個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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Blindness
(2008)カナダ/ブラジル/日本
出演…ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、
ガエル・ガルシア・ベルナル、アリス・
ブラガ、伊勢谷友介、木村佳乃
監督…フェルナンド・メイレレス
★★★
〔ストーリー〕
とある都市で、ひとりの日本人青年が運転中に突然目が見えなくなってしまう。それは視界が白くぼやけるもので、これまでにない目の病の症状だった。やがて、おなじ症状を抱えた人々が続々と出現するようになる。彼らの診察にあたっていた眼科医は、翌日目覚めると、まったくおなじ状態に。なにかの伝染病ではないかと考えた彼は、妻を寄せつけまいと慌てふためくが、妻はなんとか彼をなだめて病院に連れていくが…
…まるでジョン・ウィンダムの 『トリフィド時代』 のようなオープニングですが、これはホラーではありません。ましてや、世紀末サバイバルでも、特異な状況に置かれた人間ドラマでもありません。原作は、ポルトガル人ノーベル文学賞作家・ジョゼ・サラマーゴの 『白い闇』 という作品で、(残念ながら未読なのですが)、共産主義者で無神論者という彼らしい、非常に寓話的な物語となっています。
監督のフェルナンド・メイレレスは、「シティ・オブ・ゴッド」(2002)、「ナイロビの蜂」(2005)で一気にアカデミー賞常連となってしまった実力派監督。(「ナイロビの蜂」のヒロインのレイチェル・ワイズは、ほんとに魅力的でしたよねー♪)、その彼が、この作品をどうしても映像化してみたかったんだとか。
ストーリーは、伊勢谷友介さん演じる日本人青年が、突然盲目になってしまうところからはじまります。彼はその後なぜか家に帰ってしまって(…アレ? 病院に行かないの?)、妻の木村佳乃さんに付き添ってもらい、ようやく眼科医にかかることに。舞台も架空の都市なら、登場人物たちも名前を持たないという、どこか現実味のない設定です。(…これは、共産主義の人らしい考えで、職業で相手を判断するという民主主義の傾向を批判しているんだそうです)。
やがて、“白い闇” の盲目現象は爆発的に拡大、マーク・ラファロ演じる眼科医もおなじ病にかかってしまいます。事態をおそれた政府は、彼らを廃病院に強制的に隔離。そしてそこには、なぜか感染しないひとりの女性・眼科医の妻(ジュリアン・ムーア)が…
こうして盲目の人たちの集団生活がはじまるのですが、当然ちゃんとした設備も物資もないわけですから、すさんでいきいます。眼科医の妻はそんななかでも献身的に彼らを支え、まるで天使のような存在で、希望の光の象徴。
盲目状態をいかに表現するかということで、白っぽくぼやけた映像が何度も出てきます。また、音も特徴的で、シーンとは関係のないところでべつの物音が突然割りこんでくる、といった具合。ゴミや排泄物だらけの病棟が痛ましいほどで、ここに “第三病棟の王” (!)を名乗る青年(ガエル・ガルシア・ベルナル)が登場することによって、いきつくところまでいってしまうという、悲惨なことに…!!
…ですが、さきにも述べましたように、現実味が薄く、まるでお伽話のような感覚なので、ひどいシーンも通り過ぎてしまえば、まるでなかったことのように(?)ストーリーが進んでいきます。人間の愚かさを描くという趣旨はほとんどなく、ただ、「人は盲目なったとき、どんな行動をとるか?」 という純粋な疑問と、それにたいする答えのようなものでしょうか。
思えば、“見えている” 状態は一種の 「信頼している世界」 を持っていることですが、その信頼(=信仰)を失ったとき、はたして人は再生できるのか…? いえ、もしかしたら、その信頼・信仰は、「ニセモノ」 かもしれない…! というメッセージが自ずと浮かびあがってきます。また、女性たちが男性にくらべて過酷な状況に順応しやすい、というのも原作者の皮肉なのかもしれません。
木村佳乃さんと伊勢谷友介さんが思っていた以上に活躍されていて、日本人としてはうれしいかぎりです。
閉じこめられてしまった眼科
医(マーク・ラファロ)と、その
妻(ジュリアン・ムーア)…!
不思議な魅力の黒い眼帯の
黒人男性
(ダニー・グローヴァー)。
娼婦役のアリス・ブラガ。
“第三病棟の王”、ガエル・
ガルシア・ベルナル!
