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Rose Red
(2002)アメリカ
出演…ナンシー・トラヴィス
マット・キースラー
キンバリー・J・ブラウン
マット・ロス
監督…クレイグ・R・バクスリー
脚本…スティーヴン・キング
★★★
〔ストーリー〕
“超自然現象を計測して、実在しているということを証明したい” という野心を持つ心理学者のジョイスは、怪奇現象で有名な〈ローズ・レッド〉と呼ばれる広大な屋敷に、6人の超能力者を招いて実験を開始することに。メンバーは彼らのほかに、〈ローズ・レッド〉の所有者にあたる、創立者の子孫でジョイスの恋人のスティーヴン、6人目の能力者の自閉症のアニーの姉レイチェル。
だが、ジョイスに対抗心を燃やす同僚のミラーは、彼女を潰そうと新聞部のケヴィンをスパイとして送りこむ。〈ローズ・レッド〉が「男性を殺し、女性を行方不明にさせる」というおそろしい屋敷だとも知らずに…
キングが脚本を担当したテレビ映画「ローズ・レッド」です。脚本担当といっても、書き下ろしですので、もちろん原作はありません。それゆえのいきあたりばったりストーリーといいますか(笑)、それまでの映画化作品とくらべると、ずいぶんアラが見え隠れするんですが、いかにもキングらしい、幽霊屋敷になっています。
もともとキングという人は、オリジナリティはそれほどない人でした。(…ここで、「エエーッ!!」 と驚かれた方、一例までに、大ヒット作 『トミー・ノッカーズ』 は、ラブクラフトの短編 『宇宙からの色』 が原典、映画もヒットしました『シャイニング』 は、ジャクスンやマシスンが元ネタ、超能力ものは、ジョン・ファリスなどなど… つまり、筋金入りのホラー・オタクちゃんだったのですね~)
そんなホラー生き字引のような人が幽霊屋敷の脚本を書いてみると、ああ、いかにも! な展開が目白押しとなっています。
*まず、キャラクターの作り方がいかにも。
キングというと、善悪をくっきり区別して、いかにもマンガちっくに、大袈裟なくらいに描いて滑稽にしてしまうのが得意なんですが、本作でもそれが生かされています。
ナンシー・トラヴィス演じるヒロインのジョイスは、オカルトに傾倒した心理学者。実証をもってして名をあげようと野心を燃やしているのですが、おなじく心理学部の教授ミラーは、そんな彼女を目の敵にします。このミラーを小憎らしいまでに演じてくれるのが、デイヴィット・デューク。彼は不幸にも、撮影中に突然死してしまったため、本作が遺作となってしまいました。彼らのやりとりで、作品にメリハリが生まれています。また、ミラーの手先のケヴィンもいい邪魔者になっています。
*枠役の活躍がいかにも。
ミラー教授が急死してしまったため、脚本をあわてて書き直して、ほかの人物に焦点を当てることになりました。それが、「過去を読みとる能力」 に長けているものの、いまだに母親離れ(それとも、子離れ?)できていないエメリー(マット・ロス)の超絶ママン、ミセス・ウォーターストン。キングというとマザコン、マザコンというと、これまたキングですもんねー、これはお約束です(笑)。
このママンがまた、ひどいのなんのって。完全に息子を食いものにしてます。息子が稼いだお金でくだらないぬいぐるみなんか山ほど買ってくるわりには、冷蔵庫の中はゴミばっかり… こんなダメ母、アメリカにはほんとにいそうだからコワいです。
*前半で蒔いたタネが開花するのもいかにも。
キングというと、伏線、伏線というと、これまたキングですよね。こちらでは、幽霊屋敷の王道、「(よくない)影響を受けて、次第に本性をあらわしていく登場人物」 がサブ・テーマになっています。自身の研究のことばかりで頭がいっぱいのジョイス、ジョイスの恋人で学生のスティーヴンは、幼いころのトラウマを抱え、かつ没落した両親に育てられたために、いまいち押しが弱いイイ男。集められた6人の超能力者も、それぞれ強さと弱さをあわせ持っています。
*最後に、キングなエッセンスを見つけて楽しみましょう!
