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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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    El Espinazo del diabol

2001)スペイン
出演…フェルナンド・ティエブル
エドゥアルド・ノリエガ
マリサ・パレデス
フェデリコ・ルッピ
監督…ギレルモ・デル・トロ
★★★☆



〔ストーリー〕
 スペインの内戦が終わりに近づく1939年、両親を亡くした少年カルロスは、人里離れた孤児院サンタ・ルチアに連れてこられる。彼に与えられた12番のベッドは、姿を消した少年サンティのものだった…
 その日からカルロスは、奇妙な声や物音を聞くようになる。サンティは誰かに殺されたのではないか? サンティの亡霊はなにかを伝えようとしていた…

 
 邦題は、「デビルズ・バックボーン」
ギレルモ監督は子供を主人公にした映画がほんとにうまいなあと、思った作品です。

 子供を主人公に据えた場合、大人とのちがいを明確に出すことが、その物語の成功の秘訣になります。
それで、だいたいこんな解釈がパターンですかね。

「子供」→ 純粋な生きもの
     → 悪の素質を持っている
     → そもそも、理解できないものである

 ギレルモはどうも、この三つめの解釈で映画を撮っているようなんですね。
だから大人には見えないものが見えたり、不可思議なものと通じあったり、信じることができる。
もちろん信じる力があったって、救われない子は救われないし、死にゆく運命の子は死んでいくだけです。
それが現実だとわかってても、なんて悲しいんでしょう。

 この映画はゴーストが語る物語というかたちをとっていますが、肝心のゴーストが誰なのか、ラストでわかる仕組みになっています。
 それと、これの姉妹編ともいえる 「El Laberinto del fauno」「パンズ・ラビリンス」2007も傑作なので必見です!








カルロス役のフェルナンドくん。
それにしても、外国人の子役って
なんでこんなに演技うまいの~!






サンタ・ルチアの医師、カザレス。
胎児を浸けた(!)ラム酒を飲む
変わり者。 義足の院長に恋焦が
れてたりします。





 
エドゥアルド・ノリエガ。
「Abre los ojos」「オープン・ユア・アイズ」1997)
では、顔に疵を負った青年を演じてましたね。
今回はめっちゃ悪いヤツです。











                                   
                        おまけ。最近ノリにノッてるギレルモっち






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        The Descent


2005)イギリス
出演…ショーナ・マクドナルド
ナタリー・ジャクソン・メンドゥーサ
アレックス・レイド
サスキア・マルダー
監督…ニール・マーシャル
★★★★


〔ストーリー〕
 年に一度の冒険旅行で、アパラチア山脈奥地の巨大洞窟に訪れた六人の女たち。スリリングなケイビングを楽しむ途中、突然の落盤によって出口を塞がれた一行は、迷路のような洞窟をさまようことになる。
 しかも、ガイドブックに載っているとばかり思われたその洞窟は、仲間の冒険心からついた嘘で、まったく未知の場所だった。極限状態のなかで疑心暗鬼が芽生えはじめ…


 閉所恐怖症にはまったくオソロシイ映画、それが「ディセント」です!
わたしがどれくらい閉所恐怖症かといいますと…

 そーですねえ、よく、「た〇しの本〇はこわい家庭の医学」とかで、胃カメラの映像が映るでしょう。
あれ、ダメなんです。
もー、目の周囲がちかちかしてきちゃって、生理的に受けつけないというか。
渋滞なんか最悪ですよ。
どうしても我慢できなくなっちゃって、高速にいようが、どこにいようが、突然ドアを開けて逃げだしたくなっちゃいます。
病院の待合室なんかもダメ。
とにかく、圧迫感がダメなんですね。

 …前フリが長くなりましたが、そんな閉所恐怖症が「ディセント」を観ましたよ。
だって、すっごくおもしろそうだったんだもん!

 感想からいいますと、これは圧迫感をテーマにした映画ではないな、と(当たりまえか!)…。
ええ、全然余裕でしたよ
地底人ですが、そんなに強くありません。てか、強くしちゃったらあっという間に全滅しちゃって、映画として成り立たないんだと思います。
女性陣のドロドロの内戦ですが、もっとドロドロにしちゃってもよかったんではないかと。

 なーんて生意気なことを考えてたら、あとからゾクゾクきちゃいました。
やっぱり地底、暗闇、出口なしのシチュエーションて、人間の根源的な恐怖を揺さぶるのかも…








楽しそうに記念撮影なんか
してるけど、あとでエライこと
になるんだから!






 
生き残るためには、
出口を捜さなくては
なりませんが…







なんかいるー! 
うしろになんかいるよー!!







