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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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   Needle


(2010)オーストラリア
出演…マイケル・ドーマン
トラヴィス・フィムネル
ターニャ・トッツィ
監督…ジョン・V・ソート
★★★


〔ストーリー〕
 ある晩、電話の最中にひとりの男性が苦しみながら絶命する。
 それから十年後。
大学に通うベンのもとに、父の遺品だといってアンティークの箱が届けられる。ベンは箱を持てあまして、学生寮のベッドの下に隠してしまう。その夜、仲間たちとパーティーで盛りあがったのだが… 記念撮影した直後に、おそろしい事件が起きようとは夢にも思わなかった!!!


 マイケル・ドーマン目当てで観はじめたんですが、わりとしっかりした作りでおもしろかったです。
またしてもオーストラリア映画。まあ、ありきたりな内容ながら、基準値には達しているんじゃないでしょうか。

 オージー・ホラーって、どーもファンタジー系が多いみたいです。
この作品もそんな内容。そつなく作ってあって、起承転結もしっかりしててよいんですけど、もうちょっと勢いがほしかったかなー、といった感じ。でも、一般的なホラーファンには楽しめそうです。

 大学生のベン(マイケル・ドーマン)のもとに、父の弁護士だった男性から遺品の箱が届けられます。この箱、アンティークらしく、ちょうどノートパソコンサイズのわりとしっかりした箱。透かし模様が入っていてきれいです。でも、なんに使うの? 上の面にはスライドできる箇所があって、そこをひらくと中央に穴の空いた写真のようなものが?

 で、ベンは男の子なのでこんなものに興味はなく、ベッドの下に入れて忘れてしまう。その夜は、仲間たちとパーティー騒ぎがあって、友人のジェッド(カーン・チッテンデン)、コローナー(ジョン・ジャラット)、ガールフレンドのメアリー(ターニャ・トッツィ)、レズビアン・カップルのイザベル(トリビイ・グローバー)とキャンディ(ジェシカ・マリーズ)といった面々で、楽しく酒を飲みながら写真を撮ると。

 そこへ、ベンの部屋のドアをノックする人物が。刑事になった兄のマーカス(トラヴィス・フィムネル)でした。

 ネタばらししてしまうと、ベンがうけとった箱は18世紀の邪悪な力によって生みだされた、殺人機械だったのですね。そして、パーティーのあった晩にその箱を盗まれてしまう。
 翌日から、ベンの仲間がひとり、またひとりと殺害されていく…  という連続殺人もの。そんで、箱を盗んで悪用している犯人はだーれだ? 的なサスペンスです。

 最初っから、カッコイイ系の子が殺されちゃうんでちょっとガッカリ。
しっかりした作りでよいんですけど、これもテーマ的にはちょっと古いかなー、という内容ですよね。こういう似非科学、オカルティックな映画って、80、90年代くらいに量産されてたような~

 それに、ストーリー、展開ともに真新しいとこはないので、せめてゴアゴアだったらおもしろかったのにー、なんて思っちゃいました。
全体的にフツーなホラーなので、どっか突出してないと、ファンの心をなかなかつかめないものです。

 せっかく殺人マシーンを出したのなら、ド派手なシーンがいっぱいあれば盛りあがったのに!!!
…というのは、まったくの私的な意見なのです、すいません。

 そしてラスト、犯人は意外や意外、あの人です… って、これもホラーをたくさん観ている人なら、ある程度予想がついちゃいますかね?
でも、ハズレ作品ではないのですよー 念のため。







冒頭、突然
苦しみながら死ぬ男性!!






主人公のベン。
(マイケル・ドーマン)






GFのメアリー。
(ターニャ・トッツィ)





兄のマーカスは、
不可解な殺人に
疑念をおぼえはじめ…






ぎゃー!!!
またしても犠牲者が!!







