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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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     Ghost Town



    (2008)アメリカ
    出演…リッキー・ジャーヴェイス、グレッグ・キニ
         ア、ティア・レオー二、アーシフ・マンドヴィ
    監督…デヴィット・コープ
    ★★★



〔ストーリー〕
 マンハッタンで歯科医の職を持つピンカスは、極度の人嫌い。同僚たちにかかわるのを嫌い、隣人女性には冷淡な態度をとり、クロスワードと静かな生活だけが彼の望むものだった。ある日、かねてから調子の悪かった腸の手術を受けて、退院した朝のこと。出口に佇む古風なウェアの看護婦に声をかけたところ、「わたしが見えるの?」と、彼女は驚いた様子で答え、うれしそうに彼の跡をついてきてしまい…


 たまにはこんな作品でなごんだりもしましょう。ハートフルなゴースト・ストーリー、「ゴースト・タウン」です。

 デヴィット・コープ監督というと、「Secret Window」(「シークレット・ウィンドウ」2004)、それから「Stir of Echoes」(「エコー」1999)。おもに脚本家として名が知られているようで、「ジュラシック・パーク」(1997)や「スネーク・アイズ」(1998)、「スパイダーマン」(2002)や「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」(2008)… などといった、数々の大作映画を手掛けてきた人。彼の脚本にはかなりの高額がつくことでも有名です。そんな彼の、自らメガフォンをとった最新作は…

 オープニング、グレッグ・キニア演じるフランクがタキシード姿で颯爽と登場します。はじめ、彼が主人公なのかな? と思っていたら、あらら~… なことに。そうです、この映画の主役はリッキー・ジャーヴェイスだったのですね。なんでも、イギリスでは有名なTV俳優さんらしく、「The Office」、「Extras」なんてヒット作品もあるようです。小柄で小太りで、飄々とした演技が妙におかしく、アメリカンな物語にイギリスっぽい独自のテイストがプラスされて、なかなか味のある作品となっています。

 リッキー・ジャーヴェイス演じる歯科医のピンカスは、超がつくほど人間嫌い。同僚たちと世間話をするのもうっとうしいし、エレベーターでだれかと一緒になるのも面倒臭いし、とにかくひとりがいいの~、もう、ほっといてほしいの! という、けっこうなワガママ屋さんです。

 そこへ、かねてから具合の悪かった腸手術をして、退院した日のこと。コスプレっぽい古風な看護婦さんにちょっと声をかけたことから、事態は思わぬことに。「わたしが見えるの?」と、やたらめったら喜ぶ彼女。不審に思ったピンカスは足早に去ろうとすると、妙な老夫婦までトコトコついてくるじゃありませんか。それから、ヘンなお兄ちゃんまで! フツーっぽく見えた警官まで! 「彼、見えるのよ! わたしたちが見えるのよー!!」と、いつの間にやら大群が押しよせてくることに。ひぃ~、ここはちょっと、ホラーしています。

 じつはピンカス、手術中に麻酔のミスから、7分間だけ心臓が止まっていたのでした。その臨死体験から、どうやら死者が見えるようになってしまったのです。
そして、ニューヨークの街には数えきれないほど浮かばれない死者たちがいて、彼らが見えるピンカスに、なんとかしてほしいと助けを求めてくるのです…

 ここまで書いてしまうと、もうどんな内容かおわかりですね。そうです、コメディ版「The Sixth Sense」(「シックス・センス」1999)からはじまって、しだいに現代版「Ghost」(「ゴースト/ニューヨークの幻」1990)、ピンカスの性格矯正もふくめて、ディケンズの『クリスマス・キャロル』といった、じつに現実味のない、マンガちっくで温かな方向に物語は進みます。
    
 アメリカ映画というと、絶対フランク役のグレッグ・キニアのほうが主役顔だと思うのですが、(どう見てもコメディ顔だし)、でも、あえてそうはしなかったところにこの作品のおもしろさがあると思います。ありきたりな表現なんですが、「人生ってすばらしい、人間てすばらしい!」と、だれもが共感してしまうはず。そして、ゴーストたちが消えていくシーンにホロッと涙しましょう。ニューヨークはゴーストだらけ!
 









