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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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   Chatroom



(2010)イギリス
出演…アーロン・ジョンソン
イモージェン・プーツ
マシュー・ビアード
監督…中田秀夫
★★☆


〔ストーリー〕
 ウィリアムが開設したチャットルームに同世代の若者たちが集まるようになり、美人のエヴァ、気弱なジム、エミリー、モーといった顔見知り同士で親睦を深めていく。
 最初は和気あいあいとした雰囲気だったが、それぞれの秘密を打ちあけるにつれて、それまで抱えてきた不満や鬱憤を現実のものに変えてしまう彼ら。それに、ネット世界はけして楽しいだけの世界ではなかったのだが…


 うーん、どうしようかな~ と迷って、結局レビューしておきます。
あの「リング」(1998)「仄暗い水の底から」(2002)の中田秀夫監督の新作映画です。中田監督、最近もめきめきと活躍されてますよね!

 まず、感想からいっちゃうと、これが十年前の作品だったらけっこうおもしろかったのかもー、なんちゃって。

 チャットルームというアイデアはよいのですがねー、うーむ、しかし、いまさらチャットなんて。。。やってる人いるんですか? というのは、まったくの偏見ですよね、すいません。

 内容的にいうと、ネット世界に耽溺する行き場のない十代の若者たちのいろんな葛藤とか、悩みとか、不満とか、うんぬん。
 ポスターから、すっごいこわい内容かな? とか思っちゃうんですけど、いたってフツーのドラマです。ドラマの出来もまあまあでして、ラストはそれなりに盛りあがります。
でも、やっぱり全体的に古いんですよー、ひーん、勝手なこと書いてごめんなさい。

 ストーリーは、ウィリアム青年(アーロン・ジョンソン)がチャットルームを開設するところからはじまります。ウィリアムがなんでネットおたくになっちゃったかというと、家は裕福なんですけど、家族とうまくいってない。「ネットばかりやってる子→ 暗い・友だちすくない」 この図式からして、すごく日本的なんですが。海外でもほんとにこんな感じなんですか? これにも違和感をおぼえてしまいました。

 ウィリアムのチャットルームに集まってきたのは、エヴァ(イモージェン・プーツ)、ジム(マシュー・ビアード)、エミリー(ハンナ・モーレイ)にモー(ダニエル・カルヤ)。

 彼らは常連さんとなって、みんなで仲よくなっていきます。とくに、孤独で病弱なジムは大切な仲間を得た! みたいな感じになって、どんどんこのチャットに依存するようになる。
 それから、個人的な秘密を打ち明けるうちに、彼らの抑制や理性のたががはずれてしまい、それまで思いもしなかった行動をとるようになってしまう…

 チャットというアイデアはよしとしても、このチャットルームの描き方がいたって凡庸なのですよー。
長い通路にいろんな部屋があって、ここに入ってみると、あ、こんなサイトだったり、こんな掲示板があったり… などと、一応ネット世界を視覚的に描こうとはしているんですが。

 でも、わたしたちがふだん使っているネット世界って、けしてこんな単純なものじゃないハズー!!
申しわけないんですが、ほんと、一四、五年前くらいのネット世界観、なんですよ~

 それに、ネットで知りあった人に本名や素性を素直に打ち明けちゃう人なんて、まずいないと思います。だから、チャットルームと現実世界とで、それぞれ役者さんをわけてくれるとよかったんですけど。。。って、これだと混乱しちゃいますかね? なにぶん素人意見なのですいません。

 ただ、お話的にはよく作られていて、そこらのホラー(厳密にはスリラーですけど)よりは知的でおもしろいです。わたしはラストがとくによいかなと思いました。

 けどねえ。若者たちの仮想世界と現実世界を描こうと思ったら、もっと混沌としていて、気持ち悪くて、痛い内容でもいいはず。
アイデアは知的でも、脚本がいまいちついていけなかったみたい~、そんな作品でした。次回作に期待します。今度はもっとホラーがいいな










主人公の
ウィリアム少年。










チャットルームに5人の
若者が集まるようになり…









彼らはだんだん
仲よくなっていきます。









とくべつな仲間意識も
芽生えていきます。







モーはウィリアムの
危険性に気づきはじめて??







