個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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Cropsey
(2009)アメリカ
監督…バーバラ・ブランカッシオ
ジョシュア・ゼマン
脚本…ジョシュア・ゼマン
★★★
〔ストーリー〕
都市伝説のモチーフとなった、ニューヨークを騒がせた連続児童失踪事件のドキュメンタリー。いまだに多くの不明な点が残されている、不可解な事件です。
解けない謎ほど、不気味なものはないのです…
タイトルになっている “クロプシー” は、NYスタテン島で都市伝説になっている殺人鬼の名前。サマーキャンプにいくと、必ずこの話が出てきて、キャーキャー騒ぐっていう。内容的にも、よくあるフォークロアです。精神病院出のクロプシー、(妻を殺したとか、母親を殺したとか)、フック、またはナイフを持って、若者たち(あるいは子供たち)を殺しまくるという…
で、これがまったく作り話かというと、そうじゃなくて、じっさいにそんな事件があったのだそうです。スタテン島は湾の右下のほうにあって、64年に橋が開通しました。以来人がどっと入ってきて、ゴミ捨て場になったり、強制施設みたいのが建設されたり… つまりは、市にとってやっかいなものの捨て場所になっていたのですね。
クロプシーの精神病院のもととなったのは、ここに建設された〈ウィロー・ブロック公立学校〉のこと。40年代後半から70年代まで、ちゃんと運用されていたそうです。ですが、学校なんて名前がついてますが、じっさいには精神遅滞児とか老人を収容する、精神病院でした。劣悪な環境で、満足に世話もしてもらえず、ついには人体実験までおこなわれるようになってしまう…
注: この病院で人体実験被害に遭った子供の数は、なんと、800人以上にもおよぶんだとか!!!
また、後日談ですが、この実験をおこなった非人道的な研究チームの指導者は、のちに小児学会会長に就任、医学会から最高公益賞を得たというんですから、あきれてものもいえません。。。
そんな悲劇と陰残さが残る廃屋に、ホームレスが住みついたり、若者たちの悪ふざけの場所になっていたり…
そして、87年にある事件が起きます。13歳のジェニファーというダウン症少女が行方不明になり、数日後、流れ者のホームレス、アンドレ・ランド(47歳)という男が逮捕されるのですが…
ランドが逮捕されたことによって、スタテン島ではそれ以前にも、72~85年にかけて、4人もの児童(青年もいる)が行方不明になっていることが注目されます。
これらの失踪事件はすべて、ランドの仕業でしょうか? ほんとうに、彼が犯人なのでしょうか?
容疑者が逮捕されたというニュースから、マスコミは 「悪魔」、「子供誘拐犯」と、刺激的なトップを書きたてます。島の人々は恐怖におののき、警察は必死に捜査をつづけるのですが…
ドキュメンタリーは中立の立場で事件を追うこと、これがまず鉄則なんですが。この作品を観たかぎり、事件の真相なんて当然わかりっこありません!!
それなのですが、それでも真実を追究しようとするバーバラ、ジョシュアのまえに、いろいろな憶測が聞こえてきて… それまでとは、ちがう側面が見えるようになってきて??
公正に、両方の立場から意見が聞かされてしまうと、ランドが犯人だったのかどうかも疑わしく思えてくるから、こわいです。
事実、マスコミが怪しいと騒ぎたてれば、潜在的な(← 誤解を覚悟で!)目撃者だって、当然増えてしまうでしょう。日本でも、そういう悲劇は多々ありました。
彼はブギーマンだったのか、警察のスケープゴートだったのか?
クロプシーははたして、どこに消えたのか…??
