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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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   El Arte de Morir


(2000)スペイン
出演…フェレ・マルティネス
マリア・エステベ
グスタホ・サルメロ
ルシア・ヒメネス
監督…アルバロ・フェルナンデス・アルメロ
★★☆


〔ストーリー〕
 大学生からの友人グループの男女6人組。じつは、ナチョという画家志望の友人もいたのだが、彼は4年前から行方不明になっていた。ナチョの行方を捜そうと、親友だったイヴァンに詰めよる父親。一方、イヴァンはナチョがいなくなってからというもの、恋人クララともうまくいかず、友人たちともギクシャクしていた。ところがある日、警察からナチョに関する新しい手掛かりを掴んだと連絡を受けて…!!


 「Abre los ojos」「オープン・ユア・アイズ」1997)の成功を皮切りに、世界的に注目されるようになったスペイン・ホラー。この作品はそんななかでも、わりと出来のいい部類に入るのではないかと思います。邦題では、「惨劇の週末」となっています。

 スペイン・ホラーといいますと、これは個人的な感想なんですが、具体的でない、いわゆる、いかにもアメリカっぽい即物的なホラーとは正反対にあるような、心理サスペンス系が好まれているように思います。「オープン・ユア~」 でもそうでしたが、たぶんアメリカ人からすると、「…だから、なんだったの? はっきりせいっ!!」 と、突っこんでしまいたくなるような(笑)。あ、でも、あれはちゃんとリメイクされてましたね。

 主演は、スペイン映画界をリードする若手フェレ・マルティネス。「オープン・ユア~」や、「Darkness」「ダークネス」2002)などなど、たくさんの出演作品があります。そして、最新作「El Ojo descarnado」(2008)ではなんと、ノリエガとふたたび共演(!)しちゃうそうです。まだ詳細はよくわからないのですが、出張先で片目を失ったビジネスマンが、帰国してから不思議なビジョンが見えるようになってしまう… という、どうやらホラー的な匂いがしますよ! という内容。これは期待したいですねー

 さてさて、肝心のストーリーなんですが、多分に洩れずサスペンスです。心理系です。
マルティネス演じるイヴァンは、髪をぴたっと撫でつけた、地味でマジメな青年。なんかいままでと雰囲気ちがいます。これまでのマルティネスの魅力を期待していると、あれー? と思っちゃうかな?

 彼にはナチョ(グスタホ・サルメロ)という親友がいたのですが、4年前から行方不明になっています。このナチョなんですが、見るからに問題児のいわくつき男。
偏屈なアーティストというんでしょうか、でも、自分勝手だし、素直じゃないし、女にはだらしないしで、じつは周囲のキラワレ者。
こういうパターンて、ときどきありますよね。「キラワレ者の親友」 って立場にいると、どっちからも板ばさみ状態になっちゃう~、みたいな…

 彼の行方不明事件をめぐって起こる悲劇を描いているのですが、そこには宗教的な意味も含まれています。あまりくわしく書くことはできないのですが、結末でオチがわかるというよりも、“罪を犯した人間は許されるのか?” ということが、じつはこの映画のテーマになっています。












イヴァン役のフェレ・マルティ
ネス。すっごい地味です。








恋人のクララ(右マリア・エス
テベ)と、女友達のパトリシア
(ルシア・ヒメネス)。







問題児のナチョ(グスタホ・
サルメロ)。なぜかこういう
タイプにかぎって、わりと
モテたりするんですよねー。









「ウワァァァ!!」
カルロス(A・コラド)に
襲いかかる怪異は?!











友人たちが次々と命を落としていくのは、ナチョの仕業なのか…!!







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   The Omen


(1976)イギリス/アメリカ
出演…グレゴリー・ペック
リー・レミック
デヴィット・ワーナー
ビリー・ホワイトロウ
監督…リチャード・ドナー
★★★★


〔ストーリー〕
 アメリカの外交官ロバートの妻・キャサリンは、ローマの産院で男児を出産するが、その子は間もなく死んでしまう。ちょうど同時刻に生まれた子供を引き取ってもらえないかと、神父から話を持ちかけられ、ロバートは妻に秘密でその子をわが子として育てることに。少年はダミアンと名づけられ、なに不自由なくすくすく育っていくのだが…


 ひさしぶりに傑作が観たい! ダミアンの不敵な微笑みと、首チョンパ(いきなりネタバレ、すいません~)が観たーい!! と思って、今回は「オーメン」です。

 あまりにも有名な、そして、その後も続編(1978)、続々編(1981)と製作されることになった(どちらも必見!)不朽の名作なのですが、最近ではリメイクも話題になりましたね。

 1973年に「The Exorcist」「エクソシスト」が大ヒットしてからというもの、オカルト映画が一時期ブームとなったのですが、この作品は、そんななかでも燦然と輝く “正統派” です。
 手法もクラシック、奇抜な演出や真新しさはとくにないのですが、物語が緻密に構成されていて、結末にむかうにつれて恐怖感とスリルが増大していきます。
なにより、ハーヴェイ・スティーブンス演じるダミアンがこ~わいこと、不気味なこと!

