個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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Reazione a catena
(1971)イギリス/イタリア
出演…クローディーヌ・オージェ
ルイジ・ピスティリ
クラウディオ・カマソ
監督…マリオ・バーヴァ
★★☆
〔ストーリー〕
ある嵐の晩、海辺の屋敷に暮らす資産家のドナーティ夫人が、夫のフィリッポに自殺に見せかけて殺害されてしまい… と思ったら、今度はフィリッポが何者かに殺されてしまう!! その後フィリッポは行方不明に、人々は彼が妻を殺害したのではないかと噂するが…
フィリッポの娘で遺産相続人のレナータと夫のアルバートが屋敷にやってくると、隣人夫婦のパウロとアナ、ドナーティ夫人の私生児のサイモンと、なにやらみんなあやしく、隠しごとがある様子…? そして、土地開発をもくろむ建築家のフランクという、招かれざる客もやってくるのだが…
とうとう観ちゃいました!! バーヴァ後期の作品、「血みどろの入江」です。英題では、「A Bay of Blood」になっていまーす。
「血みどろの入り江」というと、すごく有名なお話ですが、「13金」の元ネタだったりします。ふーん、海辺でつぎつぎ殺人が起こる… まあ、そういう設定、たしかに似てますよね~ なんて、わたしなんか思ってましたが… じっさいに鑑賞してみますと、あらー!! まんまコピーじゃないですかっ! 驚いちゃいます。これはホント、ショッキング・シーンがそのまんまアメリカナイズされているわけですよ。
わたしはバーヴァにそれほどくわしくないので、あれこれ書くことはできないのですが… 「La Maschera del demonio」(「血ぬられた墓標」1960)を観ていただけたらわかるかと思いますが、超正当派のゴシックホラーを撮る方なんですよ。
で、「Sei donne per l'assassino」(「モデル連続殺人!」1964)なんかもそうですけど、アルジェントに影響を与えたのもよくわかる。アルジェントは世界的に大成功したけれど、師匠だったバーヴァのほうはというと、アルジェントのような華々しいハリウッド・デビューすることはできませんでした…
でも、マカロニ・ホラーといって、日本人にはたいへんたいへん、人気のある大御所監督さんです。アルジェント、バーヴァ、フルチ、この3人はぜったい押さえておきましょうね。はい、これ必修です。
話はもとにもどりますが、バーヴァというと超ゴシックホラーというイメージが強かったのですが… この作品を観て、だいぶ印象が変わりました。といいますか、もしかしてこれ、コメディじゃないですか…??
物語は、海辺の屋敷に暮らす車椅子の老婦人、フェデリカ(イザ・ミランダ)の登場からはじまります。彼女は美人さんでして、若いころはきっと… という感じの、品のよい老婦人です。広い屋敷のなかを移動する彼女… 鏡に映った自分に失望して、明かりを消したり、溜息をついたり。そしてバックには、しんみりしたピアノ曲が流れています。
なんだかうつくしくて悲しい場面ですね~… と思っていましたら、突然フェデリカ、首吊り自殺に見せかけて殺されちゃうじゃないですかー!!
犯人はお約束の黒手袋をしていまして… と思ったら、顔がハッキリ映っちゃいます。老婦人より若いです。のちに、これが夫のフィリッポ(ジョバンニ・ヌボルッティ)と判明するのですが、ははーん、財産目当てに結婚したんだなと想像できます。
フィリッポはご丁寧に遺書まで偽造して、まんまと完全犯罪をやってのけた! …と思っていましたら、今度はフィリッポが、何者かにグサグサ刺されて殺されちゃうじゃないですかー!! ひえーっ、いったいだれに??
そして、真相は闇のなかに… 数日後、おそろしい二重殺人事件があったとは知らない男女4人の若者たちが、能天気にバカ騒ぎにやってくるのですが… それが恐怖の惨劇のはじまりだったのです…!!