書いた本人がキングなんですから、いかにもなエッセンスがあちこちにちりばめられています。オープニング、最高最強の超能力者、アニーの少女時代、隣家に石を降らせてしまうエピソードはもちろん、『キャリー』(元ネタはジャクスンの 『山荘奇談』)。それから、「家」に憑りつく悪意うんぬんは、 『セイラムズ・ロット』 でも長々と語られていました。そして、アニーを欲しがるその「家」の動機は、やはり 『シャイニング』 ですね!
テレビ映画というと、CM前に必ず切迫するシーンを入れたりとか、つなぎの部分が微妙だったりと、小さな難があるんですが、そういったことが気にならなければ、じっくり楽しめるゴースト・ストーリーではないかと思います。(…しかし、あいかわらず前フリが長い~っ!)
こちらが噂の〈ローズ・レッド〉邸。シスコに実在しています。(← ウソ)
過去に数十人の不明者を出しているそうです… (ホンマかいな…!)
ジョイス演じるナンシー・トラヴィス。
「The Legend Of Hell House」(1973)
でいったら、フローレンス役かな?
「悪いこというのはこの口か? ん?
この口か?」と、超能力仲間に
思いっきりいじめられてるエメリー
(マット・ロス)。
うしろのパム(エミリー・デシャネル)
の表情もおもしろい(笑)。
噂の超絶ママン(ローラ・
ケニー)!!
ひ~~、なんかよくわかんない
けど、ごめんなさい~~。。。
〈鏡の広間〉にて。
アニー(キンバリー・J・
ブラウン)を呼ぶ霊の
正体は?!
(1981)アメリカ
出演…エリザベス・ベリッジ
ショーン・カーソン
ラーゴ・ウッドラフ
ケヴィン・コンウェイ
監督…トビー・フーパー
★★★
〔ストーリー〕
高校卒業を間近に控えたエイミーは、親友のリズとダブルデート目的でカーニバルに出かける。ボーイフレンドのバズとリッチーは、ファンハウス(お化け屋敷)でひと晩明かそうと、いたずらな計画を持ちかけるのだが… 人気のいないファンハウスに忍びこんで、それぞれいちゃつく4人。だが、物音に覗き穴から階下を覗くと、呼びこみの男性が占い師の女性を殺害する場面を目撃してしまい…!!
トビー・フーパー監督の「ファンハウス/惨劇の館」です。
ホラー映画史上に燦然と輝く「The Texas Chain Saw Massacre」(「悪魔のいけにえ」)が、1974年の作品です。その3年後に、「ほんとにこっちが後なの?」という作品、「Eaten Alive」(「悪魔の沼」)を発表。アートまできわめた毒々しい恐怖は、迫力は、偶然の産物だったのね… と、映画ファンを妙に納得させて、「Salem's Lot」(「呪われた町」1979)で、ふたたび撃沈。
そんなフーパー監督が!! ほんとはすごい人なのに、やればできるのにフーパー監督が、やっとこさ盛りかえしてくれたのが、本作品でもあります。
また、こちらはクーンツ先生がノベライズを担当しています。ちゃんと読めるノベライズになっていますので、興味のある方は、古書店などで探してみてくださいね。
カーニバルな雰囲気とホラーはじつに愛称がいいんですが、導入部が無理なく、とても楽しい展開になっているので、ドキワク♪ な映画です。
若者たちといえば、賑やかな場面でこそ、悪ノリをしちゃうもの。「お化け屋敷でひと晩明かそうゼ!」と、意気ごんでみたものはいいのですが、オッソロシイ場面を目撃してしまいます。占い師にバカにされた客引きが、思わず彼女を殺しちゃいます。しかも、この客引き、カーニバルの奇形さんたちにもシャレにならない、超モンスターな息子がいたのでした。しかもしかも、見られていたことを知った彼らは、口封じのために目撃者狩り開始してしまいます!!
