個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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Sauna
(2009)フィンランド・チェコ
出演…トミー・アロネン
ヴィレ・ヴィルタネン
ヴィクター・クリメンコ
監督…アンティ・ユーシ・アニラ
★★★☆
〔ストーリー〕
ロシア・スウェーデン戦争の終戦間近の1595年。4人のロシア人兵士、クヌートとエリックの兄弟、ロゴジン、ムスコたちは国境を越えようと、湿地帯をさまよっていた。途中で足休めに立ちよった農家の小屋で、ひとりの少女と出会う。小屋のなかにプロテスタント信仰の象徴が隠されていたことに、エリックは激怒。少女を穴のなかに生き埋めにして、そのまま立ち去ってしまう。
以来、彼女の亡霊にとりつかれてしまうエリック。やがて彼らは辺境の村にたどりつき、そこですべての罪を洗い流すことができるという、サウナの話を聞くのだが…
言語がわからないうえに、難解なストーリーでして、この解釈ではたしてあっているのかどうか、いささか自信がないのですが…(汗汗)、
とりあえず、イマジネーションが冴えまくっていておもしろかったので! どうにかむりやりレビューしちゃいます。
フィンランドですよ、フィンランド。もしかして、フィンランド産ホラーははじめてかもしれないです。〈トロント〉でもかなり話題になったようでして、全米公開権も獲得しました。監督さんがまた若い。わたしはよく知らないんですが、一部のマニアのあいだじゃ大ウケしたらしい、フィンランド産の武術映画(!)「Jade Warrior」(2006)の監督さんだそうです。で、これが二作目になるんですが。
ヨーロッパ映画って、どうもこう、青とか暗い色が基調の、ジメジメっとした寒い風景が特徴なんですけど、こういうの、好きな人にはとかくたまりませんよね~
サウナでホラーと聞くと、「とじこめられちゃって、まあ、たいへん!」 的な、単純でアホな内容しか浮かばないわたしですが、こちらはかなり上質。文学臭のただよう高尚なホラー・ドラマとなっております。
(内容確認があやふやなため、これであっているかどうか自信がないのですが)、16世紀末に起こったロシアとスウェーデン間の戦争が背景になっているようです。この後、何度もこのふたつの国家は戦争をくりかえすんですが、原因はカトリックを推し進めたいロシアと、プロテスタント国家のスウェーデンの覇権争いですね。ふう、宗教ってやつはこれだから… (イエイエ、個人的な主張ははさみません~!)
物語は終戦間近の国境付近の湿地帯からはじまります。
狡猾そうな兄クヌート(トミー・アロネン)を筆頭に、弟のエリック(ヴィレ・ヴィルタネン)、ロゴジン(レイン・トーク)、ムスコ(カリ・ケトネン)の4人は国境越えを目指します。しかし、彼らの手はあらゆる血で汚れ、おまけにひとりの少女を生き埋めにして見捨ててきたばかりでした… そのため、エリックは少女の亡霊につかれまくっちゃってます。
越境の途中、立ちよった辺鄙な村で、すべの罪を洗い流すことができるというサウナの話を聞きます。すると、たしかにそんな建物が。亡霊につきまとわれているエリックは始終挙動不審、ムスコの様子までおかしくなってきて、クヌートは怯える弟を叱咤するのですが…
…はあ、この内容であっているといいんですけど。
最初にトレイラーを見たとき、アートっぽい映画なのかな、フィンランドの民間伝承が入っているのかな? などと思ったりしたのですが、ちがいましたね。リロ・クートナーという方の脚本でして、格調高い雰囲気が魅力の、しっとりとした、しかし最後には仰天サプライズが待ち受けている!! そんな、最近にしてはめずらしい、なかなかのオリジナル映画でした。
物語に出てくるサウナですけど、みなさんが想像するような、あったか~い、湯気ほっかほか… そんな気持ちのいいもんじゃありません。すーごく寒そうです。やたらめったら! 寒々しいです。だって、ただの湿地帯のまんなかに、白い建物がぽつーんと建ってるだけですからっ!
