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(1995)アメリカ
出演…スコット・バクラ
ケヴィン・J・オコナー
ファムケ・ヤンセン
監督…クライヴ・バーカー
★★★
〔ストーリー〕
オカルト探偵ハリーは保険詐欺の男を追ってL.Aにやってくるが、そこで偶然、占い師の殺人事件に巻きこまれる。占い師の友人で、超一流のイリュージョニスト・フランの妻のドロシアから、事件の捜査を依頼される。じつは、彼らは13年前に本物の魔術を操るカルト集団の教祖・ニックスを封殺していたのだ…
邦題 「ロード・オブ・イリュージョン」 です。
クライヴ・バーカー原作ということですが、これは複数の短編のおいしいところがミックスされた感じですね。
主に、〈血の本〉シリーズの 『ラスト・ショウ』 が基盤になってるようです。
「Hellraiser」(「ヘルレイザー」1987)にひきつづき自らメガフォンを取ったということで、オープニングからバーカーらしい不気味アイテムが登場します。
ニックスを封じこめるのに、中世の拷問器具のような鉄のマスクをかぶせて、ネジで留めてみたり。
カルト集団も気色悪いですねー。
じっさいアメリカって、こういう人たちがいそうだからコワい。
ですが、いちばんの見どころはやはり、フランの舞台でしょうか。
このシーンには背筋がマヂ凍りつきましたよ!
だって、だって、「Prestige」(2006)よりずっとマジックしてるんだから!
バーカーらしい映像の不気味さと変態さは一見の価値があります。
個々のキャラクターもきわだってて、おもしろい(個人的には、ヴァレンタインが好み)。…でも、いま見るとCGがすこしちゃちすぎるかな…?
なぜか(?)いつも
オカルチックな事件に
ばかり巻きこまれる、
しがない探偵ハリー。
フランの妻、ドロシア
(ファムケ・ヤンセン)。
「House on HauntedHill」
(「TATARI」1999)にも出演
してましたね。美人です。
この場面はほんと
コワかった…!
こういうの、苦手です~!
噂のキモイ鉄マスク。
バーカーってこういうの、好きですねえ。
(1990)アメリカ
出演…リーアム・ニーソン
フランシス・マクドーマンド
コリン・フリールズ
監督…サム・ライミ
★★★
〔ストーリー〕
人工皮膚開発に専念する科学者ペイトンは、弁護士の恋人・ジュリーが手に入れた土地開発にからむ収賄の証拠書類を持っていたことから、殺し屋に襲われて全身に大火傷を負ってしまう… すべての神経が切断されて、感覚が麻痺した結果、超人的な力を発揮することに。しかし、怪物のような姿になった彼をジュリーが気づくはずもなかった。
廃工場に逃れ、実験段階の人工皮膚をかぶったペイトンは〈ダークマン〉となって、マフィア一味に復讐を誓う…
サム・ライミの隠れた傑作、「ダークマン」です。
これは燃えます~!
主人公が異形の怪物、それだけでもう、ツボ。
『オペラ座の怪人』 を意識したショットもふんだんにあって、スカッとする復讐譚です。
いかにもアメコミっぽいダークヒーローものですが、これ、ライミ先生の原作なんですね。SFとかアクションに分類されてるようですが、中身はこってり、マフィアの拷問
シーンなんかけっこうキテます。
しかも、その拷問シーンだけじゃ飽き足らず、最後には爆風で吹っ飛ばして、ズタボロになった身体を川に 「バシャッ」(← 鬼畜)…。
復讐劇は小気味よく進みますが、アウトサイダーとなってしまった主人公の悲哀も描かれていて、胸にジンとくるものがあります。
強風が吹く夜のビルの屋上で、マントにくるまりながら、「自分はいったい何者なのだ…?」と、問いかけるシーンなんか… ハァ、カッコイイ~!
その後ライミ先生が「スパイダーマン」で世界的に大ヒットを飛ばすなんて、だれに予想できたでしょう?
しかしライミ先生、相変わらず女優をキレイに撮ることができません。
あと、ラストのほうではブルース・キャンベルもカメオ出演してますので、お見逃しなくね♪
人工皮膚をかぶったペイトン。
ささいなことでも感情の抑制が
できなくなってしまいます。
醜い素顔を隠すため、黒マントと
黒帽子。人工皮膚は光に弱く、
99分しかもたないのです。
悪そうな顔してますね~!
ジュリーの顧客のロバート
(ラリー・ドレイク)。
被害者の指をチョッキンして
コレクション、なんて
ステキな趣味も♪
このあとのヘリコプター・
アクションが、いかにも
マンガちっくでサイコー!!
