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(2006)アメリカ/アイスランド
出演…ロン・パールマン
ジェームズ・レグロス
コニー・ブリトン
監督…ラリー・フェッセンデン
★★★☆
〔ストーリー〕
アメリカのとある石油掘削会社が、大規模なプロジェクトを着手するために、北アラスカの掘削地点を探ろうと数名の研究チームを派遣した。リーダーのエドをはじめとするメンバーは、退屈な日々をやりすごそうと施設内でくつろいでいた。だが、いちばん年若いメンバーのマクスウェルが奇妙な行動をするようになり、彼らのあいだでしだいに疑心暗鬼が生まれて…
ラリー・フェッセンデンという監督さんは、役者さん(…もちろん、本作にも出演しています!)や、プロデューサーとしても大活躍している人です。これ以前には、「Wendigo」(「チル/CHILL」2001)や、吸血鬼ものの「Habit」(1997)なんて作品も撮っています。どちらも未見なのですが、本作品を観てみまして、いっきに興味が高まってしまいました!
いわゆる、“地球温暖化” といった環境問題を扱ったホラーなのですが、そういったテーマにありがちなむずかしいことを考えなくても、ダイレクトに恐怖が伝わってくる優秀作です。
エドを演じるロン・パールマン以外の役者さんは、ほとんど名前を聞いたことがない人ばかり… セットも簡素なもので、残酷描写にいたってはお上品すぎるとさえいえるかもしれません。
「それじゃあ、なんでポイントが高いの?」 と、疑問に思われるかもしれませんが、これは「The Thing」(1982)のような閉塞状態を描いておきながら、“なにが起こっているのかわからないけれど、確実によくない方向にむかいつつある”という、見えない恐怖の表現力が卓越しています。
物語のキーとなる不安定なマクスウェル(ザック・ギルフォード)は、だんだんなにかに憑りつかれたようになって、仲間のジェームズ(ジェームズ・レグロス)に突拍子もないことを打ち明けるようになります。北極圏は何万年も氷で閉ざされていたが、地球温暖化の影響で、いま、すこしずつ氷が溶けはじめている… そして、氷に閉ざされる以前の邪悪な存在が出現しようとしている…!!
…と、ここまで書いてしまうと、見るからにクトゥルーな世界ですが、雰囲気はあくまで現代的でミステリアスです。
舞台となる氷に閉ざされた世界が、とにかくうつくしい。てっきりソリッド・シチュエーション的な方向にむかうものと思っていたら、ファンタジックなストーリーを展開しだしたのには、思わずひきこまれてしまいました。とくに、雪原に横たわる死体のシーンは、残酷なほどうつくしくて絵になっています。
チームメンバーたちが心理的に追いつめられていくさまに、どことなく既視感をおぼえていましたら、ああ、そうか、これは「The Shining」(1980)!!と、納得しました。でも、「シャイニング」よりずっとサービスなホラーしてます。かつ、痛烈に批判的な要素もあるというスグレモノ。
太古の邪悪な存在というのも、人間たちから見れば邪悪なのであって、ほんとうに有害なのはわたしたちなのかも…
ラストも秀逸です。不気味な暗示にひどく考えさせられるようになって、気づいたら、ゾワゾワ~… これはかなりのオススメ作です!
ジェームズは以前の研究
チームが残したメモに、
不審な記述を発見します。
氷以外、なにもない世界。
こんな場所では、人は無力
でとるに足らない存在です。
問題行動ばかり起こすようになっ
たマクスウェルが、行方不明!
みんなで探しにいくことに。
さ、さぶいんです…!