 「あっ、なんかヘンなもん
 見ちゃった!!」
 シックス・センスなピンカス
 (リッキー・ジャーヴェイス)。







 人の気配にふと目を覚ます
 と、寝室にまで幽霊さんたち
 の大群が。
 (マッパの青年に注目!)







 フランク(右グレッグ・キニア)
 の説得に負けて、彼の妻へ
 接触を試みるピンカスです
 が…








 グウェン(ティア・レオー二)
 と接するうちに、だんだん
 恋が芽生えてしまい…♪








 ピンカスは彼女にフランクの
 想いを伝えることができる
 でしょうか…?







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     Spider Baby or,
   The Maddest Story
        Ever Told

    (1968)アメリカ
    出演…ロン・チェイニー・Jr、シド・へイグ、ジル・
         バナー、キャロル・オーマット
    監督…ジャック・ヒル
    ★★☆

〔ストーリー〕
 郵便配達夫が人里離れた広大な敷地に建つ、メリー家の屋敷を訪問。しかし、屋敷の住人はあいにく不在らしく、いくら声をかけてもだれも姿を見せない。開いている窓を覗きこんだそのとき、窓枠がバタン! としまってしまい… ティーンエイジャーの愛らしい少女が出てきたと思うと、窓枠に挟まった彼にロープの網をかぶせて、大きな二本のナイフを取りだした…!!


 タランティーノ監督も大好きな、ジャック・ヒル監督の衝撃のデビュー作、「スパイ
ダー・ベイビー」
です。
 じつは、ジル・バナーの華麗な二刀流を見たくて鑑賞したのですが、映画はけして予算ではない、やはりすぐれたアイデアなんだなと納得してしまう娯楽作でした。そして、この脚本がまた、いっさい無駄がないこと。

 ヒル監督というと、女囚ものの原型となった「Big Doll House」(「残酷女刑務所」1971)、戦うオネエさんの原型となった「Coffy」(「コフィ」1973)、ポップ・カルチャー・ムービーの原型となった「Swichblade Sisters」(「スウィッチブレイド・シスターズ」1976)… などなどといった、カルト映画ファンにはそれこそ一目置かれている存在です。
 この作品も低予算、撮影日数はわずか12日間(!)という極貧スタートながら、かなりの高水準に達しているのですが、金銭トラブルからオクラ入りとなってしまったとのこと。そのせいか、わが国では知名度はそれほどなんですが、海外での評価はすこぶる高いです。これぞ “カルト映画の代表作” というあつかいになっています。

 物語は、元祖「悪魔のいけにえ」、いまでいったら、愉快なファイアフライ一家というところでしょうか。“メリー症候群” と呼ばれる呪われた血筋のもとに生まれた、長男ラルフ(シド・へイグ)、長女ヴァージニア(ジル・バナー)、次女エリザベス(ビヴァ
リー・ウィッシュバーン)の3兄妹… 当主が亡くなったいま、執事のブルーノ(ロン・チェイニー・Jr)が彼らの面倒を見ているのですが、メリー家の人間は十代になると知能が徐々に退化し、凶暴な振る舞いをするようになってしまうのです。そして、ブルーノが外出中に、ヴァージニアが郵便局員をメッタ突きにして殺してしまいます。

 帰ってきたブルーノは大慌て! 郵便局員の持っていた手紙を読むと、遺産相続について、弁護士を連れて親戚たちがやってくるとのこと。日付はなんと、今日です。さあ、困った!! 急いで死体を片づけるのですが…

 この時代に、こんな過激な映画をよく撮れたなーと、感心してしまうことしきりです。作り自体も、かなりしっかりしています。もちろん、ゴア描写なんてなきに等しいんですが、それを欠いてもなお、上まわる魅力を兼ねそなえているが、役者さんたちの生き生きとした個性的な演技です。

