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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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   Linkeroever



(2008)ベルギー
出演…エリーン・クッペン
マシュアス・ショーナーツ
シエン・エッジャー
監督…ピーター・ヴァン・へス
★★★☆


〔ストーリー〕
 長距離ランナーのマリーは、競技場のシャワールームで、アーチェリー選手のボブと知りあう。試合に負けて落ちこむマリーだが、ボブとだんだんいい雰囲気になっていく。しかし、またもや体調を崩すという悲劇が襲う。試合に出られなくなったマリーは現実逃避するように、ボブが暮らす公営団地に移り住む。そこは、マリーが暮らす町とは川むこうに位置する左岸にあった…


 インテリジェンスなオカルト・ホラーと話題のようです。わたしもずいぶん悩んじゃいました。結末がちょっと、あれって感じなんです。でも、よくよく考えてみたら、一応筋は通っているのかなーと。

 ベルギー・ホラーもはじめてかもしれないですね。外国映画はとかく、ストーリーが複雑でおもしろいです。ホラー度はそれほどでもありませんが、ドラマがしっかりしています。人物描写にも妙に生活感があるというか、ときに生々しくて人間ぽかったり。

 一応ストーリー説明です。
 陸上選手のマリー(エリーン・クッペン)は長距離ランナー、コーチからも期待される秘蔵っこ。ある日、練習を終えてシャワー室のロッカールームにいると、すっぽんぽんの男性がやってきます。彼はボブ(マシュアス・ショーナーツ)といって、すっぽんぽんボブいわく、「…あの、その、友だちが服を隠しちゃったみたいなんだよね… タ、タオル貸してくれない?」
 これまたカッコ悪い出会いです!! ですが、いくらカッコ悪くても出会いは出会い。タオルをゲットしたボブ、それを洗って返すからと、さっそくつぎの約束をとりつけます。

 約束の日、マリーは大会に負けてしまいます。といっても、2位という好成績だったんですが、彼女自身は納得がいかない。そこでコーチといい争ってしまい、落ちこんだところをボブ登場。ボブはアーチェリーの選手なのですが、見かけも好青年、マリーと意気投合します。

 さっそくデートのお約束! ご機嫌ルンルン のマリーですが、デートのために靴を新調しようとして、そこで倒れてしまいます。彼女は重度の貧血に陥っていて、くわしく検査するためには、つぎの試合出場は無理だといわれてしまうのです…

 絶望しちゃうマリー。マリーは母(シエン・エッジャー)とふたり暮らしで、母親からも期待されていたのですね。やさしいボブに甘えて傷ついた心をいやし、ついにふたりは恋人同士に。試合のこと、コーチのこと、母親の影響から逃れるように、ボブの暮らす公営団地に同棲生活をはじめるのですが… その団地は、マリーの住んでいた地所とは川むこうに位置する左岸にあったのです…

 英題では「Left Bank」、この、地所に関係したオカルティックなドラマが展開されるわけなんですが… オカルト展開も不気味おもしろいんですけど、マリーが等身大の女性として描かれていて、わりと文学的な趣きがあります。ボブとの関係にのめりこんでいく姿なんか、ひりひりした感じもあったりして、見ていて妙にせつなくて痛々しかったり。ボブも最初はいいやつなんですけど、パーフェクトなボーイフレンドではないんですよ。そんなもろもろの悩みをかかえて、不気味なこわさがじわじわ~っと…

 じつは、その団地には以前ひとりの女性が行方不明になっていたのです。彼女の手紙を偶然手に入れたマリー、行方不明になった女性の恋人だったという、デレク青年(トム・デ・ウィスペラー)と連絡をとることになるのですが… そこからどんどん、不可解な事件に巻きこまれてしまい…??

 …こんな感じで、途中までけっこうこわいんですけど、ラストであれ~っ!!
うーん、説明不足な感もあるんですが… なかなか奥の深いお話、とだけ書いておきます。人によっては、ここで評価がわかれるかもしれませんかね?

