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(1992)アメリカ/日本
出演…ラリー・ドレイク
ホリー・マリー・コム
グレン・クィン
監督…マニー・コト
★★☆
〔ストーリー〕
自分のことを医者だと思いこんでいる危険な男・エヴァン(ドクター・ギグルス)が、看守3人を殺害して精神病院を脱走。故郷のムーアハイに帰ってくる。じつは、エヴァンの父は、ムーアハイの元名医。妻を心臓病で亡くしてから、すこしずつ狂気に侵されていった…
そのころ、おなじ町に暮らす少女ジェニファーは、再婚した父とうまくいかなくなっていた。ジェニファーには心臓疾患があり、手術を決断しなければならないのだが…
邦題「Dr. ギグルス」です。
主演は「Darkman」(「ダークマン」1990)の悪役で、指チョッキンが趣味だったラリー・ドレイク。彼がステキなサイコ・ドクターを演じてくれています。
サイコなお医者さんが主役だと聞いただけで、ワクワクしてしまうわたしですが、感想から述べさせていただきます。コレ、おとなしすぎます。なにより、良心的すぎなんですよねー!
お医者さんの道具って、いろいろあってコワいじゃないですか。そのへんもまた、見どころのひとつになりそうなものなんですけど、この作品の場合は、すっごくまとも(?)に撮りすぎちゃってるようです。
よくわかんないギラッとした道具が出てきて、「…キャアー、(ドキドキ!)、どうするの? どうするの…?」と、盛りあげておきながら、つねに不発…(悲)。
ドクター・ギグルスはどうかといいますと、かなりイカれた人物です。(精神)病院内でも大人気です。ほかの(精神病)患者にあれこれ説明しながら、看守をひとりさばいちゃったりするんですが、なんといっても特徴が、「ンフフフッ…! ムフフフフフッ…!」と、始終クスクスひとり笑いするところ。これが妙に愛らしく、また、表情もあり、キャラとしてはすごく立っていると思います。
ギグルスのプッツンは父親譲りで、ある意味カワイそうな少年時代が起因しているわけですが、このあたりの思い出話もまた、けっこう魅力的です。あまり深くは書けませんが、筋金入りのアブナイ子なのですよ。この、筋金入りの変態プッツンお医者さんが、心臓病をかかえた美少女を追っかけまわすという、なんともステキな設定です。
バックグラウンドもよし、設定もよし、キャラだってバツグンにいいのに、なぜあまり盛りあがらないのー?? …それはやっぱり、まともすぎるから!!
調べてみましたら、この監督さん、「アウター・リミッツ」や「ヒッチコック劇場」、「オデッセイ5」や「24」なんてテレビシリーズを担当している人でした。ようするに、ホラー映画の撮り方がよくわかんなかったんですねー。
惜しい… とにかく、惜しいなあ!
後半には、お医者さん対お医者さん(← もち、ギグルスですよ♪)なんて新味な構図もあるし、鏡の迷路に迷いこむというカーニバル要素もあるし、ビッチな女の子も出てくるし、ママ母もビッチだし、この手の話はいくらでも、楽しくできそうな可能性がたくさんあるんですが!
…ああ、でも、いくぶんパワーが(ゴアでもいいけど!)足りないようです…
続編が作られたかもしれないのにと考えると、役者さんにはちょっと気の毒ですね。
でも、B級ホラーとしての安心なレベルには当然達してますし、ラリー・ドレイクのお医者さんごっことキモかわいいひとり笑いで、まあ、いっか♪ という気分にはなれますけどね。
(← イカした表情しています!)
「ん~ どれどれ、舌がちょっと
おかしいようだねー…?」
ギグルスのターゲットになっちゃう
ジェニファー(ホリー・マリー・コ
ム)と、恋人のマックス(グレン・
クィン)。
ギグルスの子供時代。
こんなにカワイイんですけど、
そうとうイッちゃってる子です!