現在のスタテン島の若者たちは、クロプシーは知っていても、ランドのことは知らないようです。ましてや、そこに複数の犠牲者たちがいることも…
未解決事件はどうしてこんなにも、人を暗く惹きつけてしまうんでしょうね。興味のある方には、ぜひともオススメしておきます。
製作者のバーバラ、
ジョシュア。
ランドが逮捕されたときの
映像から。
7人の児童が行方不明に
なっているんです…
この青年の失踪事件も、
とても不気味でした…
当時はたいへんな騒ぎに
なっていたようです。
牛乳パックに不明児童の
写真が載るようになった
のは、たしか、写真家の
ひとり息子が誘拐されて
から。
(2009)アメリカ
監督…バーバラ・ブランカッシオ
ジョシュア・ゼマン
脚本…ジョシュア・ゼマン
★★★
〔ストーリー〕
都市伝説のモチーフとなった、ニューヨークを騒がせた連続児童失踪事件のドキュメンタリー。いまだに多くの不明な点が残されている、不可解な事件です。
解けない謎ほど、不気味なものはないのです…
タイトルになっている “クロプシー” は、NYスタテン島で都市伝説になっている殺人鬼の名前。サマーキャンプにいくと、必ずこの話が出てきて、キャーキャー騒ぐっていう。内容的にも、よくあるフォークロアです。精神病院出のクロプシー、(妻を殺したとか、母親を殺したとか)、フック、またはナイフを持って、若者たち(あるいは子供たち)を殺しまくるという…
で、これがまったく作り話かというと、そうじゃなくて、じっさいにそんな事件があったのだそうです。スタテン島は湾の右下のほうにあって、64年に橋が開通しました。以来人がどっと入ってきて、ゴミ捨て場になったり、強制施設みたいのが建設されたり… つまりは、市にとってやっかいなものの捨て場所になっていたのですね。
クロプシーの精神病院のもととなったのは、ここに建設された〈ウィロー・ブロック公立学校〉のこと。40年代後半から70年代まで、ちゃんと運用されていたそうです。ですが、学校なんて名前がついてますが、じっさいには精神遅滞児とか老人を収容する、精神病院でした。劣悪な環境で、満足に世話もしてもらえず、ついには人体実験までおこなわれるようになってしまう…
注: この病院で人体実験被害に遭った子供の数は、なんと、800人以上にもおよぶんだとか!!!
また、後日談ですが、この実験をおこなった非人道的な研究チームの指導者は、のちに小児学会会長に就任、医学会から最高公益賞を得たというんですから、あきれてものもいえません。。。
そんな悲劇と陰残さが残る廃屋に、ホームレスが住みついたり、若者たちの悪ふざけの場所になっていたり…
そして、87年にある事件が起きます。13歳のジェニファーというダウン症少女が行方不明になり、数日後、流れ者のホームレス、アンドレ・ランド(47歳)という男が逮捕されるのですが…
ランドが逮捕されたことによって、スタテン島ではそれ以前にも、72~85年にかけて、4人もの児童(青年もいる)が行方不明になっていることが注目されます。
これらの失踪事件はすべて、ランドの仕業でしょうか? ほんとうに、彼が犯人なのでしょうか?
容疑者が逮捕されたというニュースから、マスコミは 「悪魔」、「子供誘拐犯」と、刺激的なトップを書きたてます。島の人々は恐怖におののき、警察は必死に捜査をつづけるのですが…
ドキュメンタリーは中立の立場で事件を追うこと、これがまず鉄則なんですが。この作品を観たかぎり、事件の真相なんて当然わかりっこありません!!
それなのですが、それでも真実を追究しようとするバーバラ、ジョシュアのまえに、いろいろな憶測が聞こえてきて… それまでとは、ちがう側面が見えるようになってきて??
公正に、両方の立場から意見が聞かされてしまうと、ランドが犯人だったのかどうかも疑わしく思えてくるから、こわいです。
事実、マスコミが怪しいと騒ぎたてれば、潜在的な(← 誤解を覚悟で!)目撃者だって、当然増えてしまうでしょう。日本でも、そういう悲劇は多々ありました。
彼はブギーマンだったのか、警察のスケープゴートだったのか?
クロプシーははたして、どこに消えたのか…??
現在のスタテン島の若者たちは、クロプシーは知っていても、ランドのことは知らないようです。ましてや、そこに複数の犠牲者たちがいることも…
未解決事件はどうしてこんなにも、人を暗く惹きつけてしまうんでしょうね。興味のある方には、ぜひともオススメしておきます。
製作者のバーバラ、
ジョシュア。
ランドが逮捕されたときの
映像から。
7人の児童が行方不明に
なっているんです…
この青年の失踪事件も、
とても不気味でした…
当時はたいへんな騒ぎに
なっていたようです。
牛乳パックに不明児童の
写真が載るようになった
のは、たしか、写真家の
ひとり息子が誘拐されて
から。
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Husk
(2011)アメリカ
出演…デヴォン・グレイ
ウェス・チェザム
J・C・トーマソン
監督…ブレット・サイモンス
★★☆
〔ストーリー〕
男女5人で車で移動中、突然窓ガラスにカラスがぶつかってくる。そのショックで、車は道をはずれてエンジン故障。そこはとうもろこし畑のどまんなか。途方にくれていると、仲間のひとり、ジョニーの姿がふいに見えなくなってしまう。心配したスコットとブライアンは、ナタリーとクリスを置いてあたりを歩きまわるが…
前回がそうとうキツイ内容でしたので、軽いホラーでリセットしたかったんです。
〈アフター・ダーク〉フィルムなんですけど、フェス参加作品ではないみたいです。てっきり、もうそんな時期かぁー、(…今度で5弾めでしたっけ?) ラインナップをさがしたんですけど、まだ発表されてないようです。今回も、楽しいホラーを期待したいですよね♪
えっと、この作品の内容をざっくばらんにいってしまいますと、とうもろこし畑で案山子に襲われる映画!!
