個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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Seuseung ui eunhye
(2006)韓国
出演…ソ・ヨンヒ
イ・ドンギュ
オ・ミヒ
監督…イム・デウン
★★★
〔ストーリー〕
定年後、海辺の町でひとり暮らしをするパク元教師。彼女は車椅子生活のため、教え子であったミジャが進んで世話をしていた。恩師を励ますためにと、卒業から16年ぶりに、かつての同級生たちを招くことに。だが、やってきた6人の男女は、先生にたいして複雑な思いをかかえていた…
邦題だと、「師の恩」でいいのでしょうか。
韓国ホラーです。例によって、韓国ホラーの結末なアレ。
物語は、車椅子のパク元先生(オ・ミヒ)と、彼女の面倒を見ている教え子のミジャ(ソ・ヨンヒ)からはじまります。ヒロインのミジャは、なんか、よくある韓国映画に登場する、いかにもないい子ちゃんぶりを発揮してます。このいい子ちゃん、近ごろ先生が元気がないので、かつての同級生たちを招いてみようかしら! と思いたつ。
そこにやってきたのが、すっかり大人になった男女6名。
優等生だったセホ(ヨ・ヒョンス)とウニョン(ユ・ソラ)は婚約中、クラス一のデブだったスニ(イ・ジヒョン)はイイ女になってるし、反対に、オッサン化しちゃったダルボン(パク・ヒョジュン)、イケメンのミョンホ(イ・ドンギュ)、いまだ少年みたいなジョンウォン(チャン・ソンウォン)。
パク先生はおおはしゃぎ、だけど、集まったメンバーはどこか浮かない様子。というのも、みんなそれぞれ、先生にイジメられた、暗ーい過去をかかえていたからなのです!!
大人になったいまでもそれが忘れられない。でも先生は、都合の悪いことは全部忘れちゃって、すっかり “アタシ、いい先生だったの!” ”退職してからも生徒に慕われるなんて、なーんて幸せ!” って、記憶修整入っちゃってます。
イジメといっても、パラハラというべきか、田舎の小学校だから教師が絶対的。それで、パク先生はやりたい放題。家が貧しいのをからかったり、体罰で障害者にしちゃったり、セクハラで精神的に追いこんじゃったり… そりゃもう、たいした先生でした!
だから、この再会には積年の怨念と殺意が渦巻いていたのです… それ以上に、もっともーっと強い殺意が潜んでいたのです!! という、再会の場の殺人鬼モノです。
内容がまず、好きなんですよ。教師のイジメって、陰湿で暗いイメージでいいですよねー(笑)。やっぱりアジアン・ホラーの特徴は、陰険でなくちゃ!!
本国でもけっこう評判はよかったそうで、複数の視点から物語が進むのも、いかにも韓国ホラーっぽいかもしれません。でも、さほど無理してませんし、複雑でもありません。
惜しいなーと思った点は、殺人鬼モノなのにゴア描写チョビっと。(これがタイホラーだったら、ネチネチやってくれたと思うんですけど!!)…あと、ヒロインの影が薄すぎる。殺人鬼のウサギ仮面くんも、マイケルとかフクロウ仮面とか見ならわなくちゃ!
いちばんちがうかなーと思ったのは、やはり結末ですよ。この手の復讐ホラーは、犯人が身の上を語ったりしてはいけません! 不敵に、闇のなかに消えていかないと… そっちのほうがより効果的だし、ずっと不気味ですよねっ… て、これはあくまでわたし個人の意見なのです。
全体的な暗いトーンと結末からストーリーを追う構成は好みなので、いちいち注文をつけてみました。ですが、わりと良質なサスペンスだったりするのです。あと、NGコードの〇〇も出るけどね!
ひさびさに集まった
メンバーですが…
先生の過去の記憶は、
なにか封印してません
か…?
浜辺で寝ちゃったミョンホ
の前にあらわれたのは…
あららー!!
これは痛そうですねー!!
吊られちゃってますー、
白目むいてるからもう
ダメぽ…
(2006)韓国
出演…ソ・ヨンヒ
イ・ドンギュ
オ・ミヒ
監督…イム・デウン
★★★
〔ストーリー〕
定年後、海辺の町でひとり暮らしをするパク元教師。彼女は車椅子生活のため、教え子であったミジャが進んで世話をしていた。恩師を励ますためにと、卒業から16年ぶりに、かつての同級生たちを招くことに。だが、やってきた6人の男女は、先生にたいして複雑な思いをかかえていた…
邦題だと、「師の恩」でいいのでしょうか。
韓国ホラーです。例によって、韓国ホラーの結末なアレ。
物語は、車椅子のパク元先生(オ・ミヒ)と、彼女の面倒を見ている教え子のミジャ(ソ・ヨンヒ)からはじまります。ヒロインのミジャは、なんか、よくある韓国映画に登場する、いかにもないい子ちゃんぶりを発揮してます。このいい子ちゃん、近ごろ先生が元気がないので、かつての同級生たちを招いてみようかしら! と思いたつ。
そこにやってきたのが、すっかり大人になった男女6名。
優等生だったセホ(ヨ・ヒョンス)とウニョン(ユ・ソラ)は婚約中、クラス一のデブだったスニ(イ・ジヒョン)はイイ女になってるし、反対に、オッサン化しちゃったダルボン(パク・ヒョジュン)、イケメンのミョンホ(イ・ドンギュ)、いまだ少年みたいなジョンウォン(チャン・ソンウォン)。
パク先生はおおはしゃぎ、だけど、集まったメンバーはどこか浮かない様子。というのも、みんなそれぞれ、先生にイジメられた、暗ーい過去をかかえていたからなのです!!
大人になったいまでもそれが忘れられない。でも先生は、都合の悪いことは全部忘れちゃって、すっかり “アタシ、いい先生だったの!” ”退職してからも生徒に慕われるなんて、なーんて幸せ!” って、記憶修整入っちゃってます。
イジメといっても、パラハラというべきか、田舎の小学校だから教師が絶対的。それで、パク先生はやりたい放題。家が貧しいのをからかったり、体罰で障害者にしちゃったり、セクハラで精神的に追いこんじゃったり… そりゃもう、たいした先生でした!
