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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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     Peliculas para no dormir:
    Cuento de Navidad    


(2005)スペイン
出演…クリスティアン・カサス
イバナ・バケロ
マル・バルデヴィエルソ
監督…パコ・プラサ
★★☆



〔ストーリー〕
 コルド、ぺティ、ティト、ユージニオは、小学生の仲良し4人組。おなじくメンバーのひとり、少女・モニが、森の中の穴に人が落ちていると彼らに伝えてくる。さっそく様子を見にいってみると、サンタの恰好をした女性が倒れていた。意識を失っているだけで、命に別状はないようだ。コルドとティトは警察にむかい、モニたちに彼女を引きあげるのを任せることにする。だが、警官を待っている途中、指名手配犯の写真が女と同一人物だということに気づいてしまい…


 遅ればせながら、クリスマス的なホラーをおひとつ。
なんだかんだいって、最近ユーロなホラーにはまりつつあります。

 …今回は、ちょっと以前に話題になりました、〈スパニッシュ・ホラー・プロジェクト〉のうちの1作をご紹介です。まー、平たくいってしまいますと、〈マスター・オブ・ホラー〉からパンチ力、ゴア度、エッチ度なんかを引いちゃって~(笑)、雰囲気やストーリーを重視にした、おとなしめのダーク・テラーといったところでしょうか…?

 じつは、一度挑戦したことがあるのですが、1作目に選んじゃったのが、ジャウマ・バラゲロ監督の「Para Entrar a Vivir」「悪魔の管理人」でしたのよね… 。

 いえ、べつに、ドタバタ・ホラーも悪くはなかったんですけどね!! バラゲロ監督は 「[Rec]」「REC/レック」2007)もよかったし、「Fragiles」「機械じかけの小児病棟」2005)なんて非常に好みでしたし、「Darkness」「ダークネス」2002)なんかもわりと好きでしたし…
 でも、なんとなく、このシリーズに関していえば… それから遠ざかってしまいまして。だけど、あちこちで評判のいい作品もあるようなんですよ。ということで、今回は、おなじく「REC/レック」に参加しました、期待の新鋭パコ・プラサ監督の「クリスマス・テイル」を選択してみました。それで、これがけっこう… よかったんですよ

 ストーリー的にいうと、キング御大が好みそうな意地悪ホラーです。
 コルド(クリスティアン・カサス)をはじめとする、悪ガキ小学生の4人グループは、「ベスト・キット」や古いゾンビ映画を観たりして盛りあがる日々。そこへ、モニという少女から連絡が入ります。このモニを演じるのが、「El laberinto del fauno」「パンズ・ラビリンス」2006)のヒロインの、イバナ・バケロちゃんだったとは…!!  しばらくたってから気づいちゃいました。俳優さんて、映画によって雰囲気がぜんぜん変わるから、ほんとにわかんないんですよー。

 こちらの作品のバケロちゃん、「パンズ~」のときの不思議な透明感があまりなく、ごくフツーの少女を演じています。そして、少年たちもおなじように、ごくありきたりな悪ガキです。このごくありきたりな悪ガキたちが、穴の中に落ちたサンタの恰好の女性(マル・バルデヴィエルソ)を発見、彼女が巨額の金を強奪した逃走犯だと気づいたときから… 陰険・意地悪ストーリーがはじまってしまいます。

 「子供の邪悪性」 を描いた映画って、けっこう佳作になってしまうことが多いですよね。それは、人間の内なる邪悪性を露見させるからでしょうか…? 穴の中に落ちた女性は足を骨折、すっかり弱りきっていて、抵抗することもできません。もはや、どちらに力の有無があるかは明確。少年たちは彼女を穴に閉じこめてしまい、いいようにいたぶり、衰弱していく様子を傍観しているだけ… もっと悪いことに、盗んだお金とやらも手に入れたい… なんて、悪魔の囁きも!!

 前半、このような陰険ストーリーで心理的にじわじわくるんですが、後半は一転して、ホラー・アドベンチャーに変わります。〇〇メイクがちょっとぬるいんですけど、(…ついでに、〇〇な演技ももの足りないんですけど)、まあ、テレビ映画としてはなかなか及第点なんじゃないでしょうか。

 「テレビの枠にとらわれずに、なんでも好きなことやっていいよー」、とかいわれたりなんかしたら、この監督さんもきっと本領発揮できるはず。
 今回はたいへん満足だったので、あと2作品ほど観てみようかと思っています。






冒頭、コルドが夢中に
なって観ているゾンビ
映画。
変なコスチュームの
おねいさんが
かわいいです。




 




悪ガキ小学生5人組。





モニ役のイバナ・
バケロちゃん。
隣の「ベスト・キット」
少年も、地味に
おもしろいです。









あら
なんか変貌してきましたよ!







