個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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『密閉病室』
原題 『The Select』
(1994)
ポール・F・ウィルスン:著
岩瀬孝雄:訳
ハヤカワ文庫NV
〔ストーリー〕
秀才女学生のクインは医者を目指しているが、家が貧しくて学費を払うことができない。唯一のチャンスは、超名門イングラム医大に合格すること。そこは製薬会社が設立した学校で、全米中から選抜された優秀な生徒だけが教育を許される場所、学費も無料という夢のような場所だった。おなじようにイングラムを目標にする幼馴染みのマット、大天才のティムという青年とクインは出会うのだが…
ポール・ウィルスンも訳出されている作品がいっぱいありまして、どれをレビューしようか悩んだんですけど… うーん、そこは本命〈ナイトワールド・サイクル〉シリーズでしょ、という方もいれば、やっぱり 〈始末屋ジャック〉シリーズでしょ! という方もいると思います。もちろんわたしも、どちらも好きですよー♪
この方も、バリ・ウッドとおなじくお医者さんなんですよね。それで、お医者さんが主人公の作品がいくつかありまして… 『触手(タッチ)』 もいいかなーと、思ったんですけど、こちらのほうが内容的にも新しかったので、今回ご紹介しますのは 『密閉病室』。(…余談ですが、『触手』 と似たような作品で、タイトルも似ているんですけど、エルモア・レナードが 『タッチ』 という作品を書いてます。これはジョニー・デップ主演で映画にもなっていますね♪)
ウィルスンは日本にも馴染み深い作家さんですが、いまいち位置づけがむずかしいといいますか、代表作を読んでみますと、うーん? 正直、ほかの大御所ホラー作家のような重厚さとか、リアリティとか、ありません… すいません、でも、たしかにそうなんです!
かといって、けしてつまらなくはないです。〈始末屋ジャック〉シリーズなんか、もう、こってこてのB級懐かしホラーしてまして、わたしなんか新作が出るたびに夢中になって読んでしまいます。短編もなかなかのレベルのものが多いです。
で、この作品、そんなウィルスンにしては、わりと、おおお! な、きっちり硬派な内容なんですよね。ミステリ好きにも訴えるストーリーかと思いますので、オススメしたいです。
ヒロインは、超秀才でボーイッシュな魅力がかわいい女学生クイン。クインは、おなじく秀才の男友だちマットと一緒に、エリートだけが入学を許されるという、イングラム大学を目指しています。
そこは全寮制、学費はタダという夢のような場所。そもそも、医療に役立つためにエリートを育てるわけですから、学費はいただきませんという低姿勢なんですが… うーむ、こっからかなりキナ臭いですよね。
試験前にマットからティムという青年を紹介されて、このティムが、一度本を見ただけですべてを暗記してしまうという大天才(!)であることを知って、ショックを受けるクイン。こんな子がライバルじゃ、当然勝てるわけありませんもんね。
彼女の予想通り、テストで聞いたこともない問題が出題されてしまいます。それは二択なのですが、彼女に答えは想像もつきません。うえーん、どうしよう…!!
すると、彼女に好意を抱きはじめていたティムは、わざとペンを落とし、カンニングさせてしまうのですが…
医学生が主役というと、映画でもドラマでも、必ずエリート思考の、それも鼻持ちならな~い嫌味キャラが登場するんですが、こちらの登場人物たちはごくふつうの秀才な若者たち。とくに、ティムが繊細な青年で、うっかり感情移入して読んでしまうと、後半にちょっとしたストレスを感じてしまうかも…?!
タイトルからある程度想像ついてしまうんですが、けっこうこわいお話しなんですよ。これと非常によく似たストーリーで、「Anatomy」(「アナトミー」2000)という映画があるんですが、わたしはてっきりこの原作から生まれたものと思ってたんですけど… ぜんっぜんちがいましたね!!
いえ、むしろ、こっちの作品のほうが現実的で、非常にいや~なこわさがあります。結末の不気味さもよいです。もしかしたら、現実の世界のどこかにもありそうな内容だから、余計ぞわっとくるんでしょうか?