この直前シーンが「地獄の黙示録」
(1979)
っぽい。ほかにもいろんな
オマージュがあるから、
探してみてね。







   Phenomena



(1985)イタリア
出演…ジェニファー・コネリー
ドナルド・プレザンス
ダリア・ニコロディ
監督…ダリオ・アルジェント
★★★☆


〔ストーリー〕
 チューリッヒの名門音楽学校に、映画俳優ジャン・コルビノの娘ジェニファーが入学してくる。学校周辺では美少女を狙った連続殺人が発生しており、犯人はいまだ不明。入学の緊張からか、ジェニファーは夢遊病を起こした際に凄惨な殺害現場を目撃してしまう。
 彼女は虫と心を通わすことができる特殊な能力があり、昆虫学者のマクレガー博士に助けを求めるが…


 弱冠十四歳のジェニファー・コネリーが主演をはたした「フェノミナ」です!
この映画に影響を受けた人は多いのではないでしょうか。
「クロックワーク」の主人公も「ジェニファー」そのものだし、楳図かずお先生の『神の左手、悪魔の右手』にも鋏を持った殺人鬼が出てきますね。
かくいうわたしも、大好きですっ!

 まあ、映画そのものは脚本が荒く、魅力的なエピソードをつめこみすぎたせいで、未消化な部分に終わっている感も否めませんが…
いいのです、だって、ジェニファーを眺めてられるだけで満足ですから

 ちなみにわたしは、蛍のシーンがいちばんお気に入りだったりします。
音楽もイイし。
白いワンピ姿で蝿に導かれながら丘を駆けていく場面も、ファンタジックですね。
全体的にファンタジックな映画ですが、アルジェントだけあって、ゴアシーンはさすがなもの。
 ですが、ジェニファーにかんしては、ちっともハラハラドキドキする危険度がありません。だってジェニファーは、美少女ですもの。スクリーンのまえに立っているだけで、いいんですもの。

 …なんて油断してたら、ラストでひっどい目に遭わされちゃうんだからー!!
 
 虫愛ずる姫と殺人鬼の戦い、考えただけでもワクワクしてきちゃいますね!
殺人鬼が「シャキーン」と謎の武器を用意するあたりも、いかにもジャーロっぽいです。どうして「シャキーン」となるかも、けっこうミソです。
それと、冒頭で殺害される少女を演じるのは、アルジェントの長女だそうです。



世の男性のハートをいっきに
掴んだジェニファー。
この前年に
「Once 
Upon a Time in America」
(1984)
に出演したときにも、
すごい美少女がいると話題に
なりました。





半身不随の昆虫学者を演じる
ドナルド・プレザンス。
雑用は、天才チンパンジーの
インゲが手伝ってます。







 
これがお気に入りの
蛍のシーン。








ジェニファーがショックを受ける
と、虫の大群が押しよせてき
て学校はパニックになります。







    Happy Birthday To Me



1981)
カナダ
出演…メリッサ・スー・アンダーソン
グレン・フォード
マット・クレイヴン
監督…J・リー・トンプソン
★★☆



〔ストーリー〕
 ニューヨーク市郊外の私立の名門校クロフォードには、ひと握りの優秀な生徒で形成されるグループ、〈トップ・テン〉があった。四年ぶりにそのメンバーのひとり、ジニーが帰郷したことから、次々とメンバーが姿を消すようになる。
 じつは、四年前のジニーの誕生日に、グループの仲間が誰もこなかったことに母親が腹を立て、車を飛ばして事故を起こしてしまったのだ。母は溺死、ジニーは記憶喪失という後遺症に悩んでいた。カウンセリングによって、徐々に記憶をとりもどしていくジニー。殺人は、自分が気づかないうちに行っているのではないか…?


 80年代ホラーの隠れた佳作のひとつ。
邦題は「誕生日はもうこない」になっています。
テレビドラマ「大草原の小さな家」で長女メアリー役がかわいらしかったメリッサが、本格ホラーに挑みます!

 物語はサスペンス色たっぷりに展開されます。
 激しい雨、転落する車、悲鳴をあげる母親、頭を負傷して気を失うジニー、白いバースディケーキといった記憶の断片が何度も挿入されて、恐怖心をかきたてます。
 
 殺害方法もなかなかグロテスク。
とくに、ポスターにもなっているバーベキューの串を口に刺すシーンなんか痛々しいです。クライマックスには殺害されたメンバーが半ばミイラ化して、バースディケーキを囲む場面も。
ここでふいを突くショッキングさは見事です。

 …と、褒めまくったところで、落としていきます!
それはそれは、トンデモないオチが用意されているのです!

 この結末には、ビックリする以外たぶんなにもできません。
きっと、はじめて観る人は、「…エ? なにそれ?」と、とまどうでしょう。
それくらい一回では理解できない、複雑な(…てか、無理矢理な?)結末なのです。
それまでの展開がよかっただけに、なおさら惜しいのです!

 とはいっても、ホラー映画としての出来は一見の価値があるものであります。  
こんな強引な結末じゃなかったら、傑作に数えられたのにナー。









記憶喪失のジニー(メリッサ・スー・アンダーソン)は、
事故のフラッシュバックに何度も襲われます。







 
哀れ、秀才くん…


 





呑気にバーベキュー食べて
ますけど、この後、
予想通りの展開に…!