うふふふ、
待~て~







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    Los Cronocrimenes



(2007)スペイン
出演…カラ・エレハデレ
キャンデラ・フェルナンデス
バーバラ・ゴエナガ
監督…ナチョ・ビガロンド
★★★


〔ストーリー〕
 妻のクララと人里離れた山荘にやってきた、中年男のエクトル。荷物の片付けも済んで、庭でデッキチェアに座って双眼鏡を片手に森の中を覗いていると、ひとりの少女が目にとまる。突然彼女が上着を脱ぎだしたのを見て、興味をおぼえるエクトル。妻が車で出かけたあと、下心から少女が立っていた場所を探すと… 森の中で全裸で横たわる彼女を発見。いったいなにが起こったのか? 彼女は無事なのか? と、そのとき、ふいに背後からハサミを持った包帯だらけの怪人に襲われてしまい…!!


 こちらも、リメイクが決定組のスペイン発の優秀作品のひとつです。邦題は「タイムクライムス」、うっすらネタバレしておりますが、内容がわかっていても十分楽しめる映画となっています。2009年には日本にも上陸予定だそうです。
 スペイン・ホラーって、当たり・ハズレがまちまちなんですけど、こちらは非常にわかりやすくて、とてもおもしろかったです。それでまた、けっこう不気味なんですよ~。

 主人公のエクトル(カラ・エレハデレ)は、ごくフツーの中年なオジサン。髪の毛が薄くなってきてて、お腹もぽっこり出てるし、服装もさえないしで、このあたりが妙~にリアリティがあるんですけど、彼の仕草やどんくさい行動なんかも、ちょっとした笑いを誘います。物語の前半は、ユニークな場面がわりと多いです。

 エクトルは妻のクララ(キャンデラ・フェルナンデス)と、山中の別荘にやってきます。とりあえず荷物の整理をして、ふぅーっ、疲れたっと、広~い庭にデッキチェアを並べて、双眼鏡を片手に森の中を覗いていると… ひとりの少女(バーバラ・ゴエナガ)を発見します。
 「…おんや? カワイイ娘がいるじゃないか」。ここんとこ、オジサンですね。オジサンは若い娘に目がありません。気になって覗いているうちに、なんと彼女がTシャツを “ペロン” とまくりあげちゃうじゃないですか~… 「ウワァーオ!!」 と、思ったところで、クララに邪魔されて断念。

 クララが車で出かけたあと、急いでまた覗いてみるのですが… もう見えません。
「うーん、いまのはなんだったのだ? すっごく気になる!」… 火をつけられちゃったオジサンのエッチ心は止まらず、のこのこ彼女がいた方角に歩いていっちゃいます。と、これが彼の運命を決めることになってしまうのですね~…

 たぶん、今後あちこちのレビューでややバレしていくかと思われますが、この作品に関していえば、なるべくそういったものは見ないように! お願いいたします。

 最初に 「内容を知っていていても楽しめる」 と書きましたが、知らないなら、なおいっそういいかと思うんですよ。作品的にいうと、「Memento」「メメント」2000)「El Maquinista」「マシニスト」2004)といった、ひねり系のサスペンスといったものでしょうか。前半にヒントとなるようなパズルのピースをあちこちにちりばめられていて、後半からそれらがカチン、カチン! と、きれいな場所におさまるといった具合。細かなシーンやアイテムなんかも、「ああ、こういう意味だったのー」と、なっていくのは心地よいです。それで、結末にむかうほど、だんだん不気味なお話に変貌していきまーす。(ウフフ…

 この監督さんは、今後もスペイン・ホラーの注目株のひとりになるかと思われます。みなさんも要チェックですね!(…それから、演技のほうも悪くなかったですよ。といいますか、えらい若い方なんですよね~)
 なお、米国版リメイクはいまのところ、バーグ先生がもっとも有力候補のようです。設定も大幅に変わるとの予定。バーグ先生が担当で、設定も大幅に変わるなら、リメイク苦手のわたしでもおおいに興味が湧いてしまいますよ

 








 
「あそこにね、だれかが
いたんだよ!」
「え、どこよ?」







丘の中腹に建つ、
あやしげな施設の
あやしげな青年。
(監督本人で~す









ピンクの包帯を巻いた
怪人の正体は…?!