たぶん、あちこちの評なんかでネタバレしていると思われます。これは変則的なサスペンス… といっても、ジャーロではありません。といっても、「13金」のような、ひたすら殺戮場面をくりかえす! という創造性のかけらもないドライブイン・ホラーでも当然なし。(← あ、1作目はなかなかおもしろいと思いましたよ♪)
人がバッタバタ死んでいくのって、それだけでもなんかマンガっぽいし、欲に駆られた人間たちの愚かしさと悲しさをこれでもかと強調しているところがまた、おかしい。やっぱりこれはコメディですね。小説で申しわけないんですが、マイケル・マクダウェルの『アムレット』 みたいなお話です。
このように、ストーリーはとってもおもしろいんですが、76分とかなり短い。わたしが観たのはカット・バージョンなんでしょうか? それゆえに編集も荒かったです。もうちょっと丁寧な構成だったら、すんごい傑作になったと思うんですけどねー。
でも、変種ホラー? として名を残す、バーヴァの傑作だと思います。「13金」のスタッフがインスパイアされただけあって、殺害シーンはかなり残酷です。わたしはタコのシーンが好きですねえ…♪ 何度も書いちゃいますが、これは必修ですよ!
建築家のフランク
(C・アブラム)、
愛人のローラ
(A・M・ロザーティ)。
フェデリカの私生児
というサイモン
(右C・カマソ)
と、隣人のパオロ
(R・トリエステ)。
パオロの妻のアナ
(ローラ・ベッティ)。
バカ騒ぎにきた若者は、
桟橋で見てはいけない
ものを見てしまい…!!
遺産目当てにやってきた
夫婦、レオーナ(クロー
ディーヌ・オージェ)、
アルバート(ルイジ・
ピスティリ)。
(1971)イギリス/イタリア
出演…クローディーヌ・オージェ
ルイジ・ピスティリ
クラウディオ・カマソ
監督…マリオ・バーヴァ
★★☆
〔ストーリー〕
ある嵐の晩、海辺の屋敷に暮らす資産家のドナーティ夫人が、夫のフィリッポに自殺に見せかけて殺害されてしまい… と思ったら、今度はフィリッポが何者かに殺されてしまう!! その後フィリッポは行方不明に、人々は彼が妻を殺害したのではないかと噂するが…
フィリッポの娘で遺産相続人のレナータと夫のアルバートが屋敷にやってくると、隣人夫婦のパウロとアナ、ドナーティ夫人の私生児のサイモンと、なにやらみんなあやしく、隠しごとがある様子…? そして、土地開発をもくろむ建築家のフランクという、招かれざる客もやってくるのだが…
とうとう観ちゃいました!! バーヴァ後期の作品、「血みどろの入江」です。英題では、「A Bay of Blood」になっていまーす。
「血みどろの入り江」というと、すごく有名なお話ですが、「13金」の元ネタだったりします。ふーん、海辺でつぎつぎ殺人が起こる… まあ、そういう設定、たしかに似てますよね~ なんて、わたしなんか思ってましたが… じっさいに鑑賞してみますと、あらー!! まんまコピーじゃないですかっ! 驚いちゃいます。これはホント、ショッキング・シーンがそのまんまアメリカナイズされているわけですよ。
わたしはバーヴァにそれほどくわしくないので、あれこれ書くことはできないのですが… 「La Maschera del demonio」(「血ぬられた墓標」1960)を観ていただけたらわかるかと思いますが、超正当派のゴシックホラーを撮る方なんですよ。
で、「Sei donne per l'assassino」(「モデル連続殺人!」1964)なんかもそうですけど、アルジェントに影響を与えたのもよくわかる。アルジェントは世界的に大成功したけれど、師匠だったバーヴァのほうはというと、アルジェントのような華々しいハリウッド・デビューすることはできませんでした…
でも、マカロニ・ホラーといって、日本人にはたいへんたいへん、人気のある大御所監督さんです。アルジェント、バーヴァ、フルチ、この3人はぜったい押さえておきましょうね。はい、これ必修です。
話はもとにもどりますが、バーヴァというと超ゴシックホラーというイメージが強かったのですが… この作品を観て、だいぶ印象が変わりました。といいますか、もしかしてこれ、コメディじゃないですか…??
物語は、海辺の屋敷に暮らす車椅子の老婦人、フェデリカ(イザ・ミランダ)の登場からはじまります。彼女は美人さんでして、若いころはきっと… という感じの、品のよい老婦人です。広い屋敷のなかを移動する彼女… 鏡に映った自分に失望して、明かりを消したり、溜息をついたり。そしてバックには、しんみりしたピアノ曲が流れています。
なんだかうつくしくて悲しい場面ですね~… と思っていましたら、突然フェデリカ、首吊り自殺に見せかけて殺されちゃうじゃないですかー!!