さっ、みんなで楽しいお誕生会







 

         The Brood



1979)カナダ
出演…オリヴァー・リード
サマンサ・エッガー
アート・ヒンデル
監督…ディヴィット・クロネンバーグ
★★★☆


〔ストーリー〕
 設計技師のフランクは、精神が不安定な妻・ノラの治療にあたるラグラン博士に不信感を抱いていた。面会を求めても会わせてくれないのだ。娘のキャンディスだけは許されるが、帰ってきた彼女の背中には傷のようなものが。
 ノラが虐待したのだろうか? じつはノラは、幼少期に両親から虐待を受けていた。そんなとき、キャンディスの世話をしていた義母・ジュリアナが謎の小人に襲われて殺害された…!


 邦題「ザ・ブルード/怒りのメタファー」です。
このタイトル、なんのことやらさっぱりわかりません!

 …とツッコんだところで、映画の紹介に入ります。

 これは、バーグ先生にほんとうの意味ではまるきっかけとなった作品なんです。
じつはバーグ先生、この映画を撮影する直前にドロ沼離婚に決着をつけたばかりで、「妻を殺したい」なんて、イキなセリフも吐いていました。
そのせいあってか(?)、かなりの私情を含んだ、ゆえの異様なテンションの、じつ~に不気味な作品になっているのです。

 クロネンバーグというと、〈メタモルフォセス〉をテーマに、変態趣味のゲテモノ映画を撮りつづけて(← すごい偏見)、しかも成功させつづけているという天才児ですね。
 この映画は一般的にはプロットに多少難ありといわれているようですが、
なんのなんの、圧倒的変態パワーの前には誰もかないません。

 「暴力」が「新たな暴力」を生みだすという概念も、納得。
こんな斬新なアイデアをよくも考えついたなあと、感心せずにはいられません。
数十年前の作品だというのに、いま観ても衝撃を受けることはたしか。

 それにしても、サマンサ・エッガーはふつうにしててもホラー顔。
「Curtains」(1983)でも、不安定な女優の役を演じてましたねえ。









フランク(アート・ヒンデル)と、
娘のキャンディス。





ノラ役がぴったりのサマンサ。
とくに、大きな垂れ目
(…かといって、全然甘えんぼ
タイプではない)が、怯えてる
みたいなんだよなあ。






キャンディスの幼稚園の
保母さんにまで、ナゾの
小人集団が襲いかかり
ます!



さらわれたキャンディスを助けにきた、ラグラン博士…
なんか、まわりにぞろぞろいますねえ!!







     Haunted


1995)アメリカ/イギリス
出演…エイダン・クイン
ケイト・ベッキンセール
アンソニー・アンドリュース
監督…ルイス・ギルバート
製作総指揮…フランシス・フォード・コッポラ
★★☆



〔ストーリー〕
 幼いころに双子の妹を事故で亡くした心理学者のデイヴィットは、超常現象をいっさい否定する立場にいた。そこへ、悪霊に悩まされているという女性から調査の依頼を受ける。
 女性が家政婦として働く屋敷へむかった彼を、うつくしく奔放な女性・クリスティーナと彼女のふたりの兄が迎える。彼らは霊の存在を笑いとばすが、家政婦はなにかに怯える仕草を見せるのだった…


 邦題「月下の恋」、のちに原題そのままの「ホーンテッド」に変わりました。

 ジェイムズ・ハーバート作品の映画化だからといって、鼠』霧』のようなパワフルでお下劣な内容を思い浮かべてはいけません。
これが、ヘンリー・ジェイムズばりの古風な幽霊譚なんですねー。
しかも凡庸な物語でありながら、雰囲気のある作品に仕上がっています。

 まず、ケイト・ベッキンセールの脱ぎっぷりがいいですね。
彼女は出演する映画によって印象がガラリと変わるようで、「Underworld」「アンダーワールド」2003)では、美形ながらなぜか(?)魅力の感じられないヴァンパイアを演じ、「Van Helsing」「ヴァン・ヘルシング」2004)では、反対にクールなヴァンパイア・ハンターを演じながらも、やはり魅力を発揮しきれず、「Vacancy」「モーテル」2007)のけなげな人妻にはズキンときたのでした。

 亡霊のあり方にも現実味のある姿勢がとられています。
落ち葉がくるくる舞ってなにかを伝えようとする場面や、囁き声、田舎風の占い師の存在など、細かなディティールもグッド。なんともいえない期待と不安の予兆を高めます。

 結末が現代風な味つけでやや乱暴ですが、たまにはこんなのも悪くないかも。
ラストにちょっぴりじんわり。
イギリスの田園風景って、それだけで絵になりますね。







ディヴィットの双子の妹・
ジュリエット。
不慮の事故によって
亡くなってしまいます。





クリスティーナと
次兄のサイモン。
サイモンは金持ちの
ボンボンらしく、
そうとうなおバカちゃんです。









 
こちらが長兄のロバート。
趣味で絵を描いているそうですが…






主人公のディヴィット教授。
この炎も幻覚
なのでしょうか?







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(いちおう)プロフィールです
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女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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