いつの間にやら、
事件に巻きこまれ
てしまうエクトル!







しがないエッチ心を
起こしたばっかり
に~…!!
さて、エクトルの運命は??







    The Alphabet Killer



(2008)アメリカ
出演…エリザ・ドゥシェク
ケアリー・エルウィス
ティモシー・ハットン
監督…ロブ・シュミット
★★☆


〔ストーリー〕
 ニューヨーク州ロチェスターで、少女の遺体が発見される。彼女はレイプされ、首を絞められていた。事件を担当することになったメーガンは上司のケネスと婚約中。しかし、捜査に没頭するあまり、殺された少女の亡霊を見るようになってしまい、精神を病んで自殺を図ってしまう。
 2年後、なんとか命をとりとめたメーガンは、グループセラピーに通う日々。退職は免れたものの降格させられ、ケネスとの仲も終わっていた。そんなとき、ふたたび悪夢がくりかえされる。2人目の犠牲者のデータから、彼女はある重要な類似点に気づくのだが…!!


 “実話(しかも未解決事件…!)をもとにした、実録映画”… という触れこみだったので、けっこう期待してしまったのですが、蓋をあけてみれば、ふつうのサイコものでしたの~、ちゃんちゃん

 …だけではいくらなんでもアレですので、一応映画の題材となった事件から説明させていただきます。
 1970年から73年にかけて、実際にニューヨーク州ロチェスターという町で連続少女殺害事件が起きました。犠牲者の少女たちは、全員ファーストネームとラストネームのイニシャルがおなじだったことから、この殺人鬼は “ダブル・イニシャル・キラー” と呼ばれ、捜査中には800人の容疑者があがったというのに、現在にいたっても捕まっていません。

 じつにミステリアスで不気味な事件ですが、これを「Wrong Turn」「クライモリ」2003)〈Master of Horror〉シリーズの「Right to Die」(2007)でおなじみの、ロブ・シュミットが映画化。未解決の事件をどう決着つけるんだろうと、そればかり注目してしまったのですが… まあ、いいです。とりあえず、ストーリーから。

 林の中で哀れな少女の遺体が発見されることから、物語ははじまります。彼女の名前は、「ーラ・スティーリョ」。さっそく異常者の捜索が行われ、事件を担当することになった刑事のひとり、メーガン(エリザ・ドゥシェク)は熱心に捜査を開始するのですが… いっこうに進展は見えず、あまりに事件にのめりこむあまり、殺された少女の声を聞いたり、幻覚を見るようになってしまいます。おっ、「トゥルーコーリング」か、と一瞬思っちゃいますが、今回はそう簡単にはいきませんでしたー。

 少女の声も亡霊もすべて彼女の気負いから、精神的に自己を追いつめてしまった
メーガン、手首を切って自殺未遂を図ってしまいます。

 そして2年後、キャリアを失って降格させられ、婚約者のケネス(ケアリー・エルウィス)までも失ってしまったメーガン。それでもグループセラピーに通うなどして、前向きに生きていたのですが… ふたたび事件が起こります。今度の被害者の名前は、
ェンディ・ォリシュ」。“ダブル・イニシャル” の類似点に気づいた彼女は、これはたんなる偶然ではないと考えるのですが…

 ヒロインのメーガンを、ずいぶん大人っぽくなったエリザ・ドゥシェクが神経質に、情緒不安定な雰囲気で演じています。彼女の上司で元婚約者のケネスにはケアリー・エルウィス、グループセラピーのリーダーで車椅子の青年リチャードにはティモシー・ハットン。ほかに、マイケル・アイアンサイド(…また署長役!)や、ビル・モーズリーなんかも出ていたりして、ホラーファンには 「おっ」 と、うれしい配役でもあるのですが…

