個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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The Butcher Boy
(1997)アイルランド/アメリカ
出演…イーモン・オーウェンズ
スティーヴン・リー
フィオナ・ショウ
アラン・ボイル
監督…ニール・ジョーダン
★★★
〔ストーリー〕
1960年代初頭のアイルランド。12才の少年フランシーは、酒飲みの父親、情緒不安定で自殺未遂を繰りかえす母親といった、悲惨な家庭環境を持つ典型的な下層階級の子供。しかし、それでも親友のジョーと秘密基地を作ったり、探検ごっこをしたりと、夢見がちな毎日を過ごしていた。クリスマス後のこと、両親のいさかいに嫌気が差して、ダブリンへちょっとした家出を決行するフランシー。だが、もどってみると、とうとう母親が命を絶ってしまっていた…
今回はわたしの大好きな監督さん、ニール・ジョーダンの「ブッチャーボーイ」をご紹介です!
…この作品、ウラ話がありまして、なんと神戸のアノ事件のせいで、日本公開されなかったんだそうです。ひどい話ですよね~、(「バトルロワイヤル」(2000)のときもそうでしたが)、メディアの是非を判断する人たちって、たいして内容もたしかめずに 「有害」 って決めつけてるんじゃないかな? なんて、わたしは思ってしまいます。
たしかに、ストーリーだけ聞けば、たいへんヤヴァそうな感じなんですが、中身はいえいえ、ぜんぜんちがいます!! この作品はなんと、ファンタジーなのです。ひとりの少年の不遇でハッピーな成長記録を、幻想的に、心やさしく描いた文芸作品なのです。
ジョーダン監督というと、みなさんも大好きな「Interview with the Vimpire: The Vimpire Chronicles」(「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」1994)、そして、初期の傑作「The Company Of Wolves」(「狼の血族」1984)を思い出しますね。後記の作品も、思春期の少女の不安や恐怖を非常にうまく、アートに表現していました。本作は雰囲気的にも、この「狼の血族」 とよく似ています。といいますか、これは少年版 「狼の血族」 なんじゃないかと、はじめて観たときには思ってしまいました。
フランシーはアイルランドの典型的な貧しい子供です。着ているものはボロボロ、家のまわりもボロボロ、教育だって望めない環境に輪をかけて、父親はアル中のろくでなし、母親は精神不安を抱えた自殺未遂者という、恵まれないスタートです。
悲惨ですね~、でも、悲惨な状況にあっても、子供はたくましく、楽観的に生きるもの。大の親友のジョーと一緒に、いつも悪さをして過ごしています。
このフランシーのキャラクターが、「クラスにひとり、あんな子がいたなァ…」 という悪ガキぶりなので、とてもとても、愛着を誘うんです。ちょっと頭が悪くて、乱暴者で、でも本人はいたって純粋(!)なつもり… こういう子って、(カワイソーなんですけど)、立ち回りが悪く、必ず損しちゃうタイプです。絶対大人には好かれません。
そんなフランシーが徐々に悲惨から大悲惨へ、最終的には避けられない残虐行為へと物語が進んでいくのですが、ユーモアもあり、ノスタルジックな描写もふんだんに盛りこまれているので、それほど不快にも、悲劇的にも感じません。なにより、ジョーダン監督の、この “悲惨で要領の悪い子” を愛しむような眼差しが、作品全体に不思議な温かみを与えているのです。
ポスターにも描かれていますが、「豚の頭」は、当然ウィリアム・ゴールディングの 『蝿の王』 のパスティーシュです。そして、フランシーの目前にあらわれるマリア様を演じるのは、シニード・オコナー。 (…そういえば彼女は、独立カトリック教会の女性初の司祭になるくらい、宗教活動に熱心な方でしたっけ!)
ラストに悪ガキにホロッとさせられる、異色の青春映画ではないかと思います。
フランシーを演じるのは、
イーモン・オーウェンズ。
“運の悪い子” 役が
はまりきっています!
フランシーを目の敵にする、
ニュートン夫人(フィオナ・
ショウ)。
ダメな父親(スティーヴン・
リー)でも、フランシーに
とっては大事なパパなん
です!
親友のジョー(アラン・
ボイル)と一緒に、
焼け跡を散策中…
(1997)アイルランド/アメリカ
出演…イーモン・オーウェンズ
スティーヴン・リー
フィオナ・ショウ
アラン・ボイル
監督…ニール・ジョーダン
★★★
〔ストーリー〕
1960年代初頭のアイルランド。12才の少年フランシーは、酒飲みの父親、情緒不安定で自殺未遂を繰りかえす母親といった、悲惨な家庭環境を持つ典型的な下層階級の子供。しかし、それでも親友のジョーと秘密基地を作ったり、探検ごっこをしたりと、夢見がちな毎日を過ごしていた。クリスマス後のこと、両親のいさかいに嫌気が差して、ダブリンへちょっとした家出を決行するフランシー。だが、もどってみると、とうとう母親が命を絶ってしまっていた…
今回はわたしの大好きな監督さん、ニール・ジョーダンの「ブッチャーボーイ」をご紹介です!