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   Chatroom



(2010)イギリス
出演…アーロン・ジョンソン
イモージェン・プーツ
マシュー・ビアード
監督…中田秀夫
★★☆


〔ストーリー〕
 ウィリアムが開設したチャットルームに同世代の若者たちが集まるようになり、美人のエヴァ、気弱なジム、エミリー、モーといった顔見知り同士で親睦を深めていく。
 最初は和気あいあいとした雰囲気だったが、それぞれの秘密を打ちあけるにつれて、それまで抱えてきた不満や鬱憤を現実のものに変えてしまう彼ら。それに、ネット世界はけして楽しいだけの世界ではなかったのだが…


 うーん、どうしようかな~ と迷って、結局レビューしておきます。
あの「リング」(1998)「仄暗い水の底から」(2002)の中田秀夫監督の新作映画です。中田監督、最近もめきめきと活躍されてますよね!

 まず、感想からいっちゃうと、これが十年前の作品だったらけっこうおもしろかったのかもー、なんちゃって。

 チャットルームというアイデアはよいのですがねー、うーむ、しかし、いまさらチャットなんて。。。やってる人いるんですか? というのは、まったくの偏見ですよね、すいません。

 内容的にいうと、ネット世界に耽溺する行き場のない十代の若者たちのいろんな葛藤とか、悩みとか、不満とか、うんぬん。
 ポスターから、すっごいこわい内容かな? とか思っちゃうんですけど、いたってフツーのドラマです。ドラマの出来もまあまあでして、ラストはそれなりに盛りあがります。
でも、やっぱり全体的に古いんですよー、ひーん、勝手なこと書いてごめんなさい。

 ストーリーは、ウィリアム青年(アーロン・ジョンソン)がチャットルームを開設するところからはじまります。ウィリアムがなんでネットおたくになっちゃったかというと、家は裕福なんですけど、家族とうまくいってない。「ネットばかりやってる子→ 暗い・友だちすくない」 この図式からして、すごく日本的なんですが。海外でもほんとにこんな感じなんですか? これにも違和感をおぼえてしまいました。

 ウィリアムのチャットルームに集まってきたのは、エヴァ(イモージェン・プーツ)、ジム(マシュー・ビアード)、エミリー(ハンナ・モーレイ)にモー(ダニエル・カルヤ)。

 彼らは常連さんとなって、みんなで仲よくなっていきます。とくに、孤独で病弱なジムは大切な仲間を得た! みたいな感じになって、どんどんこのチャットに依存するようになる。
 それから、個人的な秘密を打ち明けるうちに、彼らの抑制や理性のたががはずれてしまい、それまで思いもしなかった行動をとるようになってしまう…

 チャットというアイデアはよしとしても、このチャットルームの描き方がいたって凡庸なのですよー。
長い通路にいろんな部屋があって、ここに入ってみると、あ、こんなサイトだったり、こんな掲示板があったり… などと、一応ネット世界を視覚的に描こうとはしているんですが。

 でも、わたしたちがふだん使っているネット世界って、けしてこんな単純なものじゃないハズー!!
申しわけないんですが、ほんと、一四、五年前くらいのネット世界観、なんですよ~

 それに、ネットで知りあった人に本名や素性を素直に打ち明けちゃう人なんて、まずいないと思います。だから、チャットルームと現実世界とで、それぞれ役者さんをわけてくれるとよかったんですけど。。。って、これだと混乱しちゃいますかね? なにぶん素人意見なのですいません。

 ただ、お話的にはよく作られていて、そこらのホラー(厳密にはスリラーですけど)よりは知的でおもしろいです。わたしはラストがとくによいかなと思いました。

 けどねえ。若者たちの仮想世界と現実世界を描こうと思ったら、もっと混沌としていて、気持ち悪くて、痛い内容でもいいはず。
アイデアは知的でも、脚本がいまいちついていけなかったみたい~、そんな作品でした。次回作に期待します。今度はもっとホラーがいいな










主人公の
ウィリアム少年。










チャットルームに5人の
若者が集まるようになり…









彼らはだんだん
仲よくなっていきます。









とくべつな仲間意識も
芽生えていきます。







モーはウィリアムの
危険性に気づきはじめて??







