個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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『密閉病室』
原題 『The Select』
(1994)
ポール・F・ウィルスン:著
岩瀬孝雄:訳
ハヤカワ文庫NV
〔ストーリー〕
秀才女学生のクインは医者を目指しているが、家が貧しくて学費を払うことができない。唯一のチャンスは、超名門イングラム医大に合格すること。そこは製薬会社が設立した学校で、全米中から選抜された優秀な生徒だけが教育を許される場所、学費も無料という夢のような場所だった。おなじようにイングラムを目標にする幼馴染みのマット、大天才のティムという青年とクインは出会うのだが…
ポール・ウィルスンも訳出されている作品がいっぱいありまして、どれをレビューしようか悩んだんですけど… うーん、そこは本命〈ナイトワールド・サイクル〉シリーズでしょ、という方もいれば、やっぱり 〈始末屋ジャック〉シリーズでしょ! という方もいると思います。もちろんわたしも、どちらも好きですよー♪
この方も、バリ・ウッドとおなじくお医者さんなんですよね。それで、お医者さんが主人公の作品がいくつかありまして… 『触手(タッチ)』 もいいかなーと、思ったんですけど、こちらのほうが内容的にも新しかったので、今回ご紹介しますのは 『密閉病室』。(…余談ですが、『触手』 と似たような作品で、タイトルも似ているんですけど、エルモア・レナードが 『タッチ』 という作品を書いてます。これはジョニー・デップ主演で映画にもなっていますね♪)
ウィルスンは日本にも馴染み深い作家さんですが、いまいち位置づけがむずかしいといいますか、代表作を読んでみますと、うーん? 正直、ほかの大御所ホラー作家のような重厚さとか、リアリティとか、ありません… すいません、でも、たしかにそうなんです!
かといって、けしてつまらなくはないです。〈始末屋ジャック〉シリーズなんか、もう、こってこてのB級懐かしホラーしてまして、わたしなんか新作が出るたびに夢中になって読んでしまいます。短編もなかなかのレベルのものが多いです。
で、この作品、そんなウィルスンにしては、わりと、おおお! な、きっちり硬派な内容なんですよね。ミステリ好きにも訴えるストーリーかと思いますので、オススメしたいです。
ヒロインは、超秀才でボーイッシュな魅力がかわいい女学生クイン。クインは、おなじく秀才の男友だちマットと一緒に、エリートだけが入学を許されるという、イングラム大学を目指しています。
そこは全寮制、学費はタダという夢のような場所。そもそも、医療に役立つためにエリートを育てるわけですから、学費はいただきませんという低姿勢なんですが… うーむ、こっからかなりキナ臭いですよね。
試験前にマットからティムという青年を紹介されて、このティムが、一度本を見ただけですべてを暗記してしまうという大天才(!)であることを知って、ショックを受けるクイン。こんな子がライバルじゃ、当然勝てるわけありませんもんね。
彼女の予想通り、テストで聞いたこともない問題が出題されてしまいます。それは二択なのですが、彼女に答えは想像もつきません。うえーん、どうしよう…!!
すると、彼女に好意を抱きはじめていたティムは、わざとペンを落とし、カンニングさせてしまうのですが…
医学生が主役というと、映画でもドラマでも、必ずエリート思考の、それも鼻持ちならな~い嫌味キャラが登場するんですが、こちらの登場人物たちはごくふつうの秀才な若者たち。とくに、ティムが繊細な青年で、うっかり感情移入して読んでしまうと、後半にちょっとしたストレスを感じてしまうかも…?!
タイトルからある程度想像ついてしまうんですが、けっこうこわいお話しなんですよ。これと非常によく似たストーリーで、「Anatomy」(「アナトミー」2000)という映画があるんですが、わたしはてっきりこの原作から生まれたものと思ってたんですけど… ぜんっぜんちがいましたね!!
いえ、むしろ、こっちの作品のほうが現実的で、非常にいや~なこわさがあります。結末の不気味さもよいです。もしかしたら、現実の世界のどこかにもありそうな内容だから、余計ぞわっとくるんでしょうか?
原題 『The Select』
(1994)
ポール・F・ウィルスン:著
岩瀬孝雄:訳
ハヤカワ文庫NV
〔ストーリー〕
秀才女学生のクインは医者を目指しているが、家が貧しくて学費を払うことができない。唯一のチャンスは、超名門イングラム医大に合格すること。そこは製薬会社が設立した学校で、全米中から選抜された優秀な生徒だけが教育を許される場所、学費も無料という夢のような場所だった。おなじようにイングラムを目標にする幼馴染みのマット、大天才のティムという青年とクインは出会うのだが…
ポール・ウィルスンも訳出されている作品がいっぱいありまして、どれをレビューしようか悩んだんですけど… うーん、そこは本命〈ナイトワールド・サイクル〉シリーズでしょ、という方もいれば、やっぱり 〈始末屋ジャック〉シリーズでしょ! という方もいると思います。もちろんわたしも、どちらも好きですよー♪
この方も、バリ・ウッドとおなじくお医者さんなんですよね。それで、お医者さんが主人公の作品がいくつかありまして… 『触手(タッチ)』 もいいかなーと、思ったんですけど、こちらのほうが内容的にも新しかったので、今回ご紹介しますのは 『密閉病室』。(…余談ですが、『触手』 と似たような作品で、タイトルも似ているんですけど、エルモア・レナードが 『タッチ』 という作品を書いてます。これはジョニー・デップ主演で映画にもなっていますね♪)
ウィルスンは日本にも馴染み深い作家さんですが、いまいち位置づけがむずかしいといいますか、代表作を読んでみますと、うーん? 正直、ほかの大御所ホラー作家のような重厚さとか、リアリティとか、ありません… すいません、でも、たしかにそうなんです!
かといって、けしてつまらなくはないです。〈始末屋ジャック〉シリーズなんか、もう、こってこてのB級懐かしホラーしてまして、わたしなんか新作が出るたびに夢中になって読んでしまいます。短編もなかなかのレベルのものが多いです。
で、この作品、そんなウィルスンにしては、わりと、おおお! な、きっちり硬派な内容なんですよね。ミステリ好きにも訴えるストーリーかと思いますので、オススメしたいです。
ヒロインは、超秀才でボーイッシュな魅力がかわいい女学生クイン。クインは、おなじく秀才の男友だちマットと一緒に、エリートだけが入学を許されるという、イングラム大学を目指しています。
そこは全寮制、学費はタダという夢のような場所。そもそも、医療に役立つためにエリートを育てるわけですから、学費はいただきませんという低姿勢なんですが… うーむ、こっからかなりキナ臭いですよね。
試験前にマットからティムという青年を紹介されて、このティムが、一度本を見ただけですべてを暗記してしまうという大天才(!)であることを知って、ショックを受けるクイン。こんな子がライバルじゃ、当然勝てるわけありませんもんね。
彼女の予想通り、テストで聞いたこともない問題が出題されてしまいます。それは二択なのですが、彼女に答えは想像もつきません。うえーん、どうしよう…!!
