個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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Vinyan
(2008)フランス/ベルギー/イギリス
出演…エマニュエル・ベアール
ルーファス・シーウェル
ジュリー・ドレイファス
監督…ファブリス・ドゥ・ウェルズ
★★☆
〔ストーリー〕
タイのプーケット。幼い息子ジョシュアを津波で失ったショックから、いまだに立ち直れないジャンヌとポール夫妻。遺体が発見されないことから、彼らはジョシュアは災害の混乱時に誘拐されたのではないかと、はかない希望をたくしていた。ある日、村の子供たちを映した映像に、うしろ姿の子供を発見。ジャンヌはジョシュアではないかと思いこんで、興奮してしまう。混乱する妻をなだめるために、ポールは現地の男に「息子を探してほしい」と、依頼するのだが…
「Calvaire」(「変態村」2004)のファブリス・ドゥ・ウェルズ監督の、新作ホラーです!!
「変態村」はとりあえず、話題になりましたよねー。まず、邦題のインパクトが大なんですけど、中身のほうもすごかった…!!
淡々としたストーリーのなかに不気味さ、気持ち悪さが濃縮されていて、「なんだこれー!」と、だれもが驚愕してしまったはず。生理的嫌悪をさそうというのでしょうか? 説明をいっさいうけつけないエンディングもひたすら気が滅入って、不可解で、でも、マジメに気持ち悪がらせよう、こわがらせようとしているのかというと、そうでもなく…?
あの不思議な雰囲気と居心地の悪さ、かといって湿っぽくもないじわじわくるテイストは、この監督さんならではのものなんだと思います。
それで、今度の作品はタイを舞台にした、白人夫婦がジャングルの奥地で悪夢に迷いこむという、いかにもな土着ホラーなんですけど…
タイトルにもなっています「Vinyan」は、タイ語で “幽霊” のことなんだそうです。
ヒロインのジャンヌには、エマニュエル・ベアール。歳を重ねるごとにますます色っぽく、人間離れしていく女優さんです。(…タイトルは失念してしまいましたが、この方が以前天使の役をやっていたときは、ほんとうに天使っぽくてうっとりしてしまいました)。そして、夫のポールには、「The Illusionist」(「幻影師アイゼンハイム」2006)で嫉妬深い皇太子を演じていました、ルーファス・シーウェル。「アイゼンハイム」のときはエドワード・ノートンの陰に隠れてしまいましたが、よく見るとなかなかイイ男じゃないですか♪
さあ、こんな映画みたいな美男美女カップルが、息子を探すためにジャングルの奥地へと入りこみ、そこで遭遇したものとは…??
こうに書いてしまうと、ホラー好きのあなたならきっと期待してしまうはず!
でも、そこはさすが(?)ファブリス・ドゥ・ウェルズ監督、そんな期待をとことん裏切って、不気味でよくわからない世界に迷いこませてしまいます。「西洋人が未開の土地の人々に抱く恐怖」 というのが、この作品のテーマ… なんですが、じつは「人間の根源的な暴力性、原始本能への帰化」が、その奥の隠されたテーマ。
といってしまうと、なあんだ、まんま「変態村」じゃないですか! と、つっこまれそうですが、「変態村」よりもこの構図がはっきりしていて、登場人物の心情も丁寧に描かれてます。ですから、今回は説明しようと思えば、できそうな気が…? しないでもありません。
ですが、あんまりこういったことは考えずに、この独自のもやもやとした、よくわからない気色悪い世界を堪能する! それがいちばんではないかと思います。ラストの20分までほとんどなにも起こらないんですけど、いやな出来事が徐々に重なって、なんともいえない緊張感を膨らませていく… こういうのを撮らせたら、この監督さんはほんとに得意ですよね。そして、今回は笑える場面はいっさいなし。
アメリカ映画に馴れすぎている人にはちょっとハードルを感じるかもしれませんが、「変態村」がおもしろかった! という方なら、オススメです。
ジャンヌを慰める
ポール。
あやしげな夜の街で、
ある男を紹介される
のですが…
「白人の少年がいる」
と、噂を聞きつけて
島にむかいます。
だんだん憔悴して
いくポール。
ジャンヌは妄執に
とらわれていき…
なんか出てきた…!!
(2008)フランス/ベルギー/イギリス
出演…エマニュエル・ベアール
ルーファス・シーウェル
ジュリー・ドレイファス
監督…ファブリス・ドゥ・ウェルズ
★★☆
〔ストーリー〕
タイのプーケット。幼い息子ジョシュアを津波で失ったショックから、いまだに立ち直れないジャンヌとポール夫妻。遺体が発見されないことから、彼らはジョシュアは災害の混乱時に誘拐されたのではないかと、はかない希望をたくしていた。ある日、村の子供たちを映した映像に、うしろ姿の子供を発見。ジャンヌはジョシュアではないかと思いこんで、興奮してしまう。混乱する妻をなだめるために、ポールは現地の男に「息子を探してほしい」と、依頼するのだが…
「Calvaire」(「変態村」2004)のファブリス・ドゥ・ウェルズ監督の、新作ホラーです!!
「変態村」はとりあえず、話題になりましたよねー。まず、邦題のインパクトが大なんですけど、中身のほうもすごかった…!!
淡々としたストーリーのなかに不気味さ、気持ち悪さが濃縮されていて、「なんだこれー!」と、だれもが驚愕してしまったはず。生理的嫌悪をさそうというのでしょうか? 説明をいっさいうけつけないエンディングもひたすら気が滅入って、不可解で、でも、マジメに気持ち悪がらせよう、こわがらせようとしているのかというと、そうでもなく…?
あの不思議な雰囲気と居心地の悪さ、かといって湿っぽくもないじわじわくるテイストは、この監督さんならではのものなんだと思います。
それで、今度の作品はタイを舞台にした、白人夫婦がジャングルの奥地で悪夢に迷いこむという、いかにもな土着ホラーなんですけど…
タイトルにもなっています「Vinyan」は、タイ語で “幽霊” のことなんだそうです。
ヒロインのジャンヌには、エマニュエル・ベアール。歳を重ねるごとにますます色っぽく、人間離れしていく女優さんです。(…タイトルは失念してしまいましたが、この方が以前天使の役をやっていたときは、ほんとうに天使っぽくてうっとりしてしまいました)。そして、夫のポールには、「The Illusionist」(「幻影師アイゼンハイム」2006)で嫉妬深い皇太子を演じていました、ルーファス・シーウェル。「アイゼンハイム」のときはエドワード・ノートンの陰に隠れてしまいましたが、よく見るとなかなかイイ男じゃないですか♪
さあ、こんな映画みたいな美男美女カップルが、息子を探すためにジャングルの奥地へと入りこみ、そこで遭遇したものとは…??