 子供たちのやさしい守護天使・執事ブルーノを演じるのは、ロン・チェイニー・Jr。
(…ボリス・カーロフ、ベラ・ルゴシについで、モンスター界のスーパースターですよね!)その彼が、この脚本をひどく気に入って低いギャラでも出てくれたんだとか。
 長男ラルフには、シド・へイグ。白痴の演技には鬼気迫るものがあります。
 そして、なんといってもヴァージニアを演じるジル・バナー。彼女を見るだけでも、この映画の価値はあります。可憐で愛らしい容姿からは想像もつかない、見事なナイフさばきは必見! こんな魅力的な殺人鬼はなかなかいないですよ。彼女のことをもっと知りたくなりました♪

 内容はホラーというよりブラック・コメディよりで、遺産目当てにやってきた親戚連中が痛い目にあってしまう… というストーリーなのですが、描写がおとなしくても、構成がしっかりしているので、安心して結末まで観ることができます。致命的な時間の風化というのも、斬新なアイデアのまえではそれほど感じさせないんですね。

 古典作品でも、おもしろいものは非常におもしろいということがわかりました。
それから、当時でこそこんな展開(…良心的な、といいますか…)になってますけど、現代版だったら、とことんいってしまいますよねー、といいますか、いってほしいですよね!!












 心やさしい執事ブルーノ
 (ロン・チェイニー・Jr)。




 「お帰りなさいませ、
 ご主人さま♪」
  ヴァージニア
 (左ジル・バナー)と、
 エリザベス(ビヴァリー・
 ウィッシュバーン)。





 「サラダも食べてね、
 お嬢さま♪」
 固まっちゃってるのが
 エミリー(キャロル・
 オーマット)。







 「誘惑するのも得意ですのよ♪」
 困ってるのがピーター
 (クイン・K・レデカー)。







 「アァァ、ウアァァァ!!」
 白痴の兄ラルフ
 (シド・へイグ)。







 ジル嬢の二刀流シーン!
 ここは必見、
 確実に惚れます!!







     Naboer



    (2005)デンマーク/スウェーデン/ノルウェー 
    出演…クリストファー・ヨーネル、セシリー・A・モ
         スリ、ジュリア・シャハト
    監督…ポール・シュレットアウネ
    ★★★☆




〔ストーリー〕
 恋人と別れたばかりのジョン。傷心の痛手もままならないうちに、別れた恋人・イングリットが荷物をとりにもどってくる。ジョンはまだ彼女に未練があるのだが、イングリットはそっけなく帰ってしまう。そんなとき、アパートの隣室に住んでいるらしいアンネという若い女性に声をかけられて、部屋に招かれることになるのだが…
 

 北欧からやってきた、質の高いミステリー・ホラーをご紹介します。いやー、これはおもしろかったです!! ちなみに英語タイトルは「Next Door」、邦題では「ネクスト・ドア」となっています。

 監督のポール・シュレットアウネという方には、コメディ・サスペンス「Junk Mail」(「ジャンク・メール」1996)という作品が過去にあります。この映画を観て、がぜん興味が湧いてしまいました。ぜひ、観たいですね~

 物語は、とあるアパートの一室からはじまります。主人公のジョンを演じるのは、クリストファー・ヨーネル。オープニングから非常に気まずい空気が流れています。ジョンは失恋したばかり、元恋人のイングリット(アナ・バーチェグ)が今日はひさびさに訪ねてきて、荷物をとりにもどってきたのです。
 なんとなーく、気まずく、せつない空間… 挨拶ももどかしいし… でも、イングリットは荷物を見つけるとさっさと出ていってしまい、ひとり残されたジョンは途方に暮れちゃいます。あーあ、どうしてこんなことになっちゃったんだろう。