(1973)イタリア/イギリス
出演…ドナルド・サザーランド
ジュリー・クリスティ
ヒラリー・メイソン
クレリア・マタニア
監督…ニコラス・ローグ
★★★☆
〔ストーリー〕
考古学者のジョンは、幼い娘のクリスティンを不幸な事故で亡くしてしまう。
その数ヵ月後、仕事のためにヴェニスに訪れた彼と妻のローラは、レストランで不思議な女性のふたり連れと出会う。彼女たちは姉妹で、盲目の姉・へザーは霊媒能力があり、「赤いレインコートを着て、あなたたちふたりの間で楽しそうに笑っているお嬢さんが見えましたよ」と、いいだした…
ダフネ・デュ・モーリアの短編、『いま見てはだめ』 を大胆に脚色した映画化作品、「赤い影」です。
彼女の小説は、なぜか苦手な部類なのですが(…意味もなく、不気味なものが多いですよね! そして、オチもなし)、ニコラス・ローグ監督の本作品は、傑作の部類に入る出来映えとなっています。
ずいぶんまえに一度観たきり、しばらく雰囲気を忘れていたのですが…
あらためて観なおしてみまして、この寒々とした空気、陰鬱なヴェニスの町に迷いこんでしまうクラクラ感、時空どころか、視界まで歪んでいるような奇妙なアングル、ときどきハッ! とさせるサブリミナル効果まがいの演出… などなど、
ホラー映画を観ているというより、まるで上質なミステリーのようです。
ドナルド・サザーランドというと、キーファーさんのお父さんですが(…この父子、ほんとによく似てますよね~!)、根っからのホラー顔だと思います。わたしの場合、「Invasion of the Body Snatchers」(「SF/ボディ・スナッチャー」1978)で、指さしてた姿がいやにコワくて印象的でしたが、この作品でも、始終ゾクリとくる不安感がつきまとう顔しています。
オープニングから、非常に優れているんですよねー。
ドナルド演じるジョンが、修復にあたるヴェニスの教会のスライド写真をチェックしていると、赤い人影が写りこんでいるのに気づく。「あれ、うちの娘とおんなじだ」、と、ちょっと微笑んで、つぎの瞬間、グラスの水がこぼれて…(つづきは本編で!)
また、ローラを演じるジュリー・クリスティも、はかなく無力な母親役で魅力的です。個人的には、服を脱いだり、着てみたり、また脱いだり、また着てみたり… といった夫婦のラブシーンが、さり気なく自然なエロスを表現していて、とてもステキでした♪
音楽方面にいたっては、鳥肌ものの優秀作ですね!!
後半からの異様な盛りあがりには、何度もゾクゾクきちゃいまして、これを経験したことがないという人は、ぜひ! 一度体験してみてください。映画にとって音楽がどれほど大切かということが、素直に理解できるかと思います。
めずらしく(?)原題よりも、邦題のほうがすごく似あっているという例が、この作品です。
恐怖感でいうと、いまの流行りのような具体的で即物的なものではないですが、映画としてのレベルは、それこそトップクラスもの。名作は、何度観ても名作ですね~!
水の事故で、幼い娘を
失ってしまいます…
ドナルド・サザーランド、
若い~!!
やっぱりホラー顔です!
頼りない感じがまた魅力の、
ローラ(ジュリー・クリスティ)。
三面鏡に映った霊媒師オバチャン(…コワいっ!)こと、
へザー(ヒラリー・メイソン)。
この方がまた、アヤシさと不気味さと不思議ちゃんさプンプンなのですよ!
(2008)アメリカ
出演…リジー・カプラン
ジェシカ・ルーカス
T.J.・ミラー
監督…マット・リーヴス
製作…J.J・エイブラムス
★★★
〔ストーリー〕
日本への転勤が決まったビジネスマンのロブのために、友人たちはマンハッタンの彼のアパートで、サプライズ・パーティーを開くことに。友人のひとり・ハッドが、パー
ティーの様子を手持ちカメラで撮影していると、突然地響きがして停電になる。なにが起こったのかと、屋上に出た彼らが見たものは…
以前からかなり話題になっていたこの作品、ひとことでいってしまえば、
マーケティングの勝利ですね!
J・J・エイブラムスというと、「LOST」や「エイリアス」の脚本を手掛けた人、というイメージがいちばん強いかと思いますが、本作品も思いっきり「LOST」してます。全編ナゾだらけで、そのナゾやナゾが結末に至っても、いっさいナゾのままでなにひとつ明かされず…!
映画として、どーなんですか、こういうのっ(怒)!!
…とまあ、だれもが文句垂れそうな発言(笑)を書いてみましたが、パニック映画としては、なかなかよくできていると思います。
設定が、「目撃者が残したビデオカメラによる物語」という、まんま「The Blair Witch Project」(「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」1999)なんですが、最近この手の作風、ほんとに流行ってますねえ。いちばんの魅力は、お金がかからないってところでしょうか?
