個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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Ce que mes yeux
ont vu
(2007)フランス
出演…シルヴィー・テステュー
ジャン・ピエール・マリエル
ジェイムズ・ティエレ
監督…ローラン・ド・バルティヤ
★★☆
〔ストーリー〕
18世紀のフランスの画家ワトーの絵に描かれている “後ろむきの女性” に興味を持ち、彼女の正体を突きとめようとする美術史専攻の学生リュシー。しかし、指導教授のデュサールは彼女の熱意に寛大ではなく、あからさまに反対されてしまう。ある日、いきつけのカフェで聾唖の青年ヴィンセントと知りあい、彼の無垢で謎めいた雰囲気にすこしずつ惹かれていくリュシー… 彼女は自分から宣言した期限内に、ワトーの絵に秘められた謎を解明しようとするのだが…
ここで紹介するには、あまりに高尚すぎる内容かな~… などと、一瞬躊躇してしまったのですが、個人的にはかなりよかったので、レビューさせていただきます。英題では、「What my eyes have seen」。18世紀のフランスで活躍した、ロココ調の宮廷画家ジャン・アントワーヌ・ワトーの作品群をめぐる知的ミステリーです。
ヒロインのリシューを演じるのは、シルヴィー・テステュー。わたしはまったく知らなかったのですが、フランスでも有名な女優さんらしいです。まあ、こういってはなんですが、小柄で、非常に知的な雰囲気をただよわせながら、どこか頼りなげで子供っぽくて… ざっくばらんにいってしまうと、「性的魅力」が皆無な女性といった感じでしょうか~(笑)。フランスの女優さんというと、こんな感じの方がわりと多いような気がするんですが、あちらではそんなタイプの女性がモテるんでしょうか? シルヴィーもこの例に洩れず、華奢で少年ぽい魅力がなかなかステキです。
リシューは世間のイメージを地でいくような、硬派な美大生。情熱もあり、向上心も人一倍あるのですが、家賃を滞納していて、舞台俳優の姉のところにしょっちゅう頼りにいきます。そんな彼女が目をつけたのが、ルイ15世のお抱え画家だったワトー。彼の絵には、“後ろむきの女性” がいくつも登場してきます。「彼女はいったい何者だろう? ワトーとどんな関係があったのか?」 リシューがこの疑問に多大な関心をよせたところから、物語がスタートします。
ぶっちゃけ、ストーリーに目立った起伏はなく、むしろ地味な内容なのですが、日本人にもあまり馴染みの薄いワトーという画家の世界が見事に描かれていて、気づいたら夢中になって観てしまいました。印象派の画家とは両極端に位置するような、曖昧な、ときに官能的で、まるで夢の世界を描いているような作品の数々を画面いっぱいに見せられていくうちに、自然と引きこまれていってしまうことは確実。うーん、これは、きっとワトーの魔力が一枚噛んでいますね。
指導教授のデュサールを演じるジャン・ピエール・マリエルがまた、気取ったインテリながら、ひそかに若い魂に嫉妬する執念深さを醸しだしていておもしろいです。フランスの美術界というと、こんな男性が必ずいそうですね。
それから、聾唖の青年ヴィンセント(ジェイムズ・ティエレ)とリシューの穏やかながら情熱的なひとときも、いかにもフランス映画の撮り方をしているなーと、感じました。余計なセリフが省かれているっていうんでしょうか、目と目で、表情で語りあう…! 彼らのささいな心情にも集中できていいですね。
あとで調べてみてわかったのですが、このヴェンセント役のジェイムズ・ティエレ、なんと、あのチャールズ・チャップリンのお孫さんなんだとか!!
なーるほど、いわれてみれば… たしかにそんな雰囲気があります。ご自分でもサーカス団を持っていて、なんだか舞台に立つ方に特有の、表情の奥深さが顔に滲みでていますよね。
ホラーではありませんが、じゅうぶんミステリアスで興趣深い作品です。ローラン・ド・バルティヤの監督デビュー作にして、88分というタイトなまとめ具合も気に入りました。たまにはこんな高尚趣味の映画に浸ってみてはいかがでしょう…?
リシュー役のシルヴィー・
テステュー。
ワトーの
「後ろむきの女性」に
興味を抱くようになり…
専任教授のデュサール
は、なぜかリシューの
研究に難色を示します。
聾唖の大道芸人
ヴィンセント
(ジェイムズ・ティエレ)。
笑っているのに、
同時に哀しく見える
のはなぜ…?