 と、ここで、エレベーターの中で何度か一緒になったことがある、お隣さんらしい美女・アンネ(セシリー・A・モスリ)と遭遇です。彼女はどことなく傷ついた風情のある、線の細い女性なのですが、スリップの裾がボロボロに擦り切れていたりと、弱冠危険な香りもします。(…真剣につきあっちゃったら、あとでたいへん面倒なことになるタイプ、といった感じでしょうか?) 彼女に 「ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど」 といわれて、人のいいジョンは部屋に入ってしまうのですが…

 登場人物がごくかぎられていて、ほとんどのシーンがジョンとアンネ、アンネの妹でやはり美女のキム(ジュリア・シャハト)の2人、または3人で進みます。舞台もほぼアパート内なんですが、この無機質さ、単調さがじわりじわりと肌に迫ってくるというか、見えないナゾを増していきます。彼らがいるのは狭いアパート、でも、なぜか観ているうちに、脳内でどんどん拡大されてしまい(?)、頭の中はまるで迷路のよう。鍵もたくさん出てくるし! さて、コケティッシュで傷ついた魅力を覗かせる、奇妙な美人姉妹たちの目的とは…??

 中盤、かなりショッキングな暴力シーンがあるのですが、不気味だったり、不快だったりというよりは、圧倒されてしまいます。なによりも、映画の作り自体が非常に心地よいので、スムーズにその流れに乗ってしまう感じ。そして、気がついたら… いえいえ、あんまり余計なことはいいません。この作品に関していえば、とりあえずご覧になっていただかないと~!

 真新しいことはなにもないんですが、これはよく練られた脚本、キャスティング、優秀なスタッフたちという黄金比率から生まれた勝利の作品だと思います。
「ごくかぎられた登場人物、舞台」 という設定が与えられたうえでの、見事なトリックを生みだしたお手本のような作品ですね。













 言葉も巧みにジョンを惑わす
 アンネ(セシリー・A・モスリ)。
 







 妹のキム(ジュリア・シャハト)。
 おなじタイプの美人さんです。
 病んでる雰囲気がまた、妙に
 色っぽかったり…









 ふたたび誘惑…
 ジョン、どうする??




部屋を出ようとしたら、鍵を閉められてとじこめられちゃった!!
(注:片づけられない女性の部屋ではありません)






 
     Pathology



    (2008)アメリカ
    出演…マイロ・ヴィンティミリア、マイケル・ウェス
         トン、ローレン・リー・スミス、ジョニー・
         ウィトウァース
    監督…マルク・ショーラーマン
    ★★★


〔ストーリー〕
 ハーバード大学を主席で卒業した医学生のテッドは、ある少年の検視から難事件を解決した秀才児。フィラデルフィアの大学病院に招かれて研修をはじめるが、そこにはグリフィン、ジェイクをはじめとするエリート集団グループがいて、テッドが特別扱いされることを歓迎しない。ある晩ジェイクに誘われて彼らと酒を飲み、そのままあやしげな売春宿へと連れていかれてしまう。翌日、解剖台にのっていた検体は、昨晩売春宿で見かけた用心棒の男だった…!!


 巷でドクハラが話題になったり、医療に従事する人間が患者を殺しちゃったりと、とても絵空事とは思えないような作品の登場です。オープニングからも、不快感た~っぷりなんですよ。医学生たちが検体相手にバカっぽく遊んでで、「死体と遊ぶな子供たち!」と、思わず突っこみたくなるような、全編そんな感じの映画でした。

 主人公のテッドには、「HEROSE/ヒーローズ」でブレイクした、マイロ・ヴィンティミリア。ほかに、テッドの婚約者にアリッサ・ミラノが出ていたり、ラリー・ドレイクが出ていたりして、トレイラーからもかなり期待していた作品だったのですが…
 うん~、いろんな意味で非常に残念な映画でした。テーマも時代性にあっているし、撮り方しだいではかなりおもしろくなったと思うんですけどねー…
 まずは内容からご紹介します。