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   The Possession of
      David O'reilly


(2010)イギリス
出演…ジルス・アンダーソン
ゾーイ・リチャーズ
ニコラス・ショウ
監督…アンドリュー・カル
スティーヴ・アイルズ
★★



〔ストーリー〕
 アレックスとケイトのカップルが深夜に帰宅、自宅アパートでくつろいでいると… 玄関チャイムが鳴る。こんな遅い時間にいったいだれだろう? ドアをあけてみると、友人のデイヴィットだった。デイヴィットはアレックスと話がしたいといい、彼を泊めることになるのだが… デイヴィットの様子はどこかおかしく、なにかにおびえているようだった??


 そうとう地味な内容なんですが、地味なりにチョビっとしたおもしろさがあります。
UKホラーって、雰囲気的にも日本映画と似ているところがありますよね。

 ええと、「まずこれは実話じゃ!!」 というテロップが流れます。
映画で実話うんぬん~ て、たいがいどーでもいいことなんですが、この件に関していえば不気味かもしれません。なんだかよくわかんない緊張感と不気味さで、ラストまでダラダラいく映画。

 ロンドンに暮らすアレックス(ニコラス・ショウ)とケイト(ゾーイ・リチャーズ)が自宅アパートでくつろいでいると、突然玄関チャイムが鳴ります。こんな遅い時間に、いったいだれが?? しかし、ドアをあけてみますと、アレックスの古い友人のデイヴィット(ジルス・アンダーソン)でした。

 なーんだ、おまえかよ!! ま、ま、あがれよと、デイヴィットを招くふたり。しかしデイヴィット、なんだか気分が冴えない様子です。落ちこんでます。話してるうちにどんどん鬱になっていっちゃうし、もう遅い時間だし、泊まっていけば? と、誘ったことから… 悪夢のようなできごとに巻きこまれてしまう、というお話。

 このデイヴィット、なんだかよくわかんないものに憑りつかれているんですねー。これはデイヴィットにしか見えず、明かりが落ちたとたんにあらわれる。正体不明のクリーチャーが、この作品の売りにもなっているようです。

 しかし、内容はあくまで地味。

 この地味さが、かえってリアル感を生みだしているかなと思いました。
なんでもない日常風景に、突然異形のものがあらわれる。これがけっこう、こわいんですね~、気色悪いですね!!

 お話的にも、日本の怪談話に共通するところがあるかなと思いました。
わたしなんか、『吉備津の釜』 を思い出しちゃいました。(← これは超絶トラウマ映画です。ビビリまくったあまり、オシッコにいけなくなった思い出があります! なにソレ? 知らないという方は、深夜に調べないほうがいいかと思います~)

 窓の外に化けものを発見したデイヴィット、焦りまくってドアの敷居に塩を撒くところなんかも、あー、塩って海外でも魔よけの意味があるんだ!! と、納得。
それで、デイヴィットに憑りついている悪魔の正体はなんなのか??
ほんとになにか、出現しちゃうの??

 こんな興味をもたせつつ、わりとダラダラ(笑)いく映画と。
でも、わたしはこういうこじんまり系の映画は好きなので、この雰囲気のまんま、お話をひろげて(舞台はひろげずにね)作品を撮ってくれると、けっこう個性的な映画ができるんじゃないかなあーと。

 好き嫌いがわかれるかと思いますが、地味にじわじわ気持ち悪かったりします。
あと、後味もそうとう悪いです。んで、いっさい謎は解明されずに終わると(笑)。









アレックスとケイト。






デイヴィットは様子が
おかしく…?






やっぱり、どこか
様子がおかしく…??






だんだん不安に
なっちゃうケイト。






監視カメラには、
謎の人影が??