 「エクソシスト」でもそうでしたが、“子供が脅威の存在となる” というのは、当時のアメリカの不安の象徴のようです。(…髪を伸ばし、マリファナを吸って、ロックと平和を訴える粗野な若者たちというのが、当時の親たちにはまるでエイリアンのように思えたんでしょうねー)。
この作品では、物語の悲劇がより顕著になるようにと、主人公は著名な外交官です。グレゴリー・ペックとリー・レミックの上流(いまでいうとセレブですね~)夫婦を要に、産院で引きとった子供の不気味な成長が描かれていきます。

 あらためてじっくり観かえして思ったことは、この作品がいかに、その後の映画界(…たぶん、ほかの分野にも)に多大な影響を与えたかということです。
なんの気なしに観ていただけでも、「コレ、何度も観た覚えがある!」というシーンをいくつも発見してしまいました。
…たとえば、カメラマンが写真の中に不可解なものを発見するシーンは、「The Amityville Horror」「悪魔の棲む家」1979~)の定番ですし、ダミアンが三輪車で走りまわるシーンは、まさしく「The Shining」「シャイニング」1980)、最近のところでは、「Les Rivieres Pourpres」「クリムゾン・リバー」2000)でふたりの刑事が真相を追って、僧院で不気味な人物と会話するシーンが、まさにそっくり!!

 こうしてみると、公開当時いかに観客にとってショッキングだったかわかりますね。
無邪気なはずの子供が(…たしかに、序盤のダミアンは小さくてかわいいんです!)、じつはおそろしい、邪悪な存在だとしたら?
でも、ダミアンのただ笑っている顔もこわいのだけれど、家の中に知らない人がやってくる(子守役のベイロックのことです~)のほうが、よっぽどこわかったりして…


 






悪魔の申し子、ダミアン。
この後の成長も見どころ
なんです。





セレブなお父さん~
ロバート役の 
グレゴリー・ペック。




セレブなお母さん~
キャサリン役の
リー・レミック。  





教会に連れていこう
としたら、大泣きの
暴れまくり!





だから、アヤシすぎるっ
てばー!!
家政婦のベイロック。
 












 

カメラマンのジェニングス(デヴィット・ワーナー)と、真相を探るために
廃墟となった寺院の墓荒らしていると…!!







     Transsiberian


(2008)イギリス/ロシア
出演…エミリー・モーティマー
ウッディ・ハレルソン
エドゥアルド・ノリエガ
ベン・キングスリー
監督…ブラッド・アンダーソン
★★★


〔ストーリー〕
 恵まれない子供たちのために支援活動をつづける、ロイとジェシー夫妻。中国を訪れていた彼らは、シベリア鉄道に乗ってモスクワを目指すが、その道中で、カルロスとアビーという若いカップルと知りあう。慣れない異国の地で仲よくなる4人。だが、ふたりと知りあってしまったために、思いもしない事件に巻きこまれることに…


 ブラッド・アンダーソン監督の新作です~。

 ブラッド・アンダーソン監督というと、「Session9」「セッション9」2001)、とくに、「El Maquinista」「マシニスト」2004)が記憶に新しいですね。
いわば、サイコ・スリラーを得意とする方なんですが、音楽の使い方も独特の渋みと不気味さがあって、わたしは大好きだったりします。
そんな彼の新作ということで、これは期待を大にして観てしまいました。

 ロイ(ウディ・ハレルソン)とジェシー(エミリー・モーティマー)は、恵まれない子供たちのためにボランティア活動をつづける、社会貢献大好き夫婦。世界各地で精力的に活動をつづけています。

 そんな彼らが、シベリア鉄道に乗ってモスクワに移動中に、おそろしい事件に巻きこまれてしまいます。
言葉もろくに通じない異国で、列車を降りれば極寒の地、ようするに、逃げ場なしの閉塞状態で、徐々に追いつめられていく主人公… そんな息苦しさ満載の、ブラッド節が効きまくったスリラーとなっていました。

 シベリア鉄道というのは、ウラジオストックからモスクワまでを約7日間で横断する、世界一長い鉄道なのだそうです。ロシアということで、おなじみのロシア~ンな風景でいっぱいです。停車駅ではいろんな物を売る人たちがいて、焚き火、耳当てつきの帽子、ピロシキ、スコッチ、マトリューシュカ!!

