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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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   Dellamorte 
   Dellamore


1994)イタリア/フランス/ドイツ
出演…ルパート・エヴェレット
フランク・ハジー・ラザロ
アンナ・ファルチ
監督…ミケーレ・ソアヴィ
★★★


〔ストーリー〕
 北イタリアの小さな村で墓地管理人を務める青年・フランチェスコと、頭は弱いけれども気のやさしい相棒ナギ。じつは彼らには秘密があり、毎晩墓地から甦った死人を退治して、また埋葬するということをくりかえしていた。だが、村の人に話しても、だれも信じてくれない。
 そこへ謎めいた美貌の未亡人があらわれて、フランチェスコはひと目で彼女に心を奪われてしまうのだが…


 そうなんです、ソアヴィ監督の「デモンズ'95」です。邦題は「デモンズ~」(英語タイトルは、「Cemetery Man」)なんてついていますが、あのデモンズとは縁もゆかりもありません!! そこのところをどうか、おまちがえのないように。

 はじめにいってしまいますが、この作品、ホラーとしてはけっこう微妙です。
でも、それを補うにはじゅうぶんな独特の映像美と数々のエピソードがあって、非常に人気の高い作品でもあります。
原作は、ティツィアノ・スクラヴィの人気コミック。 また、舞台となる墓地は19世紀に活躍した画家アーノルド・ベックリンの 『死の島』 をモチーフにしています。

 内容のほうはといいますと、シュールで幻想的で哲学的、そして、かなり文学色を強くしようとしているのがわかります。…この、“しようとしている” が、ポイントです! なぜかといいますと、これがほかの作品とはあきらかに、一線を画している理由のようなんです。

 墓守のフランチェスコ(ルパート・エヴェレット)と相棒のナギ(フランク・ハジー・ラザロ)は、毎晩のようにゾンビ退治に明け暮れています。このゾンビがまた、ホラーとしての迫力はほぼ皆無、むしろ脇役的な存在で、フランチェスコたちの退治方法も怠惰な感じです。疲れきってるんです。こんな毎日、正直ウンザリなんです!

 …と、そこへ、目もくらむような美女(アンナ・ファルチ)が登場します。美女は夫を亡くしたばかりで、その夫というのがまた、父親のような年上で、なのに彼女は足しげく墓地に通ってきます。フランチェスコ、ひと目で恋に堕ちてしまいます。彼女と愛しあうようになりますが、そこへ悲劇が…

 オリジナル・タイトルが「死の、愛の」となっているとおり、生者と死者の中間に置かれたフランチェスコ(現代的なアウトサイダー)の苦悩がテーマのようです。しかし、全体のトーンはむしろコミカルで、おとぎ話のようにファンタジック。

 さすが原作がコミックということもあって、派手なエピソードもたくさんあります。
ボーイ・スカウトの一団ゾンビや、バイクと一緒に葬られた青年が、地中から復活(ミート・ローフみたい!)するシーン、真昼間(!)に出現する死神、などなど… 

 でも、ソアヴィ監督の演出はあくまで抑え気味で、淡々と連ねていくだけ。これが静けさのなかに、徐々に不安感を醸しだしていくという表現になっているんですが、ううーん、正直、ずいぶん惜しいような!

 …はじめに文学色うんぬんと書きましたが、まじめに観ると気恥ずかしいです。それが、ホラー映画らしくない理由です。でも、またそれが、作品に愛らしさも与えています。それが人気を博す理由にもなっているようです。

 相棒のナギが終始愛嬌を振りまいてます。未亡人役のアンナ・ファルチも、ミステリアスでうつくしい。とくに、甦った彼女の “死せる女神” は退廃的で注目です!
それにしても、ナギたん、パスタにバナナはあわないと思うナ~!









苦悩する青年、フランチェスカ
(ルパート・エヴェレット)。







みんなのアイドル、ナギたん
(フランク・ハジー・ラザロ)





謎めいた美女(アンナ・
ファルチ)、登場!
黒いベールが揺らめくシーン
には、うっとりです。








死神、登場!
この造形がまた、イカす~!!

