忍者ブログ
個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
[260]  [259]  [258]  [257]  [256]  [255]  [254]  [253]  [252]  [251]  [250
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

   Misery


(1990)アメリカ
出演…ジェームズ・カーン
キャシー・ベイツ
リチャード・ファーンズワース
監督…ロブ・ライナー
★★★☆


〔ストーリー〕
 人気作家のポールは自作のベストセラー小説「ミザリー」シリーズに終止符を打つために、ヒロインの女性ミザリーを死に追いやって、最後の原稿をエージェントに届ける途中で事故に遭ってしまう。猛吹雪のなか、救出してくれたのは元看護婦という女性アニー。しかも彼女は、自分をポールのナンバー・ワンの読者だというのだが…


 キングの「ミザリー」です。
この作品は、非常にこわかった~という思い出があります。
登場人物もきわめて少ないんですけど、キャシー・ベイツの存在感がとにかく圧倒的! キャシーさんが画面に出てくるだけでも、なんだかすごくおっかないことが起こりそうな、そんなイヤな雰囲気プンプンのある意味ソリッド・シチュエーション!!
 
 ストーリーはいたって簡単です。
人気作家のポールが、雪道で交通事故を起こすところから幕をあけます。運よく通行人に発見され、命からがら救出されるポール。相手は看護婦をしていたというアニーという女性で、応急処置は心得たもの、ラッキー 自分はなんて運がイイんだ、
とホッとしたのもつかの間、なんとアニーは、輪をかけたガイキチちゃんだったのです…!!

 この作品のおもしろいところは、作家が囚われの身となってしまうところだと思います。作家なんだから、想像力も逞しいのです。あれこれ思いをめぐらせて、ついにはアニーにいわれるままに、彼女のためだけに小説を書くようになってしまいます。この「物語の中の物語」も、ポールの現状をあらわすべく、暗い、不気味なイメージにとりつかれています。

 みなさんもほとんどご存知だと思うので、ここはトリビアをいくつか。
主人公のポール・シェルダンとは、現実のベストセラー作家、シドニィ・シェルダン(「ゲームの達人」「明日があるなら」… などなど)からきています。劇中で語られる「ミザリー」シリーズをさんざんこきおろすあたり、(ソープオペラばりの三流小説なんです)、文学志向の強いキング節が炸裂していますね。

 また、単行本のみなんですが、カバーをめくると、「ミザリー」の新作の表紙があらわれるという、トリックがほどこされています。このけばけばしい表紙からもわかるように、「ミザリー」はハーレクィン・シリーズみたいなものなんですねー。だからポールは、さっさとミザリーから決別したかったっていう…(笑)
 
 原作は人間の尊厳や自己確立を問うという、けっこう感動的な終わり方をするんですが、ロブ・ライナーのこの作品は最後まで皮肉がきいています。この結末も、「The Green Mile」「グリーンマイル」2000)とすこし似通っていますね。











目覚めると、そこは…!








ポール、お元気?
 








気まずい夕食です…







保安官のバスター
(リチャード・ファーンズ
ワース)。












こちらがポール・シェルダン原作、
「Misery's Return」!







PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
キャシー・ベイツの独断場!
おっしゃるように原作と映画は手触りが
少し違いますね。ミザリーとポールのイメージ
も・・・。シェルダン氏はベストセラー保証協会に
入っていたに違いありません。ディッシュ氏の
ようなアメリカ文学界の宝があんな惨めな晩年
を迎えるなんて協会の陰謀だとしか思えません。
作家の幸せって何なのでしょうね。
奈良の亀母 2008/07/16(Wed)21:35:17 編集
ベイツ印
>亀母さん
キャシーさんのドアップだけでも、うすら寒くなれること必至の傑作!
暑いさなかにぴったりの作品ですね。これと、「シャイニング」は、真夏にぴったりのホラーだと思っています。
ディッシュ氏の事件はほんとうにショッキングでした。作家は書きつづけることが使命だと勝手に思うのですが、それでも人間の弱さとか、凡庸さに負けてしまうときもあるのですね…
だれかがいっていましたけど、ディックとバラードとディッシュだけが、読むに耐える作品を書く人たちだ、なんて言葉もありました。
ななみ 2008/07/17(Thu)15:42:18 編集
シェルダン(^_^)
これは原作も映画も面白かった稀有な例ですね。
ただ原作よりも残酷描写はややソフト?
ポールの名前には笑ってしまいました。いわゆる超訳ってやつですよね。シェルダン作品。「ゲームの達人」「明日があるなら」は言われている通り一気読みでした。わかりやすい登場人物、展開の速さ。かる~いエンタテイメントではありますね。
「治療島」、赤んぼ相手の合間に読んでいるのでなかなか進みません。今のところわけわかめ(死語)な話が続いています。
ユキまま 2008/07/17(Thu)20:45:35 編集
三冊とも読みたい!
「治療島」「ラジオキラー」「前世療法」の三冊
が同じ出版社と訳者さんで出ているんですね。
全部欲しいー!お金貯めないと。ドイツのミステリ
ーは殆ど読んだことがないので楽しみです。
同じドイツ人作家の「深海のYrr」も読み応えが
ありましたが、敵?の正体が分かった時点で
トーンダウンしてしまいました。
奈良の亀母 2008/07/17(Thu)22:09:08 編集
高いですよね~!
>亀母さま
「ラジオキラー」とどちらを買おうか迷いました。「治療島」の書評がすごく気になったのでこちらにしたんですけど…とにかくどれも1500円以上なんてボッタクリですよね(言いすぎ?)。早く文庫化してくれないかな。ドイツの作家さんは私も読むのは初めてかもしれません
ユキまま 2008/07/17(Thu)22:57:00 編集
文庫待ち
>ユキままさん
ユキままさんは、新刊を入手するのが早いですね!
わたしは新聞の書評で気になっていました。
1500円はちょっとキツイ~
文庫になるまで待ちます~
ドイツの作家さんというと? 「香水」を書いたパトリック・ジュースキントはドイツ人だったような…?
ななみ 2008/07/18(Fri)21:33:53 編集
すごいなあ
>亀母さん
三冊も出てるんですねー。
亀母さんも、以前から思っていたんですが、読書の幅が広いですね!
知らない作品名や作家さんの名前がポンポン出てくるので、ずいぶん読みこんでいるんだなあと感心してしまいます。
「深海のYrr」もおもしろそうですね。
ななみ 2008/07/18(Fri)21:41:08 編集
何がジェーンに起こったのか
小説の話題に水を差してしまってすみません。
私も「ミザリー」はとても怖い映画だと思いました。人の妄執ほど恐ろしいものはないですねぇ。同じ系統の作品で「何がジェーンに起こったのか」は未見であればとてもお勧めです。ジョーン・クロフォード、ベティ・デイビスのかけひきは下手なホラー映画よりよっぽど怖いです。
シェルダン氏は「ゲームの達人」「真夜中は別の顔」「明日があるなら」など初期のころは沢山読んでました。特にスペイン戦争を舞台とした「時間の砂」は好きでした。
クロケット URL 2008/07/19(Sat)10:08:04 編集
何がジェーンに起こったのか?
>クロケットさん
「何がジェーンに起こったのか」は、以前からずっと観たいと思っていた作品です!
まだ機会がなくて観ていないのですが、ジョーン・クロフォードとベティ・デイビスの二大スターの共演は、ぜひとも知りたいところ…!!(たしか、現実でも男性をとりあっていたような?)
先日「悪魔のシスター」のリメイクを観たのですが、イマイチでした。でも、オリジナルは未見… 過去の傑作は観ていないものが多いです。
シェルダンというと、わたしはドラマで観た記憶があります。「時間の砂」も観たような…?
ななみ 2008/07/19(Sat)22:32:51 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
<< The Crow  | HOME |  Deadly Friend >>
カレンダー
11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

ホームページ制作浮気調査ホームページ制作会社 東京浮気調査ホームページ制作 千葉ホームページ制作ブログパーツ 動物

最新CM

[03/28 PatlealaRag]
[02/29 あぐもん]
[02/29 あぐまn]
[01/11 わかりません]
[01/01 クロケット]
[10/23 ナマニク]
[10/23 ナマニク]
[10/20 nasu]
[10/17 奈良の亀母]
[10/16 ななみ]
気になる新作!

*A Lonely Place to Die

*Super 8

*Insidious

*The Woman

*Rammbock

*Season of the Wich

*Red Rising

*The Violent Kind

*Red White & Blue

*11-11-11

*The Feed

*Nang Phee

*Scream of the Banshee

*Dylan Dog: Dead of the Night

*Misteri Hantu Selular

*The Silent House

*Who Are You

*I Didn't Come Here to Die

*Famine

*I'm not Jesus Mommy

*Monster Brawl

*Some Guy Who kills People

*Falling Skies

*The Wicker Tree

*Hisss

*ChromSkull: Laid to RestⅡ

*Father's Day

*Drive Angry

*Fertile Ground

*Wake Wood

*Mientras Duermes

*Hobo with a Shotgun

*Atrocious

*KaraK

*Penunggu Istana

*Borre

*The Broken Imago

*Madison Country

*Viy

*Jenglot Pantai Selatan/Beach Creature

*Urban Explorer

*Los Infectados

*Isolation

*2002 Unborn Child

*The Pack

*El Incidente

*Rat Scratch Fever

*4bia
最新記事

(10/16)
(10/11)
(10/07)
(10/04)
(10/01)
(09/30)
(09/29)
(07/17)
(06/29)
(06/19)
ブログ内検索

最新TB

みなさまの足跡
アクセス解析
バーコード
忍者ブログ [PR]

Graphics by Lame Tea / designed by 26℃