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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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    『スワン・ソング』


    原題 『Swan Song』
    (1987)
    ロバート・R・マキャモン:著
    加藤洋子:訳
    福武文庫/上・下巻
  


〔ストーリー〕
 ときは1980年代後半、第三次世界大戦が勃発。植物と心を通わせることができる不思議な力を持つ少女、スー・ワンダと元レスラーのジョシュは、ガソリンスタンドの地下室に閉じこもっていたために奇跡的に命を救われる。そして、べつの場所では、バックレイディの 「シスター」 が生き残った人々を導いていた。
 荒廃した世界、放射能障害、“核の冬” という極寒のなかで、なんとか生き延びようとする人たち。はたして世界は再生することができるのだろうか? そして、スワンたちに課せられた使命とは…??


 今回はマキャモンの 『スワン・ソング』 をご紹介します。
この作品、なんと現在絶版になっているそうです。「信じられなーい!」 とお嘆きのアナタ、もちろん読了していますよね。ほんと、こんなにクオリティの高い超娯楽大作が絶版だなんて、最近の出版業界はどうなっているんでしょう!

 …話が少し逸れてしまいましたが、最初にネタばらししてしまいますと、これはキングの終末超々大作 『スタンド』 のオマージュです。…といいますか、真似っこです。…といいますか、マキャモンは全作家人生を通して、「キング大好き♪♪♪超~キング憧れる!」 という方なのです。だから、いくらプロットが見たことあろうと、キャラが似通っていようと、そんなことは問題にならないのです。だって、おもしろいですから! ついでにいってしまいますと、『スタンド』 よりも読みやすいですから!! エンタに徹していますから!!!

 ストーリーは核戦争後の凄惨きわまる世界で、3つのグループにわかれて展開していきます。少女スワンと彼女の守護神のようなジョシュ、元バックレイディの 「シス
ター」、そして、ベトナム帰還兵のマクリン大佐とゲームおたく少年のローランド。
 ここに、「真紅の眼を持つ邪悪な男」 が登場することによって、物語はさらに複雑に入り組んでいきます。

 前半は、焦土と化した世界で必死に生き延びようとする人々の悲惨さや醜さなどがこれでもかと描写されますが、マキャモンの根底にあるのは、いつも 「善」「希望」。そのため、キングが徹底的に人の裏側を描こうとするなら、彼の場合は温かみがある、といった感じです。(…また、クーンツのような職業作家的な 「善」 ではないため、なぜか素直に共感できてしまうのです)。

 不思議な力を持つ少女・スワンが世界再生の鍵を握るわけですが、彼女にはさまざまな困難が立ちはだかります。そして、マクリン大佐とローランド少年は、狂った方向に突っ走ってしまいます。そして、核戦争を引き起こした張本人(!)も登場します。そしてそして、なぜかスワンをおそれる 「紅い眼の男」 の正体は…??

 物語の展開がスピーディーで、随所に楽しいエピソードがあり、ページをめくる手を止めさせません。(…キングの 『スタンド』 が壮大な一大叙事詩なら、こちらはより軽い娯楽小説といったところ)。キャラクターもベタなものが多いのですが、はっきりいって、こういうのは大好きです。とくに、なにがあってもスワンを守ろうとするジョシュがステキ!! ついでに、スワンに恋してしまう不良少年といった、これまたベタな展開も大好きです~

 マキャモンはまた、キャラクターを大事にする人らしく、退場させるにしても涙なくして読ませない技を心得ています。(ベタ~な展開には馴れているわたしですが、さすがに○○の退場シーンは… 涙ぐんでしまいました!)結末も当然のことながら、非常に非常に、感動的です。
 この作品でマキャモンの認知度があがったことはいうまでもないのですが、超能力少年の成長を描いた『ミステリー・ウォーク』 も超オススメ! こちらは、インディアンの血を引く少年ビリーが主人公で、なんと死者を見る能力を持っており、南部のうつくしい風景が印象的。父子の葛藤あり、善と悪の戦いありで、すばらしい青春ホラーだと思います。タイトルの意味は、おなじ能力を持つ母親の言葉、「神秘の道を歩きなさい」 からきています。