 …描きたいことがなんとなくわかってしまうぶん、ちょっと残念な仕上がりでもあります。犠牲者の声に追いつめられ、共感しすぎてしまい、(犯人でないにもかかわらず)、彼女たちの無念をいっきに背負ってしまうメーガン。この、「共感」というキーワードは、現代を生きるわたしたちにとってもっとも重要なことのように思うんですけど、いまいち踏みこみが浅いように感じてしまいました。(作品とは無関係、といわれればそれまでなんですけど)、製作陣が犠牲者たちにもっと共感していれば、もう少し物語を掘り下げることもできたんじゃないかという気がします。
 
 エリザ・ドゥシェクにはこの役は荷が重すぎたのか…? それとも、脚本自体が浅すぎたのか…? そのへんのところは、みなさんの判断にお任せします。
 着眼点がよかっただけに、もしかしたら傑作に化けたかもしれないのにー… と思うと、非常に惜しい気がしてしまいますね、うーむ。















大人っぽくなったとはいえ、まだアイドル
ぽさが抜けない(?)エリザ・ドゥシェク。








少女の遺体を前に、
メーガンは犯人逮捕を
固く誓うのですが…






元婚約者のケネスは、
彼女がまたバランスを
崩してしまうのでは
ないかと心配します。












早く犯人検挙したいノークロス署長
(マイケル・アイアンサイド)と、意見が対立。






おなじく心に傷をもつ
リチャード
(ティモシー・ハットン)に
相談に乗ってもらいながら、
メーガンは捜査を再開
しますが…







  
    Return To 
       Sleepaway Camp


(2008)アメリカ
出演…マイケル・ギブニー
ヴィンセント・パストーレ
フェリッサ・ローズ
監督…ロバート・ヒルツィク
★★


〔ストーリー〕
 以前、血みどろの惨劇が起こった〈アラワク・キャンプ場〉。その近くにある〈マネイブ・キャンプ場〉では、今年の夏もたくさんの子供たちで賑わっていた。そんななか、肥満児で問題児の少年アランは次々と騒動を起こし、あらゆる人間と衝突。ついにはいじめのターゲットとなってしまい、キャンプ場に混乱をもたらす。すると、アランの周囲の人間が失踪しはじめる… この失踪にはアランがかかわっているのか? 〈アラワク・キャンプ場〉の事件を知っている指導員は恐怖の疑念にとらわれるのだが…


 あの「Sleepaway Camp」「サマーキャンプ・インフェルノ」1983)が帰ってきた! 一作目を担当したヒルツィク監督が20年ぶりに続編を発表、パメラ・スプリングスティーン(← スプリングスティーンの妹さんですよ!)の2作目と3作目はなかったことに~  して、続編を発表しました。

 じつはこの作品、2003年には完成していたようなんですが、配給元が決まらず、5年間ほぼオクラ入りになっていたようです。ヒルツィク監督はもともと続編も撮る意欲があったのですが、アンジェラを「13日の金曜日」のジェイソンのようにしたい製作会社と意見があわず、著作権を売り渡してしまったんだとか。しかし、熱心なファンのコンタクトによって、ふたたびヒルツィク監督とアンジェラを演じたフェリッサ・ローズに注目が集まり、この企画が持ちあがったんだとか。ファンの力もすごいですねー。

 内容は、こういってはなんですが、一作目よりもさらにバカさ、くだらなさ、低俗さがヒートアップ! ストーリーのほうは… いまさら説明するまでもありませんよね。そう
でーす、そういう映画なんです。ということで、そこんとこを割りきって、みなさんも楽しんでみてください

 十代の騒々しい子供たちで賑わう、〈マネイブ・キャンプ場〉。その近くに以前あった〈アラワク・キャンプ場〉は因縁つきで、参加者が次々と殺され、殺人鬼がブギーマンの怪談としていまでも語りつがれています。
 今回の主人公は、少年アラン(マイケル・ギブニー)。このアランくんが、まるでマンガに出てくるような超極端なキャラなので、これだけでもうお腹いっぱいになっちゃいます。アランくんはメタボ、メタボなくせに性格が悪く、弱いものいじめっ子、(← まるでジャイアンのようなキャラ)、おまけに食い意地ははってるわ、女好きだわ、(← 身の程知らずもいいとこ!)、ひきがえるが友だち(?)だし、おケツだして下品な捨てゼリフを吐くしで、ついでにすぐ騙されちゃう天然とキター!!