 ですが、わたしはこういう不思議系のお話は好きなので、最後まで楽しめました。デヴィット・リンチとか好きな人なら、理解していただけるんじゃないでしょうか。
 アメリカン・ホラーはカラッと明快ストーリーが多いですが、外国ホラーは最後までもやもや、霧のなか… その霧のなかに、いろんな恐怖や人生や問題が内包されているわけですよ!












左岸に建つ公営団地3棟。ちょっと不気味な雰囲気です。










ボブとマリー。









最初は静かですてきな
場所だと思っていましたが…









迷信深い母親は、
なにかを感じとり…?








そしてマリー自身に
忍びよる恐怖とは…??







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   Bad Dreams



(1988)アメリカ
出演…ジェニファー・ルービン
ブルース・アボット
ディーン・キャメロン
監督…アンドリュー・フレミング
★★★

〔ストーリー〕
 カルト教団の集団自殺が発生。炎につつまれた館から、ひとりの少女が救出される。しかし、彼女は昏睡状態にあった。それから13年後。奇跡的な回復で、シンシアは目覚める。しかし事件当時の記憶の曖昧で、医師のアレックスのもと、グループセラピーをおこなうことになるが… シンシアの悪夢はここからはじまるのだった!!


 邦題では「シンシア」、または「悪夢の惨劇」です。この作品、もうずいぶんむかしにレンタル店で見かけ、結局借りずじまいで見失ってしまっていたものです… が、今回めでたく鑑賞することができました! 期待どおりにおもしろかったです!

 80年代ホラーは非常にバラエティに富んでいて、起承転結もはっきりした作品が多いです。くわえて、サイコのさきがけとなった心理学的なものとか、夢に関係するものが多い。この作品もそんなひとつ。そして、隠れた良作でもあるのです。

 冒頭は、ラルフ(ディーン・キャメロン)を名乗るカルト教団の指導者が、信者たちを道連れに焼身自殺をするところからはじまります。こういうのも時代ですよねー、これよりちょっと以前に、やはりアメリカではおなじような事件が多発していました。理想主義がとんでもない方向にいっちゃった例ですね。

 ラルフは信者たちにガソリンをかけて、信者たちといえば、彼の言葉になんでもうっとり。もう完全に洗脳されちゃってます。若い女性もいれば、家族連れ、赤ちゃんも(!!)… そんななか、シンシア(ジェニファー・ルービン)という少女がいたのです。そして館は大爆発、奇跡的にシンシアだけ救出されます。でも、彼女は昏睡状態にありました。

 それから13年後。神様のはからいか、シンシアは目を覚まします。この13年のあいだに、シンシアは類まれな美女に成長しておりました。だけど、事件のことはどうしても思い出せない。なにぶん、子供のうちに洗脳されちゃったからなんだなと、世間は同情します。そして、彼女の治療を担当することになった精神科医のアレックス(ブルース・アボット)のもと、グループセラピーをおこなうことになるのですが…

 見どころはまず、やはりシンシア役のジェニファー・ルービン。この世にこんなかわいいひとがいるのかってくらい、愛らしいです、美人です! もう、彼女の美貌が見れるだけでも、この映画のもとはとれちゃったくらいですかね。

 それ以外にも、セラピー仲間の患者たちが個性的で、キャラのドラマ性も立ってます。セラピー仲間が殺されていくくだりで、そのワンパターンかと思いきや、えーっ、それでいいの? と驚いちゃうシーンも。ようは、脚本の作り方がうまかったんですね。時間的にもコンパクトにまとまっていて、いま観てもかなりの良作。

 で、これだけの美少女が出ていて、この高品質で、なんであまり記憶に残ってないのか? さっきも書きましたけど、このころはほんと、こんなタイプの作品が山ほどありました。きっとフレディみたいなアクの強い映画に押されちゃったんでしょうね~

 ヒロインが眠れる森の美女ということで、ラストもまあ、予想ついちゃいますが、ときどきちょっとしたひねりがくわえられてあって、最後までぜんぜん飽きさせませんでした。あと、この時代のホラーを観かえしてみると、「そーか、これがアノ作品に使われたんだな!」とか、「あ、このシーンも…!」などと、いろいろな発見があって楽しかったです

 これはみなさんにもオススメ!! と、書きたいところなんですが…  いまのところ入手困難のようです、残念です。でも、埋もれた良作としておぼえておくのはいいかもしれません。
 ちなみに監督のアンドリュー・フレミング、これがデビュー作でして、このあと「The Craft」「ザ・クラフト」1996)を撮ることになりました… といったら、どんな感触かわかりますかね?