   My Soul To Take



(2010)アメリカ
出演…マックス・ティエリオ
ジョン・マガロ
ポーリナ・オリズンスキー
監督…ウェス・クレイヴン
★★★


〔ストーリー〕
 画家のエイベルには7つの人格があった。ある晩、7つ目の人格に支配されてしまったエイベルは、妊娠中の妻を殺害、おそろしい連続殺人を起こして警官によって殺害される。「おれの命日に生まれた子供7人を、必ず道連れにしてやる!!」 という、不気味な言葉を残して。
 それから16年後の現在。
エイベルの命日には彼が復活しないよう、ティーンエイジャーたちが寝ずの番をするというしきたりが守られていた。その年の〈リッパー・デイ〉に生まれたのは、バグ、アレックスをはじめとする7人のティーンたちだった…


 ウェス・クレイヴンの新作です~
劇場では3D公開なのですよね。あーあ、最近はなんでもかんでも3D…

 あのー、楽しみにしてらっしゃる方がいたら申しわけないんですが、うーんと、これはどうにもこうにもこうにも。。。
 非常に評価しずらいです。3Dと聞いた時点で、雲行き怪しかったんですよ。その予想どおりになっちまいました。ここは声を大にしていいたいんですが、なんでもかんでも3Dにするべきじゃないと思います!!!

 わたしなんかは、3Dと聞いたときから警戒して観にいかない観客のひとりです。3D映画、たしかにおもしろいですけど(作品にもよりますけど)、こう安易に作られすぎちゃうと、ショボーンといった結果にもなりかねません…

 だって、ウェス・クレイヴンの新作ですよ。ホラー・ファンなら、期待しないわけにはいかないじゃないですかっ!!
ストーリーからもわかるとおり、「エルム街の悪夢」「スクリーム」みたいな因縁ものの青春スラッシャーなんですよ。タイトルもいいですよね。この意味深なタイトル、もっといかした内容になればよかったんですけどー!!!

 愚痴っても仕方ないので、なんとなく解説から。

 画家のエイベル(ラウル・エスパルザ)は多重人格者。なんでも彼には7つの人格があるらしく、精神科医の指導のもと、どうにかうまく暮らしていたのですが…
 ある晩、もっとも危険な7つ目の人格に支配されてしまいます。そして気がつくと、妊娠中の妻を殺害。すぐさま警察が乗りこんでくるのですが、エイベルは撃たれても復活、ひと晩で数人殺害するというおそろしい事件を起こしてしまいます。

 このエイベル、逮捕はされずに川に落ちて溺れ死んでしまいます。しかし、死ぬ間際、「いつか必ずもどってくるぞ!! そのときには、おれの命日に生まれてきた子供を7人を犠牲にしてやるぞ!!」 という、謎の言葉を残して…

 そして16年後。
エイベルの命日は〈リッパー・デイ〉と名づけられ、ティーンたちが寝ずの番をするというしきたりがありました。その年の命日生まれは、バグ(マックス・ティエリオ)、友人のアレックス(ジョン・マガロ)、頭の弱いいじめっ子のブランドン(ニック・ラシャウェイ)、まじめなペネロペ(ゼナ・グレイ)、かわいいブリタニー(ポーリナ・オリズンスキー)、黒人少年ジェローム(デンゼル・ウティカー)、ジェイ(ジェレミー・チュー)の7人。

 主人公はバグ少年なのですが、彼はちょっと病みかけているといいますか、へんな悪夢にいつもうなされています。そして、多重人格傾向もあると。

 このとおり、ストーリー設定はとてもよいのです。これ、ちゃんと作ってあったら楽しい青春スラッシャーになったんじゃないかなーという、非常に残念な出来なのです。

 敗因はまず、無理な3D設定(笑)。
3Dとなると、どーしても無駄なびっくらかしが多いです。そのため、オープニングからやたらと作中に入りこみにくい。作品じたいも内容どーのこーのいうより、ただ驚かせてやろう!!この一本槍のみなので、なんといいますか、えらい集中しにくい。バラバラな印象。最後まで観るの、ほんとに忍耐力を要しました~~~