 ハレルソン演じるロイは、ひたすら能天気なアメリカ人なんですが、ジェシー演じるエミリー・モーティマーはいくぶん危なげです。そんなふたりに、新たな出会いが…
カルロス(エドゥアルド・ノリエガ)とアビー(ケイト・マラ)という、若いカップルです。彼らの登場によって、平和な道中が徐々に崩れていってしまうのです…

 カルロスを演じるエドゥアルド・ノリエガが、相変わらずのキケンな男っぷりでした。また、刑事役のベン・キングスリーも渋くてコワいです。いい味出してます。

 観終わって感じたことは、前作 「マシニスト」 とくらべると、ずいぶんきっちりまとまった感のある、上品なスリラーになっちゃったかなあ? というものでした。ストーリー展開もよく、最後までじっくり観させてくれるんですが、「マシニスト」 のベイルの激痩せ(!)と、あの、哀れで独特のおかしさを誘う、妙~なテイストがクセになったという方には、これは上品すぎる!!と、感じてしまいますかも。

 そうですねー、推理小説好きにはたぶんハズレなしの、秋の夜長にぴったりの(?)映画でしょうか…











ロイを演じる、
ウディ・ハレルソン。
能天気すぎ!






こちらは、ジェシー演じる、
エミリー・モーティマー。
危なげすぎ。







アビー(ケイト・マラ)と、
カルロス(ノリエガ)。
ノリエガは毎回嵐を呼ぶ
男ですなあ。








ベン・キングスレー演じる
グリニコ刑事は、
さすがに眼光鋭し!







   The Fall


(2006)インド/イギリス/アメリカ
出演…カティンカ・ウンタルー
リー・ペイス
キム・ウィレンブローク
ジットゥ・ヴェルマ
監督…ターセム・シン
★★★★


〔ストーリー〕
 1920年代のロス。左腕を骨折した9才の少女・アレクサンドリアは、おなじ病院に入院中のスタントマンの青年・ロイと親しくなる。退屈するアレクサンドリアのために、ロイは5人(+1人)のヒーローたちが活躍する、摩訶不思議な冒険譚を毎日聞かせることに。だが、ロイの思惑はべつのところにあって、半身不随になってしまったために絶望し、アレクを使って自殺を企てようとしていた…


 ターセム・シン監督というと、殺人鬼の内面世界を幻想的に描いてみせた、「The Cell」「ザ・セル」2000)。6年ぶりの新作が登場しました。もちろん、「ザ・セル」でタッグを組んだ、石岡瑛子さんがふたたび美術を担当しています。
邦題は、「落下の王国/ザ・フォール」

 わたしは「ザ・セル」の独自の映像美がかなり印象に残っているんですが、この作品は、さらにさらに、それをパワーアップさせた感じです。
なんと、ロケ地はインドや中国、ルーマニア、南アフリカ、トルコ… などなど、23ヵ国の大自然や遺跡、世界遺産を使っています。溜息が出ちゃいそうな迫力のある映像もすばらしいんですが、ストーリーも秀逸です。

 半身不随となってしまった映画のスタントマンのロイ(リー・ペイス)は、ある日、二階から落ちてきた手紙を拾って、アレクサンドリア(カティンカ・ウンタルー)と友だちになります。
このアレク少女を演じるカティンカちゃんが、もう、カ~ワイイの、なんのって!!
(…いつも思ってしまうのですが、海外の子役さんたちって、表情が自然ですよねー。屈託ないし、おおらかだし、セリフまわしもうまいし、くるくる変わるいろんな顔を見せてくれます)。

 アレクちゃんの愛らしさに懐柔されちゃったロイ、即興で “5人のキテレツなヒーローが登場する冒険” を聞かせるようになります。このヒーローたちがまた、クセものだらけで、人種も様々なら、出身もいろんなところから。奴隷だった人もいるし、猿を連れたナチュラリストもいるし、得意な武器が爆弾という人もいれば、顔をマスクで隠した、さる高貴な血筋を引く男… なんてね。衣装も奇抜で楽しいです。(このあたり、いかにも石岡さん! という感じです)。

 ここにもうひとり、とある重要な人物がくわわって、6人のヒーローたちは冷酷な独裁者をやっつけようと旅に出るのです。こうして、「現実」 と 「虚構」 がないまぜになった不思議な物語がはじまります。
「虚構の世界」 はふたりの想像力から生まれるので、「現実の世界」 と重なることもしばしば。
すっかりロイと仲よしになるアレクちゃんですが、ロイは彼女を利用して、モルヒネを手に入れようとしていました… そして、そうと知らないアレクちゃんは…!!