…いや、ほんと、それだけなんですって。
なんでしょう、柳にユーレイ、みたいな感じで、とうもろこし畑にモンスターってのが、アメリカの片田舎だと定番なんでしょうか。評価的には、可もなく不可もなく。フツーのホラーです。フツーのホラーらしく、ゴアフツー、ストーリーフツー、役者さんたちもいたってフツー…
…って、あんまり書くことがなくなってしまいました!
とりあえず、OPの説明から。
メガネ男子のスコット(デヴォン・グレイ)、イケメン・クリス(J・C・トーマソン)、ブライアン(ウェス・チェザム)、GFのナタリー(タミン・サーソク)、ジョニー(ベン・イースター)の5人組が、車で田舎町を横断中。そこへ突然、フロントガラスにカラスがぶつかってきて割れちゃう。驚いたブライアンはハンドル操作を誤って、道をはずれて路肩のなかへ。
ここで車が動かなくなっちゃって、周囲はどこを見わたしてもとうもろこし畑だけ。困ったー、助けを呼ぼうにも、人がいないし! ってときに、ジョニーがふらふら~っと、どこかにいっちゃう。どこまで世話焼かせるんだと、ブライアンは舎弟のスコットをひきつれて、畑のなかに踏み入っていきますが…
なんか、TV映画みたいにそつない内容です。
描写がもの足りないなと感じたのは、まず案山子がさほど不気味じゃない。この案山子、登場しょっぱなから、なかに死体でも入ってるでしょ? と、みえみえなのですが、そういう気持ち悪さが伝わってきません。もっと気色悪くてもいいのに。
これとおんなじことが、ストーリーの随所随所で見うけられます。うーん、ギャーギャーわめいてるわりに、殺害方法とか… ループの場面とか。回想シーンを使ったなら、ミステリ要素もほしかった。
どうも、失敗しないようにきまじめに、守りに入って作っちゃったあまり、突出する部分がなくなっちゃって、数ある似たようなホラーに埋もれてしまった、そんな感じです。もうちょっと、がんばってください!
ほかにも、気になっているB級、C級ものがいくつかあるんですが。余裕があったら、おいおい観ていきたいなと思っています… って、え? 決めつけちゃダメですて?(笑)
とうもろこし畑というと、
まずキングの短編かな。
かわいい女の子が
ひとりだけ…
きゃー、
カラスの襲撃です!
あら、
不気味ですね~
あらあら、
さ~、どうしましょ?
(2011)アメリカ
出演…デヴォン・グレイ
ウェス・チェザム
J・C・トーマソン
監督…ブレット・サイモンス
★★☆
〔ストーリー〕
男女5人で車で移動中、突然窓ガラスにカラスがぶつかってくる。そのショックで、車は道をはずれてエンジン故障。そこはとうもろこし畑のどまんなか。途方にくれていると、仲間のひとり、ジョニーの姿がふいに見えなくなってしまう。心配したスコットとブライアンは、ナタリーとクリスを置いてあたりを歩きまわるが…
前回がそうとうキツイ内容でしたので、軽いホラーでリセットしたかったんです。
〈アフター・ダーク〉フィルムなんですけど、フェス参加作品ではないみたいです。てっきり、もうそんな時期かぁー、(…今度で5弾めでしたっけ?) ラインナップをさがしたんですけど、まだ発表されてないようです。今回も、楽しいホラーを期待したいですよね♪
えっと、この作品の内容をざっくばらんにいってしまいますと、とうもろこし畑で案山子に襲われる映画!!
…いや、ほんと、それだけなんですって。
なんでしょう、柳にユーレイ、みたいな感じで、とうもろこし畑にモンスターってのが、アメリカの片田舎だと定番なんでしょうか。評価的には、可もなく不可もなく。フツーのホラーです。フツーのホラーらしく、ゴアフツー、ストーリーフツー、役者さんたちもいたってフツー…
…って、あんまり書くことがなくなってしまいました!