(← その30年後)
「ンフフフフッ…!
さあ、手術の時間だよ~♪」
Elm Street
Part 2: Freddy's Revenge
(1986)アメリカ
出演…マーク・パットン
キム・マイヤーズ
ロバート・ラスラー
監督…ジャック・ショルダー
★★★
〔ストーリー〕
新しい家に引っ越してきて以来、毎晩のように悪夢にうなされる高校生ジェシー。
友人のグラディがいうには、以前住んでいた少女がボーイフレンドが殺害されるのを目撃して、気がふれてしまったのだという。恋人リサと部屋の片づけをしていると、クローゼットの棚から日記を発見する。そこには、ナンシーという名の少女が体験したおそるべき出来事が記されていた…!
「エルム街の悪夢2/フレディの復讐」です。
監督さんを調べてみたら、なんとこの方が「Alone In The Dark」(「ジャンク・イン・ザ・ダーク」1982)を撮った人だったんですね。この映画、精神病患者の殺人鬼たちがたいへん個性豊かで、大好きです♪ 本作の2年後には、「The Hidden」(「ヒドゥン」1988)なんて快作も送りだしてます。
「エルム街の悪夢」シリーズは、それぞれの監督さんが個性と才能を発揮した大成功例です。もともと “夢” という意味深なテーマの、多様なアレンジのきく内容のため、シリーズもののなかでも出色の出来だと思います。シリーズものでこんなに充実しているものって、なかなかないんですよね~。参加した監督さんも全員出世しました。ホラー好きの方は、すべて必見ですよ!
さて、本作は、男の子が主役です。
(ここでガクッとなさらずに、丁寧に見ていきましょう!)
ジェシー演じるマーク・パットン、アメリカ式にいうなら、なよっとしたタイプの高校生です。これが十代の少年の性的妄想や不安なんかを表現するのにぴったりで、毎晩汗びっしょりになって目覚めます。すると、そこにはフレディが…!
ジェシーの性的妄想のいちばん端的に思える部分は、恋人リサの存在ではなく、コーチのシュナイダー。ゲイ・ファッションに身を包んで、ジェシーをしごきます。そのあとは、お約束のシャワーシーンです。これって、「自分はもしかしたら、ホモっ気があるのかもしれない…」っていう、男の子の不安そのまんまの展開ですよね。
また、同性愛にとどまらず、妹の部屋に忍びこむなんて、ドキッとしちゃうシーンもあります。(…もちろん、このシーンは思わせぶりもへったくれもないくらい、サラッと流しちゃいますが)、こんなふうに、夢を媒体にして恐怖表現するよりも、思春期の少年の不安や妄想なんかがこの作品の特徴なんですね。
「オレと一緒になろう」と迫るフレディは、さしずめアブノーマルの誘惑といったところ。これに対抗するのが、健全でノーマルなリサの存在。だからリサは、必死にジェシーを引きとめようとするのです。
こう書いてしまうと、なあーんだ、フレディって、つまるところ 「悪夢 = フロイト的役割」 だったのね! と、あからさまにネタがわれてしまうんですが、前作がナンシーの近所のみが舞台という、わりとこじんまりした(?)設定だったのにくらべて、フレディが子供たちを殺害した発電所なんかも出てきます。これでちょっと、スケールアップ。ついでに、フレディもパワーアップ。
悪夢要素もそこそこがんばっているでしょうか。おかしな人面犬も出てきますよ(← 流行先どりでしたねー♪)。
それにしてもこのフレディ、あんまり喋らなくてステキです。次回、3作目をお楽しみに!