 テッド(マイロ・ヴィンティミリア)は頭脳明晰な医学生。難事件を解決に導いたことを買われて、フィラデルフィアの難関大学に招かれて、新たにインターンとして研修をはじめます。そこには、選民意識たっぷりのグリフィン(ジョニー・ウィトウァース)、ちょっとクセのあるジェイク(マイケル・ウェストン)、美女のジュリエット(ローレン・リー・スミス)… といったメンバーが構成する、エリート集団5人衆がいました。彼らは初日から、テッドを邪魔者あつかいします。いじめます。ようするに、テッドが注目されるのが気に入らないんですね。

 しかし、ある晩ジェイクからお誘いが。ここは仲よくなっておこうとテッドも承諾して、みんなで酒を飲みにいきます。「なーんだ、話せばそんなに悪いヤツラじゃないな…」 などど思っているうちに、気がついたらあやしげな売春宿へ。オエッと吐いちゃってる間に、意識がフェイドアウト。

 そして翌日、解剖台の上には見覚えのある男が…
ここから、世にもおそろしいスリラーがはじまっちゃうのです。

 この作品の非常に残念な点は、全体として焦点がぼやけていて、ストーリーがちょっと掴みにくい点です。最新医学への探究心、向上心などから道をそれてしまう、引きかえせなくなってしまう… という構図は、よーく理解できるのですが、いかんせん、骨組みが弱い。ごくフツーの人間が犯罪へとシフトするには、それなりの理由、動機づけ、いわば 「カリスマの存在」 などが必要不可欠だと思うのですが、そういうのを感じさせてくれる人物がいないのがさみしかったでしょうか…?

 また、編集もちょっと荒いんじゃないかな? と、思わせる場面もいくつかありました。唐突なストーリー展開に観客は引きつけられるというよりも、たぶんびっくりしてしまう(!)と思います。(まあ、それはそれでまた、意外性でもあるのですが…)
 おそらく、「医学生たちが危険なゲームに没頭する世界」 を描くために、アブノーマル、自己陶酔、肥大化した自我、研究欲… などといったキーワードを意欲的に盛りこみすぎてしまったために、肝心のお話がぼけてしまったのだと思います。

 でも、こういう作品は正直きらいじゃないです。
それから、CGをいっさい使っていない解剖シーンのオンパレードは、そういうのが弱い人にはちょっときびしいかもしれません。現実の医学生も、こんな感じですかねー、やっぱり?






頭脳明晰な、超エリート集団結集!
医療に従事していくうちに、自分が “神” のような存在になったと錯覚してしまい、
「人の死」 さえも操るようになってしまいます。









 テッド(マイロ・ヴィンティミリア)
 と、婚約者のグウェン
 (アリッサ・ミラノ)。







 グリフィン役のジョニー・ウィト
 ウァース。








 ジュリエット(ローレン・リー・ス
 ミス)は、テッドに個人的に
 興味をおぼえて…












 検視ゲームのはじまり!
 これが現実だったら
 イヤだな~…!!







     The Langoliers



    (1995)アメリカ
    出演…デヴィット・モース、パトリシア・ウェティ
         グ、マーク・リンゼイ・チャップマン、ケイ
         ト・メイバリー、ブロンソン・ピンチョット
    監督…トム・ホランド
    ★★★☆



〔ストーリー〕
 ロスからボストンへとむかう、アメリカン・プライド29便。その日パイロットのブライアンは、別れた妻の悲報を胸に29便に乗りこんだ。ひとつ気になる天候は、モハーヴェ砂漠に虹が出ているということ。夜間飛行のため、乗客の何人かは眠りにつき、ブライアンはオートパイロットに切り替えてしばしの休息をとる… と、盲目の少女ディナの鋭い悲鳴で、突如眠りは妨げられた。なんと、客員のほとんどが忽然と姿を消してしまっていたのだ! 残ったのはたった11人。そして、29便が目指す地上にはいったいなにが…?!