 まあ、びっくらかしだけでも、それなりに観れちゃうものなんですけどね。デートムービーには最高なのかな。
ただ、どうしても 「エルム~」 や 「スクリーム」 の優れたホラー性を期待してしまうと、ありゃりゃ、なんでこうなっちゃったの… といった感想です。

 もちろん、それなりに青春ホラーとしてのおもしろい断片はあるんですけど。これが断片すぎちゃいまして、内容的に繋がっていかない。だから、なんか?? ホラー的なシーンをいっぱい見せられた!! といった感じになっちゃうのです。

 う~~~~ん。。。。。

 ウェス・クレイヴンの新作ですから、これ以上評価を低くできませんでした。
いちばん大事なのは、「優れた映画を作る」 = 「ストーリーをきっちり作る!!」 これにかぎると思うんですけど。

 …などと、またまたエラソーなことを書いてみました… すみません…
(でも、こんなんじゃ、テレビ映画のほうがよっぽどおもしろいのがあるかと思(ry)











左からアレックス、
バグ、
ジェローム。









バグは毎晩、
おそろしい幻覚を
見るようになり??









でたー!!
リッパー・エイベル!!








手が黒いっすね…








やっぱ黒いっすね…









スラッシャーといえば、
クローゼット。
これ定番







  ★BOOK REVIEW 一覧★






『16の殺人ファイル』  
 ヒュー・ミラー

『悪を呼ぶ少年』
 トマス・トライオン 
『エイミー』
 バリ・ウッド

『カーリーの歌』
 
 ダン・シモンズ
『気象予報士』 
 スティーヴ・セイヤー
『クリスマスに少女は還る』 
 キャロル・オコンネル
『湖底の家』 
 スチュアート・ウッズ

『サイコメトリック・キラー』
 
 ダイナ・グラシウナス/ジム・スターリン
『殺戮のキャンパス』
 
 リチャード・レイモン
『死者の書』 
 ジョナサン・キャロル
『スワン・ソング』 
 ロバート・R・マキャモン
『戦慄のシャドウファイア』 
 ディーン・R・クーンツ

『小さな暗い場所』
 
 マーティン・シェンク

『テキサス・ナイトランナーズ』
 
 ジョー・R・ランズデール

『廃墟ホテル』
 
 デヴィット・マレル
『果てしなき夜の息子』 
 ジョン・ファリス
『フィーヴァードリーム』 
 ジョージ・R・R・マーティン
『フェイド』 
 ロバート・コーミア

『ミステリー』
 
 ピーター・ストラウヴ
『密閉病棟』 
 ポール・F・ウィルスン






   『湖底の家』




原題『Under The Lake』
(1987)
スチュアート・ウッズ:著
矢野浩三郎:訳
文春文庫


〔ストーリー〕
 かつてピューリッツァ賞を受賞した敏腕記者・ハウエルは、いまでは新聞社を辞めて作家修業の身。しかし、私生活はうまくいかず、腰痛に悩まされ、義兄から有名人のゴーストライターの仕事をわけてもらう始末。すっかり落ちこみ、自暴自棄になりながらも、仕事をするために湖畔の町にやってくると…
 そこで不可解な現象を目撃し、かつてダム建設に反対していた、アイリッシュ家族の行方不明事件を知るのであった…


 警察小説といえば、ウッズ!! ウッズといえば、警察小説~!!

 そーなんですよー、あの大傑作、『警察署長』 のスチュアート・ウッズが、なんとゴシック・ホラーも書いていたのです!! ホラーなんですけど、ここはウッズ、かなり構成の巧みなゴースト・ストーリーとなっています。この方の硬派な文章、とても好きなんです。

 余談ですが、本作の主人公ハウエルは、『警察署長』 にも登場しています。そのころのハウエル、若くて恰好よかったんですけどねー。
この作品では、すっかり疲れきった中年のおっちゃんとなっちゃってます~
そこがまた、ときの流れを感じさせて哀愁たっぷりなんですけどね。

 えーと、物語は、落ちぶれちゃったかつての敏腕記者・ハウエルの出直し計画からはじまります。ハウエルはたいして好きでもない義兄から、頭をさげて仕事をもらうのですが… その仕事もまた、チキンの王者が政界に乗りだすための自伝を書いてほしいという、非常にアホらしいもの。

 ハウエル、ほんとはこんな仕事はしたくないのです!! が、すべては金のため!!
プライドを犠牲にしてでも、どうにかしてこの仕事をものにするのでーす!!!