美少女シンシア。
かわいすぎるっ!!








カルト教団のリーダー、
ラルフ。








まじめな青年、
医師のアレックス。









シンシアを襲う悪夢は…










ぎゃー!!!
死してなおも
ストーカーするラルフ!!








   Jue ming pai dui



(2009)台湾
出演…ブライアント・チャン
クリスチャン・ブロディ
ヴィヴィ・ホー
監督…ケヴィン・コー
★★★


〔ストーリー〕
 運転手として働く青年。ある日ボスの帰りを待っていると、夢のような美女と遭遇する。美女は彼がなにげなく読んでいた雑誌の表紙を飾る、ファッションモデルだった。彼女とボスがつきあっていることを知って、ショックをうける青年… 彼らと自分とでは、住む世界がちがうのだろうか? 偶然ボスの車からパーティーの招待状を発見した彼は、くすねてしまう。そしてその夜、めかしこんでパーティー会場へとむかうのだが…


 台湾初の本格スラッシャーと話題のようです。えーと、英語だと「Invitation Only」というタイトルになってます。

 じつはこの作品、日本人の女優さんが出演してらっしゃるんですよ、観ててびっくりしました。女優さんといいましても、あっち関係の女優さんらしいのですが、すごい美人さんなんでこれまたびっくり。小澤マリアさん。男性の方ならご存知ではないですかね? なんか、中国とかインドネシアあたりでは、知名度ナンバーワンの絶大な人気のある美女なんだそうです。

 キャラクターの名前をすっかり忘れてしまいまして、Imdbにも載ってないんで、こんな曖昧なストーリー説明になってしまいましたが…
 これもなかなかおもしろかったですー、初の本格スラッシャーという名に恥じない、力の入った作品になってました。

 主人公の青年(ブライアント・チャン)は、ボス(クリスチャン・ブロディ)の運転手。ハイソな世界に憧れて、ファッション雑誌や車の雑誌で夢を見る日々。ある日、ビルの前でボスを待っていると… 道のむこうから、信じられない美人(小澤マリア)がやってくるではありませんか~、ワオ!
 美人はチャンが偶然手にしていた、ファッション雑誌の表紙とおなじ顔。これまたワーオ! チャンは無邪気な田舎出の青年なので、ひと目で彼女を好きになってしまいます。

 しかし、彼女はすでにボスのお手つきになっていたのです… これまたショックです。
 ボスを自宅まで送る帰り道、彼らと自分とのどうしても埋められない身分差に悩むチャン… 自分のような貧乏人は、あんな美女とつきあうこともできないんだろうか? 偶然ダッシュボードのなかにパーティー招待状のカードを発見した彼は、思いあまってそれをくすねてしまいます。

 その夜、一張羅を着こんでさっそくパーティー会場にむかうチャン。華やかに着飾った美女たちに気おされていると、親しみやすい女の子(ヴィヴィ・ホー)と知りあい、仲よくなります。パーティーも盛りあがり、主催者のヤン社長(ジェリー・ホーング)の計らいで、スポットライトを浴びて紹介までされちゃって… カジノでも大当たり、なんだかいろんなことにツキまくり! 昼間見かけた美女もやってきて、ついに彼らはいい仲に…