こうに書いてしまうと、ホラー好きのあなたならきっと期待してしまうはず!
でも、そこはさすが(?)ファブリス・ドゥ・ウェルズ監督、そんな期待をとことん裏切って、不気味でよくわからない世界に迷いこませてしまいます。「西洋人が未開の土地の人々に抱く恐怖」 というのが、この作品のテーマ… なんですが、じつは「人間の根源的な暴力性、原始本能への帰化」が、その奥の隠されたテーマ。
といってしまうと、なあんだ、まんま「変態村」じゃないですか! と、つっこまれそうですが、「変態村」よりもこの構図がはっきりしていて、登場人物の心情も丁寧に描かれてます。ですから、今回は説明しようと思えば、できそうな気が…? しないでもありません。
ですが、あんまりこういったことは考えずに、この独自のもやもやとした、よくわからない気色悪い世界を堪能する! それがいちばんではないかと思います。ラストの20分までほとんどなにも起こらないんですけど、いやな出来事が徐々に重なって、なんともいえない緊張感を膨らませていく… こういうのを撮らせたら、この監督さんはほんとに得意ですよね。そして、今回は笑える場面はいっさいなし。
アメリカ映画に馴れすぎている人にはちょっとハードルを感じるかもしれませんが、「変態村」がおもしろかった! という方なら、オススメです。
ジャンヌを慰める
ポール。
あやしげな夜の街で、
ある男を紹介される
のですが…
「白人の少年がいる」
と、噂を聞きつけて
島にむかいます。
だんだん憔悴して
いくポール。
ジャンヌは妄執に
とらわれていき…
なんか出てきた…!!
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Autopsy
(2008)アメリカ
出演…ジェシカ・ロウンデス
ロバート・パトリック
ロス・マッコール
監督…アダム・ギーラッシュ
★★☆
〔ストーリー〕
クラブで浮かれ騒いだ帰り道、交通事故を起こしてしまった若者5人組。たんなる事故だと思っていたら、人身事故だったことが判明。駆けつけた救急車に見知らぬ怪我人とともに乗りこむのだが、意識をもどした男性に 「すぐに病院につくから!」 と励ますと、男は 「イヤだ!!」 と叫んだきり、意識を失ってしまう。たどりついたのは、メーシー病院。そこにはなぜか看護婦がひとりしかおらず、車を運転していたボビーも怪我をしていることが発覚するのだが…
みなさんも大好きな、病院ものホラーの登場!!
アダム・ギーラッシュ監督というと、「La Terza madre」(「サスペリア・テルザ/最後の魔女」2007)とか、「Toolbox Mourders」(「ツールボックス・マーダー」2003)なんかの脚本を担当された方です。あと、俳優としてもちょこちょこ出演されてます。もちろん、ホラーばっかりなんですけどね。「Nihgt of the Demons」(「悪霊たちの館/呪われたハロウィン・パーティー」1988)のリメイクも決定しています。う~ん、いまから楽しみですね♪
病院ホラーって、「Silent Hill」(「サイレント・ヒル」2006)のイメージが強いのか、ゲーム感覚がありますよね。この作品もそんな感じなんです… といいますか、はなから “そういうテンション” にしちゃってる感が強いです。いわくつきの病院に入りこんでしまった5人組、ヒロインのエミリー(ジェシカ・ロウンデス)と、ボーイフレンドのボビー(ロス・コーン)、友人のクレア(アシュレイ・シュナイダー)と、クレアの彼氏のアンドレイ(アルカディ・ゴルボビッチ)、まぬけなジュード(ロス・マッコール)。
この病院、不思議なことに中年の看護婦(ジャネット・ゴールドステイン)ひとりしかいません。ですが、ちゃんとお医者さんはいるようです。5人はロビーで待つことにするのですが…
最初は怪我人の付き添いだったはずが、ボビーが脇腹に怪我をしていることに気づきます。「大丈夫、大丈夫~」 なんていいながら、突き刺さったガラスを抜いてみたところ… あれ? けっこう長いよ? なんと、二十センチ以上(!)の細長いガラス片が刺さっていたことが判明、あまりのショックにボビーは呼吸困難に。ただちにベッドで運ばれてっちゃいます。
恋人のエミリーは涙をポロポロ。でも看護婦さんは、「ベンウェイ先生にまかせておけば安心よ!」 と、請けあってくれます。そして、質問があるといって、エミリーだけ呼びだされるのですが…
観客はエミリーになったつもりで、このホラーゲームを攻略しなければいけない、というお話です。エミリーの武器は医療器具。迷路のような不気味な病院内で、離ればなれになった友人たちやボビーを発見し、無事脱出することができるか? 当然、敵とも遭遇します。エミリーはそのつど機転を働かせて、なんとか突破しなければなりません。病院ホラー好きにはたまらない映画ですよね。
舞台も設定もこんな感じですから、それほどシリアスでもなく、ときどき妙な笑いが挟まれるのは… わざとやっているんでしょうか…? うーん、よくわかりません!!
ですが、定番な展開ながら、けっこう見せてくれておもしろいです。大勢でキャー
キャーいいながら観ると、盛りあがるかもしれません。
今回の〈アフター・ダーク・ホラー・フェス〉は、ほんとうに元気な作品が多いです。
調子に乗って、全作観てしまいそうな予感がします…!!
戦うヒロイン、
エミリー
(J・ロウンデス)!
あやしい看護婦…
(J・ゴールドステイン)
あやしい人影…
あやしい医者…
(R・パトリック)
あやしい職員…
(あれ??
なんか台に
載ってるよ?)
(2008)アメリカ
出演…ジェシカ・ロウンデス
ロバート・パトリック
ロス・マッコール
監督…アダム・ギーラッシュ
★★☆
〔ストーリー〕
クラブで浮かれ騒いだ帰り道、交通事故を起こしてしまった若者5人組。たんなる事故だと思っていたら、人身事故だったことが判明。駆けつけた救急車に見知らぬ怪我人とともに乗りこむのだが、意識をもどした男性に 「すぐに病院につくから!」 と励ますと、男は 「イヤだ!!」 と叫んだきり、意識を失ってしまう。たどりついたのは、メーシー病院。そこにはなぜか看護婦がひとりしかおらず、車を運転していたボビーも怪我をしていることが発覚するのだが…
みなさんも大好きな、病院ものホラーの登場!!