 静かな場所で仕事をするためにと、湖畔の別荘まで用意してもらうハウエル。ああ、なにもかも面倒見てもらっちゃって、ほんと面目ないです。オープニングから、この悲壮感がいい味出してるんですよねー。別荘についた瞬間、「ああ、もしかしてオレって、こっから一生帰れないんじゃないかなあ…」 という予感とか、この後の波乱の展開を想像させて、とにかくわくわく

 事実、とってもこわーいことが待っているのです!!

 ホラーなんですけど、人間ドラマとミステリ要素が強い内容です。この小説のこわさの根源は、幽霊そのものではなくて、ダム計画にからんだ、とあるアイリッシュ系一家の失踪事件にあります。

 数十年前、とある家族がダム建設に最後まで反対していた。そしてその一家、なんとダムの底に姿を消してしまう… それははたして、事故だったのか、それとも事件だったのか??
 うーん、謎めいていて、とっても不気味!!
町の住人にもたくさん秘密がありまして、ハウエルには非協力的。彼の疑念を呼んでしまいます。そしてこれがまた、二重にも、三重にも複雑に絡んできちゃうのです。

 ハウエルの前に何度もあらわれる、美少女の幽霊はいったい何者なのか?
 謎の言葉、「オコイニーン」の正体とは??
 アイリッシュ系一家はだれに殺されたのか??

 あんまりくわしくは書けないのですが、これをミステリ好きの方だけに読ませておくにはもったいないと思いまして(!!)、今回レビューしてみました。テイスト的には、エルロイを可能なかぎり品よくした感じ(笑)、っていったら、わかりやすいでしょうか。

 ウッズはとても優れた作品を書く小説家でして、最近の小説、『デッド・アイズ』『LAタイムズ』『囚人捜査官』なんかも無条件におもしろいのです。
 まだ一度も読んでいない方がいましたら、これを機会にぜひぜひ挑戦してみてください!!






   The Reef


(2010)オーストラリア
出演…アドリアンネ・ピッカーリング
ダミアン・ウェルシュ・ハウリング
ゾー・ネイヨー
監督…アンドリュー・トラウキ
★★☆


〔ストーリー〕
 イギリス人の四人の男女・ルーク、ケイト、スージー、マットが、旅の途中でグレート・バリア・リーフでヨットセーリングを計画。さっそく船を借りて、船主のウォーレンとともにセーリングに出かける。
 珊瑚礁で海水浴、のんびりセーリングを楽しんでいると… ヨットが突然暗礁に乗りあげて転覆。船は上下さかさまになったまま、絶望的状況に陥ってしまう。焦った彼らは、大海原を泳いで渡ろうという、あまりに無謀な行動を決行するのだが…!!!


 ひさびさの海洋ホラーです。
動物モノは無条件でこわいのですよね。理屈が通じないから。
ちなみに四メートルの巨大ザメが登場します。

 タイトルの 「Reef」 とは、珊瑚礁のこと。みなさんもご存知かと思いますが、珊瑚礁はサメの出没危険海域でもあります。そして、イルカやアザラシが生息する場所は、とくに危険!! たぶん、ほとんどの場所は遊泳禁止になっているかと思います。

 しかしねえー、これだけ海洋ホラーがあるというのに、まだまだ海で泳ごうという気になりますかっ!!