だから、この再会には積年の怨念と殺意が渦巻いていたのです… それ以上に、もっともーっと強い殺意が潜んでいたのです!! という、再会の場の殺人鬼モノです。
内容がまず、好きなんですよ。教師のイジメって、陰湿で暗いイメージでいいですよねー(笑)。やっぱりアジアン・ホラーの特徴は、陰険でなくちゃ!!
本国でもけっこう評判はよかったそうで、複数の視点から物語が進むのも、いかにも韓国ホラーっぽいかもしれません。でも、さほど無理してませんし、複雑でもありません。
惜しいなーと思った点は、殺人鬼モノなのにゴア描写チョビっと。(これがタイホラーだったら、ネチネチやってくれたと思うんですけど!!)…あと、ヒロインの影が薄すぎる。殺人鬼のウサギ仮面くんも、マイケルとかフクロウ仮面とか見ならわなくちゃ!
いちばんちがうかなーと思ったのは、やはり結末ですよ。この手の復讐ホラーは、犯人が身の上を語ったりしてはいけません! 不敵に、闇のなかに消えていかないと… そっちのほうがより効果的だし、ずっと不気味ですよねっ… て、これはあくまでわたし個人の意見なのです。
全体的な暗いトーンと結末からストーリーを追う構成は好みなので、いちいち注文をつけてみました。ですが、わりと良質なサスペンスだったりするのです。あと、NGコードの〇〇も出るけどね!
ひさびさに集まった
メンバーですが…
先生の過去の記憶は、
なにか封印してません
か…?
浜辺で寝ちゃったミョンホ
の前にあらわれたのは…
あららー!!
これは痛そうですねー!!
吊られちゃってますー、
白目むいてるからもう
ダメぽ…
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La casa dalle
finestre che ridono
(1976)イタリア
出演…リーノ・カポリッキオ
フランチェスカ・マルチアーノ
ピーナ・ボリオーネ
監督…プピ・アヴァティ
★★★
〔ストーリー〕
教会のフレスコ画を修復するために、とある田舎町に招かれた青年ステファーノ。おなじ船に乗っていた美人・フランチェスカは教師で、ホテルで知りあったふたりは、しだいに惹かれあっていく。フレスコ画は殉教者を描いたもので、身体中をナイフで刺されるという凄惨な内容だった。ステファーノを推薦した友人アントニオは、「この町はどこかおかしい」と、不安をこぼす。そして到着そうそう、ホテルに不気味な電話がかかってくる。「フレスコ画に手を出すな」という、不気味な脅し文句をうけるのだが…??
どうも最近、新作を観る意欲が湧きません。。そこで、カルト映画漁りばかりしてました。おもしろい作品があったので、いくつか。
未公開作品なんですが、「笑む窓のある家」というタイトルが定着しているみたいです。さすがにクラシック、カルトで未公開となると、情報がなかなか入ってこないんです、ううー、なにぶんド素人ですから… なので、こんなおもしろい作品があったなんて、ぜんぜん知りませんでした!
監督のプピ・アヴァティのフィルモグラフィをざっと見ると、「追憶の旅」、「いつか見た風景」、「恋は結婚式のあとで…」などなど、青春ものや恋愛ものが多いみたいです。が、これはあくまで日本の流通イメージ。もともとこの監督さんは、神秘主義によって頭角をあらわした方なんだそうで、国内では、恐怖映画の第一人者の呼び声が高いんだとか。だから、「Zeder」(「ゼダー/死霊の復活祭」1983)、「L'arcano incantatore」(「オーメン黙示録」1996)なんて作品もあったりするのです!
お話は、とある小さな町の教会のフレスコ画を修復するため、ステファーノ(リーノ・カポリッキオ)が招かれるところからはじまります。この町には船で渡るんですが、同乗者に美人(フランチェスカ・マチアーノ)もいました。彼女は教師としてこの町にやってきて、ホテルもいっしょ。馴れない土地で、なんとなく肩身のせまい同士、しだいに仲よくなっちゃいます。
ステファーノが修復する絵は、殉教者を描いたものなんですが、これがちょっと例を見ないくらい残酷で具体的なもの。(↓)下の写真でもわかるとおり、グッサグサに刺されまくってます。この絵を描いた画家は、およそ20年前に死んだんだとか。さっそく修復にとりかかるステファーノですが、その晩から奇妙なできごとが。ホテルに電話がかかってきて、「フレスコ画には触れるな!」と、警告をうけるのです。
じつは、教会の司祭にステファーノを紹介したのは、友人のアントニオ。しかし、アントニオの様子もどこかおかしく、なんだか見張られているみたいに周囲を気にします。そしてその晩、とうとう事件が起こってしまいます…!!
観終わった感想は、ストーリーがとても丁寧、ワンシーンもその繊細さが伝わってくるほど気を使った印象。ですが、この時期イタリアン・ホラーというと、あの巨匠だったり、この巨匠だったり…
この監督さんは、その系のホラー監督さんではありません。ですから、残酷描写もなく、そのへんが紹介されなかった理由なんでしょう。うーん… 非常に残念です!
なのですが、これはいま観てもじゅうぶんおもしろいし、 視覚で観客をつかむホラーじゃなくて、丹念にエピソードを積み重ねた結果、最終的にどーん! と、恐怖がやってくるホラー。知的で品のいい画ばっかりですが、邦題にもなってる “笑む家” の悪夢的イメージは強烈な印象を残します。
そう思って安心して観ていたら… うあぁ!!!
この結末は、ひさしぶりにゾクッときました! 知的で品がいいけど、けっこうこわいよ!! 軽いショックで頭がボーっとなっちゃったし!!