(1999)スペイン/フランス/アメリカ
出演…ジョニー・デップ
フランク・ランジェラ
レナ・オリン
エマニュエル・セリエ
監督…ロマン・ポランスキー
★★★☆
〔ストーリー〕
古書探偵のコルソは、出版社の経営者にして悪魔研究家とも名高い、ボリス・バルカンから高額の依頼を受ける。それは、彼が持っている貴重な悪魔祈祷書 『影の王国への九つの扉』 のコピーを二冊探しだし、その真偽をたしかめるというものだった。
ヨーロッパに渡って調査をはじめたコルソの周囲で、次々と奇怪な事件が起きる。いつしかコルソも本の魔力にとりつかれて…
アルトゥーロ・ペレス・レベルテ原作の 『呪のデュマ倶楽部』 の映画化作品、「ナインスゲート」です。
この作品、わたしは小説のほうからさきに手を出してしまったんですが、失敗でした…
だって、デュマ関係がちっともおもしろくないんだものー!
ですが、このポランスキー監督の本作はちがいます。
とっちらかっている内容を簡素にして、悪魔一本に絞ったのは大成功でしたね~。
映画全体のトーンとして流れる、オカルトで学術的な雰囲気もナイス。
事件を解くカギは、エンブレム(挿絵のこと)のまちがい探しなんですが、これも原作そのままの図柄を使っていて非常におもしろいです。
そして、ラストで驚愕のエンブレムが…
不思議な余韻を誘う、曖昧なエンディングもナイス♪
理屈っぽいフランス小説が、万人に楽しめる娯楽ものにアメリカナイズされたわけですね。
映画って、やっぱりサービス精神旺盛にしないとダメなんですねー。
ちなみに、レベルテの前作品 『フランドルの呪い絵』 も、ケイト・ベッキンセール主演の「Uncovered」(「レタッチ/裸の微笑」1994)というタイトルで映画化されてます。
が、こちらは凡庸なサスペンスで、見どころはベッキン嬢のヌードだけなのでした…
隠れホラーの似合う男(?)
ジョニー・デップ。
案外本人も好きだったりして。
コルソの行く先々であらわれる
謎の女性、エマニュエル・セリエ。
こんなエンブレムでまちがい探しを
していくわけです。
バルカンのほんとうの
狙いは…?
Demoni
(1985)イタリア
出演…ナターシャ・ホーヴェイ
ウルバノ・バルベリーニ
パオロ・コッツォ
監督…ランヴェルト・バーヴァ
製作総指揮…ダリオ・アルジェント
★★★
〔ストーリー〕
女子大生のシェリルはある日、地下鉄で鉄仮面をつけた男から映画の試写会の招待状をもらう。メトロポールという映画館に友人と足を運んだ彼女は、怪奇映画を観ることに。
だが、映画と同時進行で、気分の悪くなった客のひとりに不気味な変化が起きていた…!
みなさん、「デモンズ」は好きですか?
わたしは大好きですっ!!
デモンズはほんと、流行りましたよねー。
監督のランヴェルト・バーヴァは、「La Maschera del demonio」(「血塗られた墓標」1960)や、「I Tre volti della paura」(「ブラック・サバス/恐怖!三つの顔」)でお馴染みの、マリオ・バーヴァの息子さんなんですよね。
そして解説をよく読んでみると、これはゾンビ映画というより、ラヴクラフト御大の〈クトゥルー神話〉をもとにしたものなんですねー。
たしかにデモンズはゾンビっぽくありません。
ちっともアナーキーじゃないし、反戦精神もないし、むしろクラシカル。
で、なぜウケたかというと、無条件に楽しめるシチュエーションのひとことに尽きるで
しょう。
閉鎖された映画館。
襲いかかるバケモノたち。
パニック、届かない悲鳴、決死のサバイバル・ゲーム。
う~ん、こう書くと、見事なまでのホラー・サスペンス映画のようですが、じつは中身の大半はグダグダだったりして…
前半のデモンズに変身するシーンは瞠目に値するのですが、後半から、
「ありゃりゃ…」の展開になってしまいます。
とくに、集団デモンズが、どう見てもドタバタとテキトーに(?)暴れているとしか思えないのが悲しい(演技指導でどうにかならなかったんでしょーかねえ?)…
ですが、閉じこめられた登場人物たちと一緒に行動しているような、スリルと快感を味わわせてくれます。
こんな映画、また誰か作ってくれないかな~!
鉄仮面をつけた謎のイイ男。
ボスキャラかと思いきや、
案外弱かったりして…
映画館のフロアに飾られた
おなじ仮面。いたずら半分に
つけた黒人女性は、
たいへんなことに…!