   The Possession of
      David O'reilly


(2010)イギリス
出演…ジルス・アンダーソン
ゾーイ・リチャーズ
ニコラス・ショウ
監督…アンドリュー・カル
スティーヴ・アイルズ
★★



〔ストーリー〕
 アレックスとケイトのカップルが深夜に帰宅、自宅アパートでくつろいでいると… 玄関チャイムが鳴る。こんな遅い時間にいったいだれだろう? ドアをあけてみると、友人のデイヴィットだった。デイヴィットはアレックスと話がしたいといい、彼を泊めることになるのだが… デイヴィットの様子はどこかおかしく、なにかにおびえているようだった??


 そうとう地味な内容なんですが、地味なりにチョビっとしたおもしろさがあります。
UKホラーって、雰囲気的にも日本映画と似ているところがありますよね。

 ええと、「まずこれは実話じゃ!!」 というテロップが流れます。
映画で実話うんぬん~ て、たいがいどーでもいいことなんですが、この件に関していえば不気味かもしれません。なんだかよくわかんない緊張感と不気味さで、ラストまでダラダラいく映画。

 ロンドンに暮らすアレックス(ニコラス・ショウ)とケイト(ゾーイ・リチャーズ)が自宅アパートでくつろいでいると、突然玄関チャイムが鳴ります。こんな遅い時間に、いったいだれが?? しかし、ドアをあけてみますと、アレックスの古い友人のデイヴィット(ジルス・アンダーソン)でした。

 なーんだ、おまえかよ!! ま、ま、あがれよと、デイヴィットを招くふたり。しかしデイヴィット、なんだか気分が冴えない様子です。落ちこんでます。話してるうちにどんどん鬱になっていっちゃうし、もう遅い時間だし、泊まっていけば? と、誘ったことから… 悪夢のようなできごとに巻きこまれてしまう、というお話。

 このデイヴィット、なんだかよくわかんないものに憑りつかれているんですねー。これはデイヴィットにしか見えず、明かりが落ちたとたんにあらわれる。正体不明のクリーチャーが、この作品の売りにもなっているようです。

 しかし、内容はあくまで地味。

 この地味さが、かえってリアル感を生みだしているかなと思いました。
なんでもない日常風景に、突然異形のものがあらわれる。これがけっこう、こわいんですね~、気色悪いですね!!

 お話的にも、日本の怪談話に共通するところがあるかなと思いました。
わたしなんか、『吉備津の釜』 を思い出しちゃいました。(← これは超絶トラウマ映画です。ビビリまくったあまり、オシッコにいけなくなった思い出があります! なにソレ? 知らないという方は、深夜に調べないほうがいいかと思います~)

 窓の外に化けものを発見したデイヴィット、焦りまくってドアの敷居に塩を撒くところなんかも、あー、塩って海外でも魔よけの意味があるんだ!! と、納得。
それで、デイヴィットに憑りついている悪魔の正体はなんなのか??
ほんとになにか、出現しちゃうの??

 こんな興味をもたせつつ、わりとダラダラ(笑)いく映画と。
でも、わたしはこういうこじんまり系の映画は好きなので、この雰囲気のまんま、お話をひろげて(舞台はひろげずにね)作品を撮ってくれると、けっこう個性的な映画ができるんじゃないかなあーと。

 好き嫌いがわかれるかと思いますが、地味にじわじわ気持ち悪かったりします。
あと、後味もそうとう悪いです。んで、いっさい謎は解明されずに終わると(笑)。









アレックスとケイト。






デイヴィットは様子が
おかしく…?






やっぱり、どこか
様子がおかしく…??






だんだん不安に
なっちゃうケイト。






監視カメラには、
謎の人影が??