 こんなアホな子いまどき絶対いない! てか、なぜ汚れたシャツを着替えない?? と、終始イライラしてしまうのですが、彼の容姿もそれに拍車をかけてます。だって、よく見るとなかなか整った顔立ちで、その中途半端さ加減が、余計にイラつくんですよ。…あ、もちろん褒めてるんですよ! だって、本気でブッサイ子だったら、本気でかわいそうになっちゃって、映画として成立しませんもんね。

 ほかの参加者もバカな子ばっかりで、見た目はふつうのイマドキっ子なんですけど、まるで数十年前のアホみたいな雰囲気で、オナラに火をつけて喜んでみたり、粗悪なドラッグで悪ぶってる不良少年たちと、「もー、どーしようもないな~、オマエら、いったいいくつなんだっ!!」 というキャラクターのオンパレードなんです。
 ここに、子供たちの安全よりも金儲けのことしか頭にない所長のフランク(ヴィンセント・パストーレ)、アンジェラのことを知っている指導員のロニー(ポール・デアンジェロ)、アランがいいよる美少女ケイト(エレン・ブロデリック)などが登場します。

 ファンが待ち望んでいた続編というだけあって、一作目で登場したアンジェラの義兄リッキー(ジョナサン・ティアーステン)、ロニー役のデアンジェロも再登場。もちろん、アノ方も登場します。アノ方がだれかなんて、訊くだけ野暮な話でしょ!

 じつにそつのない展開で、20年のブランクを感じさせないスムーズな内容です。殺害シーンもこれまたそつなく、バラエティに富んでいます。けれども、一作目にあったような異様なテンションとアンダーグラウンドな魅力がなくなってしまった気がします。やはり続編はアイデアが尽きてしまうのでしょうか…「Return of the Aliens: The Deadly Spawn」「デッドリー・スポーン」1983)のあとだったので、意外にもまともな映画に思えてしまったんですけど… というのは、ま、まあ、関係ないんでしょうけども!









「びえぇぇん!!」
さっそく調理人に生卵をぶ
つけられて、いじめられる
アラン(M・ギブニー)。








でも、数分後にはケロッ。
根はいい子なんです
けどね~








騒動の中心となる不良
少年グループ。
いっちゃーなんですが、
ごくフツーの子供たちで、
こんなひどい目に遭うに
は割があいません。







所長のフランク
(V・パストーレ)
は、保安官に協力を
求めるのですが…





「びえっ、びえぇぇ…!!」
やっぱりいじめられちゃっ
た… (てか、そのシャツ
早く着替えろよ~!!)








お仕置きに、
ガソリン注入だいっ!!








    Return of the Alien: 
       The Deadly Spawn



(1983)アメリカ
出演…チャールズ・ジョージ・ヒルデブラント、
トム・デフランコ
ジーン・タフラー
監督…ダグラス・マッケオン
★★


〔ストーリー〕
 山奥で隕石が墜落、ちょうど近くでキャンプをしていた若者2人は、おそるおそる様子を窺いにいってみるのだが…
 そして翌朝、麓の一軒家でサムとバーブ夫妻が目を覚ます。外は雨、地下室の水漏れを調べにいったサムにある異変が起こり、心配して様子を見にいったバーブまでも…!! 両親の悲劇を知らない長男のピートと弟のチャールズ、偶然遊びにきていた叔父のハーブと叔母のミリー。今日はピートの部屋でクラスメイトたちと勉強会をする約束で、地下室の危険のことなど知らない電気屋が、工具箱を持って地下に降りてしまい…


 そのむかし、レンタル店で何度もジャケを見かけたものの、あまりの悪趣味さからどうしても借りることができなかった「デッドリー・スポーン」。キャッチコピーがたしか、“コイツは喰うために生まれてきた!!” だったんですよねー。先日鑑賞する機会がありまして、「じゃあ、思いきって観てやろうぢゃないの!」 と、鼻息も荒く鑑賞しはじめたのですが…

 こ、こんなにたるい作品だったなんて… ある意味びっくりです!

