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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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    Mirror Mirror


1990)アメリカ
出演…クリスティン・ダッティロ
レインボー・ハーヴェスト
カレン・ブラック
イヴォンヌ・デ・カーロ
監督…マリーナ・サージェンティ
★★☆


〔ストーリー〕
 内気で社交下手な少女メーガンが、母親のスーザンと新しい家に越してくる。そこで見つけた古い大きな姿見をひと目で気に入り、自室に置くことに。メーガンの過激なゴス・ファッションは、転入先の高校でも浮いていた。だが、正反対の性格のニッキと仲よしになって、すこしずつ周囲を溶けこみはじめるが…


 わりと出来のいい部類に入る作品だと思うんですが、ほとんどレビューを見かけないので、書いてみました。邦題は、「ザ・ミラー/悪魔の棲む鏡」です。

 さて、青春ホラーです。いじめられっ子です。
 アメリカのいじめられっ子もの(とくに、少女限定)とくると、なぜかゴス・ファッションが多いです。健康的で明るい子がまとも、という外見重視の国でもあるので、日本みたいにわかりにくい理由でいじめられたりしません。そのへんのところが、観ているほうにも親切で、陰湿でなくてよかったりします(笑)。

 ヒロインのメーガンを演じるレインボー・ハーヴェスト、フツーにしてるとわりと美人なんですが、「Beetlejuice」「ビートルジュース」1988)のウィノナ・ライダーより過激です。転校したてというのに、初日から浮きまくっています。

 そこへ、お約束のいじめっ子登場! もうひとりのヒロイン・ニッキ(クリスティン・ダットロ)と委員長を競っている、人気者のシャーリーンです。わざとらしいクスクス笑いや、とりまき連中とささいな嫌がらせ計画をしたりなんかして、ことあるごとにチクチクいじめます。いいですねえ~

 ストーリーはタイトルから想像できる範囲のものなんですが、サスペンスのツボを押さえていて楽しいです。ニッキと仲よくなったメーガン、ちょっとずつ明るくなるんですが、そこはやっぱり天然ゴスっ子、ニッキのようにはなれません。積極的でもないし、ボーイフレンドもいない。精神的に弱い子が鏡の魔力にとりつかれてしまい、それをだんだん悪用するようになってしまいます。

 現代の基準からすると、ショッキング度はやや弱めですが、「くるぞ、くるぞ…!」 というお馴染みのパターンは裏切りません。“自分がなったら最高にイヤだなー” 度では、シャワー室に入ったシャーリーンの末路なんですが、ニッキのドッペルゲンガーもたいへん不気味でした。(…どう不気味かは、本編でお楽しみになってください!)

 キャストもなにげに、ホラー好きにはお楽しみな人たちばかりです。メーガンの母親役に、カレン・ブラック(初代マザー・ファイヤフライ!)、古物商の女主人エメリンに、「American Gothic」(1988)のママン(イヴォンヌ・デ・カーロ)! (← 余談ですが、お若いときには、それはそれはうつくしい女優さんでした!)

 画面をブルーにして(鏡の中から見ている視点で)、少女の不安定さを狙っていることはわかるんですが、いまいちほろ苦さや、現実の痛みなんかが足りない…
…ですが、基準点にはじゅうぶん達している良作です。青春ものにハズレは少ないですね











奇抜なファッションでモジモジ…
当然、嘲笑の的にされちゃい
ます。









鏡からが滴ってきました!
(…さて、だれがメーガンを見て
いるんでしょう?)








いじめっ子シャーリーン(チャー
リー・スプラドリング)のサービス
カット この後、とんでもないこと
が起きちゃいます!









メーガンに親切にしたばっかり
に、悪夢に巻きこまれてしまった
ニッキですが…??










ラストでは、鏡の中からなにか
出てきます…!!!



 



 

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    Spiral


2007)アメリカ
出演…ジョエル・デヴィット・ムーア
アンバー・タンブリン
ザカリー・リーヴ
監督…アダム・グリーン/
ジョエル・デヴィット・ムーア
★★☆


〔ストーリー〕
 喘息持ちで神経症の孤独な青年・メイスンの話し相手は、テレコミュニケーターの仕事で接客する電話のむこうの他人だけ。そんなある日、おなじく孤独な雰囲気の女性アンバーと知りあう。メイスンは唯一のとりえの画才で、アンバーをモデルに絵を描くことに。だが、毎夜不思議な声と強迫観念にとりつかれるようになり…