   My Soul To Take



(2010)アメリカ
出演…マックス・ティエリオ
ジョン・マガロ
ポーリナ・オリズンスキー
監督…ウェス・クレイヴン
★★★


〔ストーリー〕
 画家のエイベルには7つの人格があった。ある晩、7つ目の人格に支配されてしまったエイベルは、妊娠中の妻を殺害、おそろしい連続殺人を起こして警官によって殺害される。「おれの命日に生まれた子供7人を、必ず道連れにしてやる!!」 という、不気味な言葉を残して。
 それから16年後の現在。
エイベルの命日には彼が復活しないよう、ティーンエイジャーたちが寝ずの番をするというしきたりが守られていた。その年の〈リッパー・デイ〉に生まれたのは、バグ、アレックスをはじめとする7人のティーンたちだった…


 ウェス・クレイヴンの新作です~
劇場では3D公開なのですよね。あーあ、最近はなんでもかんでも3D…

 あのー、楽しみにしてらっしゃる方がいたら申しわけないんですが、うーんと、これはどうにもこうにもこうにも。。。
 非常に評価しずらいです。3Dと聞いた時点で、雲行き怪しかったんですよ。その予想どおりになっちまいました。ここは声を大にしていいたいんですが、なんでもかんでも3Dにするべきじゃないと思います!!!

 わたしなんかは、3Dと聞いたときから警戒して観にいかない観客のひとりです。3D映画、たしかにおもしろいですけど(作品にもよりますけど)、こう安易に作られすぎちゃうと、ショボーンといった結果にもなりかねません…

 だって、ウェス・クレイヴンの新作ですよ。ホラー・ファンなら、期待しないわけにはいかないじゃないですかっ!!
ストーリーからもわかるとおり、「エルム街の悪夢」「スクリーム」みたいな因縁ものの青春スラッシャーなんですよ。タイトルもいいですよね。この意味深なタイトル、もっといかした内容になればよかったんですけどー!!!

 愚痴っても仕方ないので、なんとなく解説から。

 画家のエイベル(ラウル・エスパルザ)は多重人格者。なんでも彼には7つの人格があるらしく、精神科医の指導のもと、どうにかうまく暮らしていたのですが…
 ある晩、もっとも危険な7つ目の人格に支配されてしまいます。そして気がつくと、妊娠中の妻を殺害。すぐさま警察が乗りこんでくるのですが、エイベルは撃たれても復活、ひと晩で数人殺害するというおそろしい事件を起こしてしまいます。

 このエイベル、逮捕はされずに川に落ちて溺れ死んでしまいます。しかし、死ぬ間際、「いつか必ずもどってくるぞ!! そのときには、おれの命日に生まれてきた子供を7人を犠牲にしてやるぞ!!」 という、謎の言葉を残して…

 そして16年後。
エイベルの命日は〈リッパー・デイ〉と名づけられ、ティーンたちが寝ずの番をするというしきたりがありました。その年の命日生まれは、バグ(マックス・ティエリオ)、友人のアレックス(ジョン・マガロ)、頭の弱いいじめっ子のブランドン(ニック・ラシャウェイ)、まじめなペネロペ(ゼナ・グレイ)、かわいいブリタニー(ポーリナ・オリズンスキー)、黒人少年ジェローム(デンゼル・ウティカー)、ジェイ(ジェレミー・チュー)の7人。

 主人公はバグ少年なのですが、彼はちょっと病みかけているといいますか、へんな悪夢にいつもうなされています。そして、多重人格傾向もあると。

 このとおり、ストーリー設定はとてもよいのです。これ、ちゃんと作ってあったら楽しい青春スラッシャーになったんじゃないかなーという、非常に残念な出来なのです。

 敗因はまず、無理な3D設定(笑)。
3Dとなると、どーしても無駄なびっくらかしが多いです。そのため、オープニングからやたらと作中に入りこみにくい。作品じたいも内容どーのこーのいうより、ただ驚かせてやろう!!この一本槍のみなので、なんといいますか、えらい集中しにくい。バラバラな印象。最後まで観るの、ほんとに忍耐力を要しました~~~