 80年代に全盛期を迎えたホラーシーンは、さまざまな参戦者たちも生みだしました。「とりあえず、オレたちも金儲けしようぜ!」 という、現実的なフォロアーから、「とりあえず、オレたちもホラーしたいぜ!」 という、好きが乗じて映画界に参戦してしまった若者たちまでいたのですが、この作品の監督は後者のタイプです。もともとは役者さんだったそうですが、あまりのSFオタクぶりから、本作の制作を開始。劇場映画はこれ1本だけで、あとはドキュメンタリーの世界に移行してしまったようです。

 日本でも熱狂的(?)なファンを呼んだのは、みなさんもお察しの通り、クリーチャーのその圧倒的なデザインです。担当したジョン・ドッズは、のちに「Poltergeist Ⅲ」「ポルターガイスト3」1988)「Death Becomes Her」「永遠に美しく」1992)「The X Files」「Xファイル」1998)にも特殊メイクとして参加しています。このクリーチャーがとにかくゲテモノで、強烈なインパクトを残すことまちがいなしの徹底した異形っぷりなのです。

 ストーリーはまあ、こんな感じです…
 隕石とともに飛来してきた正体不明のエイリアン、さっそくキャンプにきていた若者2人をガッツリ食い殺し、そのまま麓に建つ家の地下室にまぎれこんじまいます。そうとは知らない当主夫妻も、あっという間にムシャムシャ、ゴックン! この家には科学オタク青年のピート(トム・デフランコ)と、ホラーオタク少年のチャールズ(チャールズ・ジョージ・ヒルデブラント)という息子がおりました。ちょうど心理学者の叔父ハーブ
(ジョン・シュマーリング)と妻のミリー(エセル・ミケルソン)も遊びにきていて、ピートはクラスメイトたちと勉強会の約束が。さあ、準備は整いました! ここから 「巨大エイリアンV.Sフツーの人間」 の戦いがはじまるのですが…

 監督本人が根っからのSFマニアということで、随所にブラックな笑いを誘うエピソードが散らされてます。叔母のミリーは近所に暮らす母親の昼食会に参加する予定なのですが、これが“ベジタリアン同好会”でして、オバチャンたちがよってたかって泥くさーい野菜料理の数々を持ちよってきます。それに、ペチャクチャうるさいし! すっごくまずそうなパイとか、パテとか、これみよがしに自慢するんですが、そこにお肉大好き~! なエイリアンが登場! エイリアンの一匹は、ミキサーの中に落っこちちゃって、そうと知らない母親がスイッチ・オン! ベジタリアンのはずのオバチャンたちがエイリアン入りのソースを口にするところなんか、たしかにオエッ… なシーンだし、その後の阿鼻叫喚図も悪くないのですが…

 また、科学青年のピートがまったく腑抜けで役立たず、エイリアンに果敢に立ちむかうのは、ナスティ・ムービーばっかり観ていた弟のチャールズだった… というのも、悪くないのですが…

 それから、前半ピートとガールフレンドのエレン(ジーン・タフラー)がラブラブさを見せつけて、後半アレレ? な意地悪展開も、意表を突いておもしろいのですが…

 …どうも、手作り感がありありでテンポも悪いです。これだけおもしろそうな舞台が用意されているにもかかわらず、いまいち盛りあがりません。なんといいますかー、役者さんの演技がぬるい、セリフがくだらない、緊張感がない! でも、このぬるさ加減が、マニア受けした理由なんでしょうね。だって、素人が作った作品なんですもん。素人にしちゃ、かなりがんばっているほうですよ!
 クリーチャーのデザインが一見の価値ありなのですが、それ以外は多少の難アリ… ということで、今回はお好きな人だけどうぞ  












飛んで火に入る餌食な
ふたり!










ども、はじめまして~








やけに肝っ玉のすわった
ホラオタ少年チャールズ
(チャールズ・J・
ヒルデブライト)。









ピート(トム・デフランコ)と、
ガールフレンドのエレン
(ジーン・タフラー)。








子供エイリアンを
拾っちゃった!







一件落着したかに
思えて…
笑劇のラストを
見逃すな~!!







    Antikorper



(2005)ドイツ
出演…ヴォーダン・ヴィルケ・メーリング
アンドレ・ヘンニッケ
ハインツ・ホーニヒ
監督…クリスチャン・アルバート
★★★


〔ストーリー〕
 ベルリンのとあるアパートで、激しい銃撃戦のすえ、ひとりの男が逮捕される。男の名はガブリエル・エンゲル。少年ばかりを狙った猟奇殺人事件の犯人だった。エンゲルの逮捕のニュースを聞いて、郊外の農村でパートタイムの警官を務めるミヒャエルは多大な興味を示す。じつは、彼の村でもひとりの少女が殺害されて、事件はいまだに未解決のままだった。これが大きな糸口になるかもしれないと考えた彼は、エンゲルと対面すべくベルリンにむかうのだが…


