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eXistenZ
(1999)カナダ/イギリス
出演…ジュード・ロウ
ジェニファー・ジェイソン・リー
ウィレム・デフォー
イアン・ホルム
監督…デイヴィット・クロネンバーグ
★★★
〔ストーリー〕
近未来のアメリカ。新作ゲーム「イグジステンズ」の発表会で、カリスマ的な人気を持つゲーム・デザイナーのアレグラをゲストに、一般のゲーム・ファンたちを数人集めてゲームを体感しようと企画する。ところが、ゲーム中に突然気味の悪い銃を持った若い男が乱入、アレグラは撃たれてしまう。警備員のテッドはとっさにアレグラをかばって、彼女を連れて車で逃げだすのだが…
クロネンバーグの「イグジステンズ」です。
なにしろテーマが 近未来の “ゲーム” ですから、この作品ももちろん、「バーチャル・リアリティ」 ものとなるわけですが、そんじょそこらのバーチャルなリアリティを想像してもらっては困ります! CG全盛期であろうとなかろうと、バーグ先生お得意の超~肉感的な、超~ド変態なアイテムで、これでもかと攻めていきます。「未来」 のことを描いておきながら、表現する方法は思いっきりアナログな感じがまた、非常におもしろい一作でもあります。
さて、タイトルにもなっている 「イグジステンズ」 とは、新型体感ゲームの名前なんですが、このゲームをはじめる方法からして、まさにド変態。なんと、ゲーム愛好者のほとんどが脊髄に “ポート” (穴)を開けているという状態で、そこに直接ゲーム機を接続してしまうのです。
このゲーム機がまた、突然変異の魚類と爬虫類の器官を利用して作った(なんじゃそりゃ!!)、いわば、“生きている” もの。見た目もムニムニ、ブヨブヨしています。すっごく気持ち悪そうでしょう? 映像で見ると、ほんとに気色悪いです。「人間て、快楽のためならここまでできちゃうのっ!」 と、妙に感心してしまうくらい、イヤ~な現実感が伴っているから、余計に不気味だったりするのです。
そんなゲーム機と陰謀に翻弄されてしまうのが、ジュード・ロウ演じるテッドと、世界的な人気を誇るゲームデザイナーのアレグラ(ジェニファー・ジェイソン・リー)。前述しましたとおり、脊髄に穴を開けて、そこに奇怪なゲーム機を接続するんですから、不潔な感じもするし、(じっさい病気になっている人もいるし)、卑猥だし、(じっさいそんな意味合いもこめられているんだと思います)。
映像的には、こうした不快な場面や嫌悪感を伴う状況などが、延々とつづいていく… といった感じです。この作品を観終わってまず思ったことは、バーグ先生は 「いま」 という世界を的確にとらえているのですけど、そこになにかしら、「回答」なり 「未来」なりを見いだそうとは思っていないようです。ですから、シュールで不気味な映像が次々と目の前をよぎるのですけど、そこに哲学的な意味があったりとか、暴力的な示唆があったりとか、そういったことはぜんぜんないのです。
ぜんぜんないのです!
…えーと…?
バーグ先生、わたしの理解力が足りないだけですか…??(汗)
たしかに、以前のバーグ先生とくらべると、パワーも迫力も落ちていることは確実ですが、はじめからシニカルにとらえていた、と思えば納得できました。陰謀を起こす方も、狙われる方も、傍観者(観客)からするとゲームの一種にしか見えないという、現代社会の本質が失われていくこわさ… これがほんとのテーマだったのでは?
命を狙われているアレグラ
(ジェニファー・ジェイソン・リー)。
小型ゲーム機が、勝手に
ニュルン!って!!
入ってっちゃった!!
新作「イグジステンズ」
発表会にて。
騒動から逃げだした
アレグラとテッドは…
ゲームの中(?)では、テッドは
不潔な工場に勤めているようで
すが…
初期のクローネン・バーグ監督は大好きですが「イグジステンス」はパワーに衰えを感じました。相変わらず機械と生物の融合が好きなようで、本作でも歯を弾丸に使った手と同化する銃が出てきましたね。
ジェニファー・ジェイソン・リー、お、おブスですか…?
(でも、たしかに、あんまり魅力的な人ではないかなー、なんて、思ってました…)
「ビデオドローム」はよかったですよね。ひとりになりたいんだけど、孤独だと生きてけない、そんなアンヴィバレントな変態精神が好きでした。バーグ先生は、むずかしいことを考えるより、自身の変態嗜好をとことん追及するほうが、いい作品が作れるのでは…??
>盆踊りさん
またまたチェックが入りましたね!
盆踊りさんは金髪が好きなんですか? それとも、ブルネット派ですか?
>クロケットさん
ええーー、モローさんのお嬢さんだとは知りませんでした!! これはまたまた、貴重な情報ありがとうございます!!
クロケットさんのコメはいつも勉強になりますねー。そんなクロケットさんの意見も、パワー不足を感じてしまいますか… うーん、ファンとしては淋しいですけど、もうちょっとがんばってほしいですよね…!
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独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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