お化け屋敷、残酷なマジック、綿飴にポップコーン、色とりどりのグロテスクな看板、客引き、不気味な人形… と、子供時代にタイムスリップしたような、さまざまなカーニバルの風景が見ていてウキウキ。サスペンス要素は弱いのですが、雰囲気だけは成功しています。
フーパー監督というと、暗い画面、ぎこちない間、ぎこちないセリフ、個性の薄い(また、逆に個性の強すぎる!)役者さんたち… などといった、いまのホラー映画ではなかなか見られないような、独特の風味というか、強烈な持ち味があるんですが、これがカーニバルな世界観とぴったりあっています。まるでその場にいるような、匂いまで嗅げてしまいそうな勢いです。
追いつ追われつな縮図や、こうした華やかな毒々しさ、邪悪さから、わたしはいつも「Deliria」(「アクエリアス」1987)とセットで頭に浮かべてしまうのですが、くらべてみるのも一興かもしれません。
ファンハウスの目玉(?)、入口の不気味なオバチャン人形。
じつは彼女がいちばんコワい。
左から、リッチー(マイルズ・チャ
ピン)、リズ(ラーゴ・ウッドラフ)、
エイミー(エリザベス・ベリッジ)、
バズ(ソニア・ゾミナ)。
カーニバル、楽しい~!!
カートに乗って、ファンハウス
に突入! 楽しい~!!
ひいぃぃぃ、奇形というより
バケモノ!!!
楽しくない!!
恐怖のあまり、鼻水まで
出てきちゃった…
逃げきれるかしら…??
原題 『The Black Dahlia』
(1987)
ジェイムズ・エルロイ:著
吉野美恵子:訳
文春文庫
〔ストーリー〕
1940年代のハリウッド。「ファイア&アイス」と間逆の関係にたとえられた元ボク
サーの刑事、バッキー・ブライチャートとリー・ブランチャード。名前は似ているが、外見も性格も異なる彼らは、やがて無二の相棒となり、リーの恋人ケイトと危うい三角関係を築きながら、全米を震撼させた“ブラック・ダリア事件”の渦中に飲みこまれていく… エルロイの出世作にして、〈暗黒のL.A四部作〉の第一弾!
ついに登場させてしまいました、わたしの大々々好きな作家さんのひとり~、J・エルロイの『ブラック・ダリア』です。
この作品を読んだときの衝撃は、いまでも忘れられません。
それまでにも、エルロイという人の作品は2、3読んでいました。これが、ありていにいってしまえば、よくある犯罪小説でして、キャラクターも構成もプロットもごくありふれた感じの、いわば大量生産された“刑事もの” の域を出ないものでした。ただひとつ気になった点が、主人公につきまとう「暗い影」の存在。これが作者の心の状態を示しているようで、妙に引っかかっていたのですが…
…が、こんなに早く化けてしまうなんて、いったいだれに想像できたでしょう!!
『ホワイト・ジャズ』のあとがきを担当した、馳星周さんのお言葉をそっくりそのまま借りてみますと、エルロイはこの作品から「とちくるった」んだそうです。わたしもこの表現、まさしくぴったりだと思います。「エルロイは『ブラック・ダリア』からとちくるった」。どういうことなのか、すこし説明させてくださいね。
エルロイという人ほど、劇的な人生を歩んできた作家さんはいないと思います。
彼は幼いころ、“母親を殺害される” という信じられない悲劇に見舞われてしまいます。犯人は不明のまま、事件は未解決。この母親は、あとからエルロイにも理解できるようになるのですが、ウェイトレスの傍ら、売春まがいのことをしていました。のちに、この事件とむきあう勇気と知性を備えた彼は、『わが母なる暗黒』という手記も生みだします。(…おそるべき作家の執念ですね~。興味のある方は、ぜひ書店で手にとってみてください!)
その後の彼の人生は、落伍者そのもの。学校もドロップアウト、定職にもつかず、
ホームレスとなって昼間から安酒をあおる日々。こんなダメ人間がワールド・ワイドな超売れっ子大作家になるなんて、まさしくアメリカン・ドリームじゃないですかっ!!
ブラック・ダリア事件は、ご存知の方も多いと思いますが、1947年1月15日にロスでじっさいに起こった事件です。被害者はエリザベス・ショートという女優志願の若い女性で、ハリウッド関係者の目にとまるように、いつも黒ずくめの格好をしていたため、「ブラック・ダリア」と呼ばれていました。
察しのいい方にはもう歴然としてしまいますが、エルロイにとって「ブラック・ダリア」とは、殺害された母親なのですね。そして、この物語のふたりの主人公、バッキーとリーはもちろん、エルロイ本人。(…作中、しだいに事件にのめりこんでしまうリーが、壁一面にブラック・ダリア関連の記事を貼りつけるところは、背筋が寒くなってしまいます… エルロイの本名はリー・アール・エルロイ、つまり、自分のことを書いちゃったのですね!)