すると、彼女に好意を抱きはじめていたティムは、わざとペンを落とし、カンニングさせてしまうのですが…
医学生が主役というと、映画でもドラマでも、必ずエリート思考の、それも鼻持ちならな~い嫌味キャラが登場するんですが、こちらの登場人物たちはごくふつうの秀才な若者たち。とくに、ティムが繊細な青年で、うっかり感情移入して読んでしまうと、後半にちょっとしたストレスを感じてしまうかも…?!
タイトルからある程度想像ついてしまうんですが、けっこうこわいお話しなんですよ。これと非常によく似たストーリーで、「Anatomy」(「アナトミー」2000)という映画があるんですが、わたしはてっきりこの原作から生まれたものと思ってたんですけど… ぜんっぜんちがいましたね!!
いえ、むしろ、こっちの作品のほうが現実的で、非常にいや~なこわさがあります。結末の不気味さもよいです。もしかしたら、現実の世界のどこかにもありそうな内容だから、余計ぞわっとくるんでしょうか?
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Book of Blood
(2008)イギリス
出演…ジョナス・アームストロング
ソフィー・ワード
ポール・ブレア
監督…ジョン・ハリソン
★★☆
〔ストーリー〕
ロンドンの食堂で、とある青年をつけ狙う男。男は青年の〇〇を手に入れるために、さる人物から依頼されていたのだが…
青年サイモン・マクニールによって語られる、驚くべき彼の過去と事件。サイモンは大学で、メアリという超科学を研究する美貌教授と出会う。メアリは助手のレグとともに、そこに住む人間をことごとく狂気に陥れ、惨殺してきたという呪われた屋敷を調査しようとするのだが…
クライヴ・バーカーの 『血の本』 の映画化です!
監督のジョン・ハリソンは、「Tales from the Crypt」(「ハリウッド・ナイトメア」1991~)などのTVシリーズで活躍してきた方のようですね。バーカー作品の映画化は数多くありますけど… 今回はちょっと変わっていまして、〈血の本〉シリーズのオープニングとエンディングを飾る、いわば導入部としめの部分のお話を映画化なんですよね。
こういってはなんですが、映画化にするほどたいした内容も、テーマもなかったような…? それで、たぶん、バーカーの名前とイメージだけを利用して、あとはストーリーをおもしろい感じに膨らませていくのかな? と、思っていたんですが…
これが、ほんと、ま・ん・まなんでびっくりしました!! いや~、まるっきり、あのままのストーリーなんですよ。それ以上でも、それ以下でもなく~(笑)
主人公のサイモンを演じるのは、ジョナス・アームストロング。困り顔で、柔和な雰囲気で、でも身体つきは立派な大人という、年上女性の気をひくタイプみたいです。母性本能をくすぐるのでしょうか。よくわかりませんが。
ミステリアスなサイモンに興味を抱くのが、超科学研究家のメアリ(ソフィー・ワード)。メアリは著名人、おまけに美人です。
彼女は助手のレグ(ポール・ブレア)とともに、トーリントン・プレイス65番地の呪われた屋敷を調査しようと計画します。その屋敷は、これまで住人を発狂させたり、おそろしい方法で惨殺してしまったりと、かなり強力な幽霊屋敷としておそれられていました。呪いの謎も不明のままです。
ある雨の日、街中を車で運転中に、サイモンを見つけるメアリ。以前から彼が気になっていたので、「乗っていかない?」と、声をかけます。しかし、サイモンは彼女の車のタイヤを見るなり、首を横に振って、「運転に気をつけてください、教授」と、いうだけ。その数分後、彼女はほんとうに交通事故を起こしかけて、タイヤがパンクしていることに気づきます。
すっかりサイモンのことが頭を離れなくなってしまったメアリ。彼はほんものの超能力者? 不思議な力があるのかしら…? 彼の性的魅力もあいまって、とうとう幽霊屋敷のことを彼に打ちあけ、調査に協力してくれないかともちかけるのですが…
監督本人も、「これは血まみれの映画ではない」 と、語っていたとおり、なんだかイギリス人が好みそうなゴーストストーリーです。けしてつまらなくはないんですけど、これまでのバーカー作品の映画とくらべてみると、内容的にも、インパクト的にも、ずいぶん弱いかもしれないです。
ということで、今回はいいキャプも見つからなかったので、ぶっちゃけ思いきりネタばらしの方向で! 写真を載せていまーす。
『血の本』てナニ? という無邪気な方のみ、閲覧にご注意くださいね~(↓)。
サイモン役のジョナス・アームストロング。
美貌の心霊研究家を演じる、
ソフィー・ワード。
裏稼業の男がサイモンを
拉致した理由とは…?
なんだか悲惨なことに
なっちゃってますが~!
ひいぃぃぃ、
びろ~んとなってます!!
(2008)イギリス
出演…ジョナス・アームストロング
ソフィー・ワード
ポール・ブレア
監督…ジョン・ハリソン
★★☆
〔ストーリー〕
ロンドンの食堂で、とある青年をつけ狙う男。男は青年の〇〇を手に入れるために、さる人物から依頼されていたのだが…
青年サイモン・マクニールによって語られる、驚くべき彼の過去と事件。サイモンは大学で、メアリという超科学を研究する美貌教授と出会う。メアリは助手のレグとともに、そこに住む人間をことごとく狂気に陥れ、惨殺してきたという呪われた屋敷を調査しようとするのだが…
クライヴ・バーカーの 『血の本』 の映画化です!