原題 『The Select』
(1994)
ポール・F・ウィルスン:著
岩瀬孝雄:訳
ハヤカワ文庫NV
〔ストーリー〕
秀才女学生のクインは医者を目指しているが、家が貧しくて学費を払うことができない。唯一のチャンスは、超名門イングラム医大に合格すること。そこは製薬会社が設立した学校で、全米中から選抜された優秀な生徒だけが教育を許される場所、学費も無料という夢のような場所だった。おなじようにイングラムを目標にする幼馴染みのマット、大天才のティムという青年とクインは出会うのだが…
ポール・ウィルスンも訳出されている作品がいっぱいありまして、どれをレビューしようか悩んだんですけど… うーん、そこは本命〈ナイトワールド・サイクル〉シリーズでしょ、という方もいれば、やっぱり 〈始末屋ジャック〉シリーズでしょ! という方もいると思います。もちろんわたしも、どちらも好きですよー♪
この方も、バリ・ウッドとおなじくお医者さんなんですよね。それで、お医者さんが主人公の作品がいくつかありまして… 『触手(タッチ)』 もいいかなーと、思ったんですけど、こちらのほうが内容的にも新しかったので、今回ご紹介しますのは 『密閉病室』。(…余談ですが、『触手』 と似たような作品で、タイトルも似ているんですけど、エルモア・レナードが 『タッチ』 という作品を書いてます。これはジョニー・デップ主演で映画にもなっていますね♪)
ウィルスンは日本にも馴染み深い作家さんですが、いまいち位置づけがむずかしいといいますか、代表作を読んでみますと、うーん? 正直、ほかの大御所ホラー作家のような重厚さとか、リアリティとか、ありません… すいません、でも、たしかにそうなんです!
かといって、けしてつまらなくはないです。〈始末屋ジャック〉シリーズなんか、もう、こってこてのB級懐かしホラーしてまして、わたしなんか新作が出るたびに夢中になって読んでしまいます。短編もなかなかのレベルのものが多いです。
で、この作品、そんなウィルスンにしては、わりと、おおお! な、きっちり硬派な内容なんですよね。ミステリ好きにも訴えるストーリーかと思いますので、オススメしたいです。
ヒロインは、超秀才でボーイッシュな魅力がかわいい女学生クイン。クインは、おなじく秀才の男友だちマットと一緒に、エリートだけが入学を許されるという、イングラム大学を目指しています。
そこは全寮制、学費はタダという夢のような場所。そもそも、医療に役立つためにエリートを育てるわけですから、学費はいただきませんという低姿勢なんですが… うーむ、こっからかなりキナ臭いですよね。
試験前にマットからティムという青年を紹介されて、このティムが、一度本を見ただけですべてを暗記してしまうという大天才(!)であることを知って、ショックを受けるクイン。こんな子がライバルじゃ、当然勝てるわけありませんもんね。
彼女の予想通り、テストで聞いたこともない問題が出題されてしまいます。それは二択なのですが、彼女に答えは想像もつきません。うえーん、どうしよう…!!
すると、彼女に好意を抱きはじめていたティムは、わざとペンを落とし、カンニングさせてしまうのですが…
医学生が主役というと、映画でもドラマでも、必ずエリート思考の、それも鼻持ちならな~い嫌味キャラが登場するんですが、こちらの登場人物たちはごくふつうの秀才な若者たち。とくに、ティムが繊細な青年で、うっかり感情移入して読んでしまうと、後半にちょっとしたストレスを感じてしまうかも…?!
タイトルからある程度想像ついてしまうんですが、けっこうこわいお話しなんですよ。これと非常によく似たストーリーで、「Anatomy」(「アナトミー」2000)という映画があるんですが、わたしはてっきりこの原作から生まれたものと思ってたんですけど… ぜんっぜんちがいましたね!!
いえ、むしろ、こっちの作品のほうが現実的で、非常にいや~なこわさがあります。結末の不気味さもよいです。もしかしたら、現実の世界のどこかにもありそうな内容だから、余計ぞわっとくるんでしょうか?
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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〈好きかも♪〉
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