 けれども、ハッピーでゴキゲンなのはここまで、じつは彼がこのパーティー会場に招かれたのは、けして偶然ではなかったのです…!!というよーな、アノ系のお話です。

 こんな感じの導入部でして、よくあるお金持ちの娯楽パターンとして、殺人ショーの餌食にされちゃう罠だったと。チャンのほかにも餌食が数人いまして、仲よくなった女の子もそうだし、成功してそうに見えたリッチなオジサンも、リッチなお姉さんも、気取ったお兄さんたちも、じつはみーんな身分を偽っていて、こっそりパーティーに忍びこんだ一般人だったんですねー。

 ありがちなパターンにくわえて、真新しいこともひとつもありませんけど、この映画を撮るにあたって、たぶん製作陣はいろんなスラッシャー映画を研究したんじゃないかな? そんなふうに思えるツボのはまり方がわたし的にはよかったです。たとえば、閉じこめられた倉庫のドアに大きな穴があいてるんですが、鍵がかかっている。これ、どーうしてものぞきたくなるじゃないですか… んで、のぞいちゃうと~、つぎのイヤーな展開も予測できちゃうじゃないですかっ!!

 小澤マリアさんはおっぱい動員なんですけど、ヒロインの女の子もかわいくてよかったです。主人公のチャンくんも、最初は頼りないんですが、どんどん逞しいヒーローになっちゃうくだりもおもしろい。んで、ラストはあの傑作の有名シーンも登場したりと! どの傑作かは書きませんけど、ホラー好きの方ならぜったいチェックしている有名作です。うーん、やっぱりいろんなスラッシャーを参考してますね。

 殺人鬼の正体が最初からわかっているという点では、スリルはすくないですが、勢いがあってよかったです。あと、グロ描写もガンガンがんばっています。台湾スラッシャーってどんなもんかと思ってたんですけど、これはなかなかエグイですよ、やることもけっこう残酷だし。

 ストーリーはじつにシンプル、ひねりもへったくれもありませんが、こういうストレートなホラーもたまにはいいと思います。この作品の出来だと、今後も台湾ホラーを期待していい勢いがありますよ!










スノッブ世界に憧れる
チャン青年。







エキゾチック美女と
再会







ヒロインのヴィヴィも
かわいい







彼らが集められた、
真の理由とは…?








ここから脱出できる
勝算は…?!?!









   Shutter Island




(2010)アメリカ
出演…レオナルド・ディカプリオ
ビル・キングズレー
マーク・ラファロ
監督…マーティン・スコセッシ
★★★☆



〔ストーリー〕
 大戦後のアメリカ。精神異常の犯罪者ばかりを収容する〈シャッター・アイランド〉にて、不可解な事件が発生する。絶壁に囲まれたこの孤島から、ひとりの女性患者が失踪したというのだ。事件を解明すべく、捜査官のテディとチャックは島に乗りこむが… 施設の責任者コウリー博士をはじめ、島の人間たちはなにかを隠している様子らしいのだが??


 そーなんです、扇情的な宣伝文句に乗っちゃったんです、
ミーハーな映画選択だったです!!

 …ふう、のっけから興奮してしまいましたが、なにかと話題になってるこの作品、ついでだからレビューしておきます。おもしろかったですよ。さすがマーティン・スコセッシ監督、映画の質が高いです。でも、原作が『ミスティック・リバー』のデニス・ルヘインだったなんて…!! まったく知らなかったです。もし、知ってたら、たぶん観なかったと思います…(← いえ、深い意味はないのデス!!)

 公開中ですし、たぶんこれからもたくさんの方がご覧になると思うので、あんまり下手なことは書きません。だけど… ですね、これだけはいわせてください。もう、最近の映画はやたらと派手に宣伝しすぎ~

 これ、自然にかまえて観ていたら、おおと、感動した佳作だと思うんです。でもなー、あんまり騒いでるもんで、つい期待しちゃうじゃないですか。んで、原作も『ミスティック・リバー』のひと…(← だーから、深い意味はないのデス!!!)