 



大好きなTVを壊されちゃった
もんで、好きな女の子(ゾンビ)
を入れてみたり…
このシーン、カワイらしくて
お気にです




こちらがスイスの象徴画家・ベックリン
『死の島』の1枚。
映画のなかでも非常にシンボリックに
使われています。







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2007)スペイン
出演…ハビエル・ボーテット
マヌエル・ブロンクド
マーサ・カルボネル
監督…ジャウマ・バラゲロ/
パコ・プラサ
★★★


〔ストーリー〕
 地方局のリポーターのニナは、相棒のカメラマン・アルベルトとともに、深夜の消防署を取材していた。その夜は、さしたる事件もなく、和やかなムードで取材をつづけていると、ひとりの女性から連絡が入る。「アパートに閉じこめられてしまったので、助けてほしい」と、いうのだ。さっそくニナとアルベルトは、隊員たちに同行する。だが、そこには信じられない事態が待ちうけていた…!


 ロメロ監督がもたもたしているあいだに、バラゲロ監督にもさきを越されてしまった、ドキュメンタリー・ゾンビです。ゾンビをドキュメンタリーしてなにが得かというと、やっぱり “臨場感” ですね! まさしく、このひとことに尽きると思います。

 さて、地元のTV局の美人なお姉さんが取材にくるということで、消防隊員たちはウキウキです。美人なお姉さんは新人さんらしく、しょっちゅうとちったりするのですが、まあ、カワイイから許してあげましょう。冒頭はこんな感じで、ぬる~い交流がつづくのですが、くだんのアパートに入ったとたん、ストーリーが一転します。

 通報してきたオバチャンがまた、見るからにヤヴァイです!
ザック・スナイダー監督の
「Dawn Of The Dead」(2004)に登場する、ママ・ゾンビそっくりなんです。(例をあげると、図体がバカでかくて、ドレスは血だらけ、髪をオバケみたいに振り乱してて…!)絶対参考にしてると思います! 

 こんな見るからにヤヴァそうなオバチャンにむかって、隊員は平気で話しかけたりします。たぶん、美人なお姉さんが見ていて、カメラが回っているからでしょう。…と、思っていたら、やっぱりアタックされちゃいました~!!

 …と、まあ、こんな感じで、ここから世にも楽しい(?)地獄絵図が展開していくのです。わたしがこの作品を気に入っているひとつに、カメラの必然性がごく自然になされている点があります。だって、カメラマンは職業病からカメラを手放せない。リポーターは半狂乱、しまいには逆ギレしながらも、やっぱりリポートをつづけることになる。すっごく無理のない展開だと思いませんか?

 また、主観視点を一貫させることで成功している点で、ニナや隊員たちが、アパートの住人もろとも閉じこめられてしまうというシチュエーションがあります。いきなり停電、あっちこっちで不気味な叫び声が起こって、なにがなんだかわからないうちに、ゾンビ・アターック!

 ワッ! と驚かせるばかりではありません。カメラの隅に、ユラ~ッと不気味な人影が映ったりして、次の瞬間、驚いて悲鳴を殺すニナのアップ…(正直、こっちのほうがコワかったりして…)

 全体的にチープな雰囲気もまた、異様なテンションを高めるのに加算してると思います。結末近くには、「The Evil Dead」「死霊のはらわた」1981)みたいに
なってきたりもしています。
ホラー好きにはかなり盛りあがる作品なんですけど、リメイクする必要はあるのでしょうかね…?











なんだ? なにが起こって
るんだ?!」 と、驚いてる
ひまもなく…









突進してくるオバチャン・ゾンビ!
コエ~!!







お子ちゃまゾンビ!









ニナ、パニックで泣きじゃくり!








(よく見ると、けっこうグロい
です!)
決死の生き残り合戦開始!







   The Last Winter



2006)アメリカ/アイスランド
出演…ロン・パールマン
ジェームズ・レグロス
コニー・ブリトン
監督…ラリー・フェッセンデン
★★★☆


〔ストーリー〕 
  アメリカのとある石油掘削会社が、大規模なプロジェクトを着手するために、北アラスカの掘削地点を探ろうと数名の研究チームを派遣した。リーダーのエドをはじめとするメンバーは、退屈な日々をやりすごそうと施設内でくつろいでいた。だが、いちばん年若いメンバーのマクスウェルが奇妙な行動をするようになり、彼らのあいだでしだいに疑心暗鬼が生まれて…


 ラリー・フェッセンデンという監督さんは、役者さん(…もちろん、本作にも出演しています!)や、プロデューサーとしても大活躍している人です。これ以前には、「Wendigo」「チル/CHILL」2001)や、吸血鬼ものの「Habit」(1997)なんて作品も撮っています。どちらも未見なのですが、本作品を観てみまして、いっきに興味が高まってしまいました!