 「Hatchet」(2006)で世界的に大注目を浴びた、ホラー界の新星・アダム・グリーンとジョエル・ムーアのコンビの2作目です。今回はなんと、ものすごくシンプルなスリラーです。では、感想から述べたいと思います。

 ものすごーく無難に仕上がっています。

 主人公のメイスンを演じるジョエル・ムーア、この作品では喘息持ち神経症強迫観念つきという、かなり危なっかしくて暗い青年を演じています。

 前作「Hatchet」では、さまざまなキャラクターが登場していました。グロあり、お色気あり、笑いありと、たいへん賑やかで楽しい要素が満載でした。ムーアはとぼけた青年役だったのですが、この作品では百八十度ちがいます。でも、個性的な顔立ち(?)が功を奏しているといいますか、たいへん魅力的な役者さんです。だから、この作品で彼に焦点をあてたのは、大正解だったと思います!

 さて、根暗でビョーキなメイスンくん、当然恋人も、親しい友人もいません。ですが、彼は薄気味悪いヤツというよりも、ちょっとかわいそうな感じの人です。おまけに、絵の才能があったりします。いわゆる、世間に溶けこめない、傷つきやすい芸術家タイプなんですねー。

 孤独なメイスンくんは、理想の女性を思い描いて、絵に託す日々… そして、ときどき襲ってくる不可解な強迫観念とナゾの声…??

 ある日、お昼時間に会社のベンチでスケッチブックを広げていると、「かわいらしい女性ね」と、声をかけられます。メイスンの同僚で、おなじく孤独な雰囲気をもつ女性・アンバー(アンバー・タンブリン)です。彼女は「The Grudge 2」「呪怨/パンデミック」2006)で、サラ・ミシェル・ゲラーの妹を演じた方です。いってはなんですが、地味なこの役柄がぴったりです(笑)。
 
 根暗で病んでるメイスンくんが、病んでるなりにアンバーと親しくなろうとします。アンバーもそんなメイスンに好意を抱きます。このままハッピーにいくかと思わせて、やはりナゾの声と脅迫観念が、メイスンくんを放っておかないのでした…

 たぶん、「Hatchet」で盛りあがった方には、そうとう地味な作品と映るかもしれません。でも、丁寧な本の書き方や構成など、ラストまで見入ってしまう内容になっています。なにより、スラッシャーとは別方向にいこうとした彼らの意気込みは、じゅうぶん買えると思います。

 ただ、この方たちのセンスや力量なんかを考えてみると、もっと格上の作品がつくれるんじゃないのかなー? と、勝手に期待してしまうんですが。。。
いまのところ、グリーン&ムーア・コンビのベスト作品は、おあずけということで…










気まずい距離感です。
サンドイッチも食べにくいです。








メイスンの上司のベーカリー
(ザカリー・リーヴ)。







なんだかんだいって、だんだん
仲よくなっていきます。








メイスンを苦しめるナゾの声と、
フラッシュバックの正体は…?







 
    Slither


2006)カナダ/アメリカ
出演…ネイサン・フィリオン
エリザベス・バンクス
マイケル・ルーカー
グレッグ・ヘンリー
監督…ジェイムズ・ガン
★★★☆


〔ストーリー〕
 アメリカ南西部ののどかな田舎町。町の有力者・グラントの妻スターラは、年の離れた魅力的な高校教師。グラントは毎日スターラのことが気が気ではないが、過剰な愛情にかえって疎まれてしまう。やけを起こしたグラントは、女友達のブレンダと飲んだ勢いで森に出かけるが、そこで異様な物体を発見して…


 本日やっと、「スリザー」を鑑賞しました。
隕石とともにやってきた、奇怪なパラサイト生物!! クリーチャーのすばやい動きや、ぞろぞろ群れをなして這いまわる気色悪さもさることながら、ヌルグチャ~なスプラッタ感がまた、たまらない一品です。

 こういうストーリーって、小説でもマンガでも、あげるときりがないですよね~。
でも、こんなにストレートに表現してくれている映画って、いままでなかったかもしれません。

 ジェイムズ・ガン監督は、
「Dawn Of The Dead」(2004)で脚本を担当していた人で、これが監督デビュー作。しかも、なんとトロマ出身なんだそうです。そのせいあってか(?)、侵略SFホラーの過去作品へのオマージュがいっぱい。楽しいB級テイストが全編溢れていて、ブラックな味つけもたっぷりです。

 ありがちなストーリーをラストまで飽きさせないのは、クリーチャーの変異にさまざまな段階があるところでしょうか? 