未公開として埋もれさせるには、あまりにもったいない質の高さです。機会がありましたらぜひ、ご覧になってみてください。
ちなみに、「ゼダー/死霊の復活祭」は、キングの『ペットセマタリー』の元ネタではないかという噂があるんですが… 真偽をたしかめるわけじゃありませんけど、こっちも観てみたいです!!
主人公のステファーノ。
うしろが問題の絵。
こんなかわいい女教師と、
知りあいになっちゃうわけ
で!
修復をつづけていくと、
なにやら不気味な絵が
出てきましたが…?
おなじくよそ者感覚に悩む、
運転手のマルコ。
ステファーノは消えた画家
の謎にとりつかれてしまい…
finestre che ridono
(1976)イタリア
出演…リーノ・カポリッキオ
フランチェスカ・マルチアーノ
ピーナ・ボリオーネ
監督…プピ・アヴァティ
★★★
〔ストーリー〕
教会のフレスコ画を修復するために、とある田舎町に招かれた青年ステファーノ。おなじ船に乗っていた美人・フランチェスカは教師で、ホテルで知りあったふたりは、しだいに惹かれあっていく。フレスコ画は殉教者を描いたもので、身体中をナイフで刺されるという凄惨な内容だった。ステファーノを推薦した友人アントニオは、「この町はどこかおかしい」と、不安をこぼす。そして到着そうそう、ホテルに不気味な電話がかかってくる。「フレスコ画に手を出すな」という、不気味な脅し文句をうけるのだが…??
どうも最近、新作を観る意欲が湧きません。。そこで、カルト映画漁りばかりしてました。おもしろい作品があったので、いくつか。
未公開作品なんですが、「笑む窓のある家」というタイトルが定着しているみたいです。さすがにクラシック、カルトで未公開となると、情報がなかなか入ってこないんです、ううー、なにぶんド素人ですから… なので、こんなおもしろい作品があったなんて、ぜんぜん知りませんでした!
監督のプピ・アヴァティのフィルモグラフィをざっと見ると、「追憶の旅」、「いつか見た風景」、「恋は結婚式のあとで…」などなど、青春ものや恋愛ものが多いみたいです。が、これはあくまで日本の流通イメージ。もともとこの監督さんは、神秘主義によって頭角をあらわした方なんだそうで、国内では、恐怖映画の第一人者の呼び声が高いんだとか。だから、「Zeder」(「ゼダー/死霊の復活祭」1983)、「L'arcano incantatore」(「オーメン黙示録」1996)なんて作品もあったりするのです!
お話は、とある小さな町の教会のフレスコ画を修復するため、ステファーノ(リーノ・カポリッキオ)が招かれるところからはじまります。この町には船で渡るんですが、同乗者に美人(フランチェスカ・マチアーノ)もいました。彼女は教師としてこの町にやってきて、ホテルもいっしょ。馴れない土地で、なんとなく肩身のせまい同士、しだいに仲よくなっちゃいます。
ステファーノが修復する絵は、殉教者を描いたものなんですが、これがちょっと例を見ないくらい残酷で具体的なもの。(↓)下の写真でもわかるとおり、グッサグサに刺されまくってます。この絵を描いた画家は、およそ20年前に死んだんだとか。さっそく修復にとりかかるステファーノですが、その晩から奇妙なできごとが。ホテルに電話がかかってきて、「フレスコ画には触れるな!」と、警告をうけるのです。
じつは、教会の司祭にステファーノを紹介したのは、友人のアントニオ。しかし、アントニオの様子もどこかおかしく、なんだか見張られているみたいに周囲を気にします。そしてその晩、とうとう事件が起こってしまいます…!!
観終わった感想は、ストーリーがとても丁寧、ワンシーンもその繊細さが伝わってくるほど気を使った印象。ですが、この時期イタリアン・ホラーというと、あの巨匠だったり、この巨匠だったり…
この監督さんは、その系のホラー監督さんではありません。ですから、残酷描写もなく、そのへんが紹介されなかった理由なんでしょう。うーん… 非常に残念です!
なのですが、これはいま観てもじゅうぶんおもしろいし、 視覚で観客をつかむホラーじゃなくて、丹念にエピソードを積み重ねた結果、最終的にどーん! と、恐怖がやってくるホラー。知的で品のいい画ばっかりですが、邦題にもなってる “笑む家” の悪夢的イメージは強烈な印象を残します。
そう思って安心して観ていたら… うあぁ!!!
この結末は、ひさしぶりにゾクッときました! 知的で品がいいけど、けっこうこわいよ!! 軽いショックで頭がボーっとなっちゃったし!!
未公開として埋もれさせるには、あまりにもったいない質の高さです。機会がありましたらぜひ、ご覧になってみてください。
ちなみに、「ゼダー/死霊の復活祭」は、キングの『ペットセマタリー』の元ネタではないかという噂があるんですが… 真偽をたしかめるわけじゃありませんけど、こっちも観てみたいです!!
主人公のステファーノ。
うしろが問題の絵。
こんなかわいい女教師と、
知りあいになっちゃうわけ
で!
修復をつづけていくと、
なにやら不気味な絵が
出てきましたが…?
おなじくよそ者感覚に悩む、
運転手のマルコ。
ステファーノは消えた画家
の謎にとりつかれてしまい…
Kaboom
(2010)アメリカ/フランス
出演…トーマス・デッカー
ハーレイ・ベネット
ジュノ・テンプル
監督…グレッグ・アラキ
★★★☆
〔ストーリー〕
スミスはゲイ経験のある男の子、でも、女の子にもふつうに興味がある。カレッジのルームメイトは典型的な遊び人サーファーのレックス、親友はレズビアンのステラ。ある晩、レイヴパーティーに出かけたスミスは、不思議な夢の余韻をひきずって、運命の出会いを期待してしまう。そこには運命以上の、奇怪な事件が待っていた…!!
トーマス・デッカーがバイセクシャルというので、つい。
カオスな青春は、愛とセックスと陰謀が満ちあふれています!!
