止も聞かず、リフトに乗る彼らだが… ここで、係員が交代しちゃうという予期せぬ事態が起こり!!!


 やっと観ましたー、「フローズン」!!
 とりあえず、着眼点がよいのですよねー。
 で、こわいかといえば、それなりに! おもしろいかといえば、それなりにおもしろいんですけど!

 えーと、ナマニクさんのレビューを読んでから、だいぶ寝かせてしまった作品です。監督のアダム・グリーンは「Hatchet」「ハチェット」2006)で期待の新星と騒がれて、あと、サスペンスものの「Spiral」(2007)なんてのもあります。わたしはけっこう、「スパイラル」は好きだったんですけど。今回は大マジメなドラマです。殺人鬼もゴア描写も出てきません。

 内容はいたって簡単、ちょっとバカそうな学生3人組がスキー場にやってきて、お金がないのをいいことに、パーカー(エマ・ベル)のお色気作戦でなんとなくリフト代を浮かせていました。で、これがうまくいっちゃったもんだから、ナイターでも滑っちゃおうと、そろそろリフト停止というにもかかわらず、ゴネて無理やり乗っちゃう。

 この係員、最後まで彼らの行方を気にしていたのですが、途中でべつのスタッフとバトンタッチ。「まだ上に3人いるから!!」 という言葉に、「オーケイ、オーケイ、わかった~」 と、べつの3人組と勘ちがいしちゃうんですなあ。ああ、かわいそうに…

 リフトが停止して、山の中腹に置き去りにされてしまった3人組。
 暗いよー、こわいよー、寒いよー、死にたくないよっ!!! という状況下で、徐々に追いつめられていくのですが…

 こういう内容はまず、好き嫌いがはっきりわかれるかもしれません。わたしは意地悪系はもともと好きなので、けっこう楽しめたんですが、閉塞的状況にイライラする、とか、キャラの破滅的な行動にイライラする! という方には、あまりむかないかもしれません~

 まず、作中でいちばんショッキングかつ盛りあがるシーンが、リフト停止早々にきてしまう!! もちろん、この後もいろいろと登場人物をイジメるシーンがあるのですが、うーんと、心理描写が若干手ぬるいかもです。
 だってー、自分たちの足下に〇〇があるにもかかわらず、爽やかな笑顔を見せられた日にはー、、、 ???妙な違和感をおぼえてしまいますよね!?

 こういう、極限状態に追いこまれたりするお話って、人間の本性が出てきてもよさそうだと思うんですが、この作品はなぜかそのへんのとこ、きれいにスルーしちゃってます。あと、つぎからつぎへと、悪いことが都合よくやってきちゃう(笑)。でも、ドラマじたいは丁寧に作られていて、登場人物たちに感情移入できるようになってるんですけどね。
 地味な内容だから、映像化するのはむずかしいんでしょう。小説だったらネチネチいじめられて、きっと楽しいホラーになっただろうなー、などと、悪趣味なわたしは思うんですが。

 なんだかんだいって、アダム・グリーンの新作ということで、おおいに期待しすぎちゃった一作。
 でも、この方はたいへん才気あふれる方でして、今後もかなり活躍してくれることになると思います。次回作が気になりますね。ホラー好きのみなさんは、必ずチェックしておきましょう!

 最後にこれだけはいわせてください~
 この作品、フローズンはあんま関係ないかもです~
 端的にいうと、〇〇れる映画!!








うわーい、
スキーだ、スキーだ










やってきました、
バカ3人!!










どーするよ??










ど、
どーするよ???






ほんと、
どーすんのよ!!!!








要注意人物です、
アダム・グリーン!







   Machete



(2010)アメリカ
出演…ダニー・トレホ
ミシェル・ロドリゲス
ジェフ・フェイヒー
監督…イーサン・マニキス
ロバート・ロドリゲス
★★★☆

〔ストーリー〕
 通称マチューテ(山刀)、トレホ演じるメキシコ政府に雇われた殺し屋。ある日、女が拉致された現場に警官と駆けつけるが、それは罠だった。目の前で恋人を殺されてしまう。
 それから数年後… 一匹狼となったマチューテは、ホワイトハウスから暗殺依頼をうける。それは、過激な政策で人気を集める悪徳上院議員、マクラフリンを抹殺してほしいというもの。高額な報酬をまえに、依頼をうけたマチューテだが…


 ついに製作されちゃいましたよ~、〈グラインドハウス〉のフェイクトレイラーのなかで、もっとも話題をさらった「マチューテ」!!
 トレホさんのブツブツお肌の迫力ドアップが、これでもか! と、堪能できる濃厚な内容となっております。