アダム・ギーラッシュ監督というと、「La Terza madre」(「サスペリア・テルザ/最後の魔女」2007)とか、「Toolbox Mourders」(「ツールボックス・マーダー」2003)なんかの脚本を担当された方です。あと、俳優としてもちょこちょこ出演されてます。もちろん、ホラーばっかりなんですけどね。「Nihgt of the Demons」(「悪霊たちの館/呪われたハロウィン・パーティー」1988)のリメイクも決定しています。う~ん、いまから楽しみですね♪
病院ホラーって、「Silent Hill」(「サイレント・ヒル」2006)のイメージが強いのか、ゲーム感覚がありますよね。この作品もそんな感じなんです… といいますか、はなから “そういうテンション” にしちゃってる感が強いです。いわくつきの病院に入りこんでしまった5人組、ヒロインのエミリー(ジェシカ・ロウンデス)と、ボーイフレンドのボビー(ロス・コーン)、友人のクレア(アシュレイ・シュナイダー)と、クレアの彼氏のアンドレイ(アルカディ・ゴルボビッチ)、まぬけなジュード(ロス・マッコール)。
この病院、不思議なことに中年の看護婦(ジャネット・ゴールドステイン)ひとりしかいません。ですが、ちゃんとお医者さんはいるようです。5人はロビーで待つことにするのですが…
最初は怪我人の付き添いだったはずが、ボビーが脇腹に怪我をしていることに気づきます。「大丈夫、大丈夫~」 なんていいながら、突き刺さったガラスを抜いてみたところ… あれ? けっこう長いよ? なんと、二十センチ以上(!)の細長いガラス片が刺さっていたことが判明、あまりのショックにボビーは呼吸困難に。ただちにベッドで運ばれてっちゃいます。
恋人のエミリーは涙をポロポロ。でも看護婦さんは、「ベンウェイ先生にまかせておけば安心よ!」 と、請けあってくれます。そして、質問があるといって、エミリーだけ呼びだされるのですが…
観客はエミリーになったつもりで、このホラーゲームを攻略しなければいけない、というお話です。エミリーの武器は医療器具。迷路のような不気味な病院内で、離ればなれになった友人たちやボビーを発見し、無事脱出することができるか? 当然、敵とも遭遇します。エミリーはそのつど機転を働かせて、なんとか突破しなければなりません。病院ホラー好きにはたまらない映画ですよね。
舞台も設定もこんな感じですから、それほどシリアスでもなく、ときどき妙な笑いが挟まれるのは… わざとやっているんでしょうか…? うーん、よくわかりません!!
ですが、定番な展開ながら、けっこう見せてくれておもしろいです。大勢でキャー
キャーいいながら観ると、盛りあがるかもしれません。
今回の〈アフター・ダーク・ホラー・フェス〉は、ほんとうに元気な作品が多いです。
調子に乗って、全作観てしまいそうな予感がします…!!
戦うヒロイン、
エミリー
(J・ロウンデス)!
あやしい看護婦…
(J・ゴールドステイン)
あやしい人影…
あやしい医者…
(R・パトリック)
あやしい職員…
(あれ??
なんか台に
載ってるよ?)
The Last House
on the Left
(2009)アメリカ
出演…サラ・パクストン
ギャレット・ディラハント
モニカ・ポッター
監督…デニス・イリアデス
★★★
〔ストーリー〕
外科医のコリングウッド一家が休暇を利用して、湖畔の別荘に訪れる。ひとり娘のマリーは地元の友人のペイジを訪ねて街へむかうと、ジャスティンという少年を紹介される。彼らはマリファナを喫煙していて、ペイジに勧められてマリーも試してしまう。おとなしいジャスティンと和気あいあいとしていると、突然クラッグ、セイディ、ギルスの3人組がやってくる。不穏な空気を察したマリーたちは、すぐに部屋を出ようとするのだが…
ご存知、同タイトル「鮮血の美学」(1972)のリメイクです!
「鮮血の美学」というと、まだ若かりしころのショーン・S・カニンガムとウェス・クレイブンが、「世間がびっくりするくらい、すっごい映画を撮ってやろう!」と、意気ごんで、ショッキングで不快な描写をとことん追及した鬼畜ホラー映画です。
おおまかなあらすじは、スウェーデンの文芸映画「処女の泉」(1960)のパロディです。といっても、本家が宗教観に基づいた深遠なテーマ(復讐は許されるのか?)だったのにくらべると、こちらはただの「やられたら、やりかえす!」になっています。わたしはカットされたバージョンしか観たことがないのですが、それでも過激な暴力描写にいやな気分になったものです。
いやな気分をガス抜きをするように、意味不明のコメディもちょいちょい挟まれるんですが。とりあえず、当時二十代だったカニンガムとクレイブン監督の勢いだけはガンガン伝わってきます。
その鬼畜系映画の半ば元祖ともいえる作品のリメイクが、こちら。
監督のデニス・イリアディスはギリシャ人、おなじくふたりの女性がトラブルに巻きこまれるサスペンス、「Hardcore」(「ハードコア」2004)なんて作品もあるようです。
外科医のジョン(トニー・ゴールドウィン)はうつくしい妻のエマ(モニカ・ポッター)、高校生の娘マリー(サラ・パクストン)と湖畔の別荘を訪れます。マリーは学校では水泳選手でもあるのですが… なんて書くと、オリジナルを知っている方は、ということは、ということは~…!!そうでーす、ドキドキ、盛りあがってしまいますよね!
