個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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『湖底の家』
原題『Under The Lake』
(1987)
スチュアート・ウッズ:著
矢野浩三郎:訳
文春文庫
〔ストーリー〕
かつてピューリッツァ賞を受賞した敏腕記者・ハウエルは、いまでは新聞社を辞めて作家修業の身。しかし、私生活はうまくいかず、腰痛に悩まされ、義兄から有名人のゴーストライターの仕事をわけてもらう始末。すっかり落ちこみ、自暴自棄になりながらも、仕事をするために湖畔の町にやってくると…
そこで不可解な現象を目撃し、かつてダム建設に反対していた、アイリッシュ家族の行方不明事件を知るのであった…
警察小説といえば、ウッズ!! ウッズといえば、警察小説~!!
そーなんですよー、あの大傑作、『警察署長』 のスチュアート・ウッズが、なんとゴシック・ホラーも書いていたのです!! ホラーなんですけど、ここはウッズ、かなり構成の巧みなゴースト・ストーリーとなっています。この方の硬派な文章、とても好きなんです。
余談ですが、本作の主人公ハウエルは、『警察署長』 にも登場しています。そのころのハウエル、若くて恰好よかったんですけどねー。
この作品では、すっかり疲れきった中年のおっちゃんとなっちゃってます~
そこがまた、ときの流れを感じさせて哀愁たっぷりなんですけどね。
えーと、物語は、落ちぶれちゃったかつての敏腕記者・ハウエルの出直し計画からはじまります。ハウエルはたいして好きでもない義兄から、頭をさげて仕事をもらうのですが… その仕事もまた、チキンの王者が政界に乗りだすための自伝を書いてほしいという、非常にアホらしいもの。
ハウエル、ほんとはこんな仕事はしたくないのです!! が、すべては金のため!!
プライドを犠牲にしてでも、どうにかしてこの仕事をものにするのでーす!!!
静かな場所で仕事をするためにと、湖畔の別荘まで用意してもらうハウエル。ああ、なにもかも面倒見てもらっちゃって、ほんと面目ないです。オープニングから、この悲壮感がいい味出してるんですよねー。別荘についた瞬間、「ああ、もしかしてオレって、こっから一生帰れないんじゃないかなあ…」 という予感とか、この後の波乱の展開を想像させて、とにかくわくわく♪
事実、とってもこわーいことが待っているのです!!
ホラーなんですけど、人間ドラマとミステリ要素が強い内容です。この小説のこわさの根源は、幽霊そのものではなくて、ダム計画にからんだ、とあるアイリッシュ系一家の失踪事件にあります。
数十年前、とある家族がダム建設に最後まで反対していた。そしてその一家、なんとダムの底に姿を消してしまう… それははたして、事故だったのか、それとも事件だったのか??
うーん、謎めいていて、とっても不気味!!
町の住人にもたくさん秘密がありまして、ハウエルには非協力的。彼の疑念を呼んでしまいます。そしてこれがまた、二重にも、三重にも複雑に絡んできちゃうのです。
ハウエルの前に何度もあらわれる、美少女の幽霊はいったい何者なのか?
謎の言葉、「オコイニーン」の正体とは??
アイリッシュ系一家はだれに殺されたのか??
あんまりくわしくは書けないのですが、これをミステリ好きの方だけに読ませておくにはもったいないと思いまして(!!)、今回レビューしてみました。テイスト的には、エルロイを可能なかぎり品よくした感じ(笑)、っていったら、わかりやすいでしょうか。
ウッズはとても優れた作品を書く小説家でして、最近の小説、『デッド・アイズ』、『LAタイムズ』、『囚人捜査官』なんかも無条件におもしろいのです。
まだ一度も読んでいない方がいましたら、これを機会にぜひぜひ挑戦してみてください!!
原題『Under The Lake』
(1987)
スチュアート・ウッズ:著
矢野浩三郎:訳
文春文庫
〔ストーリー〕
かつてピューリッツァ賞を受賞した敏腕記者・ハウエルは、いまでは新聞社を辞めて作家修業の身。しかし、私生活はうまくいかず、腰痛に悩まされ、義兄から有名人のゴーストライターの仕事をわけてもらう始末。すっかり落ちこみ、自暴自棄になりながらも、仕事をするために湖畔の町にやってくると…
そこで不可解な現象を目撃し、かつてダム建設に反対していた、アイリッシュ家族の行方不明事件を知るのであった…
警察小説といえば、ウッズ!! ウッズといえば、警察小説~!!
そーなんですよー、あの大傑作、『警察署長』 のスチュアート・ウッズが、なんとゴシック・ホラーも書いていたのです!! ホラーなんですけど、ここはウッズ、かなり構成の巧みなゴースト・ストーリーとなっています。この方の硬派な文章、とても好きなんです。
余談ですが、本作の主人公ハウエルは、『警察署長』 にも登場しています。そのころのハウエル、若くて恰好よかったんですけどねー。
この作品では、すっかり疲れきった中年のおっちゃんとなっちゃってます~
そこがまた、ときの流れを感じさせて哀愁たっぷりなんですけどね。
えーと、物語は、落ちぶれちゃったかつての敏腕記者・ハウエルの出直し計画からはじまります。ハウエルはたいして好きでもない義兄から、頭をさげて仕事をもらうのですが… その仕事もまた、チキンの王者が政界に乗りだすための自伝を書いてほしいという、非常にアホらしいもの。
ハウエル、ほんとはこんな仕事はしたくないのです!! が、すべては金のため!!
プライドを犠牲にしてでも、どうにかしてこの仕事をものにするのでーす!!!
静かな場所で仕事をするためにと、湖畔の別荘まで用意してもらうハウエル。ああ、なにもかも面倒見てもらっちゃって、ほんと面目ないです。オープニングから、この悲壮感がいい味出してるんですよねー。別荘についた瞬間、「ああ、もしかしてオレって、こっから一生帰れないんじゃないかなあ…」 という予感とか、この後の波乱の展開を想像させて、とにかくわくわく♪
事実、とってもこわーいことが待っているのです!!
ホラーなんですけど、人間ドラマとミステリ要素が強い内容です。この小説のこわさの根源は、幽霊そのものではなくて、ダム計画にからんだ、とあるアイリッシュ系一家の失踪事件にあります。
数十年前、とある家族がダム建設に最後まで反対していた。そしてその一家、なんとダムの底に姿を消してしまう… それははたして、事故だったのか、それとも事件だったのか??
うーん、謎めいていて、とっても不気味!!
町の住人にもたくさん秘密がありまして、ハウエルには非協力的。彼の疑念を呼んでしまいます。そしてこれがまた、二重にも、三重にも複雑に絡んできちゃうのです。
ハウエルの前に何度もあらわれる、美少女の幽霊はいったい何者なのか?
謎の言葉、「オコイニーン」の正体とは??
アイリッシュ系一家はだれに殺されたのか??
あんまりくわしくは書けないのですが、これをミステリ好きの方だけに読ませておくにはもったいないと思いまして(!!)、今回レビューしてみました。テイスト的には、エルロイを可能なかぎり品よくした感じ(笑)、っていったら、わかりやすいでしょうか。
ウッズはとても優れた作品を書く小説家でして、最近の小説、『デッド・アイズ』、『LAタイムズ』、『囚人捜査官』なんかも無条件におもしろいのです。
まだ一度も読んでいない方がいましたら、これを機会にぜひぜひ挑戦してみてください!!
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
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