健全者の妻を先頭に、
街中へ出てみるのですが…
(2008)カナダ/ブラジル/日本
出演…ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、
ガエル・ガルシア・ベルナル、アリス・
ブラガ、伊勢谷友介、木村佳乃
監督…フェルナンド・メイレレス
★★★
〔ストーリー〕
とある都市で、ひとりの日本人青年が運転中に突然目が見えなくなってしまう。それは視界が白くぼやけるもので、これまでにない目の病の症状だった。やがて、おなじ症状を抱えた人々が続々と出現するようになる。彼らの診察にあたっていた眼科医は、翌日目覚めると、まったくおなじ状態に。なにかの伝染病ではないかと考えた彼は、妻を寄せつけまいと慌てふためくが、妻はなんとか彼をなだめて病院に連れていくが…
…まるでジョン・ウィンダムの 『トリフィド時代』 のようなオープニングですが、これはホラーではありません。ましてや、世紀末サバイバルでも、特異な状況に置かれた人間ドラマでもありません。原作は、ポルトガル人ノーベル文学賞作家・ジョゼ・サラマーゴの 『白い闇』 という作品で、(残念ながら未読なのですが)、共産主義者で無神論者という彼らしい、非常に寓話的な物語となっています。
監督のフェルナンド・メイレレスは、「シティ・オブ・ゴッド」(2002)、「ナイロビの蜂」(2005)で一気にアカデミー賞常連となってしまった実力派監督。(「ナイロビの蜂」のヒロインのレイチェル・ワイズは、ほんとに魅力的でしたよねー♪)、その彼が、この作品をどうしても映像化してみたかったんだとか。
ストーリーは、伊勢谷友介さん演じる日本人青年が、突然盲目になってしまうところからはじまります。彼はその後なぜか家に帰ってしまって(…アレ? 病院に行かないの?)、妻の木村佳乃さんに付き添ってもらい、ようやく眼科医にかかることに。舞台も架空の都市なら、登場人物たちも名前を持たないという、どこか現実味のない設定です。(…これは、共産主義の人らしい考えで、職業で相手を判断するという民主主義の傾向を批判しているんだそうです)。
やがて、“白い闇” の盲目現象は爆発的に拡大、マーク・ラファロ演じる眼科医もおなじ病にかかってしまいます。事態をおそれた政府は、彼らを廃病院に強制的に隔離。そしてそこには、なぜか感染しないひとりの女性・眼科医の妻(ジュリアン・ムーア)が…
こうして盲目の人たちの集団生活がはじまるのですが、当然ちゃんとした設備も物資もないわけですから、すさんでいきいます。眼科医の妻はそんななかでも献身的に彼らを支え、まるで天使のような存在で、希望の光の象徴。
盲目状態をいかに表現するかということで、白っぽくぼやけた映像が何度も出てきます。また、音も特徴的で、シーンとは関係のないところでべつの物音が突然割りこんでくる、といった具合。ゴミや排泄物だらけの病棟が痛ましいほどで、ここに “第三病棟の王” (!)を名乗る青年(ガエル・ガルシア・ベルナル)が登場することによって、いきつくところまでいってしまうという、悲惨なことに…!!
…ですが、さきにも述べましたように、現実味が薄く、まるでお伽話のような感覚なので、ひどいシーンも通り過ぎてしまえば、まるでなかったことのように(?)ストーリーが進んでいきます。人間の愚かさを描くという趣旨はほとんどなく、ただ、「人は盲目なったとき、どんな行動をとるか?」 という純粋な疑問と、それにたいする答えのようなものでしょうか。
思えば、“見えている” 状態は一種の 「信頼している世界」 を持っていることですが、その信頼(=信仰)を失ったとき、はたして人は再生できるのか…? いえ、もしかしたら、その信頼・信仰は、「ニセモノ」 かもしれない…! というメッセージが自ずと浮かびあがってきます。また、女性たちが男性にくらべて過酷な状況に順応しやすい、というのも原作者の皮肉なのかもしれません。
木村佳乃さんと伊勢谷友介さんが思っていた以上に活躍されていて、日本人としてはうれしいかぎりです。
閉じこめられてしまった眼科
医(マーク・ラファロ)と、その
妻(ジュリアン・ムーア)…!
不思議な魅力の黒い眼帯の
黒人男性
(ダニー・グローヴァー)。
娼婦役のアリス・ブラガ。
“第三病棟の王”、ガエル・
ガルシア・ベルナル!
健全者の妻を先頭に、
街中へ出てみるのですが…
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
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