フレディに狙われちゃう
ジェシーと、
リサ(キム・マイヤーズ)。
家族は全員、ジェシーの話
を信じようとしません。
「わっ、なにコレ!!」
同性愛の強迫観念、シュナイダー・
コーチ(マーシャル・ベル)。
フレディ、参上~♪
(1976)アメリカ
出演…ロック・ハドソン
バーバラ・カレラ
ダイアン・ラッド
監督…ラルフ・ネルソン
★★★
〔ストーリー〕
未熟児の成長促進を研究しているポール医師は、ある雨の夜のこと、帰宅途中に犬をはねてしまう。お腹にいた子犬にホルモンの成長を促すという独自の処置を施したところ、見事に成功。立派な成犬に成長する。
気をよくしたポールは、禁断の人体実験に手を染めてしまう。だが、この胎児は驚くべきスピードで成長をはじめてしまい…
邦題「エンブリヨ」です。
この作品も、以前からずっと気になっていたのですが、ようやく鑑賞することができました。ラルフ・ネルソンという監督さんは、日本でも大ヒットした『アルジャーノンに花束を』の映画化、「Charly」(「まごころを君に」1968)を撮っている人なんですね。
SFつながりということで、〈神の領域〉を侵してしまったその代償が、本作ではテーマとなっています。
犬の成功例ですっかり自信をつけたポール博士、今度は死にかけた胎児を使って実験をはじめてしまいます。これも見事成功するんですが、細胞の成長がとんでもないスピードで進んでしまいます。成長ホルモンの投与をやめても、なかなか止まらない。
それで、やっとこさ4週間半後に、なんとか成長を止めることができたのですが、気づいたときには、
あっという間に美女が完成してしまいました!
これ、どうなんですか… 男性って、こういう話に憧れるものなのですか…?
この美女をバーバラ・カレラが演じているんですが、まあ、とにかく、夢のようにうつくしいお姉さんです。ポール博士は「ヴィクトリア」と名づけます。ヴィクトリアは飲みこみもよく、研究対象であると同時に娘のようでもあり、いろんなことを吸収したがります。ロック博士も自慢の娘です。ドライブに連れていったり、パーティーに連れていったりと、まるで「マイ・フェア・レディ」のような展開になってしまいます。
ポール博士が助けた子犬も、すごく頭のいい犬に成長してます。頭がよすぎて、ずる賢い(?)ところもあるんですが、ヴィクトリアとは大の仲良し。なんていったって、
“兄妹” のような仲ですからね。この犬が、ことあるごとにヴィクトリアを助けます。
博士は亡き妻の妹マーサと一緒に暮らしているんですが、女の勘といいましょうか、マーサははじめからヴィクトリアに疑いの目をむけます。すると、兄犬が「ガルルル…!」となるわけです。
さて、パーティーの場面では、ロディ・マクドウォールも出演しています。チェス名人の役なんですが、「本で覚えたの」というヴィクトリアに、あっさり完敗してしまいます。プライドをいたく傷つけられて、子供のように大声で怒鳴りだす様子はまるで、「The Legend Of Hell House」(「ヘルハウス」1973)のラスト・シーンそっくりです(笑)。でも、楽しいのはここまでなんですね~。
いつしかポール博士の知識を上まわるようになったヴィクトリアは、自分の決定的な宿命に気づいてしまいます。成長は一時的に弛められていただけで、ほんとうは止まっていなかったんですね。放っておけば、急速に老化がはじまってしまう… これを止める手立ては、解毒剤を用いなければならない… その解毒剤を作るには、未出産の胎児の脳下垂体液が必要になる…
「科学」という名のもとに、残酷な運命を強いられることになった若くうつくしい女性をバーバラ・カレラが可憐に演じています。
みなさんもお察しのとおり、まったく救いようのないストーリーです。結末もひどく後味が悪いので、覚悟して観ましょう。
ポール博士(ロック・ハドソン)。
当初は「未熟児を救いたい」という
動機からはじめた研究ですが…
お腹にいた3匹の子犬のうち、
1匹だけが無事成長をはじめました。
どーですかっ!!