とりあえず、OPの説明から。
メガネ男子のスコット(デヴォン・グレイ)、イケメン・クリス(J・C・トーマソン)、ブライアン(ウェス・チェザム)、GFのナタリー(タミン・サーソク)、ジョニー(ベン・イースター)の5人組が、車で田舎町を横断中。そこへ突然、フロントガラスにカラスがぶつかってきて割れちゃう。驚いたブライアンはハンドル操作を誤って、道をはずれて路肩のなかへ。
ここで車が動かなくなっちゃって、周囲はどこを見わたしてもとうもろこし畑だけ。困ったー、助けを呼ぼうにも、人がいないし! ってときに、ジョニーがふらふら~っと、どこかにいっちゃう。どこまで世話焼かせるんだと、ブライアンは舎弟のスコットをひきつれて、畑のなかに踏み入っていきますが…
なんか、TV映画みたいにそつない内容です。
描写がもの足りないなと感じたのは、まず案山子がさほど不気味じゃない。この案山子、登場しょっぱなから、なかに死体でも入ってるでしょ? と、みえみえなのですが、そういう気持ち悪さが伝わってきません。もっと気色悪くてもいいのに。
これとおんなじことが、ストーリーの随所随所で見うけられます。うーん、ギャーギャーわめいてるわりに、殺害方法とか… ループの場面とか。回想シーンを使ったなら、ミステリ要素もほしかった。
どうも、失敗しないようにきまじめに、守りに入って作っちゃったあまり、突出する部分がなくなっちゃって、数ある似たようなホラーに埋もれてしまった、そんな感じです。もうちょっと、がんばってください!
ほかにも、気になっているB級、C級ものがいくつかあるんですが。余裕があったら、おいおい観ていきたいなと思っています… って、え? 決めつけちゃダメですて?(笑)
とうもろこし畑というと、
まずキングの短編かな。
かわいい女の子が
ひとりだけ…
きゃー、
カラスの襲撃です!
あら、
不気味ですね~
あらあら、
さ~、どうしましょ?
Red White & Blue
(2010)アメリカ
出演…ノア・タイラー
アマンダ・フラー
マーク・センター
監督…サイモン・ラムレイ
★★★☆
〔ストーリー〕
昼は皿洗いのパートタイム、夜な夜なシングルバーで男たちを漁るエリカ。その日暮らしの自堕落な生活を送っているが、心のなかは空っぽ…
ある日、仕事をクビになってしまったエリカは、職探しにむかうと… おなじアパートに住むおせっかいの男性ネイトと働くことに。最初は反発するエリカだが、ネイトの辛抱強い態度にしだいに心をひらきだす。ふたりはそのまま、友人関係になれそうな雰囲気だったのだが…
すごくすごくこわい映画ですので、軽い気持ちで暇つぶしで観てはいけません…!
じわじわあたたまってくる狂気は、だれにも止められないのです!!
ガツンとくる映画って、しばらく心にひっかかって、あとあとまでひきずっちゃうものなんですが… ふー、こんな複雑な思いはひさしぶり。この作品は文字どおり、ガッツーン!! とくる映画です。覚悟してかからないと、簡単に飲みこまれてしまいます。
物語は、堕落的な生活を送るエリカ(アマンダ・フラー)の日常からはじまります。エリカは夜な夜なバーにくりだして、気に入った男性を見つけては、一夜かぎりの関係をつづけている。ときに数人、ときにひと晩中。本人はそれで、さびしさを埋めているつもりなんでしょうが… こんな生活、精神的にいいはずありません。彼女はしだいに内側から、ボロボロになっていってしまいます。
ある日、度重なる遅刻を理由に仕事をクビになってしまう。途方にくれたエリカが職探しにむかうと… おなじアパートに住む、なにかとおせっかい(?)を焼いてくる、やはり孤独な男性ネイト(ノア・タイラー)とおなじ職場で働くことになります。
ネイトはなぜか、エリカにたいして保護者のように振る舞いたがります。「だいじょうぶ?」とか、しょっちゅうやさしい声をかけてきたり。
孤独な人間同士、たぶん、彼にはエリカが傷ついてるちっちゃな女の子に見えたのですね。そして、ある事件をきっかけに、エリカは彼に心をひらくことに。といっても、恋愛関係になるわけじゃありません。お互いに、信頼できる相手をほしかったのです。
しだいに仲良くなっていくふたり。このまま、いい友人関係になれるんじゃない? …そう、期待しちゃった矢先にーーー、
恐怖の崩壊の序曲がはじまっちゃうのです!!! 残酷すぎる!!!