作家本人の執念が大噴出しているのですから、傑作にならないわけがないですね。そしてエルロイのすごいところは、この才能はほんもので、その後もなにかに憑りつかれたように、常人には真似できない作品群を次々発表していくのです…
とくに、『ビッグ・ノーウェア』、『LAコンフィデンシャル』、『ホワイト・ジャズ』 は、どれも必読です!
こんな大傑作を放出することができるのなら、一度でいいから「とちくるって」みたい…♪ そう思っちゃうのは、わたしだけではないと思うんですけど…!!
(2008)フランス
出演…ジャン・バプティスト・モニエ
ベンジャミン・ユンガー
ジェニファー・デッカー
監督…ジェームズ・ユット
★★★
〔ストーリー〕
高校生のニックは幼い弟と母親の3人暮らし。同級生のアンジーに夢中だが相手にされず、親友のピエールといつもつるんでいた。ファーストフード店でバイトに励むものの、アンジーと距離を縮める格好の手段の携帯電話が、なかなか手に入らない。思いつめたニックは母親に嘘をつき、いかがわしい店から格安で、一風変わった携帯電話を手に入れるのだが…
キラキラした青春ホラーのご紹介です。
監督のジェームズ・ユットという人は、「Serial Lover」(「シリアル・ラヴァー」1998)でデビューを果たした方。こちらの作品は未見なのですが、紹介文を読んでみると、“ナンセンスなスプラッタ・コメディー”、“徹底したブラックユーモアと独創的な映像~” などと、記されています。本作品も、まさしくナンセンスなスプラッタをしてしまして、かつ、こてこてのコメディです。
原作はティーン・ホラーで人気の作家さん、ウィリアム・スリーターの 『Hell Phone』。邦訳はまだ出ていないようですが、これだけ楽しければ、今後訳出される可能性アリですね。(…かといって、R・L・スタインのような、記述トリックの新本格っぽいヤング・ホラーではないです)。
主役のニックを演じるジャン・バプティスト・モニエくんは、コーラス隊〈Les Choristes〉の看板ボーイ・ソプラノらしいです。子役として幼いころからTVに出演していたようなんですが、歌っている姿はまさに“天使”ですね。癒されたい方、天使に興味のある方は、こちらをどうぞ。
よくある携帯電話もので、登場人物が全員十代ですから、個々のエピソードも爽やか~に、随所にホンワカした笑いをまじえて進んでいきます。最初に「青春ホラー」を書きましたが、ファンタジーな要素が圧倒的に強く、「悪魔の携帯電話」を使ってなんでも出来るようになってしまうけど、さて、その見返りは…? という、わかりやすいストーリー。この携帯電話というのが、まるで「ハリー・ポッター」のような自由自在度です。ほんとーに、なんでもできるようになってしまいます(笑)。
ファンタジーなストーリーにくわえて、残酷シーンもほぼ皆無なので、「…これはもしや、ひとりも犠牲者がでないという、まさしくハリーな小学生向け映画…??」と、観ていましたら、後半からしっかりホラーしていきました。(…といっても、血は一滴も流れないんですけどね!) ファンタジーとして見ると、けっこう残酷だと思います、たぶん(笑)。
出てくる男の子や女の子がみんなかわいい子たちばかりなので、とりあえず、どんなシーンも絵になっています。ホラーにつきものの 「暗さ」や 「苦味」がひとつも見あたらず、最初からそんな映画だとわりきって観ると楽しいかもしれません。
…思えば 「ハリー・ポッター」 シリーズは、道具仕立てこそメイド・イン・UKしていましたけど、映画そのものは120%アメリカナイズされていました。それが空前の商業的価値を生みだしたわけですが、この作品の場合、全体的に 「ドタバタ・ホラー喜劇」 としてとっちらかっている感が否めないものの、そうした不器用さや個性などが、逆に愛しかったりするわけです。
それから、劇中に突然「Dead End」(「-Less/レス」2003)のワン・シーンが挿入されるのにはびっくりしました。監督さんも、好きね~♪
ニックを演じるジャン・バプティスト・モニエくん。
今後の成長株ですね♪
親友のピエール(ベンジャミン・ユンガー)
くんと。いい笑顔しています!