監督のジョン・ハリソンは、「Tales from the Crypt」(「ハリウッド・ナイトメア」1991~)などのTVシリーズで活躍してきた方のようですね。バーカー作品の映画化は数多くありますけど… 今回はちょっと変わっていまして、〈血の本〉シリーズのオープニングとエンディングを飾る、いわば導入部としめの部分のお話を映画化なんですよね。
こういってはなんですが、映画化にするほどたいした内容も、テーマもなかったような…? それで、たぶん、バーカーの名前とイメージだけを利用して、あとはストーリーをおもしろい感じに膨らませていくのかな? と、思っていたんですが…
これが、ほんと、ま・ん・まなんでびっくりしました!! いや~、まるっきり、あのままのストーリーなんですよ。それ以上でも、それ以下でもなく~(笑)
主人公のサイモンを演じるのは、ジョナス・アームストロング。困り顔で、柔和な雰囲気で、でも身体つきは立派な大人という、年上女性の気をひくタイプみたいです。母性本能をくすぐるのでしょうか。よくわかりませんが。
ミステリアスなサイモンに興味を抱くのが、超科学研究家のメアリ(ソフィー・ワード)。メアリは著名人、おまけに美人です。
彼女は助手のレグ(ポール・ブレア)とともに、トーリントン・プレイス65番地の呪われた屋敷を調査しようと計画します。その屋敷は、これまで住人を発狂させたり、おそろしい方法で惨殺してしまったりと、かなり強力な幽霊屋敷としておそれられていました。呪いの謎も不明のままです。
ある雨の日、街中を車で運転中に、サイモンを見つけるメアリ。以前から彼が気になっていたので、「乗っていかない?」と、声をかけます。しかし、サイモンは彼女の車のタイヤを見るなり、首を横に振って、「運転に気をつけてください、教授」と、いうだけ。その数分後、彼女はほんとうに交通事故を起こしかけて、タイヤがパンクしていることに気づきます。
すっかりサイモンのことが頭を離れなくなってしまったメアリ。彼はほんものの超能力者? 不思議な力があるのかしら…? 彼の性的魅力もあいまって、とうとう幽霊屋敷のことを彼に打ちあけ、調査に協力してくれないかともちかけるのですが…
監督本人も、「これは血まみれの映画ではない」 と、語っていたとおり、なんだかイギリス人が好みそうなゴーストストーリーです。けしてつまらなくはないんですけど、これまでのバーカー作品の映画とくらべてみると、内容的にも、インパクト的にも、ずいぶん弱いかもしれないです。
ということで、今回はいいキャプも見つからなかったので、ぶっちゃけ思いきりネタばらしの方向で! 写真を載せていまーす。
『血の本』てナニ? という無邪気な方のみ、閲覧にご注意くださいね~(↓)。
サイモン役のジョナス・アームストロング。
美貌の心霊研究家を演じる、
ソフィー・ワード。
裏稼業の男がサイモンを
拉致した理由とは…?
なんだか悲惨なことに
なっちゃってますが~!
ひいぃぃぃ、
びろ~んとなってます!!
Parasomnia
(2008)アメリカ
出演…ディラン・パーセル
シャーリン・ウィルソン
パトリック・キルパトリック
監督…ウィリアム・マローン
★★★☆
〔ストーリー〕
美大生のダニーは、ある日友人のビリーがドラッグで病院に運ばれたと聞き、あわてて駆けつける。だが、当の本人のビリーはけろりとしていて、廊下のいちばん隅の病室に凶悪な殺人犯バイロンが収容されていると、ダニーに刺激的な秘密を打ちあける。興味本位で殺人犯の病室を覗いてみるダニー。と、その隣の病室で眠る美少女に気づき、彼はひと目で恋に堕ちてしまうのだが…
去年いちばん期待していたといっても過言ではない作品が、これです。ウィリアム・マローンの最新作~!!!
マローン監督って、ホラーやSF作品が多いんですけど、これはもともと、B級ホラー&SFオタクな少年だったから! らしいんですよね。
「House on Haunted Hill」(「TATARI/タタリ」1999)も、彼の監督作だったんですよねー。それから、「FeardotCom」(「フィアー・ドット・コム」2002)なんてのもありました。いちばん記憶に新しいのが、〈Master of Horror〉の「The Fair Haired Child」(「閉ざされた場所」2006)でしょうか。
わたしはこの 「閉ざされた場所」 が大好きでして、ホラーなのに余情的な雰囲気がとてもお気に入りでした。結末もよかった。それで、今回の作品は、その余情路線を期待通りにひきついでくれていて、さらに開花させた感じなんですよね。
この監督さんは、こういう路線変更してほんとに大成功だったな~ と、ファンのわたしも大満足ですー♪
物語は、主人公の青年ダニー(ディラン・パーセル)が友人のビリー(ダヴ・ティフェンバッグ)を見舞った病院で、眠れる美少女ローラ(シャーリン・ウィルソン)に恋をしてしまうところからはじまります。
タイトルにもなっている “パラソムニア” とは、「睡眠随伴症」 といって、睡眠中に異常行動(夢遊病とか、寝言とか…)を起こしてしまうことをいうんだそうです。
ローラは深刻なナルコレプシーで、一日中眠りつづけています。そんな彼女にひと目惚れしてしまったダニー、彼女に話しかけたり、音楽を聞かせたりしていると… まあっ、彼女が目を覚ましたではないですか!! これは恋の奇跡??
ですが、医師や病院のスタッフたちの対応は冷淡で事務的、なんだか彼女をこわがらせているようにしか見えません。こんなことで、ほんとうに彼女の病気は治るのか? 思いつめたダニーは、ある晩医師に変装して病院に忍びこみ、彼女を誘拐! 自宅に連れ帰ってしまうのですが…
いやー、恋の力っておそろしいですよね。ですが、前半のローラとダニーの触れあいは、おとぎ話のようにピュアでかわいらしいです。じっさいにこんな娘がいたら、守ってあげたくなっちゃうこと必至でしょうね。なにしろ、世間をまったく知らないので、なにもかもに新鮮な驚きを示してくれちゃうんですよ。アイスクリームひとつでこんなに喜んでくれたら、そりゃ一緒にいて楽しいですって!!
ですが、彼女の眠り癖は治らず、なおかつ、おそろしい悪夢に悩まされていました。その悪夢の世界では、彼女を呼ぶ不気味な男の声がして…??
トレイラーから、もうちょっと複雑な方向にいくのかなーと、思っていましたら、そうでもなくて、わりと単純なお話です。ですが、「閉ざされた場所」 にひきつづき、ファンタジックで余情的な世界観はうつくしいです。
ローラの悪夢世界は「Hellraiser 2: Hellbound」(「ヘルレイザー2」1988)のラビリンスのようですし、ダニーの友人のビリーは、オートマタ作家なんですよ。このオートマタたちが、後半になって大活躍します。音楽もいいんですよね~、不条理なラブストーリーをグイグイ盛りあげてくれます。
こういうお話、どこかで聞いたことがあるような… と、考えてみたら、そうか! 「白鳥の湖」とか「ラプンツェル」とか、みなさんもお馴染みのヒロイン・ファンタジーなんですよね。
邪悪な呪いをかけられてしまった眠れる森の美女がローラ、彼女に恋をした王子がダニー、ふたりの愛を試そうとする悪魔が、殺人鬼のバイロン(パトリック・キルパトリック)なんですねー。さあ、ふたりの危険な恋の行方はいかに…??
ダニー役のディラン・パーセルは、ギャレット刑事役で出演しているジェフリー・コムスに心なしか似ています。ちょうど2人のシーンがあるんですけど、やっぱり似ていました(笑)。
それから、バイロン役のパトリック・キルパトリック(← 印象的な名前ですよね?)も不気味でよかったです。至上最強の殺人鬼を演じていまして、レクター博士といい勝負になりそうです。
ヒロインのローラ役のシャーリン・ウィルソンは、キルスティン・ダンストっぽい女の子。いえ、かわいいですよ!