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絶賛品切れ中・・・。
マキャモン作品の根底にあるのは「善」「希望」。
そう、その通り!キング御大の暗いねちっこさは
ないから読後感がホンワリしてます。
もっと読みたいのに殆ど絶版品切れ・・・。
私は「ブルーワールド」の「キイスケの駕籠」が
一番好きなんです。キングの実の息子さんの
ジョー・ヒルの作品も読みましたが、お父さん
程面白くなかったです。
奈良の亀母 2008/11/08(Sat)11:51:06 編集
探索中
>亀母さん
亀母さんもマキャモンにはまっていますねー♪
そうなんですよ、ほとんどが絶版品切れ状態…
地道に古書店で集めていますけど、まだ全部揃っていません(悲)。
「ブルーワールド」は佳作揃いでしたよね!
「キイスケ」はほんわかホラー(…ホラーじゃないですかね?)の代表作みたいなものです。
「夜はグリーンファルコンを呼ぶ」も好きでした。短編にしておくにはもったいない(?)アイデアだと、当時は思ったものです。
それから、キングの息子さんが作家デビューしていたんですか!
ひえ~、ぜんぜん知りませんでした。(そういえば、奥サマも一時期話題になりましたが…)
どんな内容なんでしょう? ちょっと読みたいような、読みたくないような…!?
ななみ 2008/11/10(Mon)22:17:26 編集
やっぱりキング御大は偉大です!
ジョー・ヒルという方は最初、偉大な作家である
父親と比較されるのを避けるためキングの実子
という事を伏せていたそうです。
「20世紀の幽霊」という短編集を読みましたが
ホラーというよりは奇妙な味といった感じでした。
デビュー作の長編が映画化されるそうです。
お父さんの「1408号室」も映画化楽しみ!
奈良の亀母 2008/11/11(Tue)14:26:21 編集
1408
>亀母さん
奇妙な味テイストの作家さんなのですね。そういうのも、もちろん大好きです♪ さっそく書店で探してみますね~!
「1408号室」ですが、人によって評価がわかれる作品のようですね。わたしはけっこう楽しめたんですけど、なんといいますか、「海外の幽霊」というとこんな感じなのかな、という印象を受けました。脚本よりも、役者さんたちの熱演がすごかったかもしれません…?
ななみ 2008/11/12(Wed)13:42:36 編集
無題
横合いから失礼致します。
若し、未だ読了なさっていらっしゃらない場合、同作家の『遥か南へ』に目を通してみて下さい(後書きにある作品リストの『Gone South』がそれです)。
本作(『スワン・ソング』)と同じ筋立て・キャラ立てで、よりソリッド、且つロジカルな内容の作品です。
ホラーにカテゴライズするのは憚られる作品ではありますが、マキャモンのアウトサイダーに対する限りなく温かな視線と、爽やかな読後感は健在、読み比べてみるのも一興かと存知ます。
Doom Shaman 2009/02/10(Tue)21:29:51 編集
Doom Shamanさん♪
初コメ、ありがとうございます!
横合いなんて遠慮なさらず、どんどん好きなことを残していってください。そういうブログですから~
「遥か南へ」、もちろん読みましたよ!
そうですよね、あれはホラー?いえ、人生と希望を見いだすまでの困難の旅…??
でも、マキャモンらしさがこれでもかと表現されていて、お気に入りの作品のひとつです♪ 軽率なハッピーエンドにならないところがまた、ジンときてしまいました。
マキャモンはこの作品を最後に方向性を失ってしまって、しばらく筆を折っていたのですが…
魔女ものを機に、ちゃんと復活してくれたんでしょうか?ファンとしては、すごく気になるところですね。
わたしはこの方の誠実なストーリー(人間愛にあふれているところなんか)が大好きです。
ななみ 2009/02/11(Wed)19:57:56 編集
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 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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