 よぶんに期待してしまうと、肩透かしをくらう作品かと思われます。あと、もうちょっとだけひとこと。
 これ、映画だからうまいこと成立しているのであって、小説でいまどきこれはど~うなのかなと、あてにならないズブな素人意見などをつぶやいてみました…

 スコセッシ監督とディカプリオは「ディパーテッド」(2006)以来のコンビです。今回は、ばりばりのサスペンス・スリラー。上映時間も2時間以上、セリフも長すぎるために、初の大人版日本語吹き替え上映あり、と、なんだか大作の予感ばっかりしちゃうんですが。出来はフツーなスリラーでした。あんまし謎解きは関係ありません。ですが、映画の質としては上等の部類に入ります。役者もいいし、舞台もいいし、映画そのものも高級感ただよっていて、2時間という長さを感じさせない。あっという間に終わってしまいます。

 1954年のアメリカ。精神異常者の犯罪者ばかりを集めた孤島〈シャッター・アイランド〉で、ひとりの女性患者が行方不明になるという事件が発生します。事件解明に乗りだしたのは、捜査官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)と、相棒のチャック(マーク・ラファロ)。病院施設は厳重な監視のもと、高い塀、脱走防止の電流と、とてもではありませんが、脱出不可能。おまけに、島の周囲は絶壁に囲まれています。

 こんな場所から、ほんとにひとりの人間が忽然と消滅するのは可能なのか? テディは施設責任者のコウリー(ビル・キングズレー)をはじめ、ひとりひとりに尋問にあたります。そして、消えた女性患者レイチェル(エミリー・モーティマー)の部屋の床下から、奇妙な暗号(?)が書かれた紙片を発見するのですが…

 ストーリーはごくフツーですが、舞台設定がすばらしく、はじまったとたん、映画の世界に瞬時に入りこめてしまう良質さ。これだけでもう、この映画は成功しているといってよいんではないでしょうか。日常からかけ離れた世界観に浸ること、これって、映画の第一条件ですもんね。

 映像美も凝ってますし、正攻法な映画の撮り方で、これから映画の世界を勉強したいというひとには、すごくいいお手本になると思います。わかりやすいこと、これもとっても大事!!
 ディカプリオは若いときのイメージがどうしても強いですけど、こんな役もしっくりくるようになったんだなーと、彼の成長の変化がわかります。ビル・キングズレーもいいし、あと、テディの妻役のミシェル・ウィリアムが印象的でした。

 上等なスリラーなんですけど、雰囲気は最初から最後までホラーっぽいです。そのへんがまた、得点を高くしちゃった理由のひとつ。こういう設定って、〇〇に似てますよね… と書こうとして、それじゃすぐにネタバレになっちゃうな? と思い、やめておきました。勘のいい方なら、上のあらすじだけでわかっちゃいそうです。

 くどくど書いちゃいましたが、デニス・ルヘイン、いい作家さんだと思います。要は個人の好みの問題なんですよね!『ミスティック~』は、原作も映画もすこぶる評判がよかったので、やっぱり期待しすぎちゃったんですよ… そしたら、ミステリでもホラーでもなく、メロドラマだったと…

 今回いちばんいいたいことは、過剰な期待は禁物!…あ、もちろん映画はすばらしかったですよ。過剰な期待さえなければ、もっと楽しめたと思います。











島に到着した
テディとチャック。









施設責任者の
コウリー。








つぎからつぎへと、
謎は深まり…?!








テディの幻想にあらわれる、
妻のドロリス。













この島にはいったいなにが隠されているのか…???







   Faceless



(1987)フランス
出演…ヘルムート・バーガー
ブリジット・ラーエ
クリストファー・ミッチャム
監督…ジェス・フランコ
★★★


〔ストーリー〕
 著名な美容外科医のフランクは、恋人のナタリー、妹のイングリットと3人でクリスマスの買い物を楽しんでいた。デパートの駐車場にもどったときに、突然ひとりの女に詰めよられる。彼女はフランクのレーザー治療によってひどい火傷を負ったといい、無惨な傷跡が残ったというのだ。フランクは彼女を相手にせず、逆上した女はサプライズプレゼントだといって、硫酸を浴びせかけるが… 彼をかばって浴びてしまったのは、妹のイングリットだった…!!


