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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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  『エイミー』



原題 『Amy Girl』
(1989)
バリ・ウッド:著
倉本護:訳
扶桑社文庫


〔ストーリー〕
 酒乱で暴力的な父マイクルから逃れて、母エヴィと暮らしていた美少女エイミー。ある日、エイヴォン化粧品の販売員が家にやってきたことから、悲観的になっていた母は希望を見いだすようになる。エイミーは母の変化を喜び、幸せになれると思った矢先…その晩、マイクルがやってきて、母を殴りはじめた!!とっさに母はエイミーをクローゼットのなかに隠し、外側から鍵をかける。つぎの瞬間、正気を失ったマイクルの一殴が母の顔を陥没させた…!!


 たまには女流作家の傑作を。
お気に入りの作家のひとりです。デビューした年がキングとおなじなんですよねー。作風も似ているかといえば、似ていますかも。ウッドはESP能力をもつヒロイン・ホラーを書きつづけている、心理描写の長けたホラー作家です。

 この作家も、じつはお医者さん。お医者さんが書いた医療ホラーっていうと、F・ポールウィルソンの『タッチ(触手)』がまず有名でしょうか。ホラー以外はよくわからないのですが、ウッドも医療に関する小説を多く書いている様子です。で、デビュー作となった『殺したくないのに』は、純粋なホラーなのですが、医学的見地から超能力が発生する点で、注目すべきところ。このデビューをきっかけに、リリカルなヒロインホラー・シリーズが誕生するのです。

 エイミーは8歳の女の子。父も母も美形同士、当然エイミーも美人ちゃんに生まれるわけですが、世のなかそんなに甘くない。父のマイクルは酒乱で暴力的、いつも母エヴィを殴っていました。そんな父から逃げだして、母とふたりで暮らしはじめるエイミーですが… 歯を叩き折られて入れ歯になってしまったエヴィは、ぬけがらも同然、なにもやる気になれない。エイミーも落ちこんじゃう。

 そんなある日、エイヴォン化粧品のきれいなお姉さんがやってきます。お姉さんはエヴィを見て、「あなたはもっときれいになれるはず」 と、励まします。「わたしといっしょに働いてみない?」 おなじ女性として、エイミー母子に同情しちゃったのですね。これが、エヴィの心を動かすことになります。

 すっかり前むきになったエヴィ、エイミーの生活にも希望の光がさすかと見えて… その晩、酔ったマイクルが家に押しかけてきます。危険を察したエヴィは、エイミーをクローゼットのなかに入れて鍵をかけてしまいます。「ここに隠れてなさい!」 そして、クローゼットの鍵穴からのぞくエイミーの目の前に、おそろしい光景が。マイクルがエヴィを殴り殺してしまうのです!!

 この瞬間、奇妙なできごとが起こります。顔を陥没させたエヴィが、よろよろとエイミーにむかって歩いてこようとするではありませんか… が、エヴィはすでに死んでます。エヴィを動かしたのは、じつはエイミーの潜在能力で、彼女には他人を思いどおりに動かすことのできる超能力があったのです~、という、ショッキングな導入部です。

 デビュー作『殺したくないのに』 も、これとおなじ能力をもつ30代の女性が主人公。本作が10代の少女。つづく『人形の目』では20代(こちらはサイコメトリック能力ですが)、あと、『地下室の亡霊』では40代と、さまざまな年代のESP能力をもつヒロイン・ホラーがあります。

 他人を思いのままに動かすことができる能力 = つまり、ある種の吸血鬼なんですが、この能力をもつそれぞれのヒロイン像がじつに魅力的で、悪魔的。もとい吸血鬼なんだから、(比喩的な意味でね)、きれいであたりまえなんですけどね。
『殺したくない~』 のヒロインが、胎内にいたときのレントゲンによる放射線の影響だったのにくらべて、こちらは遺伝。なので、頭がおかしい(と周囲から認定されている)叔父さんも、じつは能力者。ほかにも、おなじ能力をもつ少年の末路とか、超能力者の悲劇が描かれています。

 すぐれている点は、やはり心理描写。キング好きな人には、まずハズレなしだと思います。『殺したくない~』を押す人のほうが多いですけど、リリカルな少女ホラーとして、わたしはこちらを押したい。あと、以前レビューを書いたマーティン・シェンクの『小さな暗い場所』とも雰囲気が似ていますね。

 みなし子となってしまったエイミー、第一発見者のひとり、殺人課の刑事にひきとられることになります。これはもちろん、エイミーが美少女だったうえ、なにかとくべつな魅力(能力)があったからなのですが… 刑事一家は妻も、おない歳の娘もあたたかく迎えてくれました。ただひとり、ティーンエイジャーの長男パウィーをのぞいては。

 この後、屈折した少年パウィーの、エイミーにたいする壮絶な嫌がらせといじめが見もの。とくに、エイミーが「今度は(またひどいことしたら)…今度は…」と、ベッドでひとり身体を揺するシーンには、鳥肌モノ。物語は、エイミーがパウィーの度重なるいじめに耐えかね、徐々にバランスを失って緊張をはらんだ結末へむかうことになります。

 濃密な心理描写はキングにしか書けないのかと思ってたら、そんなことありませんでした、ちゃんとほかにも書ける人がいます! コネティカットの田舎の描写が涙が出ちゃうくらいきれいで、その後の悪夢のような展開の対比がまたすごい。残酷。バリ・ウッド、いい作家さんなのにな~、ホラーファン以外にはあまり知られていないというのが、とても残念です。とくにこの作品は、いっき読みに最適ですのに。

 あと、ジャック・ギースランドと共著の『双生児』なんてのもあります。こちらは、バーグ先生の「Dead Ringers」「戦慄の絆」1988)の原作といったらわかりやすいでしょうか。どれも古本屋で探してみる価値ありなのです!






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 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

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 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

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 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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