わずか1ヶ月で、こんな美女が
できあがっちゃうわけです。
そりゃもう、うらやましいなんてもんぢゃないです。
だんだん恋愛感情も芽生えて
しまいます。
(2007)オーストラリア
出演…ナディア・ファレス
ジョン・ブランプトン
ロバート・タイラー
監督…ジェイミー・ブランクス
★★☆
〔ストーリー〕
オーストラリアのメルボルンに暮らす弁護士ロブと、アーティストの妻ピアは、休日に自然を楽しもうと釣りに出かけることに。しかし、途中でボートのエンジン・トラブルが起きてしまい、空模様も悪くなるばかり。湿地帯にまぎれこんだ彼らは古い一軒家を見つけ、そこで風雨を避けようとするが…
ジェイミー・ブランクスという監督さんは、オーストラリアを代表するホラー映画の監督さんらしくて、これ以前には「Urban Legend」(「ルール」1998)と、「Valentine」(2001)なんて作品をものにしています。どちらかというと、ティーンズむけの軽めのホラーですね。でも、本作はちょっとひと味ちがうようです。
82分という小品ながら、けっこう血なまぐさくて暴力的な内容になっています。
ピアとロブのカップル、ひさびさの休日でウキウキ~♪ と、車を飛ばして、ヤラ川にむかいます。いいですねえ、楽しそうですねー。ウェットスーツに着替えて、準備万端。川岸にはキレイな船やクルーザーなんかがたくさん繋がれてるんですが、出てきたのがなんと、(貧乏っちい)ボート…
「エ~!! こんなんでいくの?」 と、わたしはびっくりしてしまいました。だって、わざわざ危ない目に遭いにいくようなものじゃないですかー! (すっごい貧相なボートなんですよ…)なんといいますか、現実の悲しさが見えてしまいました。そうです、これは、お金がないカップル(&映画)の話なのです…!
さて、この(お金がない)カップル、案の定エンジン故障です。暴風雨も近づいてきました。どうして天気予報くらい見てこなかったんでしょう?
やむなく上陸して、非難場所を探します。あっ、ありました! こ汚い一軒家が!
さてさて、中に入ってびっくりです。見るからに異様な雰囲気を醸しだしてます。ソファにはへんなマネキンが置いてあるし、あちこち埃だらけ。廃屋のような状態です。裏の小屋にまわって、またびっくり。なんと、大麻なども栽培しているではないですか! 「ヤッヴァーイ!!」 と、思ったのもつかの間、住人が帰ってきちゃいました!
…と、こんな感じでまあ、ストーリーはありがちに進むんですが、追いつめられたピアが反撃していくところからテンポがよくなっていきます。監督本人は、「脱出」(1944)+「わらの犬」(1971)にしたかったそうなんですが、わたしは「ALone In The Dark」(「ジャンク・イン・ザ・ダーク」1982)を思い出してしまいました。そうです、ガイキチ3人に囲まれた医師一家が、猛反撃しちゃうというアレです。
旦那のロブはあっさり足を折られて役に立たないし、貞操は自分で守らなくちゃいけない。ピアの女を捨てた(…文明人を捨てた?)反撃が、痛快というより、気まずい忍び笑いを誘うのです。
殺るか殺られるかの状況になったら、どっちに非があるかは問題ではないのですね。エンディングもいやにモヤモヤとした、気まずい気分になるのですが…
でも、映画自体はどうだったのと訊かれれば、正直にいいます、おもしろかったです~♪
ウェットスーツに着替えて、ゴキ
ゲン♪なピア(ナディア・ファレス)
ですが…
ボートが故障!
ついでに、ヤヴァイ一家のおうち
にあがりこんじゃいました…!