 まあ、びっくらかしだけでも、それなりに観れちゃうものなんですけどね。デートムービーには最高なのかな。
ただ、どうしても 「エルム~」 や 「スクリーム」 の優れたホラー性を期待してしまうと、ありゃりゃ、なんでこうなっちゃったの… といった感想です。

 もちろん、それなりに青春ホラーとしてのおもしろい断片はあるんですけど。これが断片すぎちゃいまして、内容的に繋がっていかない。だから、なんか?? ホラー的なシーンをいっぱい見せられた!! といった感じになっちゃうのです。

 う~~~~ん。。。。。

 ウェス・クレイヴンの新作ですから、これ以上評価を低くできませんでした。
いちばん大事なのは、「優れた映画を作る」 = 「ストーリーをきっちり作る!!」 これにかぎると思うんですけど。

 …などと、またまたエラソーなことを書いてみました… すみません…
(でも、こんなんじゃ、テレビ映画のほうがよっぽどおもしろいのがあるかと思(ry)











左からアレックス、
バグ、
ジェローム。









バグは毎晩、
おそろしい幻覚を
見るようになり??









でたー!!
リッパー・エイベル!!








手が黒いっすね…








やっぱ黒いっすね…









スラッシャーといえば、
クローゼット。
これ定番







   The Reef


(2010)オーストラリア
出演…アドリアンネ・ピッカーリング
ダミアン・ウェルシュ・ハウリング
ゾー・ネイヨー
監督…アンドリュー・トラウキ
★★☆


〔ストーリー〕
 イギリス人の四人の男女・ルーク、ケイト、スージー、マットが、旅の途中でグレート・バリア・リーフでヨットセーリングを計画。さっそく船を借りて、船主のウォーレンとともにセーリングに出かける。
 珊瑚礁で海水浴、のんびりセーリングを楽しんでいると… ヨットが突然暗礁に乗りあげて転覆。船は上下さかさまになったまま、絶望的状況に陥ってしまう。焦った彼らは、大海原を泳いで渡ろうという、あまりに無謀な行動を決行するのだが…!!!


 ひさびさの海洋ホラーです。
動物モノは無条件でこわいのですよね。理屈が通じないから。
ちなみに四メートルの巨大ザメが登場します。

 タイトルの 「Reef」 とは、珊瑚礁のこと。みなさんもご存知かと思いますが、珊瑚礁はサメの出没危険海域でもあります。そして、イルカやアザラシが生息する場所は、とくに危険!! たぶん、ほとんどの場所は遊泳禁止になっているかと思います。

 しかしねえー、これだけ海洋ホラーがあるというのに、まだまだ海で泳ごうという気になりますかっ!!

 監督さんのアンドリュー・トラウキ… どっかで聞いたことあるなーと、思ってましたら、なんと「Black Water」「ブラック・ウォーター」2007)の監督さんだったのですよね。
 はい、ここからも想像つきますように、じつに破綻のない、ある意味フツーすぎちゃう海洋ホラーになっちってます。

 お話はとっても簡単、イギリス人旅行者の男女四人組が、バリアリーフでセーリングを計画→ ヨット転覆→ オワタ → と思ったけど、自力で泳げば帰れるんじゃね? と、極限状態に追い詰められるとアホなことを考えてしまう四人組。んで、マジで泳いじゃう~!