グレッグ・アラキ監督は、日系三世の方でして、主にインディペンデンス系でゲイ映画を撮っている方です。「Mysterious Skin」(「ミステリアス・スキン」2004)は、わたしも大好きでした! あの作品で、ジョセフ・ゴードン・レヴィットのファンになったといっていいくらい。今回は、「ターミネーター/サラ・コナー・クロニクルズ」でおなじみのトーマス・デッカーが、バイ役になってしまうと! 前から思ってたんですけど、デッカーはゲイ役(バイ役も)よく似合います。
スミス(デッカー)は、よくあるふつうの男の子。カレッジでルームメイトのレックス(アンディ・フィッシャー・プリンス)に、たまにエッチな妄想して欲情もしてますが、かわいい女の子にも興味があるし、できればセックスもしたい。そんなバイ典型の好奇心旺盛っ子です。
親友は、これまたレズビアンのステラ(ハーレイ・ベネット)。ステラのステディは、ローレライというミステリアスな女の子だけど、なんだか不思議な魔力があるみたい。
スミスは近ごろ、おかしな夢ばかり見て、そこには女の子、知らない人たちがたくさん登場します。なにか運命を感じた彼は、レイヴパーティーに出かけた晩、ソウルメイトでもいるんじゃないかとさがしていると…
いた、いた!
そこに立ってる男の子、
ちがう、あそこに立ってる女の子、
ちがう、そこの美人のきみ!!
なんて思ってる間に、靴にゲロを吐かれてしまいます。クッキーをさしだされて、齧ってみたら薬が入ってたみたいです。おかしなトリップに浸りながら、外に出たところ、急に赤い髪の女の子に助けをもとめられて…
導入部がこんな感じです。
今回はポップでぶっ飛んだ内容なので、さほど真剣に観る必要はなくて(笑)、おおいにのびのび楽しみながら観ましょう。軽快なノリで、サクッと最後まで観れちゃうお話ですが、アラキ監督なりに攻撃的な部分だってひそかにありますけどね。
お気楽なバイ青年の青春を描いているようでいて、やっぱり価値観の逆転が根底にあるみたいです。
でも、だれだって、トーマス・デッカーになれるのなら、バイ生活を送ってみたい!! …そう思うのは、わたしが多少変態だからでしょーか? いえ、そんなことないはず!!
今回は批評家たちの高まる評価に満を持しての作品ですが、アラキファンにも定評のある、初期作品を彷彿させる内容になってます。また、デヴィット・リンチの「ツイン・ピークス」にも強く影響されたとのこと。一応スリラーなんですが、コミカルでカラフルな内容は、ティーンの混沌そのものを表現しているのかも。
あなたはあなた、わたしはわたし。
でも、わたしって、いったいなに???
この作品をきっかけに、アラキ監督の評価がいちだんと高まりそうです。この感覚は、乗りおくれたらダメよー!!
ぱっちりおめめ、
長ーいマツゲ、
ヒヨっこ臭がバイ役に
ぴったりなんです!!
みなさんもご承知のこと
と思いますが、
ゲイ要素のある男性は
モテるんです。
モテるんです。
このサーファーが、
にくい、にくいのよぅ!!
ステラの恋人は
魔女ってホント??
ときどき見る
不思議な夢は…
(2010)アメリカ/フランス
出演…トーマス・デッカー
ハーレイ・ベネット
ジュノ・テンプル
監督…グレッグ・アラキ
★★★☆
〔ストーリー〕
スミスはゲイ経験のある男の子、でも、女の子にもふつうに興味がある。カレッジのルームメイトは典型的な遊び人サーファーのレックス、親友はレズビアンのステラ。ある晩、レイヴパーティーに出かけたスミスは、不思議な夢の余韻をひきずって、運命の出会いを期待してしまう。そこには運命以上の、奇怪な事件が待っていた…!!
トーマス・デッカーがバイセクシャルというので、つい。
カオスな青春は、愛とセックスと陰謀が満ちあふれています!!
グレッグ・アラキ監督は、日系三世の方でして、主にインディペンデンス系でゲイ映画を撮っている方です。「Mysterious Skin」(「ミステリアス・スキン」2004)は、わたしも大好きでした! あの作品で、ジョセフ・ゴードン・レヴィットのファンになったといっていいくらい。今回は、「ターミネーター/サラ・コナー・クロニクルズ」でおなじみのトーマス・デッカーが、バイ役になってしまうと! 前から思ってたんですけど、デッカーはゲイ役(バイ役も)よく似合います。
スミス(デッカー)は、よくあるふつうの男の子。カレッジでルームメイトのレックス(アンディ・フィッシャー・プリンス)に、たまにエッチな妄想して欲情もしてますが、かわいい女の子にも興味があるし、できればセックスもしたい。そんなバイ典型の好奇心旺盛っ子です。
親友は、これまたレズビアンのステラ(ハーレイ・ベネット)。ステラのステディは、ローレライというミステリアスな女の子だけど、なんだか不思議な魔力があるみたい。
スミスは近ごろ、おかしな夢ばかり見て、そこには女の子、知らない人たちがたくさん登場します。なにか運命を感じた彼は、レイヴパーティーに出かけた晩、ソウルメイトでもいるんじゃないかとさがしていると…
いた、いた!
そこに立ってる男の子、
ちがう、あそこに立ってる女の子、
ちがう、そこの美人のきみ!!
なんて思ってる間に、靴にゲロを吐かれてしまいます。クッキーをさしだされて、齧ってみたら薬が入ってたみたいです。おかしなトリップに浸りながら、外に出たところ、急に赤い髪の女の子に助けをもとめられて…
導入部がこんな感じです。
今回はポップでぶっ飛んだ内容なので、さほど真剣に観る必要はなくて(笑)、おおいにのびのび楽しみながら観ましょう。軽快なノリで、サクッと最後まで観れちゃうお話ですが、アラキ監督なりに攻撃的な部分だってひそかにありますけどね。
お気楽なバイ青年の青春を描いているようでいて、やっぱり価値観の逆転が根底にあるみたいです。
でも、だれだって、トーマス・デッカーになれるのなら、バイ生活を送ってみたい!! …そう思うのは、わたしが多少変態だからでしょーか? いえ、そんなことないはず!!