 魅力的な若妻を手に入れたグラント(マイケル・ルーカー)、人も羨む身分ですが、夫婦のコミュニケーションはいまいち苦手のようです。ささいなことでケンカをして家を飛びだし、隕石が墜落した森にのこのこ出かけてしまいます。そこで、あっという間にパラサイト~!

 胸の下あたりからニョロニョロ出てくる触手が、卑猥でグロテスク。なのに、妙に愛嬌があります。こんな感じで、グラントがどんどんバケモノ化していくお話かと思っていたら、もっとオッソロシイ(…でも、やっぱりおかしいんです!)変異をしちゃうパターンもありました。これも期待を裏切らない展開といいますか、どんどん、どんどん、楽しいことになっていっちゃいます~
…端的にいいますと、

 ゾンビ化!
 そして、グラント化!(← …って、なに? と思った方、くわしくは本編で!)

 ヒロインのスターラを演じるエリザベス・バンクスが、清楚なわりに妙に色っぽくて、しかも驚くほど奮闘してくれるというステキなキャラクターです。
また、ネイサン・フィリオン演じるハンサムな警官ビルが、おいしいところを持っていってしまうという、これもありがちなパターンなのですが、(わたしとしては、中年男グラントの悲哀なんかを、もっとベタベタに描いてくれてもよかったと思います…)















キャー!! ヤダ、ヤダッ!やめなさい
ようっ!」と、注意されてるにもかかわらず、
木の棒でツンツンしちゃうグラント。







「アナタ、どうしたの…?!」
グラントの異変にようやく気づい
たスターラ(…もっと早く気づいて
あげてください!)






「もう、いままでのオレじゃ
ないんだ~!!」
 








駆けつけた警官隊(中央がビル)
が、見たものとは…?




…そりゃもう、こんな場面に出くわしたりしたら、まともな言葉なんか出てこない
ものです……
(ご愁傷さまです…)






 
    The Illusionist


2006)チェコ/アメリカ
出演…エドワード・ノートン
ジェシカ・ビール
ポール・ジアマッティ
ルーファス・シーウェル
監督…ニール・バーガー
★★★


〔ストーリー〕
 20世紀初頭のオーストリア。奇術に魅せられた青年アイゼンハイムは、幼馴染みのソフィーとしだいに心を通わすようになる。しかし、アイゼンハイムは貧しい指物大工の倅で、ソフィーは支配階級の娘。身分差のため、無理やり引き離されてしまう。
 十数年後、ウィーンで謎の奇術師として活躍する彼の舞台に、ソフィーがやってくる。思いがけない再会に心を揺らすふたり。だが、彼女はレオポルド皇太子と婚約したばかりの身だった…


 厳密にはホラーではないのですが、すばらしい作品だったので、(ついでに、エドワート・ノートンのファンでもあるので)、レビューさせていただきます!
これとちょうどおなじ時期に、「The Prestige」(2006)なんて作品もありました。あちらが超豪華キャスト勢揃いだったのにくらべて、こちらはノートンとポール・ジアマッティ以外は、ほとんど知られていない役者さんばかり…

 …でも、作品としてはぜんぜん遜色ありません!
思えば、「プレステージ」も、けっこうホラーな内容でした。「プレ~」が、舞台の裏側をとことん描いた、超現実的な大掛かりマジックだったのにくらべて、この作品はほどよく品のよい、あくまで映画的なアプローチをする奇術モノ。

 それでいて、リアリティでいったら、こちらのほうがなぜか上という雰囲気です。

 原作は、スティーヴン・ミルハウザーの 『幻影師・アイゼンハイム』
物語は、警察官僚ウールを演じるポール・ジアマッティの回想で幕をあけます。

 …再会をはたしたアイゼンハイムとソフィー、ふたたび激しく燃えあがってしまうのですが、婚約者のオーストリア皇太子(ルーファス・シーウェル)は、非常に嫉妬深い人でした。婚約者の心変わりをぜったい許すはずがありません。このままでは、ふたりの命さえ危ないかもしれない…

 アイゼンハイムとソフィーは逃げる準備をするのですが、ここで思わぬ事態に巻きこまれてしまいます…!

