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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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     Dead Ringers



    (1988)カナダ
    出演…ジェレミー・アイアンズ、ジュヌヴィエーヴ・
         ビジョルド、ハイジ・フォン・パレスク、
         バーバラ・ゴードン
    監督…デヴィット・クロネンバーグ
    ★★★


〔ストーリー〕
 生まれたときからいつも一緒、まるで一心同体のように育った一卵性双生児のエリオットとビヴァリー。容姿こそ瓜ふたつといえど、性格は正反対。兄のエリオットは野心家で社交的、たいするビヴァリーは繊細で努力家の青年だった。大人になった彼らはトロントに婦人科専門のクリニックを開業、穏やかな共同生活を送っていた。だが、ある日、女優のクレアがお忍びで彼らの病院に訪れる。彼女を診察したビヴァリーは、クレアがふつうとはちがう身体であることに驚き…


 今日はクロネンバーグの「戦慄の絆」をご紹介します。この作品、ジェレミー・アイアンズの二役があまりにも見事だったので、公開当時もたいへん話題になったそうです。そして、89年のアボリアッツではグランプリを獲得。クロネンバーグというと、エログロ趣味の過激な内容を想像してしまいがちですが、こちらはじっくり味わうサイコ・スリラーです。 ええと… スリラー… かな? じゃあ、心理系のサスペンスです。 ちょっと待ってください… サスペンス… かな?

 曖昧すぎる感想で申しわけないのですが、この作品を最初に観たとき、とても複雑な気分になったのを憶えています。主人公たち(エリオットとビヴァリー)にまったく共感できないんですが、かといって、腹立たしくもなく、まったく理解不能でもなく、なんともいえない薄暗い、見てはいけないものを見てしまったような… そんな罪悪感と残酷な喜び(?)みたいなものを感じたものです。

 原作は、これまたわたしの大好きな実力派女流作家、バリ・ウッドとジャック・ギースランドの共作の同名長編。ウッドは非常に知的な女性でして、なんと本業はお医者さん、その知識を生かして知的かつ繊細なホラーを発表している方です。そして本作は、なんとニューヨークでじっさいに起こった事件を元にしています。どういう事件かというと…… ~~~っっと!! これはネタばらしになってしまいますので、興味のある方は探してみてください。

 双子になったことがないので、彼らの生活、心情というものがよくわからないのですが… まるで自分の 「分身」 のように相手を信頼し、どんな秘密もわかちあう、というのはある意味 “究極のパートナーシップ” です。これはまた、こういう関係を知らない人間から見てみると、ちょっと異様で、やっぱり不健康で、「相手にどっぷり依存している」 ことも意味するのですが。

 ですが、お互いに依存しながらも、周囲には奇異に見えても、エリオットとビヴァリーは不思議とバランスのとれた生活を送っています。彼らにとってはそれが “フツー” なんですね。だって、幼いときからずっとそうだったから。ですが、ここにどことなく影があって魅惑的な女優・クレアが登場することによって、彼らの均衡は一気に崩れてしまいます。
 
 彼らが狂いだしたのはなぜなのか? なぜ、いきつくところまでいってしまったのか? という、明確な答えは提示されないのですが、他人の生活、それに触れることがちょっとコワくなります。人間心理ほど複雑怪奇なものはなし。
 また、この作品がやや消化不良だったという方は、原作を読んでいただけると、より深い、奇怪な人間関係が浮かびあがることはまちがいなしです。









 エリオットとビヴァリー(ジェレ
 ミー・アイアンズ)に挟まれた、
 女優クレア(ジュヌヴィエーヴ・
 ビジョルド)。








 少年時代の双子たち。
 やけに賢そうです。








 出ました! バーグ先生
 お得意の倒錯世界!






 狂いだした歯車は…
 (ほんとに双子にしか見えない
 見事な演技ですね!)


成功の階段を駆けあがるはずだった、若く、優秀な医師に起きた悲劇とは…?!







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無題
ども~( ^ω^)
凄い勢いでご覧になってますね~!
これ、懐かしいなぁ~♪
もう一度観てみます~。
terry URL 2008/11/06(Thu)22:50:21 編集
原作、分厚い・・・。
原作のみ読了済で映画は未見なんです。
双子の絆というとコミックに色々ありますなあ。
「サイファ」とか・・・。二人だけで安定、充足して
いる関係に第三者が関わるとこんな悲劇に
繋がるなんて。でも二人だけで生きるのも不健康
だし、そもそも社会的に無理だし。
バリ・ウッドは「殺したくないのに」もいいですね。
奈良の亀母 2008/11/07(Fri)12:08:47 編集
いまだけですが…
>terryさん
こんばんはです。
いや~、ちょっとした新作ラッシュにあたってしまいまして、かなりハイペースで観てしまいました。
まあ、またポツポツペースにもどっちゃうかと思いますが…(*´ー`) ご了承くださいね~
「戦慄の絆」、わたしも懐かしかったです。ジェレミー・アイアンズはいい役者さんですよね!
一度正統派のイギリス顔にはまって、彼の作品をたくさん観たことがあります。ジェレミーつながりで、ジェレミー・ブレット(ホームズの方)も大好きでした。
ななみ 2008/11/07(Fri)19:45:01 編集
たしかに、分厚いですね!
>亀母さん
わたしもこの作品を思い出すと、まっさきに浮かぶのが「サイファ」です。もしかして、この映画をヒントにして生まれたのかも…??
それから、亀母さんもウッドをお読みになってますね!
「殺したくないのに」、すごくロマンチックですよね~
わたしがいちばん好きなのは、「エイミー」です。ハラハラ感がたまりません!
ななみ 2008/11/07(Fri)19:49:31 編集
ビジョルド
ななみさんはジェレミー・アイアンズさんにはまっていたんですか。私は一時期ジュヌヴィエーヴ・ ビジョルド(舌をかみそう・・)さんにはまっていた時期があり、カルト映画「まぼろしの市街戦」、ロビン・クック原作の「コーマ」、デパルマの「愛のメモリー」なんかを見まくっていました。本作は私の好きなクローネンバーグ師匠の作品でもあるので要チェックでしたよ。赤い手術着なんてのも洒落ていますね。
他に類をみない独特な感性の映画です。
クロケット 2008/11/08(Sat)02:22:07 編集
ビジョルド
>クロケットさん
ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド(ほんとに舌噛みそう)といえば、「コーマ」! それから、「愛のメモリー」もすばらしかったですよね♪
「まぼろしの市街戦」は、はじめて聞くタイトルです…うーん、勉強になりますー!
バーグ先生の作品は、妙なテンションとお色気が楽しいですよね。でも、この作品はなかでも変り種かもしれません。悲劇なんだけど、甘美、ジェレミー・アイアンズの退廃的な堕落ぶりがステキでした。
ななみ 2008/11/10(Mon)22:11:30 編集
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