今回は批評家たちの高まる評価に満を持しての作品ですが、アラキファンにも定評のある、初期作品を彷彿させる内容になってます。また、デヴィット・リンチの「ツイン・ピークス」にも強く影響されたとのこと。一応スリラーなんですが、コミカルでカラフルな内容は、ティーンの混沌そのものを表現しているのかも。
あなたはあなた、わたしはわたし。
でも、わたしって、いったいなに???
この作品をきっかけに、アラキ監督の評価がいちだんと高まりそうです。この感覚は、乗りおくれたらダメよー!!
ぱっちりおめめ、
長ーいマツゲ、
ヒヨっこ臭がバイ役に
ぴったりなんです!!
みなさんもご承知のこと
と思いますが、
ゲイ要素のある男性は
モテるんです。
モテるんです。
このサーファーが、
にくい、にくいのよぅ!!
ステラの恋人は
魔女ってホント??
ときどき見る
不思議な夢は…
Il nido del ragno
(1988)イタリア
出演…ローランド・ウィベンガ
パオラ・リナルディ
ステファーヌ・オードラン
監督…ジャンフランコ・ジャーニ
★★☆
〔ストーリー〕
古代言語学者のアランは、学者仲間のロスの連絡がとだえたため、彼の所在を確認するためにブタペストにむかう。そこには、美人秘書ジュヌヴィエーヌがいた。
アパートを訪れると夫人がむかえ、ロスは精神不安に陥っているとのこと。その証拠に、夫人が席を立ったとたん、彼はおびえてメモを手渡す。そのとき、窓ガラスが割られてボールが部屋に。子供のいたずらか? 窓の外をのぞいてふりかえったアランは、ロスが消えていることに愕然とするのだが…??
近年評価が高まりつつある、カルト・クラシックのひとつです。
監督のジャンフランコ・ジャーニは、これが長編第一作で、以降ホラーはありません。この監督デビュー作にあたって、いろんなイタリアン・ホラーを研究したようです!
邦題だと、「呪いの迷宮/ラビリンス・イン・ザ・ダーク」。迷宮っぽいかな? でも、雰囲気はわりといいので、楽しめる作品だと思います。けっこう楽しいんですけど、これからってときに終わっちゃう、あっけなさもあるかも。
物語は、古代言語を研究している主人公のアラン(ローランド・ヴィベンガ)が、ブタペストの先輩教授ロスから報告がこなくなったため、様子を見てきてほしいと、チームに命じられるところからはじまります。
そこには、美人秘書のジュヌヴィエーヌ(パオラ・リナルディ)が、アランの到着を待っていたのでした。
ジュヌヴィエーヌによると、ロスはアパートの一室から出られなくなってしまったとのこと。そのアパートにむかうと、これまた色気のある夫人が迎えてくれます。ロスはなんだか、精神不安になって仕事ができなくなってしまったようなのです。
が、部屋に案内されて、夫人が「お茶を」と席をはずしたとたん、いきなりメモを渡されます。直後、窓ガラスを破って黒いボールが。「なんだ? 悪ガキのしわざか?」外を見ても、だれもいません… ふりかえってみると、今度はロスがいないじゃありませんかー!!
そして、ロスのこの失踪からはじまって、奇怪な事件に巻きこまれてしまう~、というお話。
上記のポスターからもわかるとおり、この作品は “蜘蛛” が凶事の原因なのですが、この蜘蛛、なかなか不気味でよろしい!!
いろんなパターンがありまして、
その① わかりやすい蜘蛛女(← けっこうこわいの(顔が)
その② 黒いボールの正体は…(← アニメーションがイイ!)
その③ まさか、まさかのラスボス…!!(← 「サスペリア」の影響かな?)
蜘蛛女がたいへん不気味でよろしい。殺害方法も個性的だと思います。
この作品には、怪しい雰囲気の女性がたくさん登場するんですが、(ジュヌヴィエーヌもそのひとり)、これが作品じたいを盛りあげる演出にもなってます。
しかし、惜しいことに、思いきりが足りない! もっとこの、怪しい女性陣の活躍をたくさん見たかったです。自称ロス夫人のヌードも見たかった、なんていったら、下世話ですかね…?
やや消化不良感もあるんですが、王道ホラーをめざした作りには好感がもてます。
海外からすると、蜘蛛ってやっぱり邪悪な存在の象徴なんですかね? あ、この映画は “蜘蛛の悪魔” とカルト教団のお話なのです。
若き古代言語学者の
アラン。
ホテルのオーナーは、
これまた怪しい女性…
美人秘書も怪しい…!!
アランに忠告しようとした
メイドは、恐怖を味わうこ
とに!!
きゃーー!!!
蜘蛛女役のヒトは、
顔がほんとこわかった…
(1988)イタリア
出演…ローランド・ウィベンガ
パオラ・リナルディ
ステファーヌ・オードラン
監督…ジャンフランコ・ジャーニ
★★☆
〔ストーリー〕
古代言語学者のアランは、学者仲間のロスの連絡がとだえたため、彼の所在を確認するためにブタペストにむかう。そこには、美人秘書ジュヌヴィエーヌがいた。
アパートを訪れると夫人がむかえ、ロスは精神不安に陥っているとのこと。その証拠に、夫人が席を立ったとたん、彼はおびえてメモを手渡す。そのとき、窓ガラスが割られてボールが部屋に。子供のいたずらか? 窓の外をのぞいてふりかえったアランは、ロスが消えていることに愕然とするのだが…??
近年評価が高まりつつある、カルト・クラシックのひとつです。
監督のジャンフランコ・ジャーニは、これが長編第一作で、以降ホラーはありません。この監督デビュー作にあたって、いろんなイタリアン・ホラーを研究したようです!
