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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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    Antichrist



(2009)デンマーク・フランス・ドイツ…
出演…シャルロット・ゲンズブール
ウィレム・デフォー
監督…ラース・フォン・トリアー
★★★


〔ストーリー〕
 幼いひとり息子のニックを不慮の事故で亡くしてしまった夫婦。妻のダメージは大きく、身心ともにボロボロに。セラピストの夫はなんとか彼女を救おうとし、やがて、彼女のなかに不吉なイメージが去来していることを知る。そのイメージは、“エデン” と呼んでいた彼らの別荘に起因するらしく、去年そこで彼女はニックとともに、魔女狩りについての論文を書くために滞在していた。“エデン” にいけば、妻を苦しめている原因がわかるだろうか? そう考えた夫は、彼女を連れて自然に囲まれた別荘にむかうのだが…?


 軽い気持ちで観はじめたら、ぜったい後悔しちゃうよ!! 正月そうそう、パンチの効きまくりすぎた不快映画~!!

 …だって、デフォー様が出演してらっしゃるんですもん。観ないわけにはいかない
じゃないですか!
 ラース・フォン・トリアー監督は、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(2000)しか観たことないかもです。かなり実験的な映画を撮る方ですよね。あ、あと、「ドッグヴィル」(2003)なんてのもありました。もともと過激な表現をおそれない人で、ポルノまがいの内容も多く、さまざまな恐怖症をかかえているうえに、欝病に陥りやすい。それゆえに、神経質な内容も多いです。神経質といいますか、強迫観念が彼を映画にむかわせるんだと思います。

 で、この映画はタイトルからして見るからに挑発的なんですが、これほど観る人を選ぶ作品だとは思いませんでしたよ!  いやー、ほんとびっくりした!!
 そういえば、「ダンサー・イン~」 を観たときも、えらい自虐的な監督さんだなーと、思ったりしました。
今回は、その自虐性に輪をかけまして、他者にたいする暴力性も生々しい。そして、宗教的な意味あいもこめられています。まずは内容紹介から。

 オープニング、モノクロ映像のシャワールームで、妻(シャルロット・ゲンズブール)と夫(ウィレム・デフォー)の愛のシーンからはじまります。
 このOPが死ぬほどうつくしく、キラキラした水しぶき、ひらいた窓から入りこむ粉雪、男女の生々しいセックス、ベビーベッドを抜けだしてしまう子供… そうした映像が、ヘンデルの「アリア」をバックに淡々と映しだされます。この作品、男性器も女性器もあられもなくさらけだしてしまうんですが、ポルノ俳優を使ったとのこと。安心してください!

 とある過失から、この夫婦は幼い息子を失ってしまうんですが、妻のダメージはそうとうなものでした。日に日に衰弱し、精神を病んでしまう妻。セラピストである夫はなんとか彼女を救おうとし、やがて、彼女はなにか不吉なイメージにとらわれてしまっている、それは彼らの別荘に関係しているらしい? ということがわかります。
 セラピストらしく問題にむきあおうという夫の助言で、ふたりはその別荘に訪れるのですが…

 この作品はプロローグとエピローグ、「悲しみ」、「苦悩」、「絶望」、「三人の乞食」という4章から成り立っています。
 あらすじだけ読んでみますと、なんか「Vinyan」「変態島」2008)を思い出させるんですが、この作品はそれとはくらべものにならないくらい暴力性が強いです。ショッキングです。一応、それなりに心して観たんですが、あの、例の大問題のシーンになったとたん…

 あぎゃー!!! あだだだだだっ!!!!!

 もう、ぜんっぜん観ることができませんでしたよ。指の間からチラ見することもできませんでしたよ。「A L' interieur」「屋敷女」2007)「Martyrs」「マーターズ/殉教者」2008)も、しっかり鑑賞したわたしがですよ!! ひい~、こんなパンチ力が待っているとは、思いもよりませんでした。

 なんでも、この作品を製作中にも監督は欝状態に陥っていたとのこと。そこで自分のなかにある自虐的な暴力性、不穏な気持ち悪さみたいなものを、いっきに放出したかったそうなんです。あと、男性にとってはやはり、女性は悪魔になるんでしょうか。

 物語は静かに進んで、徐々になにかが起こりそうな緊張をはらんでいきます。この作品はデフォー様とシャルロットのふたりしか登場しないんですが、ふたりともすさまじいまでの生の演技を見せてくれます。デフォー様はひたすらやさしい。一方、悪魔にとりつかれてしまったシャルロットは…??

