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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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  X: The Man With
         X- Ray Eye



1963)アメリカ
出演…レイ・ミランド
ダイアナ・ヴァン・ダー・ヴリス
ジョン・ホイト
監督…ロジャー・コーマン
★★☆


〔ストーリー〕
 人間の視覚は、光の波長の選択すぎない。もし、この選択が増幅すれば、人類の多大なる貢献になるかもしれない。そう考えたエグゼビア博士は、視力向上の新薬開発にいそしむが、動物実験ではたしかに 「透視能力」 が確認できたものの、チンパンジーたちは “見えたもの” に恐怖して発狂してしまう。委員会に急かされた博士は、とうとう自らを実験台にしてしまうのだが…


 ロジャー・コーマンの「X線の眼を持つ男」です。
元祖「B級映画の帝王」 と呼ばれ、ハリウッドで製作してきた作品は100本(!)に及び、10セントたりとも損失しなかったという自叙伝は有名ですね。

 また、彼のところから輩出された有名人は数知れず( …たとえば、ジェームズ・キャメロン、ジョナサン・デミ、コッポラ、ガス・ヴァン・サイト、マーティン・スコセッシ、役者さんだったら、デニーロ、ジャック・ニコルソン、デニス・ホッパー… ああ、ほんとにきりがない!)。

 そんなコーマン製作の本作、とりわけ人気が高いです。低予算ながら、あらゆる娯楽映画の要素が盛りこまれていて、これから映画製作にかかわろうという人たちにも、たいへん参考になる作品だと思います。

 科学者が自らを実験台にして悲劇を招くというパターン、最近のものですと、
「The Fly」(1986)と、「Hollow Man」「インビジブル」2000)がありますね。本作はそれより25年以上もまえに作られたというのに、ただの悲劇にとどまらず、もうひとつ上の段階をいくストーリーになっているところがすばらしいです。

 主人公のエグゼビア博士、新薬の実験台になる決意をするんですが、なんと目薬でこの実験をはじめます。お手軽でイイですね~! 目薬ですよ、目薬! ときどき、「あ、ちょっと失礼」 と、パチパチ点眼するたんびに、視力がえらい向上、パーティーの会場で女性の裸が見えちゃったり、ポーカーでもズルしちゃったり。お約束の展開ですね。
でも、コミカルなのは前半までなんですね。
 
 その後、博士はとある事情により警察に追われる身となりまして、怪しげな見世物小屋に潜伏したりします。そのころからだんだんと、かたときも放さないサングラスが気になって気になって仕方ない、という状況になります。
ようするに、限度を越えてしまったんですね。
そして、“見えざるもの” まで見えてしまうようになったとき、彼自身おそろしいことに気づく…

 ストーリーがすばらしくオリジナリティ溢れるものの、時代的な古さは否めないかもしれません。でも、この宇宙的恐怖はスケールが巨大で、観終わったあとも妙に考えさせられます。

 キングが 『死の舞踏』 でもいってましたが、このエンディングにはつづきがあったのですが、あまりのオゾマシさにカットされてしまったとのこと。真偽のほどはわかりませんが、たしかにストップモーションで終わる結末は不気味です。








当初はすごーく真面目な動機で、
新薬開発に燃えるエグゼビア
博士(レイ・ミランド)。





委員会から派遣された研究員は、
博士の研究に好意的な印象を
持ちますが…





怪しいチャイナ服ですね~、
安あがりなワッペンみたい
なのもイイです!









伝道教会にまぎれこんだ博士は、
いったいなにを見ているのか…!?







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ロジャー・コーマン
キングの「死の舞踏」に書いてあったエンディングの続きにはぞっとしました。
どうせだったらそこまでやって欲しかったですね。
ロジャー・コーマンといえば「赤死病の仮面」「恐怖の振り子」「アッシャー家の惨劇」などのポー原作の映画も雰囲気は好きですね。ビンセント・ブライスがいいのかな。
コーマン門下生も有名人が多いですね。
クロケット 2007/12/15(Sat)21:23:16 編集
今ならレーザーとか使うかしら。
目薬Xなんですね。
最初は出歯亀だったのに・・・。
自分でコントロール出来ない能力は
「呪い」でしかないと思い知らされます。
ラストにさらに続きがあったなんて。
キング「死の舞踏」、図書館にあるかなあ。
奈良の亀母 2007/12/16(Sun)22:22:40 編集
クロケットさん♪と、コーマン♪
わたしもポーの原作のものは大好きです!
「恐怖の振り子」、もう一回観たいなあ…!
ヴィンセント・プライスといったら、「肉の蝋人形」もいいですね。
蝋人形といったら、ダーク・キャッスル。つぎはどの映画のリメイクをしてくれるんでしょう…?(じつは、けっこう楽しみにしてます♪)
ななみ 2007/12/16(Sun)22:57:13 編集
亀母さん♪
『死の舞踏』はけっこう資料的な内容なんで、たぶん図書館にあると思いますよ。
〈映画〉の項目もおもしろかったんですが、やっぱり〈小説〉のところがいちばんよかったです。というか、すごくタメになります。
この作品とても気に入っているので、だれかリメイクしてくれませんかね?
ななみ 2007/12/16(Sun)23:03:00 編集
人形といえば
「肉の蝋人形」いいですねぇ。火事で溶けていく人形がなにより不気味で・・。同じような映画で「生血を吸う女」も蝋人形が出てきていいですよ。最近リメイクされた「チャーリーとチョコレート工場」の人形が焼けるシーンもオマージュなのかな。
人形ものといえば「デビルズゾーン」のマネキン人形、「パペットマスター」シリーズなんか好きです。

>亀母さん
「死の舞踏」を私は近所の古本屋で見つけたので探せばみつかるかも知れません。電話帳みたいな厚さで通勤時に読むには大変ですが・・
クロケット 2007/12/16(Sun)23:27:34 編集
クロケットさん♪♪
「デビルズゾーン」、すっごく観たいです。なにが観たいって、「デビルズゾーン」!
ようつべでトレイラーだけ見たのですが、気持ち悪いですね~。
ストーリーのほうも、かなりカルトな感じですね。といいますか、変化球すぎるといいますか。
来週あたりにでも、遠出して探してみます。
ななみ 2007/12/16(Sun)23:44:07 編集
「デビルズゾーン」
本作を最初に見たのは午後のテレビでした。(テレ東?だったかな)悪魔のいけにえのレザーフェイス風の怪人が超能力で人間を人形に変えてしまうという強烈なインパクトだったので、ずっと探していた作品でした。原題は「TOURIST TRAP」です。DVDは持っています。
クロケット 2007/12/17(Mon)22:10:19 編集
クロケットさん♪うらやましい♪
レアな作品の宝庫じゃないですかー!!
ほんっと、以前はテレビでけっこうイイ作品も放映してたのに、最近はそんなこともめっきり… つまらないですねー。
話は変わりますが、ようつべで「面会時間」という作品を発見したんですが、なかなかおもしろそうだったので、あとで観てみます。
ななみ 2007/12/17(Mon)23:34:39 編集
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 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

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 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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