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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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     The Lost


(2005)アメリカ
出演…マーク・センター
シャイ・アスター
メーガン・ハニング
監督…クリス・シヴァートソン
製作…ラッキー・マッキー
★★☆


〔ストーリー〕
 60年代のニュージャージー州の保養地スパルタで、地元の不良少年レイは2人の女子大生にいきなり発砲した。理由は、彼女たちがキスしたからだ。
 それから4年後、レイの犯行は発覚しないまま、命をとりとめた意識不明の少女は死亡した。中年刑事のチャーリーは事件の再捜査を強く決意し、レイに圧力をかけて新たな展開を図ろうとするが…


 お待たせしました! …か、どうかはわかりませんが、ジャック・ケッチャム原作 『黒い夏』 の映画化作品です。2年前にすでに完成していたんですが、インディ系でして、上映される機会もないままに、フェスティバルなどを転々としていたようです。

 監督のクリス・シヴァートソンは、リンジー・ローハン主演のサイコ・ミステリ
「I Know Who Killed Me」(2007)を撮った方だったんですね。(…う~ん、この映画、いろんな意味で微妙でした!)
 ケッチャム作品は続々と映画化されているようですが、この作品にかぎっていえば、まず驚いたのが、キャスティングが非常に、忠実なくらい細かい! んです。

 原作を読んだ方ならわかると思うんですが、もう、そのまんまなんですよ。
主役のサイコ・レイをはじめ、彼をとりまく3人の女の子(…だらしない雰囲気のジェニファー、お金持ちで絶世の美女のキャサリン、知的でカワイイサリー)などなど、イメージぴったりの役者さんを見つけてきたよう。これにかぎらず、レイの両親、ジェニファーの養父母、サリーの親友、ドラッグ・パーティーの面子、バーガーショップのウェイトレスでレイに夢中のローティーンの女の子… などなど、ほんと、とにかく細かい~!

 オープニングからショッキングです。被害者の女子大生のひとりをエリン・ブラウン(別名ミスティー・マンディー)が演じているんですが、あっという間に殺されてしまいます。
このレイを演じるマーク・センターくん、ナルシストで、幼稚で、危険きわまりなく、バカバカしい虚栄心の塊といったキャラクターに、これまたぴったりです。

 原作では、レイは、“とくに理由もなく、極悪な人間として誕生した” といったことが強調されているんですが、こちらもそんな内容なんですね。男のくせに化粧をして、自分がカッコイイと思いこみ、魅力的な女の子と見るや、すぐにニヤニヤしながら近づく… それで、拒絶されれば態度を急変! まるでキレやすい子です。でも彼は、キレやすい子以上に危険な存在なのです。

 惜しむらくことは、この “危険さ” が、切迫するほど感じられない点。鏡を使って気持ちをリセットするなど、彼のサイコパスぶりがうまく表現されているシーンもあるんですが、殺戮にいたる異常心理が少しもの足りないでしょうか…

 全体的に、すごく軽いです。「あえて軽くしたのかな?」 と、思ったりもしたんですが、(← そうすることによって、たしかに “現代殺人” といった趣は出ているんですけど)、これだけアクの強いキャラなんですから、個人的にはそのあたりをもっと掘り下げてほしかったかナー、なんて…
正直、ストーリーの衝撃さに助けられているといった、感触です。

 ですが、やはりラストの残虐鬼畜っぷりは、映像化すると不快度さらに200%!! 免疫のない人は、うかつに手を出さないようにしましょう。
 










シヴァートソンのレイは、こんな感じ!
全身黒ずくめ、リーゼント、アイライン!






ナルシスなレイは、黒子まで自分で
書いてます。どうしてこんなうさんくさ
い男がモテるんでしょうー?!?









キャサリン役のロビン・シドニー。
大胆な演技に注目です!







ちょっと子供っぽい感じのサリー(メーガン・ハニング)。
サリーは頭がいいので、レイの小細工には騙されません。




終始こんなニヤニヤ顔で、ためらいもなく銃をぶっぱなします。
ケッチャムは執筆するとき、必ず実話をもとにしているんですが、
映画の中のレイは、「現在」の危機感にかぎりなく近いです…
(そこがまた、不気味…!)