マリー役のサラ・パクストンは知的そうで、とてもきれいな女の子です。マリーは地元で親しくなった友人のペイジ(マーサ・マックアイサック)を訪ねるのですが、ペイジからシャイな男の子ジャスティン(スペンサー・トリーと・クラーク)を紹介されます。
「ちょっと待ってて」 といったきり、ジャスティンと部屋に消えてしまうペイジ。しばらく待っても出てこないので、とうとう部屋を覗きにいきます。すると、ふたりはベッドでマリファナをきめているじゃあーりませんか。
ペイジに勧められるままに、マリファナを吸ってしまうマリー。ほんとはマジメな女の子なんですけどね。ここらへんも、オリジナル通りに進みます。ペイジが堕落的なばっかりに、とばっちりを食ってしまうマリー。
ジャスティンと3人でかわいらしく戯れていると、突然扉がひらかれて見知らぬ三人組がやってきます。神をもおそれぬ殺人鬼たち… クラッグ(ギャレット・ディラハント)、セイディ(リキ・リンドホーム)・ギルス(ジョシュア・コックス)の登場です。
このならず者の殺人鬼たちというのが、冒頭からいかにも憎々しげに描かれていて、観客の不安と期待を煽ります。オリジナルでは「おもしろがって殺しちゃう~」、みたいな感じでしたが、こちらでは、マリーの “ある行動” が彼らの怒りを買ってしまうのです。そして、結果的にそれが彼らを破滅へと導くんですが。
前半は予想通りのキツイ描写がつづくんですが… 後半して一転、クラッグたちが突然 “いい子” になって、親切な夫婦の家にお邪魔して、泊めてもらう! という展開には、(オリジナルのときもそうでしたけど)、緊張感がふつりと途切れて笑えます。でも、泊まらないことには、お話がさきに進まないんですけどねー。
カニンガムとクレイブンのデビュー作が、過激な暴力描写と微妙な笑いのミックスだったのにくらべると、こちらは最初から最後まで、一貫してシリアスなドラマ。とくに、両親たちが復讐を決意するまでの流れがごく自然で、共感しやすいかもしれません。行動を起こしたあともまた、なかなか決着がきまらず、いつも思うんですけど、じっさいに人を殺すのってたいへんなことなんですよ!!
新バージョン「鮮血の美学」は、結末も現代人に共感しやすいところを選んだと思います。もちろん過激は過激なんですけれど、その比重配分(どのシーンで過激にするかね♪)がまともになっています。これはおもしろいです。
左がマリー、
厄病神のペイジ。
なんでこんな
ことに…!!
逃げきれるか?!
こんばんは、
お宅訪問でーす♪
左からギルス、
クラッグ、
ジャスティン、
セイディ。
真相を知った
両親は…
さて、どうしてくれよう?
よし、殺そう!!!
on the Left
(2009)アメリカ
出演…サラ・パクストン
ギャレット・ディラハント
モニカ・ポッター
監督…デニス・イリアデス
★★★
〔ストーリー〕
外科医のコリングウッド一家が休暇を利用して、湖畔の別荘に訪れる。ひとり娘のマリーは地元の友人のペイジを訪ねて街へむかうと、ジャスティンという少年を紹介される。彼らはマリファナを喫煙していて、ペイジに勧められてマリーも試してしまう。おとなしいジャスティンと和気あいあいとしていると、突然クラッグ、セイディ、ギルスの3人組がやってくる。不穏な空気を察したマリーたちは、すぐに部屋を出ようとするのだが…
ご存知、同タイトル「鮮血の美学」(1972)のリメイクです!
「鮮血の美学」というと、まだ若かりしころのショーン・S・カニンガムとウェス・クレイブンが、「世間がびっくりするくらい、すっごい映画を撮ってやろう!」と、意気ごんで、ショッキングで不快な描写をとことん追及した鬼畜ホラー映画です。
おおまかなあらすじは、スウェーデンの文芸映画「処女の泉」(1960)のパロディです。といっても、本家が宗教観に基づいた深遠なテーマ(復讐は許されるのか?)だったのにくらべると、こちらはただの「やられたら、やりかえす!」になっています。わたしはカットされたバージョンしか観たことがないのですが、それでも過激な暴力描写にいやな気分になったものです。
いやな気分をガス抜きをするように、意味不明のコメディもちょいちょい挟まれるんですが。とりあえず、当時二十代だったカニンガムとクレイブン監督の勢いだけはガンガン伝わってきます。
その鬼畜系映画の半ば元祖ともいえる作品のリメイクが、こちら。
監督のデニス・イリアディスはギリシャ人、おなじくふたりの女性がトラブルに巻きこまれるサスペンス、「Hardcore」(「ハードコア」2004)なんて作品もあるようです。
外科医のジョン(トニー・ゴールドウィン)はうつくしい妻のエマ(モニカ・ポッター)、高校生の娘マリー(サラ・パクストン)と湖畔の別荘を訪れます。マリーは学校では水泳選手でもあるのですが… なんて書くと、オリジナルを知っている方は、ということは、ということは~…!!そうでーす、ドキドキ、盛りあがってしまいますよね!
マリー役のサラ・パクストンは知的そうで、とてもきれいな女の子です。マリーは地元で親しくなった友人のペイジ(マーサ・マックアイサック)を訪ねるのですが、ペイジからシャイな男の子ジャスティン(スペンサー・トリーと・クラーク)を紹介されます。
「ちょっと待ってて」 といったきり、ジャスティンと部屋に消えてしまうペイジ。しばらく待っても出てこないので、とうとう部屋を覗きにいきます。すると、ふたりはベッドでマリファナをきめているじゃあーりませんか。
ペイジに勧められるままに、マリファナを吸ってしまうマリー。ほんとはマジメな女の子なんですけどね。ここらへんも、オリジナル通りに進みます。ペイジが堕落的なばっかりに、とばっちりを食ってしまうマリー。
ジャスティンと3人でかわいらしく戯れていると、突然扉がひらかれて見知らぬ三人組がやってきます。神をもおそれぬ殺人鬼たち… クラッグ(ギャレット・ディラハント)、セイディ(リキ・リンドホーム)・ギルス(ジョシュア・コックス)の登場です。
このならず者の殺人鬼たちというのが、冒頭からいかにも憎々しげに描かれていて、観客の不安と期待を煽ります。オリジナルでは「おもしろがって殺しちゃう~」、みたいな感じでしたが、こちらでは、マリーの “ある行動” が彼らの怒りを買ってしまうのです。そして、結果的にそれが彼らを破滅へと導くんですが。
前半は予想通りのキツイ描写がつづくんですが… 後半して一転、クラッグたちが突然 “いい子” になって、親切な夫婦の家にお邪魔して、泊めてもらう! という展開には、(オリジナルのときもそうでしたけど)、緊張感がふつりと途切れて笑えます。でも、泊まらないことには、お話がさきに進まないんですけどねー。
カニンガムとクレイブンのデビュー作が、過激な暴力描写と微妙な笑いのミックスだったのにくらべると、こちらは最初から最後まで、一貫してシリアスなドラマ。とくに、両親たちが復讐を決意するまでの流れがごく自然で、共感しやすいかもしれません。行動を起こしたあともまた、なかなか決着がきまらず、いつも思うんですけど、じっさいに人を殺すのってたいへんなことなんですよ!!
新バージョン「鮮血の美学」は、結末も現代人に共感しやすいところを選んだと思います。もちろん過激は過激なんですけれど、その比重配分(どのシーンで過激にするかね♪)がまともになっています。これはおもしろいです。
左がマリー、
厄病神のペイジ。
なんでこんな
ことに…!!