 いわゆる、“地球温暖化” といった環境問題を扱ったホラーなのですが、そういったテーマにありがちなむずかしいことを考えなくても、ダイレクトに恐怖が伝わってくる優秀作です。
エドを演じるロン・パールマン以外の役者さんは、ほとんど名前を聞いたことがない人ばかり… セットも簡素なもので、残酷描写にいたってはお上品すぎるとさえいえるかもしれません。

 「それじゃあ、なんでポイントが高いの?」 と、疑問に思われるかもしれませんが、これは
「The Thing」(1982)のような閉塞状態を描いておきながら、“なにが起こっているのかわからないけれど、確実によくない方向にむかいつつある”という、見えない恐怖の表現力が卓越しています。

 物語のキーとなる不安定なマクスウェル(ザック・ギルフォード)は、だんだんなにかに憑りつかれたようになって、仲間のジェームズ(ジェームズ・レグロス)に突拍子もないことを打ち明けるようになります。北極圏は何万年も氷で閉ざされていたが、地球温暖化の影響で、いま、すこしずつ氷が溶けはじめている… そして、氷に閉ざされる以前の邪悪な存在が出現しようとしている…!!

 …と、ここまで書いてしまうと、見るからにクトゥルーな世界ですが、雰囲気はあくまで現代的でミステリアスです。

 舞台となる氷に閉ざされた世界が、とにかくうつくしい。てっきりソリッド・シチュエーション的な方向にむかうものと思っていたら、ファンタジックなストーリーを展開しだしたのには、思わずひきこまれてしまいました。とくに、雪原に横たわる死体のシーンは、残酷なほどうつくしくて絵になっています。

 チームメンバーたちが心理的に追いつめられていくさまに、どことなく既視感をおぼえていましたら、ああ、そうか、これは「The Shining」(1980)!!と、納得しました。でも、「シャイニング」よりずっとサービスなホラーしてます。かつ、痛烈に批判的な要素もあるというスグレモノ。

 太古の邪悪な存在というのも、人間たちから見れば邪悪なのであって、ほんとうに有害なのはわたしたちなのかも…
ラストも秀逸です。不気味な暗示にひどく考えさせられるようになって、気づいたら、ゾワゾワ~… これはかなりのオススメ作です!







ジェームズは以前の研究
チームが残したメモに、
不審な記述を発見します。








氷以外、なにもない世界。
こんな場所では、人は無力
でとるに足らない存在です。







問題行動ばかり起こすようになっ
たマクスウェルが、行方不明!
みんなで探しにいくことに。







さ、さぶいんです…!
 






  Don't Look Now


1973)イタリア/イギリス
出演…ドナルド・サザーランド
ジュリー・クリスティ
ヒラリー・メイソン
クレリア・マタニア
監督…ニコラス・ローグ
★★★☆


〔ストーリー〕
 考古学者のジョンは、幼い娘のクリスティンを不幸な事故で亡くしてしまう。
その数ヵ月後、仕事のためにヴェニスに訪れた彼と妻のローラは、レストランで不思議な女性のふたり連れと出会う。彼女たちは姉妹で、盲目の姉・へザーは霊媒能力があり、「赤いレインコートを着て、あなたたちふたりの間で楽しそうに笑っているお嬢さんが見えましたよ」と、いいだした…


 ダフネ・デュ・モーリアの短編、『いま見てはだめ』 を大胆に脚色した映画化作品、「赤い影」です。
彼女の小説は、なぜか苦手な部類なのですが(…意味もなく、不気味なものが多いですよね! そして、オチもなし)、ニコラス・ローグ監督の本作品は、傑作の部類に入る出来映えとなっています。

 ずいぶんまえに一度観たきり、しばらく雰囲気を忘れていたのですが…
あらためて観なおしてみまして、この寒々とした空気、陰鬱なヴェニスの町に迷いこんでしまうクラクラ感、時空どころか、視界まで歪んでいるような奇妙なアングル、ときどきハッ! とさせるサブリミナル効果まがいの演出… などなど、

 ホラー映画を観ているというより、まるで上質なミステリーのようです。

 ドナルド・サザーランドというと、キーファーさんのお父さんですが(…この父子、ほんとによく似てますよね~!)、根っからのホラー顔だと思います。わたしの場合、Invasion of the Body SnatchersSF/ボディ・スナッチャー」1978)で、指さしてた姿がいやにコワくて印象的でしたが、この作品でも、始終ゾクリとくる不安感がつきまとう顔しています。

 オープニングから、非常に優れているんですよねー。
ドナルド演じるジョンが、修復にあたるヴェニスの教会のスライド写真をチェックしていると、赤い人影が写りこんでいるのに気づく。「あれ、うちの娘とおんなじだ」、と、ちょっと微笑んで、つぎの瞬間、グラスの水がこぼれて…(つづきは本編で!)