 しかし、船主のウォーレンだけは、海のこわさを知っているから、さかさまになった船底に残るといいはります。みなさんもこんな状況になったとき(めったにないとは思いますけど)、彼の行動をお手本にしましょう。運がよければ、きっと助かります。

 こわがらせ方が王道なので、前半からやたらとヒヤヒヤします。わかりやすくいうと、「Jaws」「ジョーズ」1975)の 「さあ、くるぞ、くるぞ~~」 的な煽りで、「Open Water」「オープン・ウォーター」2003)のようなハラハラ人間ドラマもあると。
こういうのって、結末をわかっていても最後まで観ちゃうから始末におえないんですよね。

 だって、本気でこわいですもん!!
殺人鬼ならなんとか対決できそう…(??)ですけど、動物はねー、理屈がいっさい通じませんもんね!! それに彼らは邪悪でも、利己主義でもなく、純粋な本能から餌を狩っているわけです。これじゃあ、どうにもなりませんよね。

 パターン的な演出としますと、
①イヤーな予感
②ほらね、やっぱりその展開!!
うきゃー!!!! なショッキング!!
…といった感じです。ふう。

 だいたいサメというのは、海中を蹴る音によって獲物の居場所を嗅ぎつけるもの。なのに、すっかりパニックに陥ってしまった彼ら、そんなことなど頭に浮かばずバッチャバッチャと泳ぎまくっちゃいます。これじゃ、ほら~、餌はここだよ~、おいしい餌だよ~ と、自分から誘っちゃってるようなもん。
 で、後半からようやくサメが出てくるんですけど、きゃー、サメきたよー!! と、思ってたら、

…はれ? フツーのサメだよね?

 ま、まあ、まだ序盤ですから!! つぎです、つぎのアタックです!!うきゃー、またきたよー!!! と、思ったら、

…はれれ? やっぱフツーのサメだよね…?

 いえいえー、最後にとーんでもないのがくるんです!! すべてはラストにかかっています。ほら、きたよ、きたよう~、うきゃー!!!!! と、思っても、

…やっぱ、フツーのサメ。。。

 そこでわたくし、はたと気づきました。体長四メートルのサメというのは、サメ世界ではそうめずらしい大きさではなかったと…!!
なんか、宣伝文に乗せられちゃいまして、すっごいモンスターを期待しちゃってたんですが。。。蓋をあけてみましたら、フツーのサメでした。当然、「ジョーズ」みたいな化けもんじゃありません。アタック場面も、サメ視点入ってないし。てか、スプラッタとか一度もないし!!!

 ということで~、
今回は勝手に期待しすぎてしまった一作です。
そういえば、「ブラック・ウォーター」のときも感じました。どーも、作品自体が優等生すぎちゃって、じつにそつのない、しいていえばスリリングじゃない、(マニアなホラーファンからすると)、ちょっともの足りない一作でした。ようは、リアル志向なんですよね。これはリアリズムの海洋ホラー。

 そう思って観ると、じゅうぶんこわいかもしんないです。
最後に、サメの撃退法を伝授。目と目の間を殴ると、びっくりして逃げるそうです。(← でもこれって、捨て身の反撃すぎますよねw)
正直、海はこわいところなのです。大自然、こあいよー!!!









ケイト役のアドリアンネ。
楽しいセーリングのはずが…










ありゃりゃ~、
こりゃダメだ!!







んで、マジで泳いじゃう。
素人はこれだから!!







パニくっても、
もう遅いし~!!!







サメの動きを必死に
見張るルーク!!
(…無駄な努力!!)







   Man som hatar
        kvinnor


(2009)スウェーデン/デンマーク/ドイツ/
ノルウェー
出演…ミカエル・ニクヴィスト
ノオミ・ラパス
スヴェン・バーティル・タウベ
監督…ニールス・アルデン・オプレウ
★★★☆

〔ストーリー〕
 〈ミレニアム〉誌の敏腕ジャーナリストのミカエルは、大物実業家の不正を暴いたことから名誉毀損で訴えられて、有罪判決をうけてしまう。
 そんな彼を拾ったのが、ヴァンゲル財閥のヘンリック。じつはミカエルが幼いころ、ヘンリックが暮らす孤島で父が働いていた時期があったのだ。ヘンリックは40年前に島から忽然と姿を消した、姪のハリエットの事件を打ち明ける。彼はハリエットがすでに殺害されていて、その犯人は一族の者だというのだが…
 そして、ミカエルの身元調査をしていたのは、天才ハッカーのリスベットという女だった…