逃げきれるか?!
こんばんは、
お宅訪問でーす♪
左からギルス、
クラッグ、
ジャスティン、
セイディ。
真相を知った
両親は…
さて、どうしてくれよう?
よし、殺そう!!!
Perkins' 14
(2009)アメリカ
出演…パトリック・オケイン
シャイラ・ビースレイ
ミハイラ・ミフツ
監督…クレイグ・シンガー
★★★
〔ストーリー〕
警官のドゥエインは、10年前に4才の息子ケイルが自宅から誘拐されるという悲劇に見舞われていた。その後、妻のジャニーネともうまくいかずに離婚。彼女はしばしば家を訪ねてくる良好な関係だが、思春期の娘のデイジーは恋人や友人のことで頭がいっぱい。
ある日、警察署に出勤すると、ロナルド・パーキンスという男が拘留されていた。男のどことなく不気味な雰囲気に、会話をかわしたドゥエインは、彼が息子を誘拐した犯人ではないかと疑いを抱くのだが…?!
一般公募でつのったポスターでは、なんかアレでしたので、おとなしい版でうp。
まだ全部観ていないので、はっきりとはいいきれないのですが、〈After Dark Horrorfest〉のなかではダントツにおもしろいほうなんじゃ? タイトルがまず、イカしていますよね。なんでもそうですけど、タイトルってすごく大事です。作品のイメージも左右すると思います。
クレイグ・シンガー監督は、「Dark Ride」(「殺人遊園地」2006)にひきつづき二度目の参加。「殺人遊園地」のときはたいして光るものがなかったんですけど、この作品はなかなか出来がいいです。
ストーリーは、ドゥエイン(パトリック・オケイン)の悲しい過去からはじまります。4才のかわいい盛りの息子を何者かに奪われ、その失意と悲しみからいまだに立ち直れないドゥエイン。別れた妻のジャニーネ(ミハイラ・ミフツ)は友人で、十代の娘のデイジー(シャイラ・ビースレイ)はゴスっ娘、ボーイフレンドにエリック(マイケル・グレイブス)という青年がいて、父親にはよくわからない世界に夢中です。
ある朝警察署に出むいてみると、娼婦に混じってなんだか薄気味悪い男が。男はロナルド・パーキンス(リチャード・ブレイク)と名乗り、不可解なことを口走ります。不審に思ったドゥエインは彼を調べ、彼が過去の事件にかかわっているのではないかと疑念を抱くようになり、非番の同僚ハル(ディーン・サンソーネ)に男の家を捜索してくれるように頼むのですが…
このパーキンスと名乗る男が、じつは残虐非道な鬼畜人間でして、幼い子供たちを誘拐しては、地下室の檻に監禁、薬浸けにしておそるべきモンスターに変えていたのでした。パーキンスが鬼畜人間になったのには、これまたある悲劇的な過去があるのですが…
そして、なにも知らずにパーキンスの家に入ったハルの運命は…!!
前評判もよくて、あらすじでは、 「…イカれた男に誘拐された子供たちが洗脳され、殺人マシンとなって人々に襲いかかる!!」 みたいな感じだったんですが、これは殺人マシンじゃありません。完全にバケモノです。わりとゾンビっぽいです。しかも、走るゾンビのほうです。ケッチャムの食人一家をもうちょっと凶暴に、身体能力もアップさせた雰囲気なんですよ。
ですから、追いつめられるハラハラ感があってけっこうこわいです。なにしろ14人もいますからね! ゴア度も出血大サービスしているほうだと思います。
物語としては、息子を失った傷を抱えるドゥエインに焦点があてられていて… なんて書くと、だいたい結末が想像ついちゃうかと思いますが。オリジナリティがあってたいへんおもしろいと思うんですけど、ややキャラクターのあり方や展開に無理があって、「なんでそうなるの?」と、つっこみたくなる箇所がいくつかありました。
ですが、出来はいいほうだと思います。結末も潔いです。
余談ですが、デイジーの恋人役のマイケル・グレイブスは、映画のなかでも歌っていましたけど、どうやら本物のアーティストさんのようです。デスメタル系(死語?)のボーカリストらしく、画像検索するとけっこう香ばしいメイクの彼を見ることができます♪
それから余談ついでに、書き忘れましたが、「From Within」(2008)の冒頭のカップルの女の子は、どうやらブルース・ウィリスの娘さんのようですね。
ドゥエイン役の
P・オケイン。
左から、
ジャニーネ、
エリック、
デイジー。
もうこれ、
ゾンビですよね!
ザ・惨劇の跡!!
瞳孔が小さいのが
やけにこわっ…!!
(2009)アメリカ
出演…パトリック・オケイン
シャイラ・ビースレイ
ミハイラ・ミフツ
監督…クレイグ・シンガー
★★★
〔ストーリー〕
警官のドゥエインは、10年前に4才の息子ケイルが自宅から誘拐されるという悲劇に見舞われていた。その後、妻のジャニーネともうまくいかずに離婚。彼女はしばしば家を訪ねてくる良好な関係だが、思春期の娘のデイジーは恋人や友人のことで頭がいっぱい。
ある日、警察署に出勤すると、ロナルド・パーキンスという男が拘留されていた。男のどことなく不気味な雰囲気に、会話をかわしたドゥエインは、彼が息子を誘拐した犯人ではないかと疑いを抱くのだが…?!
一般公募でつのったポスターでは、なんかアレでしたので、おとなしい版でうp。
まだ全部観ていないので、はっきりとはいいきれないのですが、〈After Dark Horrorfest〉のなかではダントツにおもしろいほうなんじゃ? タイトルがまず、イカしていますよね。なんでもそうですけど、タイトルってすごく大事です。作品のイメージも左右すると思います。
クレイグ・シンガー監督は、「Dark Ride」(「殺人遊園地」2006)にひきつづき二度目の参加。「殺人遊園地」のときはたいして光るものがなかったんですけど、この作品はなかなか出来がいいです。
ストーリーは、ドゥエイン(パトリック・オケイン)の悲しい過去からはじまります。4才のかわいい盛りの息子を何者かに奪われ、その失意と悲しみからいまだに立ち直れないドゥエイン。別れた妻のジャニーネ(ミハイラ・ミフツ)は友人で、十代の娘のデイジー(シャイラ・ビースレイ)はゴスっ娘、ボーイフレンドにエリック(マイケル・グレイブス)という青年がいて、父親にはよくわからない世界に夢中です。
ある朝警察署に出むいてみると、娼婦に混じってなんだか薄気味悪い男が。男はロナルド・パーキンス(リチャード・ブレイク)と名乗り、不可解なことを口走ります。不審に思ったドゥエインは彼を調べ、彼が過去の事件にかかわっているのではないかと疑念を抱くようになり、非番の同僚ハル(ディーン・サンソーネ)に男の家を捜索してくれるように頼むのですが…
このパーキンスと名乗る男が、じつは残虐非道な鬼畜人間でして、幼い子供たちを誘拐しては、地下室の檻に監禁、薬浸けにしておそるべきモンスターに変えていたのでした。パーキンスが鬼畜人間になったのには、これまたある悲劇的な過去があるのですが…
そして、なにも知らずにパーキンスの家に入ったハルの運命は…!!