でも、「ブレア~」よりは、だんぜんお金かかってます。
そういえば、「ブレア~」も、公開される前から、話題ばかりが先行していました。
この作品の場合も、ぶっちゃけ作品本体よりも、そういった伏線作りが魅力的だったりするわけです(笑)。
たとえば、
*〈タグルアト〉という架空の会社の海上掘削現場の事故映像を流してみたり(…これが、どうやらモンスターの登場の一因となっているようなんですが、詳細はいまのところ不明)
*その関連とおぼしきナゾの写真を公開しているサイト
*〈タグルアト〉の子会社〈Slusho〉のサイト(…ロブの弟ジェイソンの着ているシャツが、このロゴ!)
…といった感じで、とにかく遊び心に溢れています。ちょっと雰囲気が似ているかなと思ったのが、ダラボント監督の「The Mist」(2007)でしょうか…
(でも、あちらが大真面目に映画しているので、くらべるのはけっこう失礼かもしれないですね!)
運がよければ、続編が作られるでしょう。そして、そういったナゾやナゾも徐々に解明されていくんでしょう… でも、こういういきあたりばったりのひっぱるだけの展開は、正直好きじゃありません(笑)。いたずらに観客を翻弄するやり口も、どうにかしてほしいもんです。
映画として見ると、それなりにおもしろいことはおもしろいんですが、意地悪な意見をもうひとつ(…今回はけっこう、シニカルにいきます!)。こういう作風って、才能があるないにかかわらず、ある程度のリアリティが出せちゃうもんなんですよねー。
この手の作品を観なれていない人には、わりとショッキングかもしれません。
でも、いかがわしさと薄気味悪さでいったら、スパニッシュ・ゾンビの「Rec」(「REC/レック」2008)のほうが上かな~?
アメリカの超シンボル、自由の女神の首がいきなりゴロン!!
このシーンがいちばん迫力あったりして…
あっちこっちで大爆発状態。
こんな非常事態にもかかわ
らず、ここぞとばかりに電化
製品を略奪する人もいたり
して、さもありなんです。
左から、
ロブ(マイケル・ストール・
デイヴィット)、ハッド(カメラ
マン)のお気にのマリーナ
(リジー・カプラン)、
リリー(ジェシカ・ルーカス)。
ケンカ別れした恋人のべス(オデット・ユーストマン)のもとに駆けつけてみると、
どえらいことになってました…!!
(1989)アメリカ
出演…デール・ミッドキフ
フレッド・グウィン
デニーズ・クロスビー
監督…メアリー・ランバート
★★★
〔ストーリー〕
メイン州の田舎町の大学の病院長の仕事を得たルイスは、妻のレイチェルと幼い娘のエリー、ようやく喋れるようになったばかりの息子ゲージを連れて、シカゴから越してくる。その新しい家のまえの道路には、トラックがいきかう道路があった。
道路を挟んだ隣人ジャッドとも親しくなったルイスは、出勤初日、車に轢かれた瀕死の学生を手当てすることに。その学生は死の間際、ルイスに不可解な忠告をするのだが…
邦題ではつづりの誤りはなく、「ペットセメタリー」になっていますね。
この作品、原作はもちろんアノ人ですが、わたしは一度も完読したことがありません。何度も挑戦したことがあるにはあるんですが、ある時点に入ってしまうと、ぱたりと読めなくなってしまうのです。ラスト近くはそれくらい、悲おそろしいことになっている作品です。
テーマは“死者の甦り”なんですが、この作品の真の恐怖はたぶん、子供のいない人にはわからないものかもしれませんね…
医師のルイス一家が引っ越してきた新しい家のまえには、大型トラックが地響きを立てながら通りすぎる道路があります。オープニングそうそう、早くもいや~な気分になるのですが、このいや~な予感、作品全体に貫かれています。
キング作品というと、“悪しき場所” もひとつのテーマになっていると思うんですが、本作品はそのまがまがしさがけっこう強烈です。ペットの墓地のさらに奥地が、問題のインディアンのミクマク族の墓地。主人公のルイスが死んだ息子を抱えてさまよう途中、不気味な怪物に何度も遭遇します。この怪物の描写がけっこう曖昧で、それゆえに非常におっかないです。
また、甦ったゲージがジャッドの首筋をガブリとやったり、「ママと遊んだ」 という意味深な発言をしたりしますが(…ラストでその意味が、「ヒエーッ!」 と、明らかになります!)、これも、ミクマク族と深い関係があります。
ミクマク族は何度も致命的な飢饉に襲われていて、そのたびに「人食」という禁忌を犯してきていたのです… つまり、あの墓地には、その犠牲者たちが弔われていたんですねー!