 …はあ、それにしてもデフォー様、こんな過激な作品に出演なさらなくても… なんて、小心者のわたしは思ってしまうのですが。とりあえず作品レベルは異常に高いです。ただ、あまりに観客を選ぶため、共感は得にくいですね。

 ショックが大すぎちゃったので、OPにもどってデフォー様の麗しい泣き顔を見て、なんとか気持ちを整えました。ああ、役者さんて、身体を張りすぎ。何度もいいますけど、ちゃんとポルノ俳優を使ってますからね!

 ということで、今回はお子様、気の弱い方、心臓の弱い方はぜったい鑑賞禁止!!
いろんな意味でヤヴァイ作品です。でも、これだけの爆発した作品を撮れたのだから、監督にとってはかなりいい経験になったみたいです。










OPのはっとするほどうつく
しいシーン。このさき、
あんなことが待ち受けて
いるとも知らずに…!!








傷ついた妻を回復させよう
と、夫は献身的な愛を
捧ぐのですが…









“エデン”の別荘にて。
セラピーはうまくいって
いるかに見えて…








妻の最後の正気の糸が
切れてしまったとき…!!















最後は笑顔のこの一枚。
デフォー様、トリアー監督、素顔はかわいいシャルロット







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無題
さっそくレビュー見させてもらいました!
シャルロット・ゲンズブール主演なんだ!
しかも デフォーは私も大好きです…
これはかなり興味深い映画ですな!!
要チェック度超高めです、ジョキ…うぅヤヴァイぜ!
ハニ URL 2010/01/04(Mon)12:47:10 編集
うひゃあ
>ハニさん
わざわざお越しいただいてありがとうございます!
うひゃあ~、思い出しただけでキョワイ…
HAPPY MOVIEでレビューするときには、キャプしちゃうんでしょうかね?
見たいような、見たくないような!
ショック大きめでした。シャルロットさんが壊れまくってたです。
ななみ 2010/01/05(Tue)20:53:30 編集
教えて!
こんばんわ、ホラー映画大好き!のmiyamotoです。
これ、どうやって視聴したんでしょうか?
いろいろ探したんですけど、見つからないんです。
miyamoto URL 2010/01/23(Sat)01:50:52 編集
了解しました!
>miyamotoさん
ざっと探したんですけど、ここがいちばん観やすいのではないかと思います。↓

(part1)http://www.zshare.net/video/64698127a081ca9e/
(part2)http://www.zshare.net/video/64698144a2eeb922/

 でもmiyamotoさん、かなりキツイ内容ですよ! 一応ちゃんと忠告しておきましたからね~~!!
ななみ 2010/01/23(Sat)23:02:56 編集
無題
ななみさん、こんにちわ。
視聴いたしました。
たしかにあのチョッキンは、女性にとってキツそうですね。それにしても重厚な作品でした。見てよかったです。
miyamoto URL 2010/02/21(Sun)09:47:58 編集
また思い出しちゃいました
>miyamotoさん
こんばんは、とうとうご覧になってしまったのですね!
男性にとっては、それほどでもなかったですかね?
でも、わたしにはかなりショッキングすぎちゃいました…ひい~
作品としてみても、ハイレベルな映画ですよね。
ななみ 2010/02/21(Sun)22:43:54 編集
ついに
一番観たかった本作観たですよ~~~
かなり強烈でした!!例のシーンもうもう唖然…
直視はできましたが…いやいやイデデデ!!
こんな強烈な映画は久々デス!!
これはかなりヤヴァイ映画デスよ…
でも観てよかったー
ハニ URL 2010/04/03(Sat)17:13:54 編集
おおお
>ハニさん
ぎゃ~~、ハニさんもついに観ちゃいましたのねっっ!!!
直視できちゃいましたか??
いやいや、わたしはたぶんダメです…思い出しただけで、もーう、いだだだだだ!!!
強烈すぎますよね、でも、質の高い映画なんだなというのはわかりました。質は高いんですけど、シャルロットもデフォー様も、なにもそこまでがんばんなくても…!!
えんらい熱演でしたよね~。過激すぎ、ヤヴァすぎましたけど、わたしも観てよかったと思います!!
ななみ 2010/04/03(Sat)23:42:52 編集
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ななみといいます
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女性
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 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

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〈苦手かも…〉
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