たぶん、ひいき目も入っちゃってるかと思いますが、こういうの、大好きなんですよ。やっぱりいいですよね~、ホラーでファンタジーでセンチメンタルって、ほんと最高じゃないですか!
ローラ役のシャーリン・ウィルソン。
かわいいですね。
恋に血迷う青年、
ダニー!
ローラの悪夢の世界では、
なにが彼女を呼ぶ…?
コムスさん健在!!
コムスさんが殺人鬼でも
よかったかも…??
バイロン役のP・
キルパトリック。
目がこわいよ~
オートマタ好き必見!
いろんな人形が
出てきます!
(2008)アメリカ
出演…ディラン・パーセル
シャーリン・ウィルソン
パトリック・キルパトリック
監督…ウィリアム・マローン
★★★☆
〔ストーリー〕
美大生のダニーは、ある日友人のビリーがドラッグで病院に運ばれたと聞き、あわてて駆けつける。だが、当の本人のビリーはけろりとしていて、廊下のいちばん隅の病室に凶悪な殺人犯バイロンが収容されていると、ダニーに刺激的な秘密を打ちあける。興味本位で殺人犯の病室を覗いてみるダニー。と、その隣の病室で眠る美少女に気づき、彼はひと目で恋に堕ちてしまうのだが…
去年いちばん期待していたといっても過言ではない作品が、これです。ウィリアム・マローンの最新作~!!!
マローン監督って、ホラーやSF作品が多いんですけど、これはもともと、B級ホラー&SFオタクな少年だったから! らしいんですよね。
「House on Haunted Hill」(「TATARI/タタリ」1999)も、彼の監督作だったんですよねー。それから、「FeardotCom」(「フィアー・ドット・コム」2002)なんてのもありました。いちばん記憶に新しいのが、〈Master of Horror〉の「The Fair Haired Child」(「閉ざされた場所」2006)でしょうか。
わたしはこの 「閉ざされた場所」 が大好きでして、ホラーなのに余情的な雰囲気がとてもお気に入りでした。結末もよかった。それで、今回の作品は、その余情路線を期待通りにひきついでくれていて、さらに開花させた感じなんですよね。
この監督さんは、こういう路線変更してほんとに大成功だったな~ と、ファンのわたしも大満足ですー♪
物語は、主人公の青年ダニー(ディラン・パーセル)が友人のビリー(ダヴ・ティフェンバッグ)を見舞った病院で、眠れる美少女ローラ(シャーリン・ウィルソン)に恋をしてしまうところからはじまります。
タイトルにもなっている “パラソムニア” とは、「睡眠随伴症」 といって、睡眠中に異常行動(夢遊病とか、寝言とか…)を起こしてしまうことをいうんだそうです。
ローラは深刻なナルコレプシーで、一日中眠りつづけています。そんな彼女にひと目惚れしてしまったダニー、彼女に話しかけたり、音楽を聞かせたりしていると… まあっ、彼女が目を覚ましたではないですか!! これは恋の奇跡??
ですが、医師や病院のスタッフたちの対応は冷淡で事務的、なんだか彼女をこわがらせているようにしか見えません。こんなことで、ほんとうに彼女の病気は治るのか? 思いつめたダニーは、ある晩医師に変装して病院に忍びこみ、彼女を誘拐! 自宅に連れ帰ってしまうのですが…
いやー、恋の力っておそろしいですよね。ですが、前半のローラとダニーの触れあいは、おとぎ話のようにピュアでかわいらしいです。じっさいにこんな娘がいたら、守ってあげたくなっちゃうこと必至でしょうね。なにしろ、世間をまったく知らないので、なにもかもに新鮮な驚きを示してくれちゃうんですよ。アイスクリームひとつでこんなに喜んでくれたら、そりゃ一緒にいて楽しいですって!!
ですが、彼女の眠り癖は治らず、なおかつ、おそろしい悪夢に悩まされていました。その悪夢の世界では、彼女を呼ぶ不気味な男の声がして…??
トレイラーから、もうちょっと複雑な方向にいくのかなーと、思っていましたら、そうでもなくて、わりと単純なお話です。ですが、「閉ざされた場所」 にひきつづき、ファンタジックで余情的な世界観はうつくしいです。
ローラの悪夢世界は「Hellraiser 2: Hellbound」(「ヘルレイザー2」1988)のラビリンスのようですし、ダニーの友人のビリーは、オートマタ作家なんですよ。このオートマタたちが、後半になって大活躍します。音楽もいいんですよね~、不条理なラブストーリーをグイグイ盛りあげてくれます。
こういうお話、どこかで聞いたことがあるような… と、考えてみたら、そうか! 「白鳥の湖」とか「ラプンツェル」とか、みなさんもお馴染みのヒロイン・ファンタジーなんですよね。
邪悪な呪いをかけられてしまった眠れる森の美女がローラ、彼女に恋をした王子がダニー、ふたりの愛を試そうとする悪魔が、殺人鬼のバイロン(パトリック・キルパトリック)なんですねー。さあ、ふたりの危険な恋の行方はいかに…??
ダニー役のディラン・パーセルは、ギャレット刑事役で出演しているジェフリー・コムスに心なしか似ています。ちょうど2人のシーンがあるんですけど、やっぱり似ていました(笑)。
それから、バイロン役のパトリック・キルパトリック(← 印象的な名前ですよね?)も不気味でよかったです。至上最強の殺人鬼を演じていまして、レクター博士といい勝負になりそうです。
ヒロインのローラ役のシャーリン・ウィルソンは、キルスティン・ダンストっぽい女の子。いえ、かわいいですよ!
たぶん、ひいき目も入っちゃってるかと思いますが、こういうの、大好きなんですよ。やっぱりいいですよね~、ホラーでファンタジーでセンチメンタルって、ほんと最高じゃないですか!
ローラ役のシャーリン・ウィルソン。
かわいいですね。
恋に血迷う青年、
ダニー!
ローラの悪夢の世界では、
なにが彼女を呼ぶ…?
コムスさん健在!!
コムスさんが殺人鬼でも
よかったかも…??
バイロン役のP・
キルパトリック。
目がこわいよ~
オートマタ好き必見!
いろんな人形が
出てきます!
The Devil's Chair
(2006)イギリス
出演…アンドリュー・ハワード
デヴィット・ガント
エリーズ・デュ・トワ
監督…アダム・メイスン
★★★
〔ストーリー〕
ニックはガールフレンドのサミーと廃屋に忍びこみ、そこでドラッグをキメて、お楽しみにふけろうとする…と、拘束具のついた古ぼけた椅子を発見。しかし、突然その椅子が座っていたサミーを捕らえて、彼女は苦痛の悲鳴をあげはじめる!!ニックは彼女を助けようとするが、なぜか身体が思うように動かない。そして、気づいたらサミーは消えていた…
サミー殺害容疑で精神病院に入っていたニック。数年ぶりに病院を出ると、ウィラード博士という初老の男から、事件についてくわしく聞かせてほしいと頼まれるが…
以前から気になっていた作品なのですが、あらすじからして、どうも、なんといいますか、そんな内容ですか…? と、手が進まなかったのですが…
いざ鑑賞してみましたら、お、お、おんもしろいじゃないですかー!!