 いまさらサイコか~ なんて、食わず嫌いをしないでください。
ユーロのさまざまな映画祭、トライベッカなどでも大絶賛されて、さっそくアメリカでもリメイクが決まっているこの作品、英題では「Antibodies」となっています。これ、「抗体」という意味なんですね。主人公のミヒャイルは、犯罪とは無縁ののどかな農村のパートタイム警官。敬虔なカトリック信者で、毎週日曜日には家族と一緒に教会に通うような、性善説の塊みたいな人間です。その彼が “絶対悪” と対面してしまったとき、どんな迷いや葛藤、危険が生じてしまうのか…? というところから、このタイトルがつけられたようです。

 物語は、ベルリンのとある古びたアパートからはじまります。住人の通報を受けてふたりの警官が駆けつけると、ドア越しに突然発砲! 激しい銃撃戦のすえ、全裸の男が逮捕されます。この男、名前はエンゲル(アンドレ・ヘンニッケ)、少年に性的虐待をしてはなぶり殺す、というおぞましい犯罪をくりかえしていました。彼の暴虐はそれだけにとどまらず、遺体をつかって “作品” を創造することまでも。これで連続児童殺人事件は無事解決したと思われたのですが…
 
 場所は変わって、郊外の緑豊かな農村。主人公のミヒャエル(ヴォーダン・ヴェルケ・メーリング)は、農業の合間にささやかな書類仕事をするという、パートタイムの警官です。じつは、以前はそれだけでよかったのですが、数週間まえに少女の惨殺死体を発見して以来、彼の信念は揺らぎはじめていました… 村の住人たちを疑うわけではないが、事件を解決するためには捜査も必要… しかし、住人たちはあからさまに拒否反応を示し、義父にいたっては、彼に怒りをぶつけようとして、彼の愛犬を射殺(!)してしまいます。

 妻のローザ(ウルリケ・クリュムビーゲル)ともぎくしゃくしだしてしまい、長男のクリスチャン(ハウケ・ディーカンフ)はちょうど思春期、学校で耳を疑うような問題行動を起こす始末。
 そんなとき、エンゲル逮捕のニュースを聞いたミヒャエルは、殺害の異常な手口から彼が少女を手にかけたのではないかと思い、それを確かめるためにベルリンにむかうのですが…

 こういってはなんですが、ひねりもまったくない、よくあるサイコものです。ですが、
オープニングからの伏線、登場人物の背景、心理描写などがすぐれていて、物語として非常に説得力のある作品という印象を受けました。とくに、ミヒャイルとエンゲルの対比がよくできていて、ミヒャイル役のヴォーダン・ヴェルケ・メーリングは “絶対悪” の存在にとまどう純な役柄がぴったり。「Das Experiment」「es/エス」2001)にも囚人役として出演していますが、きまじめで穏やかな顔立ちが適任だったんでしょうね。たいして、エンゲル役のアンドレ・ヘンニッケはずる賢く、邪悪で、セクシーな殺人鬼を迫真の演技で熱演しています。アクの強さでは主人公を食ってしまっているくらいです。

 最初は田舎の警官ひとりになにができるんだろうと、たかをくくっていたベルリンの刑事たちですが、エンゲルはミヒャイルをなぜか気に入り、「彼になら真実を話してもいい」と、いいだします。そして、エンゲルとミヒャイルの奇妙な駆け引きがはじまるのですが…
 結末がやや強引で、卑怯だと感じる人がなかにはいるかもしれません。が、わたしはこういうのは好きです。それがアメリカ人受けした理由のひとつだという気がします。リメイクが発表されるまえに、オリジナルが日本上陸してほしいですねー。



 







殺人鬼エンゲル
(アンドレ・ヘンニッケ)。




 

ベテラン刑事セイレル
(左ハインツ・ホーニグ)と、
ミヒャイル
(ヴォーダン・W・メーリング)。






妻のローザ(ウルリケ・
クリュムビーゲル)は、
富裕な農家の
ひとり娘です。






15才のクリスチャン
(ハウケ・ディーカンフ)は、
むずかしい年ごろで
ちょうど反抗期…







ついに対面!
この後、ふたりは
思いもしない方向へ…??







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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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