 説教くさくなりがちなテーマをごく自然に、素直に描かれていて、また、弱った人にたいする温かい眼差しもやさしいです。
まるで子供むけ映画のようなファンタジーですが、ラストにむかうにつれて、現実の過酷さが露呈してきます。(…一部は涙ナシでは観れませんでした~)お話に熱中するアレクちゃん、べつの意味で登場人物に自分を重ねるロイは、いつしか「虚構の世界」 に自己を投影するようになって…

 前作が奇抜すぎて感情移入できなかったという方にも、この作品はオススメです。
“想像力こそ生きる力” という直球不滅のテーマながら、完成度はかなり高し。大画面で観るとすっごく迫力がありそうな作品でした!














オトコマエ5人衆、見参!
はぐれ者の勇者たちが運命の出会いを果たしたとき、壮大な旅が
はじまるのです…






仮面の男(キム・
ウィレン・ブローク)。
「オレの二挺拳銃が火
を吹くぜ!!」








こちらは、現実世界の
アレクちゃん
(カティンカ・ウンタルー)
と、ロイ(リー・ペイス)。
(注:ロイはイイ男です








6人目の勇士登場!
しかし、キレイなシーン
ですねー。







婚礼の儀で、くるくるまわ
る男たち!
(しかし、この後…!!)







   Donkey Punch


(2008)イギリス
出演…ジュリアン・モリス
ロバート・ブリュター
サイアン・ブレッキン
トム・バーク
監督…オリバー・ブラックバーン
★★☆



〔ストーリー〕
 地中海リゾート地のナイトクラブで知り合った、男女7人の若者たち。彼らは意気投合して、ヨット・クルーズに出てパーティーのつづきをしようと盛りあがる。開放的な気分になった彼らは、クスリに、どんちゃん騒ぎにと、やりたい放題に。だが、おふざけが一線を越えてしまったとき、思いもしない悲劇が起きてしまい…


 ポスターから、よくあるスラッシャーを想像していたんですけど、蓋をあけてみれば、ぜんぜんちがいました!
なんと、“坂から転げ落ち” スリラーだったんですねー。「悪いことには悪いことが重なるもの」 というストーリーを基に、セレビッチな彼らにいったいなにが起こったんでしょう? 順を追って見ていきましょう。

 オリバー・ブラックバーンという監督さんもはじめて聞く人なら、役者さんたちも無名の方ばかりです。「Cry Wolf」(2005)のジュリアン・モリス以外は、正直よくわかりませんでした。
お話はいたって簡単。
海外の小金持ちな若者たち(…べつに、若者たちにかぎったことじゃありませんけど~)というと、お馴染みのスキャンダラスな日常オンパレードです。ナイトクラブで騒いで、クルーズ三昧、クスリもやっちゃって、乱交パーティー、ついでにビデオカメラ!!

 一般庶民のわたしたちからしますと、彼らはなーんでまた、こうもお定まりの退廃を満喫するんだろう… と不思議な気持ちになるんですが、前半はこんな感じで、ほぼソフト・ポルノのようなノリです。
ブラックバーン監督、大丈夫ですか…? と、不安になったところで急展開。
な、なんと、お楽しみの最中に、ひとりの女子が死んでしまうではあーりませんか!

 こうして、“海の上” という隔絶された世界で、あれよあれよという間にイヤ~な雰囲気に、徐々に雪だるま式に悲劇がはじまってしまいます。
本作を観ていて思いだしたのは、「All The Boys Love Mandy Lane」(2006)という作品。この作品、「ビターな青春スラッシャー」 という売りだったんですけど、オーソドックスな殺人鬼映画ながら、その根底にはそこはかとなく、陰鬱な、イギリスの田園風景独特のどこか憂鬱なムードがあったのが印象的でした。

 近年のイギリス・ホラーというと、おおまかには2種類に分けられるようです。ひとつは、「Botched」(2007)「The Cottage」(2008)みたいな、非常にテンポのいい、(知的で)自虐的なおバカ・ホラー。これはこれでとっても楽しいんですけど、その対になると思われるのが、「All The Boys~」や本作となるわけです。

 やや未完成な感も否めないんですけど、この独特の感触を味わっていただければ、ついでに、こういう自滅型ホラーも好き・キライがわかれると思うんですけど、これからのホラーが見えてくるかもしれません。












ジョシュ(J・モリス)と、
リサ(サイアン・ブレッキン)。
出発前はこんなに楽しそう。







「飛んでる、わたし、
飛んでるわ!!」って、
「タイタニック」
じゃありません!