ニックが恋するアンジー
(ジェニファー・デッカー)。
モニエくんとくらべると、
大人っぽいですねー。
いじめっこ隊登場!
リーダーのヴァージル
(中央ウラジミール・コン
サイニー)は、なぜか
いつも半裸です!
そのヴァージル、「悪魔の携
帯電話」に囁かれて、食堂で
ストリップ♪ をはじめてしまい
ました!
(←ここ、見せ場ですのよ♪)
本領発揮した携帯電話の大暴走!!
さて、生き残ることができるのは、
だ~れだ…??
(2003)アメリカ/ドイツ
出演…ジョン・トラボルタ
コニー・ニールセン
サミュエル・L・ジャクソン
ティム・デイリー
監督…ジョン・マクティアナン
★★★★
〔ストーリー〕
パナマの米軍クレイトン基地から訓練に出て、嵐の森で消息を断ったレンジャー部隊。17時間後、3名の兵士が発見されるが、なぜか味方同士で撃ちあっていて、ヘリコプターの目前でひとりが死亡する。救助された2名の兵士のうち、ひとりは重傷、もうひとりはジュリー・オズボーン大尉の尋問に黙秘をつづける。そこへ、非公式に麻薬取締捜査官のハーディーが呼びよせられた。ハーディーは麻薬組織に買収された容疑をかけられているのだが…
あまりにおもしろかったー♪ ので、興奮しながら書いています~、
邦題は「閉ざされた森」です。
ジョン・マクティアナンというと、「レッド・オクトーバーを追え!」や、「ダイ・ハード」シリーズで大成功を収めた一流の監督さん。その方が、はじめてサスペンスに挑んでみたようです! 例によって例のごとく、どんでん返しがてんこもりになっています。ラストまで気が抜けない、すばらしい構成です。
俳優陣には、これまた一流どころのトラボルタとサミュエル・L・ジャクソンを揃えました。トラボルタが登場すると、自然と映画がリラックス・ムードになるといいますか、親しみの情が伝わってくる不思議な役者さんです。また、ここにサミュエル・ジャクソンがくわわると、ぐっと高級感が増します(笑)。
ヒロインには、「Gladiator」(2000)のコニー・ニールセン。今回は軍人役ということで、きれいなブロンドをばっさりベリーショートにして、タフで仕事熱心な女性を好演しています。
サスペンス映画というと、どれだけ観客を(無理なく!)騙せるかというところが重点かと思われますが、この作品はかなりの高得点を稼ぎだしています。似ているところでは、「Identity」(2003)といい勝負なんじゃないでしょうか。
ストーリーは、とある米軍基地で起きたトラブルからはじまります。味方同士で殺しあいをしていた兵士。行方不明のままの仲間と軍曹。生き残った兵士のひとりは頑なに口を閉ざしたまま、業を煮やした上官スタイルズ(ティム・デイリー)は、かつての友人にして問題児(?)のトム・ハーディー(トラボルたん)を呼ぶことに。コニー・ニールセン演じるオズボーン大尉とコンビを組んで、難事件の解明に乗りだします。
“軍” という特殊で閉鎖的な環境にくわえて、だれがウソをついているのか、だれがほんとうのことをいっているのかと、次第に迷路にはまっていくように複雑な物語が展開します。とくに、前半の回想シーンで、“鬼軍曹” サミュエル・ジャクソンのエピソードが語られるところは、物語の不吉な予感を示すかのように、スリリングで不気味。この緊張感がラストまでいっきに持続します。
まだ未見の方のために、下手なことはいいません… でも、これだけはいわせてください。後味のいい作品で、ほんとによかったー!!
太っても、トラボルたん~。
どんな役を演じても、憎めない
キャラになっちゃうんですよね♪
オズボーン(コニー・ニールセン)
は最初、ハーディーのやり方に
疑問を持つのですが…
唯一の無傷の生き残り・ダンバー
(ブライアン・ヴァン・ホルト)に事情
聴取をはじめることにしますが…
鬼軍曹ウェスト(サミュエル・L・
ジャクソン)登場!
さて、“閉ざされた森”で起こった
悲劇の真実とは…?
騙されたり、騙されたりの
くりかえし…!