…この作品、ウラ話がありまして、なんと神戸のアノ事件のせいで、日本公開されなかったんだそうです。ひどい話ですよね~、(「バトルロワイヤル」(2000)のときもそうでしたが)、メディアの是非を判断する人たちって、たいして内容もたしかめずに 「有害」 って決めつけてるんじゃないかな? なんて、わたしは思ってしまいます。
たしかに、ストーリーだけ聞けば、たいへんヤヴァそうな感じなんですが、中身はいえいえ、ぜんぜんちがいます!! この作品はなんと、ファンタジーなのです。ひとりの少年の不遇でハッピーな成長記録を、幻想的に、心やさしく描いた文芸作品なのです。
ジョーダン監督というと、みなさんも大好きな「Interview with the Vimpire: The Vimpire Chronicles」(「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」1994)、そして、初期の傑作「The Company Of Wolves」(「狼の血族」1984)を思い出しますね。後記の作品も、思春期の少女の不安や恐怖を非常にうまく、アートに表現していました。本作は雰囲気的にも、この「狼の血族」 とよく似ています。といいますか、これは少年版 「狼の血族」 なんじゃないかと、はじめて観たときには思ってしまいました。
フランシーはアイルランドの典型的な貧しい子供です。着ているものはボロボロ、家のまわりもボロボロ、教育だって望めない環境に輪をかけて、父親はアル中のろくでなし、母親は精神不安を抱えた自殺未遂者という、恵まれないスタートです。
悲惨ですね~、でも、悲惨な状況にあっても、子供はたくましく、楽観的に生きるもの。大の親友のジョーと一緒に、いつも悪さをして過ごしています。
このフランシーのキャラクターが、「クラスにひとり、あんな子がいたなァ…」 という悪ガキぶりなので、とてもとても、愛着を誘うんです。ちょっと頭が悪くて、乱暴者で、でも本人はいたって純粋(!)なつもり… こういう子って、(カワイソーなんですけど)、立ち回りが悪く、必ず損しちゃうタイプです。絶対大人には好かれません。
そんなフランシーが徐々に悲惨から大悲惨へ、最終的には避けられない残虐行為へと物語が進んでいくのですが、ユーモアもあり、ノスタルジックな描写もふんだんに盛りこまれているので、それほど不快にも、悲劇的にも感じません。なにより、ジョーダン監督の、この “悲惨で要領の悪い子” を愛しむような眼差しが、作品全体に不思議な温かみを与えているのです。
ポスターにも描かれていますが、「豚の頭」は、当然ウィリアム・ゴールディングの 『蝿の王』 のパスティーシュです。そして、フランシーの目前にあらわれるマリア様を演じるのは、シニード・オコナー。 (…そういえば彼女は、独立カトリック教会の女性初の司祭になるくらい、宗教活動に熱心な方でしたっけ!)
ラストに悪ガキにホロッとさせられる、異色の青春映画ではないかと思います。
フランシーを演じるのは、
イーモン・オーウェンズ。
“運の悪い子” 役が
はまりきっています!
フランシーを目の敵にする、
ニュートン夫人(フィオナ・
ショウ)。
ダメな父親(スティーヴン・
リー)でも、フランシーに
とっては大事なパパなん
です!
親友のジョー(アラン・
ボイル)と一緒に、
焼け跡を散策中…
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無題
連投ですんません。
コレ好きなんですよ~( ^ω^)
以前、何で観たか忘れちゃったんですが(多分WOWOWかと・・・)、その時は吹き替えだったんですね。
なんかDVDも無いようですし。
ソフトが欲しいっす。
コレ好きなんですよ~( ^ω^)
以前、何で観たか忘れちゃったんですが(多分WOWOWかと・・・)、その時は吹き替えだったんですね。
なんかDVDも無いようですし。
ソフトが欲しいっす。
ニール・ジョーダン
私もなんとなく好きです。「インタビュー~」も「クライング・ゲーム」もいいですよね。
これはファンタジーだとは思うんですけど、私には重すぎました。あんまりにも悲惨で…(だいぶ前に見たので内容は忘れつつありますが)。
「狼の血族」CSで録ったんですけど、まだ見てません。楽しみになってきました~!
これはファンタジーだとは思うんですけど、私には重すぎました。あんまりにも悲惨で…(だいぶ前に見たので内容は忘れつつありますが)。
「狼の血族」CSで録ったんですけど、まだ見てません。楽しみになってきました~!
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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