 えーと、わたしはイーライ・ロスの「サンクスギビング」も楽しみにしていたのですが、こっちのほうはどうも、実現しそうにないですね。なんか、似たよーなタイトルのパチモンが先に発表されちゃいました。あと、ロスが製作にまわった「The Last Exorcism」(2010)は、もーいー加減、飽きたよ! でお馴染みの、モキュメンタリーだそうです。ほんとにおもしろいんですか。まあ、評判は悪くないようなんですけど。

 …さてさて、本作のあらすじはだいたい、みなさんもご承知かと思います。マチューテ(ダニー・トレホ)はメキシコ人の凄腕殺し屋。ある日、アメリカ政府から特別な依頼をうけるものの、これまた罠だったのです! そして、見事嵌められてしまったマチューテは、どす黒い陰謀に巻きこまれてしまう~、というもの。
 ついでに、映画のなかのタイトルでは「トラブルメイカー」になっていました。小ネタにもこだわっております。

 この作品のすばらしいところはですね、フェイクトレイラーを忠実に再現している点です!!
 なので、「あっ、あのシーンも!」 「このシーンも!」 と、たしかに見おぼえのある場面がたくさん出てきます。フェイクトレイラーが公開された時点で、作品も完成していたんじゃないの?? と思っちゃうくらいの完璧な出来。そして、漫画のようにバカバカしい内容で、おおいに笑えます。

 のっけから、トレホが銃撃戦のなかを車で突っこむシーン、「んな、アホな~!」 というくらい、なぜかトレホさんだけ無敵です。弾が当たりません! んで、銃は使わずに、あくまでマチューテにこだわるのよ。おかしーでしょ、現実的に考えたら、ぜったい死んじゃうでしょ!! ですが、まあ、トレホさんですから、無敵でいいんです。漫画みたいに敵をバンバンやっつけて、そこがおもしろいんです!

 ほかの出演者さんたちも濃ゆい方ばっかりでして、マイノリティーを 「パラサイト」 呼ばわりしちゃう(!)超極悪上院議員のロバート・デ・ニーロさんは、まあ、予想どおりの悪役ぶりとしましても… 麻薬王のスティーヴン・セガールがまた、仰々しすぎて笑えます。(なんか、ぶつぶつエラソーなこといってるわりには、〇〇が異常に情けない~!!)
 マチューテに暗殺依頼をもちこむ政府の人間、マイケル(ジェフ・フェイヒー)が、唯一現実的な悪役っぽかったかな…?

 女性陣としては、捜査官のジェシカ・アルバ、マイケルの娘にリンジー・ローハン、マチューテに手を貸す友人ルズ(ミシェル・ロドリゲス)など、きれいどころもいっぱい。
 お騒がセレブのリンジーは、ほんとにきれいな顔してますよねー。ジェシカ・アルバだけ、ちょっと浮いてる(?)感じなんですけど、ルズ役のミシェル・ロドリゲスがサイコーによかったです。文句なしにカッコイイ! この方のウェストラインは、確実に惚れると思います!!

 このきれいどころが、トレホさんとつぎつぎ寝たがるっていう展開も… アリなんでしょう。わたしはこれ、「デューク東郷効果」 と呼びたいと思います。学でも財力でもなく、結局は “強い” オスがいちばん圧勝しちゃうんです!!

 で、当然戦闘シーンも気合が入っていておもしろいです。あんまり書くと、楽しみにしている方もいるかもしれませんので… 書きませんが、病院での戦闘シーンはとくに注目! ホラー心をがっしりわし掴みされるステキな展開です。

 ほかにも、マチューテと兄弟の杯をかわした元政府関係者の神父さん(チーチ・マリン)が、ナイスな味を出しておりました。そうそう、ありましたよねー、ショットガンを構えた神父さん!! ついでに、ナース姿の女の子が銃をぶっ放したり、尼僧さんが暴れてみたり!! みなさんの記憶にいちばん残っていると思われるのは、両手に美女をかかえたムフフなアレですが… アレって、ナントカどんぶりとかゆー、シチュエーションだったのですよー、うきゃー!!!!!

 短時間でいろんなものを見せられちゃって、とにかくお腹いっぱいになる映画です。で、当初からこの作品は、シャレで作ったものだとわりきって、ゲラゲラ笑いながら観るのが正しい鑑賞法かと思います。

 観終わっちゃうと、なーんも残んないけどね!
 でも、トレホさんフューチャーの映画は、映画ファンにはたまりませんよう!










彫りモノのような
すばらしいお顔!
一種の造形美ですね。









悪徳議員のデニーロと、
ジェフ・フェイヒー。










ほかの映画だったら、
ぜったい悪役顔です!






アハーン
シーンもあります!










ヒロイン部門は、
彼女が圧勝!!
ミシェル・ロドリゲス。







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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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