犯人はお約束の黒手袋をしていまして… と思ったら、顔がハッキリ映っちゃいます。老婦人より若いです。のちに、これが夫のフィリッポ(ジョバンニ・ヌボルッティ)と判明するのですが、ははーん、財産目当てに結婚したんだなと想像できます。
フィリッポはご丁寧に遺書まで偽造して、まんまと完全犯罪をやってのけた! …と思っていましたら、今度はフィリッポが、何者かにグサグサ刺されて殺されちゃうじゃないですかー!! ひえーっ、いったいだれに??
そして、真相は闇のなかに… 数日後、おそろしい二重殺人事件があったとは知らない男女4人の若者たちが、能天気にバカ騒ぎにやってくるのですが… それが恐怖の惨劇のはじまりだったのです…!!
たぶん、あちこちの評なんかでネタバレしていると思われます。これは変則的なサスペンス… といっても、ジャーロではありません。といっても、「13金」のような、ひたすら殺戮場面をくりかえす! という創造性のかけらもないドライブイン・ホラーでも当然なし。(← あ、1作目はなかなかおもしろいと思いましたよ♪)
人がバッタバタ死んでいくのって、それだけでもなんかマンガっぽいし、欲に駆られた人間たちの愚かしさと悲しさをこれでもかと強調しているところがまた、おかしい。やっぱりこれはコメディですね。小説で申しわけないんですが、マイケル・マクダウェルの『アムレット』 みたいなお話です。
このように、ストーリーはとってもおもしろいんですが、76分とかなり短い。わたしが観たのはカット・バージョンなんでしょうか? それゆえに編集も荒かったです。もうちょっと丁寧な構成だったら、すんごい傑作になったと思うんですけどねー。
でも、変種ホラー? として名を残す、バーヴァの傑作だと思います。「13金」のスタッフがインスパイアされただけあって、殺害シーンはかなり残酷です。わたしはタコのシーンが好きですねえ…♪ 何度も書いちゃいますが、これは必修ですよ!
建築家のフランク
(C・アブラム)、
愛人のローラ
(A・M・ロザーティ)。
フェデリカの私生児
というサイモン
(右C・カマソ)
と、隣人のパオロ
(R・トリエステ)。
パオロの妻のアナ
(ローラ・ベッティ)。
バカ騒ぎにきた若者は、
桟橋で見てはいけない
ものを見てしまい…!!
遺産目当てにやってきた
夫婦、レオーナ(クロー
ディーヌ・オージェ)、
アルバート(ルイジ・
ピスティリ)。
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人気作なのに
>ユキままさん
これはなかなか、DVDが出るかどうか…
とにかく、画質悪いんですよ。へんなノイズとかも、思いっきり入ってますし!
なにより、編集がな~…って、これがいい味?出しているんでしょうか。よくわかりませんが。
でも、おもしろかったです。こてこてのコメディです。
これはなかなか、DVDが出るかどうか…
とにかく、画質悪いんですよ。へんなノイズとかも、思いっきり入ってますし!
なにより、編集がな~…って、これがいい味?出しているんでしょうか。よくわかりませんが。
でも、おもしろかったです。こてこてのコメディです。
ご覧になられたのですね。
「血みどろの入り江」もごらんになったんですね。
一応DVD化されてあの悪名高きJVDから発売されています。
ストーリィはちょっと荒唐無稽でしたが雰囲気が好きですね。「13日の金曜日」と見比べるとなかなか面白いです。確かにコメディかも・・
バーバのほかの映画はオムニバスの「ブラックサバス3つの顔」、「呪いの館」、「知りすぎた少女」なんかもお勧めです。
一応DVD化されてあの悪名高きJVDから発売されています。
ストーリィはちょっと荒唐無稽でしたが雰囲気が好きですね。「13日の金曜日」と見比べるとなかなか面白いです。確かにコメディかも・・
バーバのほかの映画はオムニバスの「ブラックサバス3つの顔」、「呪いの館」、「知りすぎた少女」なんかもお勧めです。
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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