 ひさしぶりに鑑賞しなおしてみましたが、いや~、これはおもしろい!
キング御大の『ランゴリアーズ』です。

 この作品、じつは本国では4編のノヴェラが収録されていまして、ぜひ映像化希望♪ の『図書館警察』、『サン・ドッグ』、そしてジョニー・デップ主演(「Secret Window」(「シークレット・ウィンドウ」2004))で話題になりました、『秘密の窓、秘密の庭』があります。
 キングというと、ホラーのイメージが強いですが、じつはSFにも精通している方。十代のころは、それこそSF世界にどっぷりつかった青春時代を送り、初期の短編にもSF作品がよく見られます。(…なお、これの姉妹編といってもいい、短編 『ジョウント』(『神々のワードプロセッサ』所蔵)は必読! テレポーテーションがテーマなのですが、『ランゴリアーズ』に通じる 「時間のパラドックス論理」 があり、ラストの少年の笑い声に総毛立ってしまうこと確実の、超~不気味なお話なのです!)

 内容は、エア・ポケット、通称 “時間の裂け目” に入りこんでしまった乗客たちの未知の恐怖を描くのですが、そこには通常の概念を越える 「奇怪な法則」 がありまして、おそろしいモンスターが潜んでいました… という、お話です。
 時間の流れというのは、ふつう一定方向で、「過去」→ 「現在」→ 「未来」と進みます。ここに偶然の産物で “裂け目” が出現してしまい、落っこちてしまって、進行方向にワープしてしまえば「未来」にいってしまう。だけど、「過去」にもどってしまったら…? という、ちょっと複雑怪奇なミステリー。

 トム・ホランドのこのTV映画も、ほとんど原作通りに進んでいきます。キング作品はとにかく、原作通りがイチバン! とくに、この作品はノヴェラで完成度も高く、映画のほうを先に観てから原作を読むと、まるで脚本を読んでいるような錯覚に陥るかもしれません。

 キャラクターたちもそれぞれ個性豊かで楽しいです。
 キャプテンのブライアンを演じるのは、デヴィット・モース。彼はフライト直前に、元妻の悲報を受けとってしまいます。悲しみを胸に操縦桿を握るのですが…
 盲目の神童少女・ディナには、ケイト・メイバリー。(この娘がまた、すごいんです!) とても不思議な能力を持っているんですが、彼女自身それがなんなのかよくわかっていない、というところも宿命論ですね。本能的に心の声に従って、動揺するみんなを導いていくのですが…
 ディナの面倒を見てくれる女性教師・ローレルには、パトリシア・ウェティグ。彼女はなんと、文通で知り合った男性と会うために29便に乗りこんだのでした…♪
 そして、どことなーく、イケナイ魅力を漂わせるニックには、マーク・リンゼイ・チャップマン。彼にはまた、人にいえない大きな秘密があるのですが…

 ストーリー展開も非常に興味深く、牽引力があり、モンスターはラスト近くまではいっさいあらわれないんですが、出現したときの迫力と爽快感(?)が心地いいです。とくに、トゥーミー役のブロンソン・ピンチョットの、終始イッちゃってる演技には大注目。赤く潤んだ目がヤヴァイ~! 涎垂らすな~! ヘンな声で呻くな~! トゥーミーさんは見るからに問題児なのですが、なぜかランゴリアーズ(モンスター)のことを知っています。さて、その理由とは…??

 なお、原作を読んでいただけると、ニックの秘密がより明らかになるようになっています。(…ある意味正当防衛だったのですが、この悲惨な事件によって、彼は父親から絶縁されてしまい、故郷に帰ることができなくなってしまったのですね)。
 キング・ファンも、そうじゃない方も、まだ未見というなら是非!













 ブライアン役のデヴィット・
 モース(左)。








 女性教師ローレル(パトリシア・
 ウェティグ)と、神々しい能力
 を持つ盲目少女ディナ
 (ケイト・メイバリー)。









 問題児のトゥーミーさん(ブロン
 ソン・ピンチョット)。アナタがい
 るおかげで、大変なことに~!










 異次元空間に迷いこんでしまっ
 た彼らの運命は…??











 ひいぃぃぃ、で、でたーっ!!!










 決死の脱出となるか?!