前評判もよくて、あらすじでは、 「…イカれた男に誘拐された子供たちが洗脳され、殺人マシンとなって人々に襲いかかる!!」 みたいな感じだったんですが、これは殺人マシンじゃありません。完全にバケモノです。わりとゾンビっぽいです。しかも、走るゾンビのほうです。ケッチャムの食人一家をもうちょっと凶暴に、身体能力もアップさせた雰囲気なんですよ。
ですから、追いつめられるハラハラ感があってけっこうこわいです。なにしろ14人もいますからね! ゴア度も出血大サービスしているほうだと思います。
物語としては、息子を失った傷を抱えるドゥエインに焦点があてられていて… なんて書くと、だいたい結末が想像ついちゃうかと思いますが。オリジナリティがあってたいへんおもしろいと思うんですけど、ややキャラクターのあり方や展開に無理があって、「なんでそうなるの?」と、つっこみたくなる箇所がいくつかありました。
ですが、出来はいいほうだと思います。結末も潔いです。
余談ですが、デイジーの恋人役のマイケル・グレイブスは、映画のなかでも歌っていましたけど、どうやら本物のアーティストさんのようです。デスメタル系(死語?)のボーカリストらしく、画像検索するとけっこう香ばしいメイクの彼を見ることができます♪
それから余談ついでに、書き忘れましたが、「From Within」(2008)の冒頭のカップルの女の子は、どうやらブルース・ウィリスの娘さんのようですね。
ドゥエイン役の
P・オケイン。
左から、
ジャニーネ、
エリック、
デイジー。
もうこれ、
ゾンビですよね!
ザ・惨劇の跡!!
瞳孔が小さいのが
やけにこわっ…!!
Knowing
(2009)オーストラリア/アメリカ
出演…ニコラス・ケイジ
ローズ・バイン
チャンドラー・カンタベリー
監督…アレックス・プロヤス
★★★
〔ストーリー〕
1960年代のアメリカ。とある小学校のクラスで、子供たちがタイムカプセルに入れるための絵を描いていた。そんななか、ひとりの少女だけは画用紙一面に数字の羅列を並べていた。女教師は不思議に思いながらも、彼女の手から途中で画用紙をとってしまう。
そして、50年後。当時の教師が立ち会いのもと、タイムカプセルがひらかれる。封筒に入れられた絵は現在小学校に通う子供たちに配られ、ケイレブ少年も一通手にする。そこには、奇妙な数字が裏表に書かれていた… 父親で天文学者のジョンは、その数字に隠された暗号に気づいて驚愕する…!!
アレックス・プロヤスの最新作!! ニコラス・ケイジ主演!!
ぜったいおもしろいんだろうなーと、思って鑑賞しましたら、やっぱりおもしろかったです。プロヤス監督というと、「The Crow」(「クロウ/飛翔伝説」1993)、「Dark City」(「ダーク・シティ」1998)、「I, Robot」(「アイ、ロボット」2004)。近未来を描いていても、どこか懐かしい、レトロな雰囲気が心地よくて独自の世界観が非常にすばらしいと思うんですが、今回は舞台は現代、かなり大風呂敷をひろげています。それでも、品よくまとまっています。まずはストーリー紹介から。
今回のニコラスの役どころは、やもめで男の子をひとり抱えた、がんばる天文学者ジョン。大学で天文学の教鞭をとりながら、小学生の息子ケイレブ(チャンドラー・カンタベリー)とつつましく暮らしています。ほんとはちょっぴりさびしいんですけど、ニコラスはさびしくてなんぼ! もう、この方のぬぼ~っとした巨体がさびしげに椅子に座っているだけでも、わたしなんかキュンキュンしてしまいます。
ある日、ケイレブの通う小学校で50年前に埋めたタイムカプセルがひらかれます。なかに入っていた封筒は生徒たちに配られるのですが、ケイレブが手にしたのは、意味不明の数字の羅列がびっしりと書きこまれた、なかなか不気味な画用紙。最初はなんてことなかったのですが、そこはさすが天文学者、数字の並び方に 「おや?」 と、興味をおぼえて、真剣に考えてしまうと… な、なんてこと!!
それらはすべて、過去50年間に起こった事故や災害の大惨事で亡くなった人々の数だったのです…!!
そして、謎を解いた翌日には、81人が亡くなるという暗号が…!!
これは終末映画なのですが、そんな映画でも、ニコラスが奮闘するように期待してしまうのはきっと、わたしたちが悪いんでしょうね。未来を知ってしまったら? それが不幸なことだったら? 知った本人はたぶん、それを回避しようと努力するのでしょうが、もしそれが運命なら、避けようがないですよね。この、避けようがない運命を知ってしまったときの恐怖、というのが困り顔のニコラスお父ちゃんの役どころ。
そして、息子のケイレブはというと、不思議な耳鳴りが聞こえるようになって、正体不明の人影を見るようになってしまいます。暗号のメッセージの重大性に気づいてしまったジョンは、画用紙を書いた少女を探そうとしたり、悲劇をなんとか防ごうと孤立奮闘するのですが…
事故のシーンが迫力満点すぎてこわいくらいで、そんななかでぬぼ~っと立ってるニコラスさんの情けない顔が絵になっています。
未来を予知した少女ルシンダ(ララ・ロビンソン)の娘ダイアナに、「28 Weeks Later」(「28週後…」2007)で、やはりがんばっていましたローズ・バーン。ダイアナの娘のアビーはララの二役です。
エンディングが圧巻で、そのあとのラストシーンがいかにもプロヤス監督らしい、おとぎ話みたいなうつくしさ。でも、こんなことをいったら野暮なのでしょうが、大物俳優が出演してしまうと、なんだかその存在感ばっかりが前面に押しだされてしまって、作品が食われてしまっている気がしないでも… ない…??
