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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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   Profondo rosso


(1975)イタリア
出演…デヴィット・へミングス
ダリア・ニコロディ
ガブリエレ・ラヴィア
クララ・カラマイ
監督…ダリオ・アルジェント
★★★★


〔ストーリー〕
 超心霊学の会場で講演していたテレパシー能力を持つドイツ人女性・ヘルガは、突然観客のなかに邪悪な殺意を隠し持つ人間を感じた。その人物は、かつて殺人を犯しており、ふたたび殺人を犯すようなのだ。
 その夜のこと、作曲家のマークと親友のカルロが外で談笑していると、ふいに叫び声が響きわたった。ヘルガが襲われるのを偶然窓から目撃してしまったマークは、急いで彼女の部屋を目指すのだが…


 邦題では「サスペリア2」になっていますが、公開年度が遅れてしまっただけで、こちらのほうが2年早く製作されています。ということで、魔女はいっさい出てきません! 「Suspiria」(1977)でアルジェント旋風を巻き起こす以前のものということですが、お約束のジャーロ、サイキック要素あり、オカルトな部分もあり、サスペンスとしても一級品、まだほとんど無名だった、ゴブリンの音楽も冴えわたっています。
ファンの間では、この作品を最高傑作にあげるほど、非常に人気が高いようです。

 総じて見てみると、アルジェント監督という人は、ストーリーうんぬんよりも、細部の美意識にこだわりをもつ人なんですね。それで、この作品は、奇跡的にそれらの細部構築と、全体のバランスが見事に整っているんですね。

 オープニングから、なにやら意味深でステキです。
クリスマスの夕食の準備ができた、とある裕福そうなお家に、子供の歌声のレコードが流れます。このレコード、のちに重要な役割を果たすんですけど、「ラ~ラ~ラ~、ラララ~ラ~ラ~ラ~…」 …すっごい不気味ちゃん(その1)です!
 
 落ち着いて考えてみると、とりたてて不気味ではないのに (…まあ、殺人シーンはべつですけど)、アルジェントの映画って、「ただの○○が、不吉なものに変貌!」のパターンが多いんですよね。とくに、この物語は、こういった不気味ちゃん・オンパレードの内容になっています。それが、ホラーファンのみならず、映画好きにはたまらないのですね~

 たとえば、「L' Uccello dalle piume di cristallo」「歓びの毒牙」1970)から受け継がれたとおぼしき、子供が描いた下手くそな絵(不気味ちゃんその2)。ほんと、ただの “絵” なんですが、何度も登場するうちに、“イヤ~なものを見ちゃった” 気分になってくるから不思議です。それから、建物(不気味ちゃんその3)も重要です! アルジェント作品に登場する建物はみんな、まがまがしい過去を持っていそうです。殺人の過去がありそうですよ… もしくは、魔女が棲んでいそうです!

 そして、人形(きわめつけのその4)も登場します。ホラーに人形は欠かせません、だって、大切なアイテムですからね。
また、物語がエンディングに入っても、サイコだったのか、オカルトだったのか、はたして線引きが微妙なところ(?)も好きです。

 ショック・シーンもなかなかインパクトがあって、ゴブリンの音楽もとんでもなくカッコイイですけど、わたしのいちばんのお気に入りは、やっぱり構図のうつくしさです。
どこがどうすごいのかとか、野暮なことはいいません(笑)。アメリカっぽいホラーだと、こうはいかないんですよね~。







殺人現場を目撃してし
まったマーク(デヴィット・
へミングス)。





「キャー!!」
何者かに襲われるヘル
ガ(マーシャ・メリル)!






ダリア・ニコロディも
女記者として登場!






噂の不気味なお屋敷
です。内部がまた、
すごいんですよ~。



マークとカルロ(ガブリエレ・ラヴィア)の会話のシーン。
このシーンは、じ~っと見入っちゃうほど大好きです!!!