すっかり興奮してしまって、さっそくレビューです。邦題では、「悪魔の椅子」になっています。
現実にイギリスのとあるパブで、「座ったら死ぬ」といわれている椅子があるんですよ。おもしろがって座った客がほんとうに死んでしまって、いまではだれも座れないようにと、天井に吊るしてあるんだそうです。
その話がモデルになっているのかどうかはわかりませんが、これはまさしく、椅子ホラー。椅子ホラー…? ぜったい 「なにソレ…?」 とか、思ってしまうでしょ。わたしだって、「なんて規模のちっさい~」と、思ってましたよ、ええー、大きなまちがいでした!! よく知りもせずに、ごめんなさい!!
アダム・メイソンというと、「Broken」(「JIGSAW/デッド・オア・アライブ」2006)の監督さんだったのですね。わたしはこの作品は未見なのですが、こちらでヒロインを演じたナディア・ブロンドが、今回は女医役としてちらっと出演しています。脚本に協力したサイモン・ボーイズもおなじですね。最新作には、「Blood River」(2009)、「Luster」(2009)なんて作品もあるんですが。
ストーリーは、ニック・ウェスト(アンドリュー・ハワード)という男の独白からはじまります。
ガールフレンドのサミー(ポリアンナ・ローズ)と廃屋に忍びこみ、拘束具のついた不気味な椅子を発見。ふざけて椅子に座って、いけないことをしていると… 突然拘束具がしまり、サミーをつかまえてしまいます。そして、彼女は血だらけになっていくじゃないですか!! あわてるニック! 役に立たないニック! サミーは助かったと思えて、行方不明になってしまいます…
警察は当然彼の話を信じようとはせず、ニックは精神病院送りに。数年後、無事出所することができたニックの前に、オカルト研究をしているウィラード博士(デヴィット・ガント)という男があらわれます。彼はニックの話に興味をおぼえ、事件現場で調査するのに協力してほしいというのですが…
この調査隊のメンバーが、助手のブレット(マット・ベリー)、レイチェル(エリーズ・
デュ・トワ)、メリッサ(ルイーズ・グリフィス)という、男ひとりに美女2人。なんだかわくわくしてしまいますよねー。美女がそろうと、テンションも自ずとあがります♪
…ええとですねー、どこまでネタばらししていいものか、けっこう悩むんですが… 映画じたいは、いかにもなイギリス風です。まず、音楽がかっこいいです。ときどきストップモーションになって、まるでどこかの新人バンドのPVのような、気取った作りです。ニックの独白が終始つづく様子は、ノワールかな? とも、思わせたり。
未見の方のために、これ以上くわしく書くことはできないのですが、わたしは “これぞホラーだな” と、思いました。いくら子供っぽいといわれようと~、結末が強引だといわれようと~、ホラーはこうでなくっちゃ!!!
そしておそらく、映画としては最低の部類に入る内容なんだと思います。でも、わたしはこういうのは大好きです。すごくいいと思います。スプラッタも後半に入ってから、ガンガンいくんですよ。それでラストがまた、すごく複雑な気分になるんですよねー…
たんなる椅子ホラーかと思っていましたが、いやはや、参りました。役者さんたちの演技も、ほぼパーフェクトなんじゃないでしょうか? これは隠れた一品ではないかと思います。ホラーファンなら、見逃しちゃダメです!!
こちらが問題の椅子。
なんの変哲もない、
ただの気色悪い椅子
ですが…
ニック役のアンド
リュー・ハワード。
ああああ、だから
いわんこっちゃな
い…!!
ひいぃぃぃ、
とんでもないこと
に~!!!!
ギョエェェェー!!!!
これはなんなんですか。。。
(2006)イギリス
出演…アンドリュー・ハワード
デヴィット・ガント
エリーズ・デュ・トワ
監督…アダム・メイスン
★★★
〔ストーリー〕
ニックはガールフレンドのサミーと廃屋に忍びこみ、そこでドラッグをキメて、お楽しみにふけろうとする…と、拘束具のついた古ぼけた椅子を発見。しかし、突然その椅子が座っていたサミーを捕らえて、彼女は苦痛の悲鳴をあげはじめる!!ニックは彼女を助けようとするが、なぜか身体が思うように動かない。そして、気づいたらサミーは消えていた…
サミー殺害容疑で精神病院に入っていたニック。数年ぶりに病院を出ると、ウィラード博士という初老の男から、事件についてくわしく聞かせてほしいと頼まれるが…
以前から気になっていた作品なのですが、あらすじからして、どうも、なんといいますか、そんな内容ですか…? と、手が進まなかったのですが…
いざ鑑賞してみましたら、お、お、おんもしろいじゃないですかー!!
すっかり興奮してしまって、さっそくレビューです。邦題では、「悪魔の椅子」になっています。
現実にイギリスのとあるパブで、「座ったら死ぬ」といわれている椅子があるんですよ。おもしろがって座った客がほんとうに死んでしまって、いまではだれも座れないようにと、天井に吊るしてあるんだそうです。
その話がモデルになっているのかどうかはわかりませんが、これはまさしく、椅子ホラー。椅子ホラー…? ぜったい 「なにソレ…?」 とか、思ってしまうでしょ。わたしだって、「なんて規模のちっさい~」と、思ってましたよ、ええー、大きなまちがいでした!! よく知りもせずに、ごめんなさい!!
アダム・メイソンというと、「Broken」(「JIGSAW/デッド・オア・アライブ」2006)の監督さんだったのですね。わたしはこの作品は未見なのですが、こちらでヒロインを演じたナディア・ブロンドが、今回は女医役としてちらっと出演しています。脚本に協力したサイモン・ボーイズもおなじですね。最新作には、「Blood River」(2009)、「Luster」(2009)なんて作品もあるんですが。
ストーリーは、ニック・ウェスト(アンドリュー・ハワード)という男の独白からはじまります。
ガールフレンドのサミー(ポリアンナ・ローズ)と廃屋に忍びこみ、拘束具のついた不気味な椅子を発見。ふざけて椅子に座って、いけないことをしていると… 突然拘束具がしまり、サミーをつかまえてしまいます。そして、彼女は血だらけになっていくじゃないですか!! あわてるニック! 役に立たないニック! サミーは助かったと思えて、行方不明になってしまいます…
警察は当然彼の話を信じようとはせず、ニックは精神病院送りに。数年後、無事出所することができたニックの前に、オカルト研究をしているウィラード博士(デヴィット・ガント)という男があらわれます。彼はニックの話に興味をおぼえ、事件現場で調査するのに協力してほしいというのですが…
この調査隊のメンバーが、助手のブレット(マット・ベリー)、レイチェル(エリーズ・
デュ・トワ)、メリッサ(ルイーズ・グリフィス)という、男ひとりに美女2人。なんだかわくわくしてしまいますよねー。美女がそろうと、テンションも自ずとあがります♪
…ええとですねー、どこまでネタばらししていいものか、けっこう悩むんですが… 映画じたいは、いかにもなイギリス風です。まず、音楽がかっこいいです。ときどきストップモーションになって、まるでどこかの新人バンドのPVのような、気取った作りです。ニックの独白が終始つづく様子は、ノワールかな? とも、思わせたり。
未見の方のために、これ以上くわしく書くことはできないのですが、わたしは “これぞホラーだな” と、思いました。いくら子供っぽいといわれようと~、結末が強引だといわれようと~、ホラーはこうでなくっちゃ!!!