前半、主要人物たちの描写(エリカ、ネイト、あともうひとり登場します)が結構長くて、もうすこし縮められたんじゃない? とか、思ってたんですけど。最終的な凶悪事件が発生するにあたって、これくらいじっくり描くのも必要だと思いなおしました。この後、彼らは信じられない悪夢に突入してしまうんですが… でも、世間的に見てみれば、よくある事件なのかも。それだけに、被害者と加害者をじっくり描くのって、必要なんですね。
思うに、人間の価値観なんて、その本人にしかわからないもの。だから、事件の核心じたいも第三者にはとてもじゃないけど、理解しがたいものなのかも。
人は結局、本能で動いてしまうものなんです! 加害者に同情してしまうのは、その衝動作用が共感できるからじゃないですか?
グロテスク表現が苦手な人には、きっと無理だと思います。でも、できたらいろんな方に観ていただきたい。映画の質もたいへん高いと思います。
加害者に同調する気持ちもあるけれど… 最終的には、軟弱な理性が邪魔をする。
弱い人間でよかった!
自堕落な暮らしをする
エリカ。
ネイトはなぜか、
彼女におせっかい。
彼の孤独は
どこからくるんでしょう?
マザコンのギタリスト、
フランク。
ネイトがむこう側に
いってしまった原因は…
(2010)アメリカ
出演…ノア・タイラー
アマンダ・フラー
マーク・センター
監督…サイモン・ラムレイ
★★★☆
〔ストーリー〕
昼は皿洗いのパートタイム、夜な夜なシングルバーで男たちを漁るエリカ。その日暮らしの自堕落な生活を送っているが、心のなかは空っぽ…
ある日、仕事をクビになってしまったエリカは、職探しにむかうと… おなじアパートに住むおせっかいの男性ネイトと働くことに。最初は反発するエリカだが、ネイトの辛抱強い態度にしだいに心をひらきだす。ふたりはそのまま、友人関係になれそうな雰囲気だったのだが…
すごくすごくこわい映画ですので、軽い気持ちで暇つぶしで観てはいけません…!
じわじわあたたまってくる狂気は、だれにも止められないのです!!
ガツンとくる映画って、しばらく心にひっかかって、あとあとまでひきずっちゃうものなんですが… ふー、こんな複雑な思いはひさしぶり。この作品は文字どおり、ガッツーン!! とくる映画です。覚悟してかからないと、簡単に飲みこまれてしまいます。
物語は、堕落的な生活を送るエリカ(アマンダ・フラー)の日常からはじまります。エリカは夜な夜なバーにくりだして、気に入った男性を見つけては、一夜かぎりの関係をつづけている。ときに数人、ときにひと晩中。本人はそれで、さびしさを埋めているつもりなんでしょうが… こんな生活、精神的にいいはずありません。彼女はしだいに内側から、ボロボロになっていってしまいます。
ある日、度重なる遅刻を理由に仕事をクビになってしまう。途方にくれたエリカが職探しにむかうと… おなじアパートに住む、なにかとおせっかい(?)を焼いてくる、やはり孤独な男性ネイト(ノア・タイラー)とおなじ職場で働くことになります。
ネイトはなぜか、エリカにたいして保護者のように振る舞いたがります。「だいじょうぶ?」とか、しょっちゅうやさしい声をかけてきたり。
孤独な人間同士、たぶん、彼にはエリカが傷ついてるちっちゃな女の子に見えたのですね。そして、ある事件をきっかけに、エリカは彼に心をひらくことに。といっても、恋愛関係になるわけじゃありません。お互いに、信頼できる相手をほしかったのです。
しだいに仲良くなっていくふたり。このまま、いい友人関係になれるんじゃない? …そう、期待しちゃった矢先にーーー、
恐怖の崩壊の序曲がはじまっちゃうのです!!! 残酷すぎる!!!
前半、主要人物たちの描写(エリカ、ネイト、あともうひとり登場します)が結構長くて、もうすこし縮められたんじゃない? とか、思ってたんですけど。最終的な凶悪事件が発生するにあたって、これくらいじっくり描くのも必要だと思いなおしました。この後、彼らは信じられない悪夢に突入してしまうんですが… でも、世間的に見てみれば、よくある事件なのかも。それだけに、被害者と加害者をじっくり描くのって、必要なんですね。
思うに、人間の価値観なんて、その本人にしかわからないもの。だから、事件の核心じたいも第三者にはとてもじゃないけど、理解しがたいものなのかも。
人は結局、本能で動いてしまうものなんです! 加害者に同情してしまうのは、その衝動作用が共感できるからじゃないですか?