 やっと観ました、ジェス・フランコの「フェイスレス」
ジェス・フランコ作品は、いつも微妙な評価になってしまうことが多いんですが、これ、いいですよね! 都会的だし、洗練されてるし、構成もキッチリしていておもしろい。なにより、ヘルムート・バーガーがカッコいい~

 えーと、たしかジョルジュ・フランジュの「Les Yeux sans visage」「顔のない眼」1959)もフランス映画だったはず。古典の名作ですよね。それにインスパイアされた作品だと思うのですが、とにかく驚きました、気合入りまくってる!! フランコ監督、こんなにちゃんとした作品も撮れるじゃないですかー(← あ、ズブの素人が失礼しました!)、ストーリーもおもしろいんですけど、役者さんの個性的な面々の影響が強いようです。

 主役のフランクは、ヴィスコンティ映画の常連だったヘルムート・バーガー。ふたりは恋人同士でもあったのですよね。若いころのヘルムート・バーガーは、もう、彫刻のようにうつくしかったですよ。歳をとってからはさらに渋さに磨きがかかりました。あの凛とした顔立ちがたまらないのです~、あんまりかっこよかったんで、画像はいつもより多めに!

 ストーリーは、美容外科医のフランクは患者に逆恨みされて、彼をかばった妹のイングリット(クリスティン・ジェーン)が顔にひどい火傷を負ってしまうことからはじまります。じつはわたし、イングリットはずっと彼の娘だと思ってました。でも、妹だったんですよね。妹のわりに(?)意味深なシーンがあったりしまして、たぶんフランス特有の倒錯も入っているのでしょう。

 恋人のナタリーには、ブリジット・ラーエ。ファニーフェイスな美人でして、さまざまな場面で、いろいろ楽しい衣装チェンジをしてくれます。ナタリーはフランクの病院で働く看護婦なのですけど、ナースの衣装もなんだかコスプレっぽい。

 自分のために、ふた目と見られない姿となってしまった妹… 彼女を救うため、フランクはナタリーの協力をあおいで、皮膚移植しようと試みます。それには新鮮な、うつくしい、完璧なコンディションの肌をもつ若い娘が必要だったのです…

 これまでジェス・フランコ作品といいますと、「Die Sage des Todes」「ブラディ・ムーン/血ぬられた女子寮」1981)と、「Les Avaleuses」「吸血処女イレーナ/鮮血のエクスタシー」1973)しか観ていないのですが、これは硬派な作りで最後までひっぱります。ほんとにこれがジェス・フランコ? といいますか、いままでわたしが抱いていたジェス・フランコ像はなんだったんだ!! というくらい、ぜんぜん気色がちがうんですよ。主演がヘルムート・バーガーということもあって、画面が自然と品よくなっちゃうしー。

 といっても、フランコお得意の残酷描写てんこもりです。特殊メイクもかなり力入ってます!! このころの特殊メイクって、チープで愛嬌があってよいですよね。ただたんにグロイわけではないと。

 フランクの力になりたいナタリーは、ファッションモデルのバーバラ(キャロライン・モンロー)に狙いをつけ、彼女をさらってきてしまいます。けれでも、彼女は大会社の社長のひとり娘だったのです…

 結末がこんなだったんだ! という意外性もあって、この高得点になっちゃいました。フランコ作品はどうやら、この映画から入っていくのが正解みたいです。

 あと、まったくの余談なんですが、予告に入っていた「There was a little Girl」(1981)がやたらめったらおもしろそうなんで、興奮しちゃいました。邦題がわからないのですが? み、観たいですぅ…!!

 





若かりしころのヘルムート・バーガー。






この冷たさがよいのですよ!






ステキですね~、
美貌がヴィスコンティの目にとまったのですね。






ぎゃーっ!!
これがすべての悲劇の
はじまりとなり…





フランク役の
H・バーガー。
渋い!!
カッコイイ!!
整いすぎ!!








ナタリーと、
従僕のゴードン。








美女が目を覚ますと、
たいへんなことに~!!!