逃げおくれると、
こんな目に…!!
キョワいよ~!!
こんなん襲ってきたら、オシッコ
ちびって絶対逃げらんない!
てか、やっぱデモンズ、
最強かもしんない!!!
(2006)アメリカ
出演…ラダ・ミッチェル
ジョデル・フェルナンド
ショーン・ビーン
デボラ・カーラ・アンガー
監督…クリストフ・ガンズ
★★★★
〔ストーリー〕
ローズとクリストファー夫妻は、娘・シャロンの奇妙な言動に悩んでいた。しばしば情緒不安に陥り、「サイレントヒル…」という言葉を口にするのだ。
ローズはサイレントヒルという街が実在することを突き止め、シャロンを連れて出かける。その街は三十年前大火に見舞われて、いまでは誰も近づかない廃墟と化していた…
「サイレントヒル」です。
ゲームのほうはまったくの無知なんですが、映画はとてもとても、楽しめましたよ!
なんといっても、モンスター造形がすばらしいですねー!!
こんなにグッときたのは、「Alien」(1979)のギーガー以来でしょうか。
このモンスターたちがまた、オソロシイのなんのって!
怪力だし、妙な動きをするし、集団でいるともっと妙な動きをするし、なんか無意味に気持ち悪いし、明らかに生理的嫌悪を狙っているとしか思えない。
ちょっと残念な点といえば、動きが早すぎて細部まで見えにくいところでしょうか…
CG映像にはありがちな問題ですね。
リアルさを追求するのはわかりますが、もうちょっと、ぎこちなくても見やすいほうがいいのもしれませんね。
ですが、映画としての娯楽要素はたっぷりです。
サイレントヒルの街並みも、霧に包まれた静謐な不気味さがよく出ていて、まさに悪夢世界そのもの。
別世界にもうひとつ、異世界が存在しているというアイデアも秀抜です。
期待通りのおもしろさで、時間を置いてまた観てみたくなる一品!
ローズは養女・シャロンを
心配して、サイレントヒルに
むかう決心をしますが…
灰が降りそそぐ街並みも
よくできています。
この看護婦集団がイカシテル!!
個人的にはもっと大暴れしてほしかったな♪
このクリーチャーも、「いったいなんなの?」ってな不気味さ。
よくわからないから、オソロシイんですね~。
(2001)スペイン
出演…フェルナンド・ティエブル
エドゥアルド・ノリエガ
マリサ・パレデス
フェデリコ・ルッピ
監督…ギレルモ・デル・トロ
★★★☆
〔ストーリー〕
スペインの内戦が終わりに近づく1939年、両親を亡くした少年カルロスは、人里離れた孤児院サンタ・ルチアに連れてこられる。彼に与えられた12番のベッドは、姿を消した少年サンティのものだった…
その日からカルロスは、奇妙な声や物音を聞くようになる。サンティは誰かに殺されたのではないか? サンティの亡霊はなにかを伝えようとしていた…
邦題は、「デビルズ・バックボーン」。
ギレルモ監督は子供を主人公にした映画がほんとにうまいなあと、思った作品です。
子供を主人公に据えた場合、大人とのちがいを明確に出すことが、その物語の成功の秘訣になります。
それで、だいたいこんな解釈がパターンですかね。
「子供」→ 純粋な生きもの
→ 悪の素質を持っている
→ そもそも、理解できないものである
ギレルモはどうも、この三つめの解釈で映画を撮っているようなんですね。
だから大人には見えないものが見えたり、不可思議なものと通じあったり、信じることができる。
もちろん信じる力があったって、救われない子は救われないし、死にゆく運命の子は死んでいくだけです。
それが現実だとわかってても、なんて悲しいんでしょう。
この映画はゴーストが語る物語というかたちをとっていますが、肝心のゴーストが誰なのか、ラストでわかる仕組みになっています。
それと、これの姉妹編ともいえる 「El Laberinto del fauno」(「パンズ・ラビリンス」2007)も傑作なので必見です!
カルロス役のフェルナンドくん。
それにしても、外国人の子役って
なんでこんなに演技うまいの~!
サンタ・ルチアの医師、カザレス。
胎児を浸けた(!)ラム酒を飲む
変わり者。 義足の院長に恋焦が
れてたりします。
エドゥアルド・ノリエガ。
「Abre los ojos」(「オープン・ユア・アイズ」1997)
では、顔に疵を負った青年を演じてましたね。
今回はめっちゃ悪いヤツです。
おまけ。最近ノリにノッてるギレルモっち♪
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独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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