長男ジミー(デイヴィット・リオ
ン)、ナイフで「うりうりー♪」 と、
嫌がらせ。
ロブ(ロバート・タイラー)はほん
と、役に立ちません(笑)。
ヤヴァイ一家の代表、パパ、ポピー
(ジョン・ブランプトン)。
次男坊のブレット(マシュー・ウィルキンソン)は、
頭(相当)弱い子ちゃんです。
「かかってこいやァーー!!」
An American Werewolf
In London
(1981)イギリス
出演…デイヴィット・ノートン
グリフィン・ダン
ジェニー・アガター
監督…ジョン・ランディス
★★★
〔ストーリー〕
3ヶ月のヨーロッパ旅行を計画したデイヴィットとジョンは、北イングランドの荒涼とした地を歩いていた。ようやくパブを見つけてひと休みしようとしたが、地元の人たちとうまく馴染むことができず、早々に退散することに。そのさい、「月に気をつけて、道を外れるな」と、忠告される。
陽も落ちて、雨が降りだしたため、ふたりはしだいに急ぎ足になって、気づいたときには道を外れて湿地帯にまぎれこんでしまっていた。まさにその瞬間、不気味な遠吠えが聞こえはじめた…
邦題 「狼男アメリカン」 です。
これとちょうどおなじ時期に、ジョー・ダンテ監督の 「The Howling」(「ハウリング」1981)なんて映画もありました。あちらが直球で古典テーマを扱っているのにたいして、この作品はテーマは古典ながら、現代風にアレンジされた異色ドラマとなっています。
狼男に襲われてしまったジャックとデイヴィット、目覚めれば、デイヴィットは病院のベッドに寝ています。かわいそうなジャックは、助からなかったんですねー。…さて、ふつうだったら、ここで、デイヴィットが真相究明に乗りだすという展開になるところですが、この作品はひと味ちがいます。主眼が、 “狼男になってしまった、超ツイてない男” の悲喜こもごもなんですね。
わりとコメディタッチな味つけがされているんですが、中身はけっこうシビアです。
デイヴィットのまえにあらわれる、ジャックの幽霊もそのひとつ。
ジャックは見るも無残な様相になっちゃったんですが、その姿も、じつに鮮明に、あますことなく見せてくれます。
明るい陽の光の下で、フツーに喋ったり、動いたりする幽霊っていうのも、ナイトシャマランよりずっと以前に実現されていたんですね。
そのジャックがいうには、「きみは自殺したほうがいいよ」 なんです。
殺人で死んでしまった魂は浮かばれることができず、現世にとどまってしまう。ジャックの幽霊は、デイヴィットの “ヒューマニティ” といえなくもないんですが、何度も登場するさいに、すこしずつ腐敗していきます。幽霊なのに、腐敗していくっていう不思議な法則(?)も魅力的です。とくに、ポルノ映画館で並んで席につくシーンは、なんともいえないおかしさと哀しさが同居しています。
終盤はとんでもない惨劇の嵐となっていて、ちょっとびっくりしてしまいました! けっこうパワーのある作品だったんですね。ラストの余韻もなかなか。主人公はアメリカ人なんですけど、製作国はイギリス。(イギリス映画、やっぱりおもしろいですねー!)
短い時間のなかにギュッとさまざまなドラマが凝縮された、再見の価値アリの佳作だと思います。
注意されたにもかかわらず、道
に迷っちゃうジャック(左ダン)と、
デイヴィット(ノートン)。
「…ねえ、なんか聞こえなか
った?」
「き、気のせいじゃない…?」
デイヴィットは美人看護婦
さん(ジェニー・アガター)とも
恋仲になって、ムフフな立場
だったのですが…
「ハーイ♪ 元気ー?」と、
もどってきちゃうジャック。
(このあと、飲んだオレンジ
ジュースが喉からこぼれたり
するんですよ!)
ちょwwなにこれwwwどーなってんのっ?!?