また、「人食」 に憑りつかれてしまった人間、あっち側の世界にイッちゃった同族なんかも葬られています。おっかないですね~ … これで、“呪われた場所” の意味がおわかりになったでしょうか?
…だから、ルイスが遭遇する怪物はウェンディゴ(人喰い)でもあり、ゲージはウェンディゴとなってしまった、というわけです。
この小説が邦訳されたとき、「世にも悲しくておそろしい物語」 なんて謳い文句がついてましたが、つい最近になって、それがようやくわかってきたよーな…
(いやな気分になること確実ですが)、また挑戦してみましょうか…
主人公のルイス(デール・ミッドキ
フ)。彼の職業がお医者さんとい
うのも、なかなか深いですね。
隣人のジャッド(フレッド・グウィ
ン)。気取らないヤンキーな感じ
です。
子供たちで作ったペット霊園。
この奥に、さらに秘密が…!
ルイスを何度も助けようとする亡
霊、パスコー(ブラッド・グリーン
クイスト)。ジャケにも使われてま
すが、けっこう男前な幽霊です!
Untraceable
(2008)アメリカ
出演…ダイアン・レイン
ビリー・バーク
コリン・ハンクス
ジョセフ・コリス
監督…グレゴリー・ホブリット
★★★
〔ストーリー〕
FBIのサイバー犯罪課の捜査官ジェニファーは、ある日不審なサイトを発見する。そこには虐げられる子猫の画像が… 〈KILL WITH ME.com〉というその不気味なサイトは、特定することが困難で、犯人はとうとう、拉致した人間を使って拷問ショーをはじめた…!
ダイアン・レイン主演のサイコ・サスペンス映画です。
正直いって、すっご~く後味悪かったです。
有能な女性捜査官が、冷酷な犯人を追いつめていくというストーリーというと、「The Silence Of The Lambs」(「羊たちの沈黙」1991)を思い出してしまいますが、本作の犯人は、わりとあっさり出現してしまいます。これが冷酷なサイコちゃんでもなければ、変態ちゃんでもない。ごくフツーの青年。
ごくフツーの青年が犯人で、なんでこんなに後味が悪いのか?
じつは、この監督さんが描きたかったのは、ネットという特異な空間で行われる空疎な情報のやりとり、現代社会の軽率さと無関心さという不気味さなんです。
〈KIll WITH ME.com〉というサイトの残酷なところは、アクセスした人間も殺人にひと役買ってしまうというところ。アクセス数が増えれば増えるほど、被害者の拷問がヒートアップしていきます。
この拷問方法もまた、自分の手はいっさい汚さず、しかし、かな~り痛ましくて残虐という、なんとも卑劣な方法です。これって、パソコンの前で他人ごとで見てる人たちそのものですよね。
それで、FBIとしては当然、「アメリカ人はこのサイトを絶対見てはならない!」 と、TVで必死にアピールするわけですが、それで良識のあるほとんどの人が見ないかといえば、そうじゃない。
逆に、アクセスがどんどん増えてしまうという悪循環…!!
殺人犯の青年とジェニファーの攻防は描かれても、真の主役である一般人たちの顔はいっさい見えてこない…
こういう展開、わかっていても、そうとうイヤ~な気分になります。
そういえば、日本でも動物なんかが平気で殺されてましたっけ。それに乗じて悪ノリしたり、騒ぎたてたり、マネする人がいたり。残酷な写真や動画なんか、探せばきりがないと思います。そういうものを好んで見る人の心境って、けしてそれは “リアル” ではなく、「死」というきわめて個人的で深刻すぎる問題を扱っていても、自分の親しい人や、家族なんかが被害者にならなきゃ、実感することなんて不可能なんでしょうか…
殺人犯のやり口がとにかく陰険なので、映画として一応解決というかたちをとったとき、それはそれはスッキリ! 明快なカタルシスが得られるのですが、根本の問題はイヤ~な後味を残したまま…
ふだんネットに親しんでいるわたしやあなたにも、いい教訓になるかもしれません!