そしておそらく、映画としては最低の部類に入る内容なんだと思います。でも、わたしはこういうのは大好きです。すごくいいと思います。スプラッタも後半に入ってから、ガンガンいくんですよ。それでラストがまた、すごく複雑な気分になるんですよねー…
たんなる椅子ホラーかと思っていましたが、いやはや、参りました。役者さんたちの演技も、ほぼパーフェクトなんじゃないでしょうか? これは隠れた一品ではないかと思います。ホラーファンなら、見逃しちゃダメです!!
こちらが問題の椅子。
なんの変哲もない、
ただの気色悪い椅子
ですが…
ニック役のアンド
リュー・ハワード。
ああああ、だから
いわんこっちゃな
い…!!
ひいぃぃぃ、
とんでもないこと
に~!!!!
ギョエェェェー!!!!
これはなんなんですか。。。
The Dead Girl
(2006)アメリカ
出演…ブリタニー・マーフィー
パイパー・ロウリー
トニ・コレット
監督…カレン・モンクリーフ
★★☆
〔ストーリー〕
身体の不自由な母親と暮らすアーデン。ある日、自宅のそばで少女の死体を発見する。アーデンは少女のネックレスをこっそり持ち帰り、警察に通報するが…
ひとりの少女の死をめぐって、5人の女性のそれぞれの人生が描かれる、ショート・ムービー。
ホラーではないんですけど、ちょっといいかなーと思いましたので、レビューです。
まあ、上記のあらすじからもわかるとおり、監督さんも女性ですから、これはフェミニズム映画なんですよね。
ある売春婦の殺害事件と、事件にかかわった5人の女性の人生の一瞬をきりとった内容なのですが… ショート・ムービーって馴染みがなくて、消化不良の部分が多いんじゃないのかな? とか、思ってたんですが、出来のいいものもあるんですね。
感触からいってしまいますと、すごく良心的。殺人がテーマなわりには、暗黒な部分は描かれません。それもそのはず、この監督さんは最初から、フェミニストの立場として “女性たちの生と性” を描くことが目的だったようです。えーと、ストーリー説明からいきましょうか。
第1話〈The Stranger〉
身体の不自由な母親とふたり暮らしをする、未婚女性のアーデン(トニ・コレット)。遺体の第一発見者になったことで、世間から注目を浴びることになります。母親は冷酷で横暴、端的にいいますと、『キャリー』 のママみたいな意地悪すぎる人、アーデンはつらい生活を強いられていたのですが…
第2話〈The Sister〉
検死官のリー(ローズ・バーン)は、若い女性の遺体が運びこまれてきたことから、10年前に行方不明になった姉のクリスタではないかと疑う。しかし、母親のメローラ(パイパー・ロウリー)は、クリスタの生存をかたくなに信じて耳を貸そうとしない。クリスタがいなくなったことで、リーはじゅうぶんな愛情を注がられず、いまだに精神安定剤を服用する日々なのだが…
第3話〈The Wife〉
つづいて、中高年の夫婦の物語。ルース(メアリー・ベス・ハート)は、夫カール(ニック・サーシー)との関係に悩んでいた。カールは毎晩車で出かけ、彼女とまともに話をしようともしない。ある日、カールの事務所に入ったルースは、奇妙なものを発見するが…
第4話〈The Mother〉
とうとう娘の遺体の身元確認をすませ、手続きを終えたメローラ。娘が住んでいたアパートに出むいてみると、そこにはルームメイトで売春婦のロゼッタ(ケリー・ワシントン)がいた…
第5話〈The Dead Girl〉
クリスタ(ブリタニー・マーフィー)が殺害されるまでの一日。
…とまあ、こんな感じの流れで、物語が淡々と進んでいきます。
たぶん、こういう事件て、世界中に腐るほどあって、それほど注目も浴びずに忘れられていくんでしょうね。でも、事件の当事者たちからすると、人生を左右するほど大きなショックだったり、決定的な分岐点だったりするわけです。
1話目からしてものすごくフェミニズム、3話目も、うーん、やっぱりそうなのか…と、あらためて実感しまして、さて、いちばん大切な、被害者に焦点をあてた最後のス
トーリーなんですが。
これが、肝心の部分をすっかり省いちゃってるんですよね。そりゃ、ホラーじゃありませんから、必要ないといわれればそれまでですけど… これが「Looking for Mr. Goodbar」(「ミスター・グッドバーを探して」1977)みたいな結末だったら、だいぶ印象が変わったと思うんですけどねー。
なんとなくきれいごとすぎる感がなくもないですけど、ありふれた事件の関係者たちの心情を丁寧に、それでいて、あまり力の入っていない雰囲気がいいなと思いました。デッドガール役のブリタニー・マーフィーが、破天荒でやたらキュート。土屋アンナさんみたいです。男だったら確実に惚れそうです。
アーデン役の
トニ・コレット。
泣き顔が印象的な、
ローズ・バーン。
ルースは夫のある秘密
を知ってしまい…!!