 この映画の見どころは、やはり、アイゼンハイムのイリュージョンにあるわけですが、それらのシーンははなから現実離れしたCGという演出です。これでしらけるかとお思いでしょうが、じつはその逆で、イリュージョニストが観客に見せる幻想(=幻覚?)なので、まるきりニセモノには感じられないのです。いいえ、どちらかというと、ありえる部類に入ってしまう展開になっているのです。
 
 観客たちの見ているものがほんとうに起こっていることなのか、集団催眠なのか、はたまた、なにかのトリックなのか… 真実はどれなんだろう… と、考えたところで、アイゼンハイムの目的って、いったいなんなんだろう…??
ここまで考えが及んだころには、見事に彼の術中にはまってしまっている、というわけです。

 エドワード・ノートンのはりつめた演技力が、とにかくすばらしいです。ジアマッティの警官もはまり役ですし、ソフィー役のジェシカ・ビール、レオポルド役のルーファス・シーウェル、ともに健闘しています。
鑑賞後がすがすがしくて、さらに高感度アップです!










穏やかな暗さと神秘性が魅力
のアイゼンハイム。
奇術の腕は超一流です。 









未来の皇太子妃は、かつて
愛を誓った女性でした!












警察官僚のウールは、レオポルド皇太子と
懇意な仲なのですが…







舞台の上で再会してしまった
ふたり。さて、アイゼンハイム
の胸中は…?







   Dellamorte 
   Dellamore


1994)イタリア/フランス/ドイツ
出演…ルパート・エヴェレット
フランク・ハジー・ラザロ
アンナ・ファルチ
監督…ミケーレ・ソアヴィ
★★★


〔ストーリー〕
 北イタリアの小さな村で墓地管理人を務める青年・フランチェスコと、頭は弱いけれども気のやさしい相棒ナギ。じつは彼らには秘密があり、毎晩墓地から甦った死人を退治して、また埋葬するということをくりかえしていた。だが、村の人に話しても、だれも信じてくれない。
 そこへ謎めいた美貌の未亡人があらわれて、フランチェスコはひと目で彼女に心を奪われてしまうのだが…


 そうなんです、ソアヴィ監督の「デモンズ'95」です。邦題は「デモンズ~」(英語タイトルは、「Cemetery Man」)なんてついていますが、あのデモンズとは縁もゆかりもありません!! そこのところをどうか、おまちがえのないように。

 はじめにいってしまいますが、この作品、ホラーとしてはけっこう微妙です。
でも、それを補うにはじゅうぶんな独特の映像美と数々のエピソードがあって、非常に人気の高い作品でもあります。
原作は、ティツィアノ・スクラヴィの人気コミック。 また、舞台となる墓地は19世紀に活躍した画家アーノルド・ベックリンの 『死の島』 をモチーフにしています。

 内容のほうはといいますと、シュールで幻想的で哲学的、そして、かなり文学色を強くしようとしているのがわかります。…この、“しようとしている” が、ポイントです! なぜかといいますと、これがほかの作品とはあきらかに、一線を画している理由のようなんです。

 墓守のフランチェスコ(ルパート・エヴェレット)と相棒のナギ(フランク・ハジー・ラザロ)は、毎晩のようにゾンビ退治に明け暮れています。このゾンビがまた、ホラーとしての迫力はほぼ皆無、むしろ脇役的な存在で、フランチェスコたちの退治方法も怠惰な感じです。疲れきってるんです。こんな毎日、正直ウンザリなんです!

 …と、そこへ、目もくらむような美女(アンナ・ファルチ)が登場します。美女は夫を亡くしたばかりで、その夫というのがまた、父親のような年上で、なのに彼女は足しげく墓地に通ってきます。フランチェスコ、ひと目で恋に堕ちてしまいます。彼女と愛しあうようになりますが、そこへ悲劇が…

 オリジナル・タイトルが「死の、愛の」となっているとおり、生者と死者の中間に置かれたフランチェスコ(現代的なアウトサイダー)の苦悩がテーマのようです。しかし、全体のトーンはむしろコミカルで、おとぎ話のようにファンタジック。

 さすが原作がコミックということもあって、派手なエピソードもたくさんあります。
ボーイ・スカウトの一団ゾンビや、バイクと一緒に葬られた青年が、地中から復活(ミート・ローフみたい!)するシーン、真昼間(!)に出現する死神、などなど… 

 でも、ソアヴィ監督の演出はあくまで抑え気味で、淡々と連ねていくだけ。これが静けさのなかに、徐々に不安感を醸しだしていくという表現になっているんですが、ううーん、正直、ずいぶん惜しいような!