(…それにしても、最近こんなイヤ~な結末ばっかり… もっとスカッとできる、楽しい映画が観たいですね…)
ダイアン・レイン演じるジェニファー捜査官。
相変わらず、クールでおうつくしいですねえ。
ジェニファーの相棒、グリフィン
捜査官(コリン・ハンクス)。
(これは公式サイトのゲーム画像
なんですが)、問題の〈KILL WITH
ME.com〉というサイト。
とても他人ごとの事件とは思えなく
て、けっこうコワかったです。
捜査官たちが見守るなかで、犠牲者の壮絶な拷問映像が流れてきます…!
ジェニファーは彼らを救うことができるのでしょうか?!
(2007)フランス
出演…ベアトリス・ダル
アリソン・パラディス
ナタリー・ルーセル
監督…アレクサンドロ・バスティーロ/
ジュリアン・モーリー
★★★
〔ストーリー〕
妊婦のサラは運転中に車同士の正面衝突事故を起こし、夫を亡くしてしまう。ようやく怪我から回復、明日からは出産のために入院となったクリスマス・イヴの日、母親の付き添いを断って、ひとり夫と住んでいた家にもどってくる。その夜、玄関のチャイムが鳴り、「車が故障したため、電話を貸してほしい」と頼む女性がやってくる。不審に思ったサラが断ると、女性は悪態をつきはじめた…
おフランス産のスプラッタ・ホラーです。
フランス・ホラーというと、思い出すのは「Haute Tension」(2006)。雰囲気も、じつによく似ています。フランス映画って、BGMがほとんどありませんよね。代わりに、「キーン」って金属音を使ったり、心音より早い連打を使ったりして、異様な緊張感を高めたり、不安を煽ったりするのですが、この作品の場合は…
カ、カゲキすぎます…!!
この作品、正真正銘のスプラッタです。これをスプラッタと呼ばずして、なんと呼ぶ! というくらい、スプラッタしてます。血糊の量なんて、ハンパありません!
アリソン・パラディス演じる傷心の妊婦のサラ、出産の不安と孤独のただなかで、静かにひとり眠りにつこうとしていると、チャイムが鳴って邪魔されます。「車が故障したので、電話を貸してほしい」。強盗がよく使う手ですね。相手の女は、「携帯電話のバッテリーも切れてる」なんて、いいはります。当然、サラは開けません。すると、唐突に態度を豹変。逆ギレしはじめます。
この、ナゾの凶暴女を演じるベアトリス・ダル、じつにオソロシイ~!
彼女は、「37' 2 le matin」(「ベティ・ブルー」1986)で、情熱的すぎるゆえに、しだいに壊れていく女性・ベティ役でデビューした女優さん。そのアッパレなお下品さとエキセントリックぶりと痛々しいキャラっぷりに、憶えているという方も多いのでは。
彼女が演じる殺人鬼は、「ホラー映画の殺人鬼」ではありません。
神秘要素もキャラ要素もゼロ。
いわば、素のままの危険人物。動機もナゾなのですが、“明確な目的” を持っているゆえ、邪魔する人間はザックザックとハサミで突き殺していきます。
これが、ふいに襲われることになったサラの境遇とあいまって、「もしかしたら、こんなこと、現実に起こりうるかもしれない」という、リアリティに成功しているのです。
ある日突然、危険人物に襲撃されるかもしれない… それにはもしかしたら、(なにか)理由があるのかもしれない… ほんのささいなことでも、大きなことでも…
そういう現代社会の不安感を突いているわけなんですが、アメリカ映画に見られる「なにがしかの解決」とか、カタルシスとはほど遠いところにある作品なので、万人にはオススメできません。
また、タイトルからある程度予想がついてしまうと思いますが、ママ・サラが危機に陥ると、お腹の赤ちゃんも「むきーっ!」と、力んだりします。それはそれでおもしろいのだけど… でも、やっぱり…
カ、カゲキすぎます… !!!
サラ(下アリソン・パラディス)は、
突然ナゾの女(ベアトリス・ダル)
に襲撃されて…!
唇を噛み切られても、すぐに
復活しちゃうアクマのような
執着っぷり!
ミウミウのイメージ・モデルで、注目の若手俳優・
ニコラ・デュヴォシェルも、(おバカ)警官役で登場!
サラとお腹の赤ちゃんは、
助かるのでしょうか…?!
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
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独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
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