 最近映画観る時間がないんですよー、すいません!!
そういえば、話題作だったのにうっかり見逃してしまったこの作品… 先日ようやく鑑賞しましたので、なんとなく覚え書きに残しておきます。「ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女」

 日本でも売れに売れまくっているようです、スティーヴ・ラーソンによる3部作ミステリーの一作目。
たぶん、原作をお読みになってる方も多いんじゃないかと思います。
かなりきわどいシーンもありまして、しかし、それを凌駕する圧倒的作品パワーがある。この出来を見るかぎりでは、続編も多いに期待できそうです!!

 えーと、タイトルにもなってる〈ミレニアム〉は、出版社の名前なのですね。そういえばむかし、サイコ事件ばかりを扱った「ミレニアム」というアメリカのドラマがありました… 地味だったんですけど、わたしはけっこう好きだったんですけどねー。

 話が逸れちゃましたが、この新聞社〈ミレニアム〉の敏腕記者ミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)が訴訟を起こされて、有罪判決されるところからはじまります。世間的にはミカエルは悪者あつかいですが、彼の無実をちゃーんと知ってる人がいました。その人物というのが、天才ハッカーのリスベット。

 お話はほんと、ミステリーの王道みたいなシチュエーション・謎解きものです。
出口を断たれた孤島から、40年前にひとりの美少女が姿を消す。ミカエルに調査を依頼した叔父のヘンリック(スヴェン・バーティル・タウベ)は、彼女を溺愛していたものだから、それはそれは悲しみに暮れるのですが… この苦しみ、40年間ずっとつづいています。というのも、彼の誕生日になると、必ず「押し花」が送られてくるのです。この「押し花」はハリエットがいたころ、彼に毎年プレゼントしてくれたものだったのです…

 ヘンリックは「押し花」を送りつづけるのは、ハリエットを殺害した犯人ではないかと確信しています。その犯人とは、自分の一族のひとりではないかというのですが…!! 

 謎めいたストーリー、ときどき挿入されるフラッシュバックも知的でかっこいい。
ミステリといっても、まあ、結末はよくあるタイプのものなんですけどね。でも、この作品の魅力はやはり、破天荒なヒロイン・リスベット(ノオミ・ラパス)にあるのでしょう。
パンキッシュなヘアスタイル、鼻ピアス、全身刺青だらけと、ずいぶん反社会的なんですが~!!

 最初は圧倒されちゃいますが、リスベットはすごい大天才でして、映像記憶能力とか、ハッカーの知識が半端ないのです。それに、レズビアンでもあるし、精神病院あがりだし、保護観察がついてるし、男性恐怖症気味らしいし… などと、問題点いっぱいなのですが、彼女の存在感が非常によいのです。たぶん、このヒロイン像だったからこそ、この小説もそれほどヒットしたんじゃないかなー、という感想です。

 なので、ミステリーを主体に見るよりも、ヒロイン・リスベットとミカエルのちぐはぐながら、徐々に心を通わせていく過程に注目していただきたいです。
このふたり、ついには一線を越えてしまうのですが、露骨なシーンのわりにぜんぜんヤラしくない。むしろ、感動的ですらあります。

 結末のえげつなさ(欧米ミステリにみられる、〇〇の秘密とか…)は、ちょっと受けつけないんですけど、キャラクターが個性的でとてもおもしろかったです。完全版はえらい長かったんですけど、これ、一応映画として公開されたんですよね?










ヒロイン・リスベット。
続編ではさらに過激な
ファッションに!!









有罪判決をうけてしまった
ミカエル。







リスベット、危うし!!
どこにでもいるんです、
エロいオッサンて!!








ミカエルは編集長の
エリカと恋仲なのですが…







ミカエル、
ずいぶんうれしそうだな(笑)
でこぼこ探偵コンビ結成!







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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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