ハーディーとオズボーン
は、時間内にナゾを解く
ことができるでしょうか?
Pumpkinhead
(1988)アメリカ
出演…ランス・ヘンリクセン
ジェフ・イースト
シンシア・ベイン
監督…スタン・ウィンストン
★★★
〔ストーリー〕
山間の小さな田舎町で雑貨屋を営むエドは、幼い息子のビリーとふたり暮らし。ある日、山小屋にむかう5人の男女の一行がエドの店に立ちよった。しかし、エドの留守中、開放的な気分になった彼らのひとり・ジョエルがモトクロス・バイクをはじめて、ビリーを轢き殺してしまう。唖然とする仲間のクリスを残して、逃げ去るジョエルたち。一方、帰宅したエドはクリスから事件の顛末を聞き、警察にはむかわず、ひとり復讐を果たそうと決意するのだった…!!
「パンプキンヘッド」です。
スタン・ウィンストン監督というと、特殊効果やメイキャップなどで、「Aliens」(「エイリアン2」1986)や「Predator」(「プレデター」1987)や、「Terminator 2: Judgment Day」(1991)などといった大作では、すでに顔馴染みの有名人。いわば、モンスター系の映画が得意な方なんですね。
ストーリーのほうも、いかにも単純でドラマチックな筋書きです。ばかげた不注意から息子を殺されてしまった父親が、町の伝説の怪物「パンプキンヘッド」を甦らせて、彼らにひとりずつ報復を果たしていくというもの。
わたしはこの筋書きとタイトルを目にしたとき、なぜか 「バーカーっぽいな!」 と思ってしまいました。(…「Rawhead Rex」(1986)じゃありませんけど(笑)~)、このわかりやすくキャッチーなタイトルといい、アイデアといい、いかにもバーカーの好みそうな古典ストーリーなんですよね~…
(バーカーっぽさが功を奏しているかはともかく)、モンスター造形がすばらしく、非常に人気の高い作品となっています。続編もたくさん作られているようです。それから、フィギアも人気ですね!(← これはある意味モンスター映画の特権ですよね♪)
主役のエドを演じるのは、「エイリアン2」でビショップを演じたランス・ヘンリクセン。カッコイイお父ちゃまですねー。彼以外は、ほとんど無名の役者さんばかりです。お金もあまりかかっていません。多少説明不足で、消化不良な部分もあるのですが、B級テイストゆえの荒っぽい楽しさといいますか、純粋にホラーを楽しめる要素が集中しています。
赤っぽい、埃っぽい荒涼とした大地に、粗末な雑貨屋、土埃で汚れた家々、無口で無骨なヘンリクセンと、雰囲気もかなりイイ感じ。たいして、「パンプキンヘッドを召還する場面」 になりますと、白と青の世界に変わって神秘的なムードに。ヘンリクセンに召還の手順を教える老婆の存在も不気味です。
特徴はやはり、パンプキンヘッドの造形でしょうか… これがさして大きすぎず、無敵すぎもせず(笑)、ちょうどいいくらいのモンスターとなっています。人間と獣と爬虫類をあわせたようなごつごつした身体で、不恰好に「のっし、のっし…!」と歩く姿は、悪夢そのもの。ただひとつ残念な点は、残虐度がおとなしめなところ。ここでパンキンがもっと暴れていたら、もうすこし映画としての格が上がったのは確実だと思います。
ビリー少年を演じるマシュー・ハーレイがほんとうにかわいらしくて、彼が死んでしまう場面は涙なくして観れません…(悲)、ううーん、罪のない子供が殺されてしまう映画って、やはり辛いものがありますね…
エドを演じるランス・ヘンリクセン。
頭脳明晰、冷静沈着なビショップ役も
はまっていましたよねー♪
父ひとり子ひとりのエドとビリー
は、慎ましくも平穏な生活を
望んでいたのですが…
調子に乗った若者のバイクが
いきなり暴走!!
復讐を果たしてくれるという、
伝説の怪物を呼びだす儀式を
行ってしまいます…!!
一方、怯える若者たちは…
(「The Crow」(1994)のブラン
ドン・リーいわく、「やったら、やら
れる」んですよ~!)
そうこうしているうちに…
窓の外から、
「こんにちは~♪」
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独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
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