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ロビン・シドニーさん
またまた発見ですか!ロビン・シドニーさん。
どうしても目が行ってしまいますね~ドコに?
メモしておかないと、忘れそうです・・(-_-;)
しかし情報が早いですね。オドロキ!
さて、ねこじかんです
(-_-)(_ _)(-_-)(_ _).。oOO
盆踊り URL 2008/03/21(Fri)23:20:09 編集
ケッチャム作品は受けないのでしょうか。
「隣の家の少女」と一緒で原作を一回読んだだけ
です。再読できるのは「オフシーズン」だけ。
だって心底不愉快になって落ち込むんダモ。
これは作者に対してではなく登場人物の鬼畜さ
が社会に実在することに対してですが。
サイコ・レイみたいな奴が娘に近づきませんように。
でもこういう奴いるんやわ。
奈良の亀母 2008/03/22(Sat)19:50:04 編集
無題
ケッチャムにしては、”良心的”作品だと思うのですが、
やっぱり冷酷な展開なのは確かですよねー。

まだ未見なのですが、レイの最後も本の通り描かれます?
「隣の家の少女」は凄く良かったのですが、
後日談のあたりに不満があったので、本作ではどうなのかな?っと。

##
エリン・ブラウンの方向性がますますわからん・・(笑

ナマニク URL 2008/03/23(Sun)15:57:15 編集
盆踊りさん♪
そーなんです、またまた発見しちゃいました!
映画のほうはかなりへヴィーな内容なんですけど、女優さんたちがけっこうがんばっています。
盆踊りさんお気にのロビン・シドニーもそうなんですけど、しょっぱなからエリン・ブラウンのオールヌードではじまります~。。。でも、この方、幼児体型すぎて、あんまりえち~ではありません…
…ということで、ねこじかん前に貴重な情報を書いてみました♪
ななみ 2008/03/23(Sun)22:33:01 編集
ええっ!
しょっぱなからエリン・ブラウンさんのオールヌードではじまりですか?
う~ん・・眠れない!
ねこじかんなのに・・・(日曜はねこじかん早いです)
盆踊り URL 2008/03/23(Sun)22:40:58 編集
亀母さん♪
ケッチャムは読者には大人気なんですけど、出版社が二の足を踏むという作家さんのようですね…
この作品も、かな~り不愉快でした。
こんな男、(程度の差もありますけど)、たしかに実在してますよね! 現実的に考えると、ほんと暗鬱とした気分になります…
ところで、「オフシーズン」は、いちばんストレートなホラーだと思うんですけど、過激すぎて映画化されないんでしょうかね…?
ななみ 2008/03/23(Sun)22:44:12 編集
あ、盆踊りさん!
またニアミスですね!
わたしは「ガキの使い」を観てから寝ます。
おやすみなさい~♪
ななみ 2008/03/23(Sun)22:45:44 編集
ナマニクさん♪
…ううーん、
けして悪くはないんですけど、「隣の家~」が、かなり出来がよかっただけに、この作品はもの足りないと思えるかもしれません…
なんといいますか、原作そのまんまをなぞっている感じです。
それから、後日談はナシなんですよ。
でも、原作でレイに天罰がくだるあたりを読んだとき、「あれ…? とうとうケッチャムも、丸くなっちゃいましたか?」と、思ったもんです。同感です。
話は変わりますが、エリン・ブラウンのオールヌードにはびっくりしました…♪
ななみ 2008/03/23(Sun)22:53:49 編集
オフシーズン大好き。
ななみ様、こんばんわ。
「オフシーズン」はどの場面に力を入れるかで
全然違う映像になると思います。
ゴアな食人や人肉料理を主題にするのか
ヒロインの絶望を主題にするのか、
必死で頑張ったヒーローが無惨に警官隊に
蜂の巣にされる不条理を描くのか・・・。
でもオフシーズンの食人種達は他のケッチャム作品
に出てくる鬼畜よりカラっとしていてマシです。
ライオンが鹿を喰うような。
奈良の亀母 2008/03/23(Sun)23:11:45 編集
オフスプリング
「オフ~」シリーズは、ケッチャムの真骨頂といいますか、善悪のボーダーがきれいにとっぱらわれているところが、イイですよね。
田舎に憧れる都会人と、田舎で暮らす食人族と、どちらも利害感情がなく、「ただ、そうして生きてきたから」または、「生き残りたいから!」という、これまた明白な理由のもとに、大激突!
映像化するんだったら、あんまりジメジメしたものにしないでほしいですねー。
そのまえに、監督さん選びでまたたいへんそうです。
ななみ 2008/03/24(Mon)23:32:32 編集
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 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

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 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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