     Musallat



    (2007)トルコ
    出演…バイケム・カラバス、ブラク・オズキ
         ヴィット、クルトゥルス・サキラゴーギュ
    監督…アルパー・メストキ
    ★★☆


〔ストーリー〕
 工場に勤める青年シャットは、死んだ妻ナーカンがもどってくるという幻影に悩んでいた。そればかりか、時計の秒針が耐えられないほど大きく聞こえたり、自分自身の幻を見たり、危険なフラッシュバックを起こしたりと、精神安定剤を飲んでも、脳検査を受けても事態は改善されない。やがてシャットは、著名な霊媒師ハジの元に助けを求めて訪ねるのだが…


 たとえば、今後も “ホラー先進国” の仲間入りはちょっとむずかしいであろう、インドとか、スウェーデンとか、デンマークとか、メキシコとか… ホラー映画馴れしているわたしたちから見れば、そのいたらなさ加減が微笑ましかったり、もの足りなかったり、たまに理解不能だったり、見覚えのない景色に強い新鮮さを感じてしまうことがあるのですが、この作品も、そんな感想を抱かせる種類のものです。

 トルコ映画ということで、使用される言語も当然トルコ語、語学力のないわたしにはちょ~っとばかしハードルが高すぎたのですが、雰囲気はそれなりに楽しめました。テーマは悪霊憑き、イスラムの古い伝説が元になっているようです。

 主人公のシャット(バイケム・カラバス)は、暗い過去をひきずる病んだ青年。毎晩精神安定剤を服用しているのですが、死んだはずの妻ナーカン(ブラク・オズキヴィット)がおそろしい形相でもどってくるという幻影に悩まされていました。彼の不調はそれだけにとどまらず、絶え間ないフラッシュバック、気がついたらビルの屋上(!)、突然痙攣の発作を起こして昏倒してしまったりと、周囲もだんだん心配するようになってきます。これはもしや、なにか悪いものに憑りつかれているのでは…?
 妻の母親の幻(これがいちばんコワイー!)まで見るようになった彼は、とうとう霊媒師ハジの門を叩くことになるのですが…

 作品全体が暗く、陰鬱な画面で物語が進み、オカルトな雰囲気を盛りあげます。主人公のシャットを演じるバイケム・カラバス、ナーカン役のブラク・オズキヴィットはともに文句のつけどころのない美男美女で、クラシックなホラーのイメージ、地味ながらも格調高さと味わい深さを添えています。
 ストーリーは一応わかりやすい、あるカップルに起こった悲劇なんですが、アメリカに見られるような 「サッパリ起承転結型」 ではなく、そのあたりが好みが分かれるところ… なんでしょうが、オカルト色全面のアイデア・背景などが、こうした画面をふだん見慣れていないわたしたちからすると、逆に新しい。引きこまれてしまいます。

 …とくに、霊媒師ハジが子供を使って霊視する場面が印象的。このシーンでは幽霊はどこにも出現しないのですが、ゾクゾクするほど恐怖を感じさせてくれます。また、あっけらかんとしたストーリー進行、余計な感情を挟まないカメラワークなども、ホラー途上国ならではのものなのでしょうか。

 作品としてはもうすこし改善する余地が見られそうですが、この不気味さ、オリジナリティ、陰鬱なムードなどは、たぶんほかの国には真似できないタイプのものだと思います。(…といいつつも、なんだか、さっそく映画大国アメリカが目をつけそう…!)
 でも、お金ばっかりかけている既視感のある映画と、小品ながらも見たことのない世界が展開される映画だったら、当然後者のほうが興味深いし、おおいに刺激もされますよね~!










 シャットを演じるバイケム・カラ
 バス。(これまたイイ男~♪
 イイ男ファンのみなさんは、
 要チェックですね!)








 ナーカン役のブラク・オズキ
 ヴィット。キレイですね~、
 完璧な女優さん顔の方です。









 幸せな結婚生活になるはず
 が…









 霊媒師ハジ役のクルトゥルス・
 サキラゴーギュ。









 汚れのない子供を使って、霊視
 を試みるのですが…







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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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