ですが、余韻が残るいい映画です。
ニコラス先生は
天文学を愛する、
がんばるお父さん。
なんだか、
すごい秘密を
知ってしまった!!
ダイアナはジョンの
話を信用しようと
しません。
息子のケイレブに
近づく男の正体
は…??
ていへんだ、
ていへんだ~っ!!
ああああ、なんてこったい…!!!
(2009)オーストラリア/アメリカ
出演…ニコラス・ケイジ
ローズ・バイン
チャンドラー・カンタベリー
監督…アレックス・プロヤス
★★★
〔ストーリー〕
1960年代のアメリカ。とある小学校のクラスで、子供たちがタイムカプセルに入れるための絵を描いていた。そんななか、ひとりの少女だけは画用紙一面に数字の羅列を並べていた。女教師は不思議に思いながらも、彼女の手から途中で画用紙をとってしまう。
そして、50年後。当時の教師が立ち会いのもと、タイムカプセルがひらかれる。封筒に入れられた絵は現在小学校に通う子供たちに配られ、ケイレブ少年も一通手にする。そこには、奇妙な数字が裏表に書かれていた… 父親で天文学者のジョンは、その数字に隠された暗号に気づいて驚愕する…!!
アレックス・プロヤスの最新作!! ニコラス・ケイジ主演!!
ぜったいおもしろいんだろうなーと、思って鑑賞しましたら、やっぱりおもしろかったです。プロヤス監督というと、「The Crow」(「クロウ/飛翔伝説」1993)、「Dark City」(「ダーク・シティ」1998)、「I, Robot」(「アイ、ロボット」2004)。近未来を描いていても、どこか懐かしい、レトロな雰囲気が心地よくて独自の世界観が非常にすばらしいと思うんですが、今回は舞台は現代、かなり大風呂敷をひろげています。それでも、品よくまとまっています。まずはストーリー紹介から。
今回のニコラスの役どころは、やもめで男の子をひとり抱えた、がんばる天文学者ジョン。大学で天文学の教鞭をとりながら、小学生の息子ケイレブ(チャンドラー・カンタベリー)とつつましく暮らしています。ほんとはちょっぴりさびしいんですけど、ニコラスはさびしくてなんぼ! もう、この方のぬぼ~っとした巨体がさびしげに椅子に座っているだけでも、わたしなんかキュンキュンしてしまいます。
ある日、ケイレブの通う小学校で50年前に埋めたタイムカプセルがひらかれます。なかに入っていた封筒は生徒たちに配られるのですが、ケイレブが手にしたのは、意味不明の数字の羅列がびっしりと書きこまれた、なかなか不気味な画用紙。最初はなんてことなかったのですが、そこはさすが天文学者、数字の並び方に 「おや?」 と、興味をおぼえて、真剣に考えてしまうと… な、なんてこと!!
それらはすべて、過去50年間に起こった事故や災害の大惨事で亡くなった人々の数だったのです…!!
そして、謎を解いた翌日には、81人が亡くなるという暗号が…!!
これは終末映画なのですが、そんな映画でも、ニコラスが奮闘するように期待してしまうのはきっと、わたしたちが悪いんでしょうね。未来を知ってしまったら? それが不幸なことだったら? 知った本人はたぶん、それを回避しようと努力するのでしょうが、もしそれが運命なら、避けようがないですよね。この、避けようがない運命を知ってしまったときの恐怖、というのが困り顔のニコラスお父ちゃんの役どころ。
そして、息子のケイレブはというと、不思議な耳鳴りが聞こえるようになって、正体不明の人影を見るようになってしまいます。暗号のメッセージの重大性に気づいてしまったジョンは、画用紙を書いた少女を探そうとしたり、悲劇をなんとか防ごうと孤立奮闘するのですが…
事故のシーンが迫力満点すぎてこわいくらいで、そんななかでぬぼ~っと立ってるニコラスさんの情けない顔が絵になっています。
未来を予知した少女ルシンダ(ララ・ロビンソン)の娘ダイアナに、「28 Weeks Later」(「28週後…」2007)で、やはりがんばっていましたローズ・バーン。ダイアナの娘のアビーはララの二役です。
エンディングが圧巻で、そのあとのラストシーンがいかにもプロヤス監督らしい、おとぎ話みたいなうつくしさ。でも、こんなことをいったら野暮なのでしょうが、大物俳優が出演してしまうと、なんだかその存在感ばっかりが前面に押しだされてしまって、作品が食われてしまっている気がしないでも… ない…??
ですが、余韻が残るいい映画です。
ニコラス先生は
天文学を愛する、
がんばるお父さん。
なんだか、
すごい秘密を
知ってしまった!!
ダイアナはジョンの
話を信用しようと
しません。
息子のケイレブに
近づく男の正体
は…??
ていへんだ、
ていへんだ~っ!!
ああああ、なんてこったい…!!!
From Within
(2008)アメリカ
出演…エリザベス・ライス
トーマス・デッカー
ケリー・ブラッツ
監督…フェドン・パパマイケル
★★☆
〔ストーリー〕
アメリカの小さな田舎町グローブタウン。人々はみな信心深く、保守的で、18才のリンゼイもキリスト原理主義者として育てられた。おなじく熱心な信者のボーイフレンドのディラン、片親の母はアルコール依存症でロイという恋人がいる。ある日、町の衣料品店で友人とドレス選びをしていると、血だらけの少女・ナタリーが駆けこんでくる。ナタリーは恋人のショーンが突然自殺を図ったといい、パニック状態に陥りながらも、「彼女を見た?」という質問をくりかえす。リンゼイたちが部屋を離れたすきに扉はしまり、なかから悲鳴があがりはじめた…!!
宗教ホラーのようなイメージがあったんですが、いわゆるカルトではありません。
一応宗教がらみのお話のスーパーナチュラル・ホラーです。それから、トーマス・デッカーも出演しています。トーマス・デッカーファンにも安心の、さほどこわくもグロくもない良心的なホラー映画です。
監督のフェドン・パパマイケルは、シネマトグラファー。「パッチ・アダムス」(1998)や「Identity」(「アイデンティティー」2003)、いちばん最近のものだと、「幸せのちから」(2006)なんて作品があります。その彼の初の監督作品が、こちらになるんですが…
ストーリーは、ガチガチの保守派キリスト信者が集まる小さなコミュニティ。母親のトリシュ(ローラ・アレン)とふたり暮らしのリンゼイ(エリザベス・ライス)は18才、外の世界に憧れるのだけれど、なかなかそれを表に出すことができません。ボーイフレンドのディラン(ケリー・ブラッツ)も熱心な原理主義者、彼らは講堂で集会をひらき、牧師のジョー(スティーヴン・カルプ)が説教するのが常です。
そんな、住人ならだれもが顔見知りという小さな町で事件が。リンゼイと友人のクレア(ブリタニー・ロバートソン)が洋品店にいたところ、血だらけの少女が駆けこんできます。彼女は恋人が突然目の前で自殺を図ってしまったために、パニックに陥っていたんですね。そして、リンゼイたちに何度も、「彼女を見た? ねえ、見た?」「わたしを追いかけてくるの!」と、くりかえします。
リンゼイとクレアはおそるおそる窓の外をうかがうのですが、人影は見えません。と、ちょっと部屋を離れたすきに扉がばたんとしまってしまい、なかからおそろしい悲鳴があがりはじめてしまいます…!!