グロテスク表現が苦手な人には、きっと無理だと思います。でも、できたらいろんな方に観ていただきたい。映画の質もたいへん高いと思います。
加害者に同調する気持ちもあるけれど… 最終的には、軟弱な理性が邪魔をする。
弱い人間でよかった!
自堕落な暮らしをする
エリカ。
ネイトはなぜか、
彼女におせっかい。
彼の孤独は
どこからくるんでしょう?
マザコンのギタリスト、
フランク。
ネイトがむこう側に
いってしまった原因は…
Los ojos de Julia
(2010)スペイン
出演…べレン・エルダ
リュイス・ホーマー
パブロ・デルキ
監督…ギレム・モラレス
製作…ギレルモ・デル・トロ
★★★☆
〔ストーリー〕
講演中に、突然ストールが首に巻きついて倒れてしまったジュリア。妙な胸さわぎをおぼえた彼女は、唯一の肉親である双子の妹サラのもとへ、夫のイサックとともにむかう。だが、サラは自宅の地下室で首を吊っていた。
サラは徐々に視力を失っていく病に冒されていたため、未来を悲観した自殺だろうと、警察に処理される。だが、ジュリアは妹が自殺するはずないと、疑念を抱くのだが…
期待どおりの優秀作品。
たんなるサスペンスかと思って観ると、びっくりします。
スペイン映画って、いまいち情報が入ってこなくて、正直よくわかんないんですよ。でも、ホラー・ミステリ関係の映画はやたらと優秀な作品が多いです。ギレルモ製作と聞いて、期待しちゃってたんですけど、これはそうとういいと思います! おそらく、映画製作の環境がすごくいいんだろうかと思われます。
物語は、盲目の女性サラ(べレン・エルダのふた役)が自殺するところからはじまります。彼女は目が見えないはずなのですが、暗闇をおびえ、その暗闇になにかが潜んでいるとこわがっています… そして、彼女がこと切れた瞬間、双子のジュリアがそれに感応、なにかが起こったと悟り、夫のイサック(リュイス・ホーマー)とともに急いで駆けつけるのですが…
独身のサラは将来を悲観しての自殺と、警察は捜査を終了。しかし、ジュリアにはどうしても、妹が自殺したとは思えない。ちょうどそのあたり一帯は停電になっていて、電気が通った瞬間、ステレオから音楽が… この音楽、サラが大っ嫌いな曲でした。やっぱりサラは、自殺なんかじゃない!
こうしてジュリアは、妹サラの身辺をさぐりだそうとするのですが… 現実的な夫のイサックは、妻が被害妄想に陥っているといい顔をしません。ですが、サラにはどうやら恋人がいたようなのです。その恋人をもとめて、ふたりが泊まっていたというホテルにむかうのですが…
この作品は、「ブラインド」がテーマ。だから、事実 “見えない人” というのがたくさん登場します。
ふつう、“見えない人” っていうのは、孤独だったり、自己の内側にひきこもっていたり、存在を軽視されていたり… けれども、ジュリアが追いもとめる “見えない人” は、「邪悪」なのですよね。ホテルの従業員のおじいさんが、この「見えない邪悪」について説くシーンは、ぞくぞくきちゃいます~
前半、先がまったく読めなくて、後半からまったり… あーらら、やっぱり標準の着地点に落ちちゃうのかな? と思ってますと、あとからグイグイいきますからー!! ここからラストまで、いっきに息つくひまなくスリリングです。殺人鬼も存在感があって、じゅうぶんこわい!
それほど(ストーリーに)意外性はないんですが、スペイン映画らしい、緻密な構成と暗く不気味な雰囲気が世界観を手堅く構成してます。「El orfanato」(「永遠のこどもたち」2007)と似ているなと思っていたら、そういえば、ヒロインはおなじ女優さんでした! あと、(語られない部分で)犯人の強迫観念を浮き彫りにするところなんかも、腕に技あり! と思います。
そして、ラストはせつなく感動的… とりあえず、ここまででいうことなし!!
スペインホラー、大好きです。
しだいに疑念を募らせる、
ジュリア。
夫のイサックはなぜか、
非協力的ですが…?
いいシーンだな~
地下道って絵になります!
ハッ!!
ジュリアが見ちゃった
ものは??
暗闇のなかで、
「邪悪」との戦い!!