 また、ローラを演じるジュリー・クリスティも、はかなく無力な母親役で魅力的です。個人的には、服を脱いだり、着てみたり、また脱いだり、また着てみたり… といった夫婦のラブシーンが、さり気なく自然なエロスを表現していて、とてもステキでした

 音楽方面にいたっては、鳥肌ものの優秀作ですね!!
後半からの異様な盛りあがりには、何度もゾクゾクきちゃいまして、これを経験したことがないという人は、ぜひ! 一度体験してみてください。映画にとって音楽がどれほど大切かということが、素直に理解できるかと思います。

 めずらしく(?)原題よりも、邦題のほうがすごく似あっているという例が、この作品です。
恐怖感でいうと、いまの流行りのような具体的で即物的なものではないですが、映画としてのレベルは、それこそトップクラスもの。名作は、何度観ても名作ですね~!










水の事故で、幼い娘を
失ってしまいます…






ドナルド・サザーランド、
若い~!!
やっぱりホラー顔です!







頼りない感じがまた魅力の、
ローラ(ジュリー・クリスティ)。












三面鏡に映った霊媒師オバチャン(…コワいっ!)こと、
へザー(ヒラリー・メイソン)。
この方がまた、アヤシ不気味さ不思議ちゃんさプンプンなのですよ!







   Cloverfield


2008)アメリカ
出演…リジー・カプラン
ジェシカ・ルーカス
T.J.・ミラー
監督…マット・リーヴス
製作…J.J・エイブラムス
★★★

 
〔ストーリー〕
 日本への転勤が決まったビジネスマンのロブのために、友人たちはマンハッタンの彼のアパートで、サプライズ・パーティーを開くことに。友人のひとり・ハッドが、パー
ティーの様子を手持ちカメラで撮影していると、突然地響きがして停電になる。なにが起こったのかと、屋上に出た彼らが見たものは…


 以前からかなり話題になっていたこの作品、ひとことでいってしまえば、

 マーケティングの勝利ですね!

 J・J・エイブラムスというと、「LOST」「エイリアス」の脚本を手掛けた人、というイメージがいちばん強いかと思いますが、本作品も思いっきり「LOST」してます。全編ナゾだらけで、そのナゾナゾが結末に至っても、いっさいナゾのままでなにひとつ明かされず…!

 映画として、どーなんですか、こういうのっ(怒)!!

 …とまあ、だれもが文句垂れそうな発言(笑)を書いてみましたが、パニック映画としては、なかなかよくできていると思います。
 
 設定が、「目撃者が残したビデオカメラによる物語」という、まんま「The Blair Witch Project」「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」1999)なんですが、最近この手の作風、ほんとに流行ってますねえ。いちばんの魅力は、お金がかからないってところでしょうか?
でも、「ブレア~」よりは、だんぜんお金かかってます。

 そういえば、「ブレア~」も、公開される前から、話題ばかりが先行していました。
この作品の場合も、ぶっちゃけ作品本体よりも、そういった伏線作りが魅力的だったりするわけです(笑)。

 たとえば、
〈タグルアト〉という架空の会社の海上掘削現場の事故映像を流してみたり(…これが、どうやらモンスターの登場の一因となっているようなんですが、詳細はいまのところ不明)
*その関連とおぼしきナゾの写真を公開しているサイト

*〈タグルアト〉の子会社
〈Slusho〉のサイト(…ロブの弟ジェイソンの着ているシャツが、このロゴ!)

 …といった感じで、とにかく遊び心に溢れています。ちょっと雰囲気が似ているかなと思ったのが、ダラボント監督の「The Mist」(2007)でしょうか…
(でも、あちらが大真面目に映画しているので、くらべるのはけっこう失礼かもしれないですね!)

