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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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   『ミステリー』


原題:『Mystery』
(1989)
ピーター・ストラウブ:著
芹澤恵:訳
扶桑社文庫
 
   

〔ストーリー〕
 カリブ海の小さな島ミル・ウォークに暮らす少年トム。祖父のグレン・アップショウは島の有力者、家は富裕だが、両親は不仲で、情緒不安定な母はアル中だった。ある日、ふとした好奇心から、祖父が追いかえした浮浪者風の男の住む場所にいってみようと思いつく。だが、そこで地元の不良少年たちに目をつけられ、逃げる途中で彼は車に轢かれてしまうのだが…


 あまりにも好き♪♪♪ すぎて、まともな感想を書けるかどうか(?)すこし不安なんですが、ついに登場させてしまいました、 ピーター・ストラウブです!

 ストラウブというと、『ゴースト・ストーリー』 だよ! という人が大多数かもしれません… もしかしたら、最新作の 『ヘルファイア・クラブ』 だよ! という方もいるかも。かくいうわたしも、どちらも大好きなんですが、今回はどうしてもこの作品を紹介したいと思いました。

 ストラウブの本をどれか一冊でも読んだことのある方なら、もうご存知だと思いますけど、この方の本はきわめて文学的です。高尚です。洗練されています。

 ここで、ホラーに “高尚さ” は必要なのか? という疑問が出てきてしまいそうですが、ストラウブにかぎっていえば、まったくの違和感なしです。
だって、ジェイムズだってホーソーンだって、幽霊小説を書いているじゃありませんか。ようは、文学肌の作家さんたちが、そこに及び腰になっていたということなんですね。そして、「文学的なホラーでも十分売れるノダ!」 ということを、はじめて証明してみせた作家さんでもあります。

 物語は、トムが高校生になってから本格的にスタートします。複雑な家庭環境で育ったトム、一風変わった雰囲気を持ち、周囲には溶けこまず、ちょっと陰がある不思議な青年… おかげで、ホモっ気のある先生が興味を覚えちゃいます。が、ほかにも興味を抱いた人がいました。幼馴染みの美少女サラと、トムのむかいの豪邸に住む、やっぱり変わり者の老人ラモント・フォン・ハイリッツ。

 このラモント老人、名前のとおり、ただの変わり者ではありませんでした。若いころは、すっごく有名な「素人探偵」だったのです。そして、トムとラモントが手を組んで、未解決の事件に乗りだすと… なんと、巨大なナゾに繋がってしまうという… (ううーん、これ以上は、もうなにもいえません!!)

 とにかく、キャラクター描写が知的なほどすばらしく、会話も完璧、ちょっとした心情や情景描写もサイコー、構成なんか、ほんとに凝っています。これぞプロの技です。ため息がでちゃうほどです。(…わたしのいちばんのお気に入りは、ラブ・シーンだったりします)← ここは惚れますよ~

 また、この作品は〈ブルー・ローズ〉三部作の一冊でして、これのほかには、ベトナム帰還兵のミステリものの 『ココ』、おなじくサイコものの 『スロート』 があります。ちなみに、〈ブルーローズ〉三部作とは、アンソロジー 『カッティング・エッジ』 に収録されている 『ブルー・ローズ』 という短編からはじまる一連のミステリ小説です。(…内容は微妙に繋がっていないようで、微妙に繋がっています…!)←  こちらは、ニューロティック・ホラーの最高峰ですので、絶対読み逃しのないように!!






 

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ストラウプお好きなんですね。
この作家さんは私には洗練されすぎていて
もう少し泥臭くてキッチュな方が好きなんです。
だからチャールズ・グラントの「オクスラン・ステーション」とかも苦手です。でも「カッティングエッジ」の
「ブルーローズ」は良かった!ピンが怖いーーー。
「ココ」「ゴースト・ストーリー」も読んでいる時は夢中
なんですが、キャロルのように引き返せなくなる、
ケッチャムのように心に指が食い込むことはありません。洗練されすぎているのかなあ。
「ココ」は児童虐待が暗い影を落としていましたが
文春文庫の「壊人」も読み応えがありました。

奈良の亀母 2008/04/23(Wed)08:30:06 編集
トップ3に食いこんでます
>亀母さん
そうなんですよねー、すごく格調高いです。洗練されてます。大人むきなホラー、といった感じです… でも、これがあらゆるホラー小説を読んでいくと、たまらなく好き!に、なってしまったんデス…(“ホラー好き”を公言しているわりには、おとなしめ好き?なんですかね…??)
「ココ」もすばらしかったです~!、「ゴースト・ストーリー」なんて、何度読みかえしたことか…!!
「壊人」は未読なんですが、レックス・ミラーですね。短編でいくつか読んだことがあります… 元気なスプラッタ・パンク系の作家さんですね♪ うーん、80年代風味も捨てがたい!
グラントはさすがに地味ですねー、最近の傾向は、ストラウブ系の地味系の作家さんが多くて、なかなか訳出されないようです…
ななみ 2008/04/23(Wed)23:43:21 編集
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(いちおう)プロフィールです
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ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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