メローラ(左)が、
死んだ娘の
アパートを訪ねると…
生前のクリスタ
(ブリタニー・
マーフィー)。
(2006)アメリカ
出演…ブリタニー・マーフィー
パイパー・ロウリー
トニ・コレット
監督…カレン・モンクリーフ
★★☆
〔ストーリー〕
身体の不自由な母親と暮らすアーデン。ある日、自宅のそばで少女の死体を発見する。アーデンは少女のネックレスをこっそり持ち帰り、警察に通報するが…
ひとりの少女の死をめぐって、5人の女性のそれぞれの人生が描かれる、ショート・ムービー。
ホラーではないんですけど、ちょっといいかなーと思いましたので、レビューです。
まあ、上記のあらすじからもわかるとおり、監督さんも女性ですから、これはフェミニズム映画なんですよね。
ある売春婦の殺害事件と、事件にかかわった5人の女性の人生の一瞬をきりとった内容なのですが… ショート・ムービーって馴染みがなくて、消化不良の部分が多いんじゃないのかな? とか、思ってたんですが、出来のいいものもあるんですね。
感触からいってしまいますと、すごく良心的。殺人がテーマなわりには、暗黒な部分は描かれません。それもそのはず、この監督さんは最初から、フェミニストの立場として “女性たちの生と性” を描くことが目的だったようです。えーと、ストーリー説明からいきましょうか。
第1話〈The Stranger〉
身体の不自由な母親とふたり暮らしをする、未婚女性のアーデン(トニ・コレット)。遺体の第一発見者になったことで、世間から注目を浴びることになります。母親は冷酷で横暴、端的にいいますと、『キャリー』 のママみたいな意地悪すぎる人、アーデンはつらい生活を強いられていたのですが…
第2話〈The Sister〉
検死官のリー(ローズ・バーン)は、若い女性の遺体が運びこまれてきたことから、10年前に行方不明になった姉のクリスタではないかと疑う。しかし、母親のメローラ(パイパー・ロウリー)は、クリスタの生存をかたくなに信じて耳を貸そうとしない。クリスタがいなくなったことで、リーはじゅうぶんな愛情を注がられず、いまだに精神安定剤を服用する日々なのだが…
第3話〈The Wife〉
つづいて、中高年の夫婦の物語。ルース(メアリー・ベス・ハート)は、夫カール(ニック・サーシー)との関係に悩んでいた。カールは毎晩車で出かけ、彼女とまともに話をしようともしない。ある日、カールの事務所に入ったルースは、奇妙なものを発見するが…
第4話〈The Mother〉
とうとう娘の遺体の身元確認をすませ、手続きを終えたメローラ。娘が住んでいたアパートに出むいてみると、そこにはルームメイトで売春婦のロゼッタ(ケリー・ワシントン)がいた…
第5話〈The Dead Girl〉
クリスタ(ブリタニー・マーフィー)が殺害されるまでの一日。
…とまあ、こんな感じの流れで、物語が淡々と進んでいきます。
たぶん、こういう事件て、世界中に腐るほどあって、それほど注目も浴びずに忘れられていくんでしょうね。でも、事件の当事者たちからすると、人生を左右するほど大きなショックだったり、決定的な分岐点だったりするわけです。
1話目からしてものすごくフェミニズム、3話目も、うーん、やっぱりそうなのか…と、あらためて実感しまして、さて、いちばん大切な、被害者に焦点をあてた最後のス
トーリーなんですが。
これが、肝心の部分をすっかり省いちゃってるんですよね。そりゃ、ホラーじゃありませんから、必要ないといわれればそれまでですけど… これが「Looking for Mr. Goodbar」(「ミスター・グッドバーを探して」1977)みたいな結末だったら、だいぶ印象が変わったと思うんですけどねー。
なんとなくきれいごとすぎる感がなくもないですけど、ありふれた事件の関係者たちの心情を丁寧に、それでいて、あまり力の入っていない雰囲気がいいなと思いました。デッドガール役のブリタニー・マーフィーが、破天荒でやたらキュート。土屋アンナさんみたいです。男だったら確実に惚れそうです。
アーデン役の
トニ・コレット。
泣き顔が印象的な、
ローズ・バーン。
ルースは夫のある秘密
を知ってしまい…!!
メローラ(左)が、
死んだ娘の
アパートを訪ねると…
生前のクリスタ
(ブリタニー・
マーフィー)。
Blue Sunshine
(1976)アメリカ
出演…ザルマン・キング
デボラ・ウィンタース
マーク・ゴダード
監督…ジェフ・リーバーマン
★★☆
〔ストーリー〕
とある病院で、マークという医師が頭痛に悩まされていた。べつの場所では、ふたりの幼い子供をもつアリスがおなじように頭痛に悩まされ、大量の髪の毛が抜けるのに驚く。また、べつの場所では、警官の妻が夫の同僚に、近ごろ夫の様子が変だと相談しているが…
その夜、ジェリー青年の家では友人を集めてパーティーがひらかれていた。フラニーの陽気な振る舞いをからかおうとして、頭をつかむと… カツラだったことが判明!! フラニーはショックをうけて家を飛びだしてしまう。ジェリーは恋人のアリシアやほかの友人たちを送ったあと、心配になって家を飛び出したフラニーを探しにいくのだが…
ホラーではないのかもしれませんが、ちょっとおもしろかったのでご紹介。邦題では「悪魔の凶暴パニック」なんて、とんでもないことになっています。
ジェフ・リーバーマンという監督さんは、「Squirm」(「スクワーム」1976)を撮った方なんです。あと、「Just Before Dawn」(「序曲・13日の金曜日」1980)なんてのもあります。「スクワーム」、なつかしいですね。後者のほうは、13金シリーズのひとつなんでしょうか。13金シリーズにいまいち思い入れのないわたしには、くわしいことはわからないのですが…
ええとですねー、個人的な感想からいってしまいますと、こういう終末系映画はわたしは大好きなんです。あ、でも、一応終末系なんですけど、それほど終末はしていないです。(…って、なんじゃそりゃ!)まずはストーリー説明から。
主人公の青年ジェリー(ザルマン・キング)の自宅で、古い友人たちを招いてパー
ティーがひらかれています。ジェリーの恋人のアリシア役には、デボラ・ウィンタース。たしかに見覚えのある顔立ちなんですけど、出演作品を見てみますと、知らない映画ばかりです。でも、知的でかわいらしい女優さんです。ほかの女優さんに似ているんでしょうか? やっぱり見覚えがあるような気がするんですけど…
ジェリーたちは楽しく騒いでいるのですが、歌をうたいだしたフラニー(リチャード・クリスタル)をからかおうと、頭をつかんだら… あらまっ!!ズルッといっちゃいまして、カツラだったんですねー、友人たちは、全員絶句! フラニーはなんか大声をあげながら、ジェリーの家を飛びだしてしまいます。
パーティーも終わり、友人たちを見送ったジェリー、気になってフラニーを探しにいきます。すると、林のなかでカツラを発見。そのころ、まだジェリーの家に残っていた3人の女友だちのまえに、血走った目のフラニーがもどってきます。そしてフラニーは彼女たちに襲いかかり、なんと惨殺してしまうのです…!!
物語はここから、殺人容疑をかけられてしまったジェリーと、彼を信じて真相を暴こうと手助けするアリシアの奔走になっていきます。おなじような不可解な殺人事件が起こり、殺人者はやはり、髪の毛が抜けていたことが判明。そして、ジェリーはやがて、「ブルー・サンシャイン」 という謎の言葉と、未来の大統領候補と目される、上院議員のエド・フレミングという男にたどりつくのですが…
どうです? ストーリーだけ聞くと、すっごくおもしろそうでしょう?