 …はじめに文学色うんぬんと書きましたが、まじめに観ると気恥ずかしいです。それが、ホラー映画らしくない理由です。でも、またそれが、作品に愛らしさも与えています。それが人気を博す理由にもなっているようです。

 相棒のナギが終始愛嬌を振りまいてます。未亡人役のアンナ・ファルチも、ミステリアスでうつくしい。とくに、甦った彼女の “死せる女神” は退廃的で注目です!
それにしても、ナギたん、パスタにバナナはあわないと思うナ~!









苦悩する青年、フランチェスカ
(ルパート・エヴェレット)。







みんなのアイドル、ナギたん
(フランク・ハジー・ラザロ)





謎めいた美女(アンナ・
ファルチ)、登場!
黒いベールが揺らめくシーン
には、うっとりです。








死神、登場!
この造形がまた、イカす~!!

 



大好きなTVを壊されちゃった
もんで、好きな女の子(ゾンビ)
を入れてみたり…
このシーン、カワイらしくて
お気にです




こちらがスイスの象徴画家・ベックリン
『死の島』の1枚。
映画のなかでも非常にシンボリックに
使われています。







    [Rec]


2007)スペイン
出演…ハビエル・ボーテット
マヌエル・ブロンクド
マーサ・カルボネル
監督…ジャウマ・バラゲロ/
パコ・プラサ
★★★


〔ストーリー〕
 地方局のリポーターのニナは、相棒のカメラマン・アルベルトとともに、深夜の消防署を取材していた。その夜は、さしたる事件もなく、和やかなムードで取材をつづけていると、ひとりの女性から連絡が入る。「アパートに閉じこめられてしまったので、助けてほしい」と、いうのだ。さっそくニナとアルベルトは、隊員たちに同行する。だが、そこには信じられない事態が待ちうけていた…!


 ロメロ監督がもたもたしているあいだに、バラゲロ監督にもさきを越されてしまった、ドキュメンタリー・ゾンビです。ゾンビをドキュメンタリーしてなにが得かというと、やっぱり “臨場感” ですね! まさしく、このひとことに尽きると思います。

 さて、地元のTV局の美人なお姉さんが取材にくるということで、消防隊員たちはウキウキです。美人なお姉さんは新人さんらしく、しょっちゅうとちったりするのですが、まあ、カワイイから許してあげましょう。冒頭はこんな感じで、ぬる~い交流がつづくのですが、くだんのアパートに入ったとたん、ストーリーが一転します。

 通報してきたオバチャンがまた、見るからにヤヴァイです!
ザック・スナイダー監督の
「Dawn Of The Dead」(2004)に登場する、ママ・ゾンビそっくりなんです。(例をあげると、図体がバカでかくて、ドレスは血だらけ、髪をオバケみたいに振り乱してて…!)絶対参考にしてると思います! 

 こんな見るからにヤヴァそうなオバチャンにむかって、隊員は平気で話しかけたりします。たぶん、美人なお姉さんが見ていて、カメラが回っているからでしょう。…と、思っていたら、やっぱりアタックされちゃいました~!!

 …と、まあ、こんな感じで、ここから世にも楽しい(?)地獄絵図が展開していくのです。わたしがこの作品を気に入っているひとつに、カメラの必然性がごく自然になされている点があります。だって、カメラマンは職業病からカメラを手放せない。リポーターは半狂乱、しまいには逆ギレしながらも、やっぱりリポートをつづけることになる。すっごく無理のない展開だと思いませんか?

 また、主観視点を一貫させることで成功している点で、ニナや隊員たちが、アパートの住人もろとも閉じこめられてしまうというシチュエーションがあります。いきなり停電、あっちこっちで不気味な叫び声が起こって、なにがなんだかわからないうちに、ゾンビ・アターック!

 ワッ! と驚かせるばかりではありません。カメラの隅に、ユラ~ッと不気味な人影が映ったりして、次の瞬間、驚いて悲鳴を殺すニナのアップ…(正直、こっちのほうがコワかったりして…)

 全体的にチープな雰囲気もまた、異様なテンションを高めるのに加算してると思います。結末近くには、「The Evil Dead」「死霊のはらわた」1981)みたいに
なってきたりもしています。
ホラー好きにはかなり盛りあがる作品なんですけど、リメイクする必要はあるのでしょうかね…?











なんだ? なにが起こって
るんだ?!」 と、驚いてる
ひまもなく…









突進してくるオバチャン・ゾンビ!
コエ~!!







お子ちゃまゾンビ!









ニナ、パニックで泣きじゃくり!








(よく見ると、けっこうグロい
です!)
決死の生き残り合戦開始!







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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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