このサウナが “すべての罪を洗い流せて、きれいになれる” というよりは、断罪の意味がこめられてまして、そこからもわかるように、兄弟たちは罪まみれなんですね。だから、少女の亡霊も恨みつらみの具現化ではなくて、エリックの罪そのものだと。
ちょっと雰囲気的に、むかしTVでも放映されてました、マーク・マクシェーンの 『雨の午後の降霊術会』 のドラマ化作品(…役所広司さん、吹風ジュンさんが出演されてました)みたいです。少女の亡霊がちょうどそんな感じなんですよ。物語も非常に文学系でして、最後に彼らの罪が白日のもとにさらされるとき… あっと驚くラストになっちゃうんですよ。
内容がよくわからなくても、こんなにおもしろかったんですから~。これは日本語版が出たら、ぜひもう一度観たい作品です。(そのときに、解釈がまったく変わってたらどうしよう…??)
これは観ておいたほうがいい映画です。フィンランド、レベル高いなー!!!
クヌート役のトミー・
アロネン。
「眼鏡、眼鏡…!」 と、
探すシーンが妙に
かわいそだったです。
エリック役のヴィレ・
ヴィルタネン。
兄とくらべると、
頼りない感じ…?
辺鄙な場所にとり残され
ちゃった兵士たち…
兄弟の愛憎なども
あったり。
サウナのなかには、なにが待ちうけている…?!?
(2009)フィンランド・チェコ
出演…トミー・アロネン
ヴィレ・ヴィルタネン
ヴィクター・クリメンコ
監督…アンティ・ユーシ・アニラ
★★★☆
〔ストーリー〕
ロシア・スウェーデン戦争の終戦間近の1595年。4人のロシア人兵士、クヌートとエリックの兄弟、ロゴジン、ムスコたちは国境を越えようと、湿地帯をさまよっていた。途中で足休めに立ちよった農家の小屋で、ひとりの少女と出会う。小屋のなかにプロテスタント信仰の象徴が隠されていたことに、エリックは激怒。少女を穴のなかに生き埋めにして、そのまま立ち去ってしまう。
以来、彼女の亡霊にとりつかれてしまうエリック。やがて彼らは辺境の村にたどりつき、そこですべての罪を洗い流すことができるという、サウナの話を聞くのだが…
言語がわからないうえに、難解なストーリーでして、この解釈ではたしてあっているのかどうか、いささか自信がないのですが…(汗汗)、
とりあえず、イマジネーションが冴えまくっていておもしろかったので! どうにかむりやりレビューしちゃいます。
フィンランドですよ、フィンランド。もしかして、フィンランド産ホラーははじめてかもしれないです。〈トロント〉でもかなり話題になったようでして、全米公開権も獲得しました。監督さんがまた若い。わたしはよく知らないんですが、一部のマニアのあいだじゃ大ウケしたらしい、フィンランド産の武術映画(!)「Jade Warrior」(2006)の監督さんだそうです。で、これが二作目になるんですが。
ヨーロッパ映画って、どうもこう、青とか暗い色が基調の、ジメジメっとした寒い風景が特徴なんですけど、こういうの、好きな人にはとかくたまりませんよね~
サウナでホラーと聞くと、「とじこめられちゃって、まあ、たいへん!」 的な、単純でアホな内容しか浮かばないわたしですが、こちらはかなり上質。文学臭のただよう高尚なホラー・ドラマとなっております。
(内容確認があやふやなため、これであっているかどうか自信がないのですが)、16世紀末に起こったロシアとスウェーデン間の戦争が背景になっているようです。この後、何度もこのふたつの国家は戦争をくりかえすんですが、原因はカトリックを推し進めたいロシアと、プロテスタント国家のスウェーデンの覇権争いですね。ふう、宗教ってやつはこれだから… (イエイエ、個人的な主張ははさみません~!)