邦題だと、「呪いの迷宮/ラビリンス・イン・ザ・ダーク」。迷宮っぽいかな? でも、雰囲気はわりといいので、楽しめる作品だと思います。けっこう楽しいんですけど、これからってときに終わっちゃう、あっけなさもあるかも。
物語は、古代言語を研究している主人公のアラン(ローランド・ヴィベンガ)が、ブタペストの先輩教授ロスから報告がこなくなったため、様子を見てきてほしいと、チームに命じられるところからはじまります。
そこには、美人秘書のジュヌヴィエーヌ(パオラ・リナルディ)が、アランの到着を待っていたのでした。
ジュヌヴィエーヌによると、ロスはアパートの一室から出られなくなってしまったとのこと。そのアパートにむかうと、これまた色気のある夫人が迎えてくれます。ロスはなんだか、精神不安になって仕事ができなくなってしまったようなのです。
が、部屋に案内されて、夫人が「お茶を」と席をはずしたとたん、いきなりメモを渡されます。直後、窓ガラスを破って黒いボールが。「なんだ? 悪ガキのしわざか?」外を見ても、だれもいません… ふりかえってみると、今度はロスがいないじゃありませんかー!!
そして、ロスのこの失踪からはじまって、奇怪な事件に巻きこまれてしまう~、というお話。
上記のポスターからもわかるとおり、この作品は “蜘蛛” が凶事の原因なのですが、この蜘蛛、なかなか不気味でよろしい!!
いろんなパターンがありまして、
その① わかりやすい蜘蛛女(← けっこうこわいの(顔が)
その② 黒いボールの正体は…(← アニメーションがイイ!)
その③ まさか、まさかのラスボス…!!(← 「サスペリア」の影響かな?)
蜘蛛女がたいへん不気味でよろしい。殺害方法も個性的だと思います。
この作品には、怪しい雰囲気の女性がたくさん登場するんですが、(ジュヌヴィエーヌもそのひとり)、これが作品じたいを盛りあげる演出にもなってます。
しかし、惜しいことに、思いきりが足りない! もっとこの、怪しい女性陣の活躍をたくさん見たかったです。自称ロス夫人のヌードも見たかった、なんていったら、下世話ですかね…?
やや消化不良感もあるんですが、王道ホラーをめざした作りには好感がもてます。
海外からすると、蜘蛛ってやっぱり邪悪な存在の象徴なんですかね? あ、この映画は “蜘蛛の悪魔” とカルト教団のお話なのです。
若き古代言語学者の
アラン。
ホテルのオーナーは、
これまた怪しい女性…
美人秘書も怪しい…!!
アランに忠告しようとした
メイドは、恐怖を味わうこ
とに!!
きゃーー!!!
蜘蛛女役のヒトは、
顔がほんとこわかった…
Red Riding Hood
(2011)アメリカ
出演…アマンダ・セイフライド
シャイロ・フェルナンデス
マックス・アイアンズ
監督…キャサリン・ハードウィック
★★★
〔ストーリー〕
ある地の寒村で、幼なじみのピーターとともに育ったヴァレリー。歳ごろになったふたりはいつしか愛しあうようになり、ひそかに駆け落ちする計画を立てていた。しかし、レッド・ムーン(血の月)がのぼったとき、おそろしい事件が起こってしまう。それまでは、動物の供物によって満足していた狼が、ヴァレリーの姉を襲い殺してしまったのだ!!
村人たちは怒りに燃えて、狼に支配された生活はもうイヤだと、怪物討伐に乗りだすのだが…
赤ずきんをモチーフにしたロマンチックホラーです。
キャサリン・ハードウィック監督は、「Twilight」(「トワイライト/初恋」2008)を撮った方ですから… そんな雰囲気の映画になっています。
お話は、なんとなく中世。
ヴァレリー(アマンダ・セイフライド)とピーター(シャイロ・フェルナンデス)の育った村には、不思議なしきたりがありました。というのは、満月の時期になると月が赤く染まり、狼の怪物が出現するというのです。村人たちは狼の怒りを買わないために、毎月新鮮な獲物(動物)を用意していました。
そこで、村人たちが儀式に気をとられている隙に、ふたりは駆け落ちしようと約束していたのですが…
ここで、恐ろしい事件が起こってしまいます。
なんと、アマンダの実姉が狼に噛み殺されてしまったのでした!!
狼はなぜ急に人間を襲うようになったのか? 村人たちはパニックになって、狼におびえるのはもうウンザリだと、一大決心して討伐に乗りだすのです。そこには、愛するピーター、それから、両親が勝手に決めてしまった結婚相手のヘンリー(マックス・アイアンズ)もいました…
わかりやすくいっちゃうと、「The Wolfman」(「ウルフマン」2010)と「トワイライト」を足して2で割った感じ。
赤ずきんモチーフの映画というと、まず思い浮かべるのはニール・ジョーダンの「The Company of Wolves」(「狼の血族」1984)ですよね。これを知っている人には、うーん、ちょっとキビシイでしょうか。
「トワイライト」ほど甘ったるくも、単調でもないんですけど、やはり物語は、おとぎ話的な理想郷を出ていません。ニール・ジョーダンの赤ずきんは、少女の不安とか、性のおののきなんかを、不気味さとアートでうまく調和した印象深い作品でしたが、こちらはそういうきわどい領域にまで踏みこんでいない。赤ずきんの童話の奥にひそむ危険さも、チョビっとほのめかす程度なんですよ。
あと、ゲイリー・オールドマンがいつも、いつもの役なんです…(もっと、彼が生き生きする役をあたえてあげてくださーい!)
とはいえ、見どころもありまして、ヒロインアマンダの赤ずきんには溜息モノ。
透きとおる白い肌、金髪、大きな瞳、そこに赤いマントがくわわると… そうなんです、この映画は、彼女がこの役を演じるために用意されたといっていいでしょう!!