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いや~!
ななみさんこん○○は。ホントにこの映画、最高です。
ロメロ御大のゾンビサーガと、これは何回でも観れます。
色彩も最高だし、人物や物の配置も素晴らしいし、殺害方法もいろいろ手が込んでいて、飽きがきません。
「スリープレス」「デスサイト」なども色褪せますね、完璧に。
「マザー・オブ・ティアーズ」は果たして…・
ベレッタ 2008/04/13(Sun)10:22:49 編集
美術がもうハリウッドとは違いますね。
十数年前にテレビ大阪で午後にやっていたのを
途中から観たきりなんです。番組が終わってからも
立ち上がれず、だんだん暗くなっていく部屋の中で
うずくまっておりました。不気味ポイントその3の
建物!ペラペラの建て売りやプレハブが逆立ちしても敵わない、血生臭い歴史を秘めたヨーロッパの
石造りの建物・・・。
奈良の亀母 2008/04/13(Sun)19:55:46 編集
サスペリア2
イタリアではかなりのヒットだったのですが、日本では公開されず「サスペリア」がヒットしたので「サスペリア2」として公開されたいわくつきの作品です。
アルジェントガゴブリンと初タッグを組んだ作品で、スタイリッシュな映像と格好良い音楽が絶妙にマッチした作品です。私も大好きな作品です。
映画公開時のTVスポットで不気味な子供人形が歩いてくるところが幼少時代のトラウマでした。
クロケット 2008/04/13(Sun)20:33:06 編集
買ったんですが・・
買ったきり未鑑賞です・・・
最後に観てから10~15年?
まぁいつか、老後に・・・
さて、もふもふ~ねこじかん・・・
盆踊り URL 2008/04/13(Sun)22:25:40 編集
こんばんはです
>べレッタさん
わたしは75年製作だという事実に、まずびっくりでした。だって、いま観ても、ぜんぜん新鮮ですよねー。飽きがこないというのも賛成です!
それから、「マザー・オブ・ティアーズ」ですが、うう~ん…、べレッタさんの評価はどうなるのでしょうか…

>亀母さん
ぜひとも、全編ご覧になることをオススメします。
やはり石造りは、重厚感がちがいますよね! 建築様式はほとんど無知なんですが、アラベスクでグロテスクな様式美は、たまりません~。
英国オバケ屋敷ツアーに参加してみたいです。

>クロケットさん
あらためて観なおしてみましたら、音楽ほんとにカッコイイですよね!
こんなすごい作品が公開されなかったなんて、ちょっと信じられません。
あの人形はほんとに不気味でした…! 顔がすごい悪意に満ちています… いま、目の前をチラチラしています!
ななみ 2008/04/13(Sun)22:42:33 編集
コレクター
>盆踊りさん
盆踊りさんのコレクションも、すごいことになっていそうですね~。(クロケットさんのぶんとあわせて、博物館が開けるかも?)
買ったのに未鑑賞だなんて、もったいない!!せっかくですから、わたしが引き取りましょうか…?
老後の楽しみが着実に増えていってますねー。(老後はやっぱり、記念館ですか…?)
ななみ 2008/04/13(Sun)23:04:17 編集
はじめまして
はじめましてです。ケッチャムの情報を見ていて
こちらへ辿りつきました。素敵なブログですね。
これからゆっくり見させていただきます。
私もアルジェント大好きです。ミステリとしては
?な部分が多いんですけど(笑、そんなことは
ど~でもいい!ゴブリンの派手な音楽、芸術的
な建物、美少女の死体…大好きな監督です。
私は「シャドー」も好きなんですけど、ななみさん
はご覧になってますか?あれはわりとどんでん返し
がうまく出来てるかなって思うんだけど。
他のも読ませてもらってコメントさしてください。
ユキまま 2008/04/26(Sat)21:35:05 編集
ユキままさん♪
こちらこそ、はじめましてです!!
ついでに、初コメもありがとうございます~♪♪
ケッチャム人気はさすが、すごいですね~。ケッチャム関連の記事となると、みなさんとても関心が高いようです。
それから、そうですよねー、アルジェントはミステリとして観ると、強引な部分が多々ありますけど、このさいそういうことは、どうでもいいんですっ!! この “血まみれの美” という世界観に、どっぷり浸ることができれば!!

最後に、恥ずかしながら、こんな稚拙なレビュー・ブログでも参考にしていただけると幸いです。それから、もちろんコメントは大歓迎ですよ! どんどん好きなことを書いていっちゃってください♪
あ、あと、「シャドー」はすんごい映画でしたね! 結末近くの異様な盛りあがりが、わたしはゾクゾクするほど好きでした。
ななみ 2008/04/27(Sun)20:05:12 編集
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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