ナイト・クルーズには、
悪夢がつきもの(?)
のようで…










閉じこめられたタミー、
ついに反撃!!







   Mirrors


(2008)アメリカ/ルーマニア
出演…キーファー・サザーランド
ポーラ・パットン
エイミー・スマート
ジェイソン・フレミング
監督…アレクサンドル・アジャ
★★★

  
〔ストーリー〕
 不審火で全焼した高級デパートのリニューアル・オープンにむけて、元刑事のベンは警備員として再就職を果たす。しかし、そのデパートは不気味な佇まいで、従業員がありえない状況で自殺、さまざまな怪奇現象が起こっていた。私生活でもうまくいっていないベンも、次第に不可思議な現象を目撃するようになり、悪夢にとりつかれたようになってしまい…


 じつはこれ、韓国ホラー映画「Geoul Sokeuro」… 英語タイトルは、「In To The Mirror」2003)のリメイクなんですね。

 Jホラー人気もすっかり冷めてしまって、ハリウッドは “日本以外” のアジア圏出身ホラーに注目するようになりました。そんな中でも、わりかし欧米からの評価が高く、アジャ監督の目にもとまったこの作品。
ま~、平たくいってしまえば、いかにも欧米人が好みそうなミステリアスな幽霊譚だったりしたのですが、日本人のわたしからしますと、わりとありがち(…?)なナゾ解きミステリーでして、当然異国な情緒を感じることもなく、結末にいたっては、まるで2時間ドラマのようなノリ… (ファンの方がいたら、ごめんなさい~) …でした。

 …そんな作品だったので、これをアジャ監督がリメイクするとなると、さあ、どんなふうになるんだろう??と、興味津々だったのですが、えーと、まずは感想から。

 うう~ん、無難な仕上がり… ですか?

 鑑賞して思ったことは、これはリメイクというより、まったくべつの物語になっています。(アジャ監督も、その点はよくがんばったと思います!)、「鏡の中に魔物が棲んでいる」 というコンセプトだけをもってきて、あとはほとんど、彼のオリジナルといっても過言ではありません。
原典では「ミステリー要素」 が非常に強かったのですが、こちらはバリバリのゴースト・ホラー。主役のベンを演じるキーファーさんが、なぜか突然霊感が強くなってしまって(!)あっちで「ギャー!!」、こっちで「ウォー!!」と、大立ち回りを見せてくれます。この霊感、人前でも容赦なく発揮されますので、周囲もドン引きです(笑)。ハイ、ここでホラーのお約束が登場ですね。周囲に理解されない、カワイソーな主人公~

 妻のエイミーに、「Deja Vu」「デジャヴ」2006)で注目された美女ポーラ・パットンが出演しています。徐々におかしくなっていくベンに、明らかに不審の念を抱くエイミー。こういう構図は好きなんで、もっとあからさまにしてもよかったと思うんですけど、途中からあらら? な展開に…

(え… と、○子さん?
ち、ちがいますよね。でもちょっと、似てます… よね?)

 Jホラーは出だしのイメージがよほど強烈だったのか、いまだにその影は留まるところを知らず…!! …なんですが、海外の人が 「アジア的な」 という前提でホラーを作ってしまった場合、(もしくは、「自国的でない」 という目的で映画を作った場合)、どうしても 「因縁話」 は必要不可欠なんですかね。

 全体としてはよくできていたと思うんですけど、「The Hills Have Eyes」「ヒルズ・ハブ・アイズ」2006)のファンから見ると、あのパワーはどこにいっちゃったのかな?と、思ってしまいますかも。
もしかしたらアジャ監督は、ラストの “あのオチ” を撮りたいがためにこの作品を選んだんじゃないかと、勘ぐってしまいます…










鏡の中の自分がいきなり
喉を切り裂き~!!
そうです、
そこにはオッソロシイ
魔物が潜んでるんです!






おっかなびっくりの
キーファーさん。
この焼け跡デパートが
また、
お化け屋敷みたいなの~









ついには家族にまで魔の
手が忍びよりだして…!!








息子のマイケルは
床を水びだしにして、
だれと遊ぶ…?







孤高の戦いを決意した
キーファーさんがたどり
ついた、
ある真実とは…?







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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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