一方、トーマス・デッカーの役はというと、町の住人から “魔女の息子” としてうしろ指をさされているエイデン。リンゼイとは同級生です。ミステリアスで影がある美少年です。ある日、校内でディランと彼がいい争いをしているのを目撃するリンゼイ。エイデンが無抵抗に殴られるのを見ても、だれも彼に手を貸そうとしません。リンゼイは謝罪の気持ちから、彼を自宅まで車で送っていき、そこではじめて彼の孤独と人柄に触れるのですが…
出演者を見ればだいたい想像がつくと思うんですけど、ついでに、〈After Dark Horrorfest〉のラインナップ(…もう3期目に入ったんですよねー)の一作品ですから、ん~、まあ、及第点かな~ という内容です。
つぎつぎと飛び火していく謎の自殺の原因はなんなのか? という出だしなんですが、すぐにその謎が正体をあらわしてしまいます。パターンものは過激になっていくことでマンネリ感を打破することができるんですけど、さすがにトーマス・デッカー&エリザベス・ライス主演では、それは無理でしたか。
けしてつまらなくはないんですが、惜しい、あと一歩! という気がしないでもありません。一概にそうとはいいきれませんけど、こういう内容って、やはり日本人には馴染みにくいんでしょうかね。
こんな子もいるん
ですよー、
ということで。
エイデン役の
トーマス・デッカー。
こんな娘もいるんですよー。
リンゼイ役の
エリザベス・ライス。
冒頭の爽やか
カップルに
訪れた悲劇とは…
トリシュ役の
ローラ・アレン。
自殺の連鎖は
どこまで
つづく…??
ファンの方のために
もう一枚。
「ヒーローズ」で人気
になった役者さん
だそうです。
(2008)アメリカ
出演…エリザベス・ライス
トーマス・デッカー
ケリー・ブラッツ
監督…フェドン・パパマイケル
★★☆
〔ストーリー〕
アメリカの小さな田舎町グローブタウン。人々はみな信心深く、保守的で、18才のリンゼイもキリスト原理主義者として育てられた。おなじく熱心な信者のボーイフレンドのディラン、片親の母はアルコール依存症でロイという恋人がいる。ある日、町の衣料品店で友人とドレス選びをしていると、血だらけの少女・ナタリーが駆けこんでくる。ナタリーは恋人のショーンが突然自殺を図ったといい、パニック状態に陥りながらも、「彼女を見た?」という質問をくりかえす。リンゼイたちが部屋を離れたすきに扉はしまり、なかから悲鳴があがりはじめた…!!
宗教ホラーのようなイメージがあったんですが、いわゆるカルトではありません。
一応宗教がらみのお話のスーパーナチュラル・ホラーです。それから、トーマス・デッカーも出演しています。トーマス・デッカーファンにも安心の、さほどこわくもグロくもない良心的なホラー映画です。
監督のフェドン・パパマイケルは、シネマトグラファー。「パッチ・アダムス」(1998)や「Identity」(「アイデンティティー」2003)、いちばん最近のものだと、「幸せのちから」(2006)なんて作品があります。その彼の初の監督作品が、こちらになるんですが…
ストーリーは、ガチガチの保守派キリスト信者が集まる小さなコミュニティ。母親のトリシュ(ローラ・アレン)とふたり暮らしのリンゼイ(エリザベス・ライス)は18才、外の世界に憧れるのだけれど、なかなかそれを表に出すことができません。ボーイフレンドのディラン(ケリー・ブラッツ)も熱心な原理主義者、彼らは講堂で集会をひらき、牧師のジョー(スティーヴン・カルプ)が説教するのが常です。
そんな、住人ならだれもが顔見知りという小さな町で事件が。リンゼイと友人のクレア(ブリタニー・ロバートソン)が洋品店にいたところ、血だらけの少女が駆けこんできます。彼女は恋人が突然目の前で自殺を図ってしまったために、パニックに陥っていたんですね。そして、リンゼイたちに何度も、「彼女を見た? ねえ、見た?」「わたしを追いかけてくるの!」と、くりかえします。
リンゼイとクレアはおそるおそる窓の外をうかがうのですが、人影は見えません。と、ちょっと部屋を離れたすきに扉がばたんとしまってしまい、なかからおそろしい悲鳴があがりはじめてしまいます…!!
一方、トーマス・デッカーの役はというと、町の住人から “魔女の息子” としてうしろ指をさされているエイデン。リンゼイとは同級生です。ミステリアスで影がある美少年です。ある日、校内でディランと彼がいい争いをしているのを目撃するリンゼイ。エイデンが無抵抗に殴られるのを見ても、だれも彼に手を貸そうとしません。リンゼイは謝罪の気持ちから、彼を自宅まで車で送っていき、そこではじめて彼の孤独と人柄に触れるのですが…
出演者を見ればだいたい想像がつくと思うんですけど、ついでに、〈After Dark Horrorfest〉のラインナップ(…もう3期目に入ったんですよねー)の一作品ですから、ん~、まあ、及第点かな~ という内容です。
つぎつぎと飛び火していく謎の自殺の原因はなんなのか? という出だしなんですが、すぐにその謎が正体をあらわしてしまいます。パターンものは過激になっていくことでマンネリ感を打破することができるんですけど、さすがにトーマス・デッカー&エリザベス・ライス主演では、それは無理でしたか。
けしてつまらなくはないんですが、惜しい、あと一歩! という気がしないでもありません。一概にそうとはいいきれませんけど、こういう内容って、やはり日本人には馴染みにくいんでしょうかね。
こんな子もいるん
ですよー、
ということで。
エイデン役の
トーマス・デッカー。
こんな娘もいるんですよー。
リンゼイ役の
エリザベス・ライス。
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カップルに
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トリシュ役の
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
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