(2010)スペイン
出演…べレン・エルダ
リュイス・ホーマー
パブロ・デルキ
監督…ギレム・モラレス
製作…ギレルモ・デル・トロ
★★★☆
〔ストーリー〕
講演中に、突然ストールが首に巻きついて倒れてしまったジュリア。妙な胸さわぎをおぼえた彼女は、唯一の肉親である双子の妹サラのもとへ、夫のイサックとともにむかう。だが、サラは自宅の地下室で首を吊っていた。
サラは徐々に視力を失っていく病に冒されていたため、未来を悲観した自殺だろうと、警察に処理される。だが、ジュリアは妹が自殺するはずないと、疑念を抱くのだが…
期待どおりの優秀作品。
たんなるサスペンスかと思って観ると、びっくりします。
スペイン映画って、いまいち情報が入ってこなくて、正直よくわかんないんですよ。でも、ホラー・ミステリ関係の映画はやたらと優秀な作品が多いです。ギレルモ製作と聞いて、期待しちゃってたんですけど、これはそうとういいと思います! おそらく、映画製作の環境がすごくいいんだろうかと思われます。
物語は、盲目の女性サラ(べレン・エルダのふた役)が自殺するところからはじまります。彼女は目が見えないはずなのですが、暗闇をおびえ、その暗闇になにかが潜んでいるとこわがっています… そして、彼女がこと切れた瞬間、双子のジュリアがそれに感応、なにかが起こったと悟り、夫のイサック(リュイス・ホーマー)とともに急いで駆けつけるのですが…
独身のサラは将来を悲観しての自殺と、警察は捜査を終了。しかし、ジュリアにはどうしても、妹が自殺したとは思えない。ちょうどそのあたり一帯は停電になっていて、電気が通った瞬間、ステレオから音楽が… この音楽、サラが大っ嫌いな曲でした。やっぱりサラは、自殺なんかじゃない!
こうしてジュリアは、妹サラの身辺をさぐりだそうとするのですが… 現実的な夫のイサックは、妻が被害妄想に陥っているといい顔をしません。ですが、サラにはどうやら恋人がいたようなのです。その恋人をもとめて、ふたりが泊まっていたというホテルにむかうのですが…
この作品は、「ブラインド」がテーマ。だから、事実 “見えない人” というのがたくさん登場します。
ふつう、“見えない人” っていうのは、孤独だったり、自己の内側にひきこもっていたり、存在を軽視されていたり… けれども、ジュリアが追いもとめる “見えない人” は、「邪悪」なのですよね。ホテルの従業員のおじいさんが、この「見えない邪悪」について説くシーンは、ぞくぞくきちゃいます~
前半、先がまったく読めなくて、後半からまったり… あーらら、やっぱり標準の着地点に落ちちゃうのかな? と思ってますと、あとからグイグイいきますからー!! ここからラストまで、いっきに息つくひまなくスリリングです。殺人鬼も存在感があって、じゅうぶんこわい!
それほど(ストーリーに)意外性はないんですが、スペイン映画らしい、緻密な構成と暗く不気味な雰囲気が世界観を手堅く構成してます。「El orfanato」(「永遠のこどもたち」2007)と似ているなと思っていたら、そういえば、ヒロインはおなじ女優さんでした! あと、(語られない部分で)犯人の強迫観念を浮き彫りにするところなんかも、腕に技あり! と思います。
そして、ラストはせつなく感動的… とりあえず、ここまででいうことなし!!
スペインホラー、大好きです。
しだいに疑念を募らせる、
ジュリア。
夫のイサックはなぜか、
非協力的ですが…?
いいシーンだな~
地下道って絵になります!
ハッ!!
ジュリアが見ちゃった
ものは??
暗闇のなかで、
「邪悪」との戦い!!
Somos lo que hey
(2010)メキシコ
出演…フランシスコ・ヴァレリオ
ミリアム・バルデラス
アドリアン・アクーレ
監督…ジョージ・マイケル・グラウ
★★★
〔ストーリー〕
ある日突然街中で、男性が倒れて死んでしまう。彼の死因はどうやら、心臓発作だったらしい。
父親が突然死したと知ったその家族、妻とふたりの息子、娘たち4人は、途方にくれてしまう。なんと、貧しい一家は子供たちを育てるために、人肉に手を出していた!! 食糧を調達する役目だった父が死んでしまった以上、これからは、自分たちでどうにかにしなければならないが…
メキシコの不思議な人喰い一家ドラマ。
メキシコっていうと… うん、あれだ!!