   The Reeds




(2009)イギリス
出演…アナ・ブリュースター
O・T・ファグベンル
カール・アッシュマン
監督…ニック・コーヘン
★★★

〔ストーリー〕
 週末を利用して、湿地帯に自然を楽しみにきたローラたち5人組。船をチャーターして、友人たちで気ままに過ごすはずが… じつは、出発当初からローラは不思議な女の姿を見るという、奇妙な経験をしていた。やがて、立ち入り禁止区域に入ったことにも気づかずに、船を進めてしまう彼ら。夜も更けて、静寂のなか、突然船は障害物に乗りあげてしまい…!!


 かなり思わせぶりな演出が目立つんですけど、こういうホラー・ファンタジーなんだなとわりきって観たら、まあまあよかったです。こちらも〈アフターダーク〉の1作。

 書き忘れちゃったようなので、一応補足しておきます。今回は「Dread」「Kill Theory」「Lake Mungo」「Skjult」「Hidden」)、「The Final」、あと、まだ観ていない「The Grave」「Zombies of Mess Destruction」と、本作の8本が参加作品です。そして、めずらしいことに~、今回はハズレがないみたいなんですよね。なんだかんだいって、全部観てしまうと思います! 補足の補足ながら、「Dread」と「Skjult」がいまんところよかったです~。

 …えーと、こちらは評価がイマイチなのですよ。
 
 ガッカリだったというひとと、ファンタジックでよかった!というひととで、二極しています。わたしはなかなかよかったかもと思いました。ただし、はじめに書いちゃいますけど、この作品もまた、例の流行りの「アレ」なんですよ、「アレ」。もー、なんだかな~、こうも連続して見せられちゃうと、安易なパターンと思えなくも… ない… かな?

 なんですが、ストーリーは一応おもしろかったです。雰囲気もちょっと変わってます。

 ヒロインのローラ(アナ・ブリュースター)はロンドンっ子。友人のニック(O・T・ファグベンル)、デーン(カール・アッシュマン)とシャギー(リース・チャップマン)のカップル、ジョー(ダニエル・カルタジローン)とメル(エマ・キャシャーウッド)の5人で、休日を利用して湿地帯に出かけます。陰鬱なロンドンから、たいして変わりばえのしない、ジメジメした湿地帯へ。このへんがもう、ナゾな展開ですが、ホラーな雰囲気ですからよしとしましょう!

 出発当初から、ローラは不吉な予感を感じます。船着場へむかう途中、不思議な女の姿を目撃するのです。彼女はなぜか、ローラのことを知っている様子? そして、ナゾめいた微笑を残してどこかに消えてしまいます。不審に思いながらも、船を借りて乗りこむのですが…

 ガッカリな感想を持ってしまったひとの理由はですね、これだけ盛りあげておきながら、脅威の正体が〇〇だった!! というものらしいのです。うーんと、まあ、あんまり既成概念にとらわれないほうがいいかも、と書いておきましょうか。でも、雰囲気は変わっていてよかったです。とらえどころのない幻想シーンが何度も挿入されて、だから、その正体はなんなの? ということになったとき、最終的にはこれはダークファンタジーだったんですね、となっちゃいます。
 
 流血場面はさほどですが、よくわかんない不穏な雰囲気とか、湿地帯のジメジメ感とか、ちょいと緊張感がありました。でー、問題の〇〇ですが… もうちょっと、どうにかならんかいな! あんまりにフツーすぎて、ほんとにガッカリです。で、結局最後の最後、オチはそれかい!! と、憤慨したところで、この映画の見どころは、よくわかんない緊張感と、じわじわくる幻想や不条理シーン、これにつきると思います。

 なんといっても、〈アフターダーク〉参加作品ですからね、一応良作です。











ヒロインのローラ。
美人だ!!









ナゾの女…










だれかが船の
まわりにいるのっ!!









ニックに迫る、
恐怖の正体は…??







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(いちおう)プロフィールです
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ななみといいます
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女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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