キャサリン女史の作品らしく、出演陣もみんな映画のなかの理想的キャラクターとして、神秘的で欠点のない役を演じています。雰囲気じたいも悪くないし、世界観も確立しているので、まあ、映画館で観ても損にはならないかと思います。
ただ、舞台が中世っていうと、だいたいこういうパターンになっちゃうのはなんでなんですかね…?
アマンダの赤ずきん。
雪景色に赤が映えます。
最近ますますキレイに
なった彼女。
つぎの映画が楽しみです!
婚約者の
ヘンリーは…
でも、ピーターが
好きなの!!!
狩人というと、赤ずきんを
救う役目でしたが…
こちらの狩人
(オールドマン)は??
(2011)アメリカ
出演…アマンダ・セイフライド
シャイロ・フェルナンデス
マックス・アイアンズ
監督…キャサリン・ハードウィック
★★★
〔ストーリー〕
ある地の寒村で、幼なじみのピーターとともに育ったヴァレリー。歳ごろになったふたりはいつしか愛しあうようになり、ひそかに駆け落ちする計画を立てていた。しかし、レッド・ムーン(血の月)がのぼったとき、おそろしい事件が起こってしまう。それまでは、動物の供物によって満足していた狼が、ヴァレリーの姉を襲い殺してしまったのだ!!
村人たちは怒りに燃えて、狼に支配された生活はもうイヤだと、怪物討伐に乗りだすのだが…
赤ずきんをモチーフにしたロマンチックホラーです。
キャサリン・ハードウィック監督は、「Twilight」(「トワイライト/初恋」2008)を撮った方ですから… そんな雰囲気の映画になっています。
お話は、なんとなく中世。
ヴァレリー(アマンダ・セイフライド)とピーター(シャイロ・フェルナンデス)の育った村には、不思議なしきたりがありました。というのは、満月の時期になると月が赤く染まり、狼の怪物が出現するというのです。村人たちは狼の怒りを買わないために、毎月新鮮な獲物(動物)を用意していました。
そこで、村人たちが儀式に気をとられている隙に、ふたりは駆け落ちしようと約束していたのですが…
ここで、恐ろしい事件が起こってしまいます。
なんと、アマンダの実姉が狼に噛み殺されてしまったのでした!!
狼はなぜ急に人間を襲うようになったのか? 村人たちはパニックになって、狼におびえるのはもうウンザリだと、一大決心して討伐に乗りだすのです。そこには、愛するピーター、それから、両親が勝手に決めてしまった結婚相手のヘンリー(マックス・アイアンズ)もいました…
わかりやすくいっちゃうと、「The Wolfman」(「ウルフマン」2010)と「トワイライト」を足して2で割った感じ。
赤ずきんモチーフの映画というと、まず思い浮かべるのはニール・ジョーダンの「The Company of Wolves」(「狼の血族」1984)ですよね。これを知っている人には、うーん、ちょっとキビシイでしょうか。
「トワイライト」ほど甘ったるくも、単調でもないんですけど、やはり物語は、おとぎ話的な理想郷を出ていません。ニール・ジョーダンの赤ずきんは、少女の不安とか、性のおののきなんかを、不気味さとアートでうまく調和した印象深い作品でしたが、こちらはそういうきわどい領域にまで踏みこんでいない。赤ずきんの童話の奥にひそむ危険さも、チョビっとほのめかす程度なんですよ。
あと、ゲイリー・オールドマンがいつも、いつもの役なんです…(もっと、彼が生き生きする役をあたえてあげてくださーい!)
とはいえ、見どころもありまして、ヒロインアマンダの赤ずきんには溜息モノ。
透きとおる白い肌、金髪、大きな瞳、そこに赤いマントがくわわると… そうなんです、この映画は、彼女がこの役を演じるために用意されたといっていいでしょう!!
キャサリン女史の作品らしく、出演陣もみんな映画のなかの理想的キャラクターとして、神秘的で欠点のない役を演じています。雰囲気じたいも悪くないし、世界観も確立しているので、まあ、映画館で観ても損にはならないかと思います。
ただ、舞台が中世っていうと、だいたいこういうパターンになっちゃうのはなんでなんですかね…?
アマンダの赤ずきん。
雪景色に赤が映えます。
最近ますますキレイに
なった彼女。
つぎの映画が楽しみです!
婚約者の
ヘンリーは…
でも、ピーターが
好きなの!!!
狩人というと、赤ずきんを
救う役目でしたが…
こちらの狩人
(オールドマン)は??
Trilogy of Terror
(1975)アメリカ
出演…カレン・ブラック
ロバート・バートン
ジョン・カーレン
監督…ダン・カーティス
★★★☆
〔ストーリー〕
カレン・ブラックの怪演が光る、テレビ映画の傑作アンソロジー。
脚本にはリチャード・マシスン、それからウィリアム・F・ノーランが参加しています。
ときどき、とんちんかんな映画レビューをしてしまう (…いつも、という話もありますが)ので、これは傑作成分が足りないんだ! と思いたち、かの傑作テレビムービー、「恐怖と戦慄の美女」をご紹介。
以前にも書いたと思うんですけど、70年代は傑作テレビ映画がたくさんつくられていた時期です。というより、これ以降のテレビ映画は下降の一途をたどっています。考えてみれば、それ以前に傑作なテレビシリーズが放映されていたわけですから、(「アウターリミッツ」、「トワイライトゾーン」…)それだけ優秀な脚本を書ける作家さんがいたということでしょう。ということで、こちらの脚本にもマシスン、ノーランといった大御所が参加しています。
一話め:〈Julie〉
〈ホット・ブラッド〉シリーズにも掲載されています、マシスンの短編『愛しのジュリー』の映像化。原作ではダサい女の子でしたが、こちらは女教師。
ジュリー先生(カレン・ブラック)は、きまじめで垢抜けない独身教師。ある日、授業中に生徒の青年チャドは彼女の太腿を見つめ、欲情をおぼえてしまいます。なんだ、この女、よく見るとけっこうイケるじゃんか… そこで、チャドは先生をドライブインデートに誘うのですが…
二話め:〈Millicent and Therese〉
父母が亡くなり、広大な館に双子の妹ミリセントと暮らすセリーズ(ブラック)。しかし、彼女は恐怖におびえて毎日を過ごしていた。妹のミリセントは邪悪で、両親たちが死んだのも彼女のせいではないかと疑っているのだが…??