たしかにおもしろいんですけど、そのおもしろさはホラー的なものではなく、かなり硬派な展開です。そのため、ホラー度やスリルを期待してしまうと、ややもの足りないでしょうか…?
おなじような内容で、「I Drink Your Blood」(「処刑軍団ザップ」1970)なんて作品もあるんですが、そちらとくらべてみますと、すごくマジメ、物語重視なんですね。なんでも、実話をもとにしているんだとか。まあ、映画で実話うんぬんというのは、あんまり信用できないんですけどね(笑)。「処刑軍団~」は、“狂犬病” が狂気の媒体となっていましたが、こちらの悪魔の正体は…??
主人公の突然の感情爆発(?)や行動なんかが、「…いきなりなに?」と、訊きたくなるほどの唐突さなんですが、物語としてはよくできているほうなんじゃないでしょうか。さっきも書きましたけど、こういう系統の、突然人が狂っちゃう~ 的なホラーは好きなんですよ。いまちょうど、キングの 『セル』 を読んでいる途中なんですが、人が急に狂っちゃうのって、身近な恐怖を誘発するというのか、他人ごとには思えないですよね。
この作品でも、髪の毛が突然抜けだし、暴力的な衝動に駆られていく人々の狂気がなかなか不気味。残念なのは、結末が弱く、ラストのテロップではぐらかされた感があります。が、硬派な物語構成はけっこういいです。
キングの 『セル』 もそうですけど、だれか、ハーバートの 『霧』 を映画化してくれないですかねー。
ポスターの落書きが
いやに不気味です。
のちの惨事を象徴?
ショック!
突然髪の毛が
抜けちゃった!
ジェリー(右)と、
友人の医師
マーク。
ひいぃぃ、
どうしたの???
さらなるおそろしい
事件が…
さらなる坊主が!!
アリシアに迫る危機!!
(1976)アメリカ
出演…ザルマン・キング
デボラ・ウィンタース
マーク・ゴダード
監督…ジェフ・リーバーマン
★★☆
〔ストーリー〕
とある病院で、マークという医師が頭痛に悩まされていた。べつの場所では、ふたりの幼い子供をもつアリスがおなじように頭痛に悩まされ、大量の髪の毛が抜けるのに驚く。また、べつの場所では、警官の妻が夫の同僚に、近ごろ夫の様子が変だと相談しているが…
その夜、ジェリー青年の家では友人を集めてパーティーがひらかれていた。フラニーの陽気な振る舞いをからかおうとして、頭をつかむと… カツラだったことが判明!! フラニーはショックをうけて家を飛びだしてしまう。ジェリーは恋人のアリシアやほかの友人たちを送ったあと、心配になって家を飛び出したフラニーを探しにいくのだが…
ホラーではないのかもしれませんが、ちょっとおもしろかったのでご紹介。邦題では「悪魔の凶暴パニック」なんて、とんでもないことになっています。
ジェフ・リーバーマンという監督さんは、「Squirm」(「スクワーム」1976)を撮った方なんです。あと、「Just Before Dawn」(「序曲・13日の金曜日」1980)なんてのもあります。「スクワーム」、なつかしいですね。後者のほうは、13金シリーズのひとつなんでしょうか。13金シリーズにいまいち思い入れのないわたしには、くわしいことはわからないのですが…
ええとですねー、個人的な感想からいってしまいますと、こういう終末系映画はわたしは大好きなんです。あ、でも、一応終末系なんですけど、それほど終末はしていないです。(…って、なんじゃそりゃ!)まずはストーリー説明から。
主人公の青年ジェリー(ザルマン・キング)の自宅で、古い友人たちを招いてパー
ティーがひらかれています。ジェリーの恋人のアリシア役には、デボラ・ウィンタース。たしかに見覚えのある顔立ちなんですけど、出演作品を見てみますと、知らない映画ばかりです。でも、知的でかわいらしい女優さんです。ほかの女優さんに似ているんでしょうか? やっぱり見覚えがあるような気がするんですけど…
ジェリーたちは楽しく騒いでいるのですが、歌をうたいだしたフラニー(リチャード・クリスタル)をからかおうと、頭をつかんだら… あらまっ!!ズルッといっちゃいまして、カツラだったんですねー、友人たちは、全員絶句! フラニーはなんか大声をあげながら、ジェリーの家を飛びだしてしまいます。
パーティーも終わり、友人たちを見送ったジェリー、気になってフラニーを探しにいきます。すると、林のなかでカツラを発見。そのころ、まだジェリーの家に残っていた3人の女友だちのまえに、血走った目のフラニーがもどってきます。そしてフラニーは彼女たちに襲いかかり、なんと惨殺してしまうのです…!!
物語はここから、殺人容疑をかけられてしまったジェリーと、彼を信じて真相を暴こうと手助けするアリシアの奔走になっていきます。おなじような不可解な殺人事件が起こり、殺人者はやはり、髪の毛が抜けていたことが判明。そして、ジェリーはやがて、「ブルー・サンシャイン」 という謎の言葉と、未来の大統領候補と目される、上院議員のエド・フレミングという男にたどりつくのですが…
どうです? ストーリーだけ聞くと、すっごくおもしろそうでしょう?
たしかにおもしろいんですけど、そのおもしろさはホラー的なものではなく、かなり硬派な展開です。そのため、ホラー度やスリルを期待してしまうと、ややもの足りないでしょうか…?
おなじような内容で、「I Drink Your Blood」(「処刑軍団ザップ」1970)なんて作品もあるんですが、そちらとくらべてみますと、すごくマジメ、物語重視なんですね。なんでも、実話をもとにしているんだとか。まあ、映画で実話うんぬんというのは、あんまり信用できないんですけどね(笑)。「処刑軍団~」は、“狂犬病” が狂気の媒体となっていましたが、こちらの悪魔の正体は…??
主人公の突然の感情爆発(?)や行動なんかが、「…いきなりなに?」と、訊きたくなるほどの唐突さなんですが、物語としてはよくできているほうなんじゃないでしょうか。さっきも書きましたけど、こういう系統の、突然人が狂っちゃう~ 的なホラーは好きなんですよ。いまちょうど、キングの 『セル』 を読んでいる途中なんですが、人が急に狂っちゃうのって、身近な恐怖を誘発するというのか、他人ごとには思えないですよね。
この作品でも、髪の毛が突然抜けだし、暴力的な衝動に駆られていく人々の狂気がなかなか不気味。残念なのは、結末が弱く、ラストのテロップではぐらかされた感があります。が、硬派な物語構成はけっこういいです。
キングの 『セル』 もそうですけど、だれか、ハーバートの 『霧』 を映画化してくれないですかねー。
ポスターの落書きが
いやに不気味です。
のちの惨事を象徴?
ショック!
突然髪の毛が
抜けちゃった!
ジェリー(右)と、
友人の医師
マーク。
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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