 運がよければ、続編が作られるでしょう。そして、そういったナゾナゾも徐々に解明されていくんでしょう… でも、こういういきあたりばったりのひっぱるだけの展開は、正直好きじゃありません(笑)。いたずらに観客を翻弄するやり口も、どうにかしてほしいもんです。

 映画として見ると、それなりにおもしろいことはおもしろいんですが、意地悪な意見をもうひとつ(…今回はけっこう、シニカルにいきます!)。こういう作風って、才能があるないにかかわらず、ある程度のリアリティが出せちゃうもんなんですよねー。

 この手の作品を観なれていない人には、わりとショッキングかもしれません。
でも、いかがわしさと薄気味悪さでいったら、スパニッシュ・ゾンビの「Rec」「REC/レック」2008)のほうが上かな~?





アメリカの超シンボル、自由の女神の首がいきなりゴロン!!
このシーンがいちばん迫力あったりして…








あっちこっちで大爆発状態。
こんな非常事態にもかかわ
らず、ここぞとばかりに電化
製品を略奪する人
もいたり
して、さもありなんです。





左から、
ロブ(マイケル・ストール・
デイヴィット)、ハッド(カメラ
マン)のお気にのマリーナ
(リジー・カプラン)、
リリー(ジェシカ・ルーカス)。




ケンカ別れした恋人のべス(オデット・ユーストマン)のもとに駆けつけてみると、
どえらいことになってました…!!







   Pet Sematary



1989)アメリカ
出演…デール・ミッドキフ
フレッド・グウィン
デニーズ・クロスビー
監督…メアリー・ランバート
★★★


〔ストーリー〕
 メイン州の田舎町の大学の病院長の仕事を得たルイスは、妻のレイチェルと幼い娘のエリー、ようやく喋れるようになったばかりの息子ゲージを連れて、シカゴから越してくる。その新しい家のまえの道路には、トラックがいきかう道路があった。
 道路を挟んだ隣人ジャッドとも親しくなったルイスは、出勤初日、車に轢かれた瀕死の学生を手当てすることに。その学生は死の間際、ルイスに不可解な忠告をするのだが…


 邦題ではつづりの誤りはなく、「ペットセメタリー」になっていますね。
この作品、原作はもちろんアノ人ですが、わたしは一度も完読したことがありません。何度も挑戦したことがあるにはあるんですが、ある時点に入ってしまうと、ぱたりと読めなくなってしまうのです。ラスト近くはそれくらい、悲おそろしいことになっている作品です。

 テーマは“死者の甦り”なんですが、この作品の真の恐怖はたぶん、子供のいない人にはわからないものかもしれませんね…

 医師のルイス一家が引っ越してきた新しい家のまえには、大型トラックが地響きを立てながら通りすぎる道路があります。オープニングそうそう、早くもいや~な気分になるのですが、このいや~な予感、作品全体に貫かれています。

 キング作品というと、“悪しき場所” もひとつのテーマになっていると思うんですが、本作品はそのまがまがしさがけっこう強烈です。ペットの墓地のさらに奥地が、問題のインディアンのミクマク族の墓地。主人公のルイスが死んだ息子を抱えてさまよう途中、不気味な怪物に何度も遭遇します。この怪物の描写がけっこう曖昧で、それゆえに非常におっかないです。

 また、甦ったゲージがジャッドの首筋をガブリとやったり、「ママと遊んだ」 という意味深な発言をしたりしますが(…ラストでその意味が、「ヒエーッ!」 と、明らかになります!)、これも、ミクマク族と深い関係があります。
ミクマク族は何度も致命的な飢饉に襲われていて、そのたびに「人食」という禁忌を犯してきていたのです… つまり、あの墓地には、その犠牲者たちが弔われていたんですねー!

 また、「人食」 に憑りつかれてしまった人間、あっち側の世界にイッちゃった同族なんかも葬られています。おっかないですね~ … これで、“呪われた場所” の意味がおわかりになったでしょうか?

 …だから、ルイスが遭遇する怪物はウェンディゴ(人喰い)でもあり、ゲージはウェンディゴとなってしまった、というわけです。

 この小説が邦訳されたとき、「世にも悲しくておそろしい物語」 なんて謳い文句がついてましたが、つい最近になって、それがようやくわかってきたよーな…
(いやな気分になること確実ですが)、また挑戦してみましょうか…









主人公のルイス(デール・ミッドキ
フ)。彼の職業がお医者さんとい
うのも、なかなか深いですね。





隣人のジャッド(フレッド・グウィ
ン)。気取らないヤンキーな感じ
です。







子供たちで作ったペット霊園。
この奥に、さらに秘密が…!






ルイスを何度も助けようとする亡
霊、パスコー(ブラッド・グリーン
クイスト)。ジャケにも使われてま
すが、けっこう男前な幽霊です!







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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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