(1986)アメリカ
出演…ウィル・ウィートン
リバー・フェニックス
コリー・フェルドマン
ジェリー・オコネル
監督…ロブ・ライナー
★★★★
〔ストーリー〕
ある日、作家のゴーディーは新聞の片隅に載せられた小さな記事を目にする。『地元の弁護士、喧嘩を仲裁に入って刺殺される』。
その記事をきっかけに、魔法のように遠い過去の記憶が甦る。それは甘い郷愁と痛みと死の恐怖を伴う、彼の人生のなかでもけして忘れられない思い出だった…
おそらくみなさんも大切にしている映画のひとつ、「スタンド・バイ・ミー」 です。原作はもちろん、S・キングの〈恐怖の四季〉 のなかの 『スタンド・バイ・ミー』 。主題曲も流行りました。この曲が流れてきただけで、映画のイメージと結びついてジーンと胸が痛くなってしまいますね~。
それにしても、この映画を再見してみまして、有名人ばかり出ているのには驚いてしまいました!
なんと、主人公のゴーディー演じるウィルの兄は、ジョン・キューザックだったのですね! 当時はまったく気づきませんでした… キューザック、すっごく若いー! それからそれから、大人になったゴーディーは、リチャード・ドレイファス。すくない出番ながらも、とても印象深い、奥ゆきのある演技を見せてくれます。
そしてそして、ゴーディーの親友クリス(リバー・フェニックス)の兄の不良仲間で、乱暴者のイカれポンチ(…ついでに、キング作品ではひっぱりダコの悪役といえば!!)のエース様は、キーファー・サザーランド!
いまの人たちはきっと、コレがいちばんびっくりするのではないかと思います。
だって、キーファーさん、以前は悪役専門(?)だったのですよ。見るからに悪役顔ですもん。ほかにも、「The Lost Boy」(「ロスト・ボーイ」1987)(← イカしたタイトルですねっ!)で、イカれた吸血鬼を演じてるんですよ。
さて、原作では “ノヴェラ”(中編)という概念を世に復活させたほど、キングの作品は超
パーフェクトな出来だったわけですが、監督のロブ・ライナーの姿勢は、これに忠実に従っています。もう、ですね、たとえるなら、すっごくキレイな円! パーフェクトなサークル!! 着地点、ほんとにお見事って感じです。 まったく無駄のない映画になってるんですねー。
映画がとびきり上質な出来なのにくらべて、現実では、子役の悲劇が。この映画で大成した役者さんって、(ドレイファスはべつにして)、キーファーさんとキューザックのみ。それもまた、この作品を燦然ときらめかせている要因になっているのではないでしょうか…
だれもが通る少年時代のきらめきと暗い影を、せつないメロディと、想像力豊かなエピソード、アメリカのどこまでもつづく田舎の風景とで鮮烈に描きだした傑作。かといって、けしてお涙頂戴式ではないのです(…なにせ、旅の第一目的は、列車事故で死んだ少年の死体探しなんですからね! 青春もへったくれもありません。いたずら半分ではじめた旅も、結末は超現実的)…。
そのわりには、観終わったあとになにか新しい発見をしたような、ほっとあたたかい気持ちが残ります。
ときの流れって、とても悲しいものです… (うう、書いていても、泣けてきます!)、でも、この時代にこういう友人にめぐり会えるかどうかということが、その人間にも、その後の人生にも、大きく作用する。キングがいいたかったのは、まさにそういうことだと思います。
普遍的テーマの金字塔を打ちたててしまったために、後続がすべて類似作になってしまったようです。
左から、精神病の父を持
つテディ(フェルドマン)、
ドジなバーン
(オコネル)、
繊細なゴーディー
(ウィートン)、
賢いクリス
(フェニックス)。
線路の上を歩いていくだけ、
っていうシンプルな計画。
十代の無鉄砲さと単純さですね。
でも、絵になるんだなー。
クリスたん、ほんとはイイ子
なのです。
無力な子供を利用しちゃダメー!
エース役のキーファー・
サザーランド!
キング作品は、いじめっ子が
共通テーマですね。
橋の上で、列車に追いかけられています! 超アブない! !
どうしてこういうときにかぎって、わざわざ転ぶドンくさい子っているんでしょう(笑)。
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独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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