映画の中にも登場するワトー作
『道化師ジル』。
足下の動物に注目。
彼が作中の人物とどんな関連があるのか…
もう、おわかりですよね!
ont vu
(2007)フランス
出演…シルヴィー・テステュー
ジャン・ピエール・マリエル
ジェイムズ・ティエレ
監督…ローラン・ド・バルティヤ
★★☆
〔ストーリー〕
18世紀のフランスの画家ワトーの絵に描かれている “後ろむきの女性” に興味を持ち、彼女の正体を突きとめようとする美術史専攻の学生リュシー。しかし、指導教授のデュサールは彼女の熱意に寛大ではなく、あからさまに反対されてしまう。ある日、いきつけのカフェで聾唖の青年ヴィンセントと知りあい、彼の無垢で謎めいた雰囲気にすこしずつ惹かれていくリュシー… 彼女は自分から宣言した期限内に、ワトーの絵に秘められた謎を解明しようとするのだが…
ここで紹介するには、あまりに高尚すぎる内容かな~… などと、一瞬躊躇してしまったのですが、個人的にはかなりよかったので、レビューさせていただきます。英題では、「What my eyes have seen」。18世紀のフランスで活躍した、ロココ調の宮廷画家ジャン・アントワーヌ・ワトーの作品群をめぐる知的ミステリーです。
ヒロインのリシューを演じるのは、シルヴィー・テステュー。わたしはまったく知らなかったのですが、フランスでも有名な女優さんらしいです。まあ、こういってはなんですが、小柄で、非常に知的な雰囲気をただよわせながら、どこか頼りなげで子供っぽくて… ざっくばらんにいってしまうと、「性的魅力」が皆無な女性といった感じでしょうか~(笑)。フランスの女優さんというと、こんな感じの方がわりと多いような気がするんですが、あちらではそんなタイプの女性がモテるんでしょうか? シルヴィーもこの例に洩れず、華奢で少年ぽい魅力がなかなかステキです。
リシューは世間のイメージを地でいくような、硬派な美大生。情熱もあり、向上心も人一倍あるのですが、家賃を滞納していて、舞台俳優の姉のところにしょっちゅう頼りにいきます。そんな彼女が目をつけたのが、ルイ15世のお抱え画家だったワトー。彼の絵には、“後ろむきの女性” がいくつも登場してきます。「彼女はいったい何者だろう? ワトーとどんな関係があったのか?」 リシューがこの疑問に多大な関心をよせたところから、物語がスタートします。
ぶっちゃけ、ストーリーに目立った起伏はなく、むしろ地味な内容なのですが、日本人にもあまり馴染みの薄いワトーという画家の世界が見事に描かれていて、気づいたら夢中になって観てしまいました。印象派の画家とは両極端に位置するような、曖昧な、ときに官能的で、まるで夢の世界を描いているような作品の数々を画面いっぱいに見せられていくうちに、自然と引きこまれていってしまうことは確実。うーん、これは、きっとワトーの魔力が一枚噛んでいますね。
指導教授のデュサールを演じるジャン・ピエール・マリエルがまた、気取ったインテリながら、ひそかに若い魂に嫉妬する執念深さを醸しだしていておもしろいです。フランスの美術界というと、こんな男性が必ずいそうですね。
それから、聾唖の青年ヴィンセント(ジェイムズ・ティエレ)とリシューの穏やかながら情熱的なひとときも、いかにもフランス映画の撮り方をしているなーと、感じました。余計なセリフが省かれているっていうんでしょうか、目と目で、表情で語りあう…! 彼らのささいな心情にも集中できていいですね。
あとで調べてみてわかったのですが、このヴェンセント役のジェイムズ・ティエレ、なんと、あのチャールズ・チャップリンのお孫さんなんだとか!!
なーるほど、いわれてみれば… たしかにそんな雰囲気があります。ご自分でもサーカス団を持っていて、なんだか舞台に立つ方に特有の、表情の奥深さが顔に滲みでていますよね。
ホラーではありませんが、じゅうぶんミステリアスで興趣深い作品です。ローラン・ド・バルティヤの監督デビュー作にして、88分というタイトなまとめ具合も気に入りました。たまにはこんな高尚趣味の映画に浸ってみてはいかがでしょう…?
リシュー役のシルヴィー・
テステュー。
ワトーの
「後ろむきの女性」に
興味を抱くようになり…
専任教授のデュサール
は、なぜかリシューの
研究に難色を示します。
聾唖の大道芸人
ヴィンセント
(ジェイムズ・ティエレ)。
笑っているのに、
同時に哀しく見える
のはなぜ…?
映画の中にも登場するワトー作
『道化師ジル』。
足下の動物に注目。
彼が作中の人物とどんな関連があるのか…
もう、おわかりですよね!
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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