三話め:〈Prey〉
こちらもマシスン原作。アパートにひとり暮らしをするアメリア(ブラック)は、ある晩友人からジョークでアフリカの呪術人形をもらう。その奇妙で安っぽい黒い人形に、アメリアは本気にせずに、呪術の封印を解いてしまうのだが…
しょっぱなから、こんなテレビ映画でよろしんでしょうか、というくらいアブナイ内容(…というか、原作そのものがアブナイんですが!)です。カレン・ブラックの神経質な魅力がぞんぶんに発揮されています。しかし、この作品がホラーの殿堂入りをはたしたゆえんは、最後のお話のラストにあるのです!!
この三話めの結末を観るだけでも、この作品はじゅうぶん価値があります。というか、ホラーファンならば必ず観ておきましょう!! そんな伝説の一作なのです。
これがおもしろいと思えたなら、「A Cold Night's Death」(「恐怖の酷寒地獄/雪山宇宙研究所の謎」1973)もオススメできます。こちらのラストも不気味で、ホラー・ミステリファンなら、なるほどとうなずけるはず。
あと、「Crawlspace」(「地下室の侵入者/抑圧された十代」1972)もオススメ。(← 念のために書いておきますが、クラウス・キンスキーのギョロ目がすてきな、あっちの「クロールスペース」(1985)じゃありません!)。これはベトナム帰還兵の青年が、老夫婦の地下室に勝手に住みついちゃうお話で、やはり結末が忘れがたいんですよね。
きまじめで垢抜けない
ジュリー先生は…
教え子のアブナイ
欲情のはけ口に…!!!
ミリセントは派手好き、
邪悪、ずる賢くて、
おまけにとっても
奔放です!!
奇妙な呪術人形を
プレゼントされちゃい
ましたが…
ぎゃあああああ!!!
な結末は、みなさんの目で
ご確認を!!
(1975)アメリカ
出演…カレン・ブラック
ロバート・バートン
ジョン・カーレン
監督…ダン・カーティス
★★★☆
〔ストーリー〕
カレン・ブラックの怪演が光る、テレビ映画の傑作アンソロジー。
脚本にはリチャード・マシスン、それからウィリアム・F・ノーランが参加しています。
ときどき、とんちんかんな映画レビューをしてしまう (…いつも、という話もありますが)ので、これは傑作成分が足りないんだ! と思いたち、かの傑作テレビムービー、「恐怖と戦慄の美女」をご紹介。
以前にも書いたと思うんですけど、70年代は傑作テレビ映画がたくさんつくられていた時期です。というより、これ以降のテレビ映画は下降の一途をたどっています。考えてみれば、それ以前に傑作なテレビシリーズが放映されていたわけですから、(「アウターリミッツ」、「トワイライトゾーン」…)それだけ優秀な脚本を書ける作家さんがいたということでしょう。ということで、こちらの脚本にもマシスン、ノーランといった大御所が参加しています。
一話め:〈Julie〉
〈ホット・ブラッド〉シリーズにも掲載されています、マシスンの短編『愛しのジュリー』の映像化。原作ではダサい女の子でしたが、こちらは女教師。
ジュリー先生(カレン・ブラック)は、きまじめで垢抜けない独身教師。ある日、授業中に生徒の青年チャドは彼女の太腿を見つめ、欲情をおぼえてしまいます。なんだ、この女、よく見るとけっこうイケるじゃんか… そこで、チャドは先生をドライブインデートに誘うのですが…
二話め:〈Millicent and Therese〉
父母が亡くなり、広大な館に双子の妹ミリセントと暮らすセリーズ(ブラック)。しかし、彼女は恐怖におびえて毎日を過ごしていた。妹のミリセントは邪悪で、両親たちが死んだのも彼女のせいではないかと疑っているのだが…??
三話め:〈Prey〉
こちらもマシスン原作。アパートにひとり暮らしをするアメリア(ブラック)は、ある晩友人からジョークでアフリカの呪術人形をもらう。その奇妙で安っぽい黒い人形に、アメリアは本気にせずに、呪術の封印を解いてしまうのだが…
しょっぱなから、こんなテレビ映画でよろしんでしょうか、というくらいアブナイ内容(…というか、原作そのものがアブナイんですが!)です。カレン・ブラックの神経質な魅力がぞんぶんに発揮されています。しかし、この作品がホラーの殿堂入りをはたしたゆえんは、最後のお話のラストにあるのです!!
この三話めの結末を観るだけでも、この作品はじゅうぶん価値があります。というか、ホラーファンならば必ず観ておきましょう!! そんな伝説の一作なのです。
これがおもしろいと思えたなら、「A Cold Night's Death」(「恐怖の酷寒地獄/雪山宇宙研究所の謎」1973)もオススメできます。こちらのラストも不気味で、ホラー・ミステリファンなら、なるほどとうなずけるはず。
あと、「Crawlspace」(「地下室の侵入者/抑圧された十代」1972)もオススメ。(← 念のために書いておきますが、クラウス・キンスキーのギョロ目がすてきな、あっちの「クロールスペース」(1985)じゃありません!)。これはベトナム帰還兵の青年が、老夫婦の地下室に勝手に住みついちゃうお話で、やはり結末が忘れがたいんですよね。
きまじめで垢抜けない
ジュリー先生は…
教え子のアブナイ
欲情のはけ口に…!!!
ミリセントは派手好き、
邪悪、ずる賢くて、
おまけにとっても
奔放です!!
奇妙な呪術人形を
プレゼントされちゃい
ましたが…
ぎゃあああああ!!!
な結末は、みなさんの目で
ご確認を!!
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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