 監督さんのアンドリュー・トラウキ… どっかで聞いたことあるなーと、思ってましたら、なんと「Black Water」「ブラック・ウォーター」2007)の監督さんだったのですよね。
 はい、ここからも想像つきますように、じつに破綻のない、ある意味フツーすぎちゃう海洋ホラーになっちってます。

 お話はとっても簡単、イギリス人旅行者の男女四人組が、バリアリーフでセーリングを計画→ ヨット転覆→ オワタ → と思ったけど、自力で泳げば帰れるんじゃね? と、極限状態に追い詰められるとアホなことを考えてしまう四人組。んで、マジで泳いじゃう~!

 しかし、船主のウォーレンだけは、海のこわさを知っているから、さかさまになった船底に残るといいはります。みなさんもこんな状況になったとき(めったにないとは思いますけど)、彼の行動をお手本にしましょう。運がよければ、きっと助かります。

 こわがらせ方が王道なので、前半からやたらとヒヤヒヤします。わかりやすくいうと、「Jaws」「ジョーズ」1975)の 「さあ、くるぞ、くるぞ~~」 的な煽りで、「Open Water」「オープン・ウォーター」2003)のようなハラハラ人間ドラマもあると。
こういうのって、結末をわかっていても最後まで観ちゃうから始末におえないんですよね。

 だって、本気でこわいですもん!!
殺人鬼ならなんとか対決できそう…(??)ですけど、動物はねー、理屈がいっさい通じませんもんね!! それに彼らは邪悪でも、利己主義でもなく、純粋な本能から餌を狩っているわけです。これじゃあ、どうにもなりませんよね。

 パターン的な演出としますと、
①イヤーな予感
②ほらね、やっぱりその展開!!
うきゃー!!!! なショッキング!!
…といった感じです。ふう。

 だいたいサメというのは、海中を蹴る音によって獲物の居場所を嗅ぎつけるもの。なのに、すっかりパニックに陥ってしまった彼ら、そんなことなど頭に浮かばずバッチャバッチャと泳ぎまくっちゃいます。これじゃ、ほら~、餌はここだよ~、おいしい餌だよ~ と、自分から誘っちゃってるようなもん。
 で、後半からようやくサメが出てくるんですけど、きゃー、サメきたよー!! と、思ってたら、

…はれ? フツーのサメだよね?

 ま、まあ、まだ序盤ですから!! つぎです、つぎのアタックです!!うきゃー、またきたよー!!! と、思ったら、

…はれれ? やっぱフツーのサメだよね…?

 いえいえー、最後にとーんでもないのがくるんです!! すべてはラストにかかっています。ほら、きたよ、きたよう~、うきゃー!!!!! と、思っても、

…やっぱ、フツーのサメ。。。

 そこでわたくし、はたと気づきました。体長四メートルのサメというのは、サメ世界ではそうめずらしい大きさではなかったと…!!
なんか、宣伝文に乗せられちゃいまして、すっごいモンスターを期待しちゃってたんですが。。。蓋をあけてみましたら、フツーのサメでした。当然、「ジョーズ」みたいな化けもんじゃありません。アタック場面も、サメ視点入ってないし。てか、スプラッタとか一度もないし!!!

 ということで~、
今回は勝手に期待しすぎてしまった一作です。
そういえば、「ブラック・ウォーター」のときも感じました。どーも、作品自体が優等生すぎちゃって、じつにそつのない、しいていえばスリリングじゃない、(マニアなホラーファンからすると)、ちょっともの足りない一作でした。ようは、リアル志向なんですよね。これはリアリズムの海洋ホラー。

 そう思って観ると、じゅうぶんこわいかもしんないです。
最後に、サメの撃退法を伝授。目と目の間を殴ると、びっくりして逃げるそうです。(← でもこれって、捨て身の反撃すぎますよねw)
正直、海はこわいところなのです。大自然、こあいよー!!!









ケイト役のアドリアンネ。
楽しいセーリングのはずが…










ありゃりゃ~、
こりゃダメだ!!







んで、マジで泳いじゃう。
素人はこれだから!!







パニくっても、
もう遅いし~!!!







サメの動きを必死に
見張るルーク!!
(…無駄な努力!!)







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自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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