物語は終戦間近の国境付近の湿地帯からはじまります。
狡猾そうな兄クヌート(トミー・アロネン)を筆頭に、弟のエリック(ヴィレ・ヴィルタネン)、ロゴジン(レイン・トーク)、ムスコ(カリ・ケトネン)の4人は国境越えを目指します。しかし、彼らの手はあらゆる血で汚れ、おまけにひとりの少女を生き埋めにして見捨ててきたばかりでした… そのため、エリックは少女の亡霊につかれまくっちゃってます。
越境の途中、立ちよった辺鄙な村で、すべの罪を洗い流すことができるというサウナの話を聞きます。すると、たしかにそんな建物が。亡霊につきまとわれているエリックは始終挙動不審、ムスコの様子までおかしくなってきて、クヌートは怯える弟を叱咤するのですが…
…はあ、この内容であっているといいんですけど。
最初にトレイラーを見たとき、アートっぽい映画なのかな、フィンランドの民間伝承が入っているのかな? などと思ったりしたのですが、ちがいましたね。リロ・クートナーという方の脚本でして、格調高い雰囲気が魅力の、しっとりとした、しかし最後には仰天サプライズが待ち受けている!! そんな、最近にしてはめずらしい、なかなかのオリジナル映画でした。
物語に出てくるサウナですけど、みなさんが想像するような、あったか~い、湯気ほっかほか… そんな気持ちのいいもんじゃありません。すーごく寒そうです。やたらめったら! 寒々しいです。だって、ただの湿地帯のまんなかに、白い建物がぽつーんと建ってるだけですからっ!
このサウナが “すべての罪を洗い流せて、きれいになれる” というよりは、断罪の意味がこめられてまして、そこからもわかるように、兄弟たちは罪まみれなんですね。だから、少女の亡霊も恨みつらみの具現化ではなくて、エリックの罪そのものだと。
ちょっと雰囲気的に、むかしTVでも放映されてました、マーク・マクシェーンの 『雨の午後の降霊術会』 のドラマ化作品(…役所広司さん、吹風ジュンさんが出演されてました)みたいです。少女の亡霊がちょうどそんな感じなんですよ。物語も非常に文学系でして、最後に彼らの罪が白日のもとにさらされるとき… あっと驚くラストになっちゃうんですよ。
内容がよくわからなくても、こんなにおもしろかったんですから~。これは日本語版が出たら、ぜひもう一度観たい作品です。(そのときに、解釈がまったく変わってたらどうしよう…??)
これは観ておいたほうがいい映画です。フィンランド、レベル高いなー!!!
クヌート役のトミー・
アロネン。
「眼鏡、眼鏡…!」 と、
探すシーンが妙に
かわいそだったです。
エリック役のヴィレ・
ヴィルタネン。
兄とくらべると、
頼りない感じ…?
辺鄙な場所にとり残され
ちゃった兵士たち…
兄弟の愛憎なども
あったり。
サウナのなかには、なにが待ちうけている…?!?
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「降霊」すっごく怖かった。
黒沢清監督の「降霊」の緑の服を着た
少女の霊はホントに怖かったです。
陽の光がサンサンと降り注ぐ平和な光景の
中にスッと立っているんです。日常の中まで
入り込んでくるんです。その子を誘拐した犯人
のところに出てくれればいいのに・・・。
少女の亡霊がこんな荒涼とした場所に現れたら
どんなにゾッとすることでしょう。
スェーデンの吸血鬼映画の原作「モールス」も
荒涼としておりました。
少女の霊はホントに怖かったです。
陽の光がサンサンと降り注ぐ平和な光景の
中にスッと立っているんです。日常の中まで
入り込んでくるんです。その子を誘拐した犯人
のところに出てくれればいいのに・・・。
少女の亡霊がこんな荒涼とした場所に現れたら
どんなにゾッとすることでしょう。
スェーデンの吸血鬼映画の原作「モールス」も
荒涼としておりました。
「降霊」
>亀母さん
そうそう、「降霊」ですね!タイトルをすっかり失念しておりました。
あのドラマ、よくできてましたよね。黒沢清監督は、幽霊の描き方が異常にうますぎです。
少女の亡霊不気味でした~、視覚的でないこわさがありますよね、よく見えないぶん、不吉なものを感じるみたいな。
「モールス」は吸血鬼の小説なんですか?スウェーデンの吸血鬼、荒涼としている、なんかよさげじゃないですかー!
そうそう、「降霊」ですね!タイトルをすっかり失念しておりました。
あのドラマ、よくできてましたよね。黒沢清監督は、幽霊の描き方が異常にうますぎです。
少女の亡霊不気味でした~、視覚的でないこわさがありますよね、よく見えないぶん、不吉なものを感じるみたいな。
「モールス」は吸血鬼の小説なんですか?スウェーデンの吸血鬼、荒涼としている、なんかよさげじゃないですかー!
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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