タイトルから、ニューロティック・ホラーかなと思ってたんですけど、(英題では、「We are what we are」)、カニバルホラーだったのですね。わりとシリアスなドラマでして、カニバル要素はあんまりないです。そう残酷じゃないから、映画好きな人たちにもうけいれやすそうです。
お話は、とある男性が街中で突然死しちゃうところからはじまります。彼は、ショーウィンドウのなかのマネキンに心を奪われて… じゃなくて、ショーウィンドウに映った自分自身にショックをうけてたんですね。で、そのまんま、ズキンとなって、倒れて死んじゃう。
そのころ、スラムな界隈に住んでいる家族たち、母アドリアナ(アドリアン・アクーレ)と長男アルフレド(フランシスコ・ヴァリレオ)と次男(名前、ド忘れ!!)、末娘のサビーナ(ミリアム・バルデラス)。
夫がもどってこないことを心配する母は、兄弟たちに、父のかわりに店をひらくようにと強要します。父は一応時計職人でしたが、それだけではとてもではないが、食べていけません。おまけに、新しい地主を名乗るオバサンから、場所代を払わないやつは置いておけないと、追いだされてしまう。そして、とうとう父の訃報を知ることになり…
唯一の稼ぎ手(というか、食糧調達役だった)父親が死んじゃった手前、いままで人肉を食べてきた家族たちはどうするのか?? そういうお話。ですから、ホラー… じゃないんですよねー、なんか、不思議な雰囲気のドラマなんです。
まず、彼らがなぜカニバリズムになったのか?
というか、カニバリズムの必然性が、さほど感じられず… うーんと、必要に迫られて、とか、あくまで趣向、とかわかりやすいのじゃなくて、なんか、もうすでに生活の一部だから、みたいな前提のもとにストーリーが進んでっちゃうので… あれれれ? 緊張感とか、緊迫感とか、そういうのも感じられない。
もしかして、彼らは人間とはべつの種なのでは? なんて、深読みさえしちゃう曖昧さなのです。
で、さほどリアリティもなくて、ホラーでもなくて、なんでけっこう評価が高いのかというと、家族のドラマはまあまあ、思春期の息子・娘たちの成長(というか、父が死んだことによって迫られる自立の過程)が、けっこうよく描かれている。
おもしろいなと思ったのは、人喰いって、いままでは対象がホラーな被害者(都会からやってきた旅行者とか、道に迷っちゃったドライバーとか…)いきあたりばったりだったんですけど、この作品では、ちゃんと選んでます!!
この選び方も、自分より弱そう~ とか、襲いやすそう~、というのではない。ようは、セックス・シンボルなのです!!!
これはちょっと、新鮮ですよねー。でも、考えてみれば、好みじゃない人間なんて食べたくないかも… っていうか、おいしそうじゃないかも!! 脂ぎったきちゃないオッサンとか、ぜったい食べたくないですもん。三段腹のきちゃないオバサンも、ぜったい口に入れたくないと思うー。
ママのアドリアナは、ヒステリックでちょっとこわいです。
長男のアルフレドはマジメで不器用、次男は感情的で暴力的。そして、末娘のサビーナは…
メキシコっていうと、わたしはもっともこわい犯罪国家ってイメージがあります。ホラーな事件や死体なんて、日常茶飯事みたいな。だから、人喰い程度では、たいして衝撃的な題材ではないのかもしれません。それだから、カニバリズムの殺人鬼も、悩める一市民として描かれているのかも…?
煮えきらない感がやたらウズウズするんですが、これはこれで楽しめます。それから、ラストはホラーでス・テ・キ♪ あなたがカニバル好きでも、文学好きでもあっても…
手前が次男、不器用すぎる長男。
カニバルだけど、
悩める乙女。
ママ、こわいよ!!
兄妹たちは悩んだ末に…
ハント、
無理やり決行!!!
(2010)メキシコ
出演…フランシスコ・ヴァレリオ
ミリアム・バルデラス
アドリアン・アクーレ
監督…ジョージ・マイケル・グラウ
★★★
〔ストーリー〕
ある日突然街中で、男性が倒れて死んでしまう。彼の死因はどうやら、心臓発作だったらしい。
父親が突然死したと知ったその家族、妻とふたりの息子、娘たち4人は、途方にくれてしまう。なんと、貧しい一家は子供たちを育てるために、人肉に手を出していた!! 食糧を調達する役目だった父が死んでしまった以上、これからは、自分たちでどうにかにしなければならないが…
メキシコの不思議な人喰い一家ドラマ。
メキシコっていうと… うん、あれだ!!
タイトルから、ニューロティック・ホラーかなと思ってたんですけど、(英題では、「We are what we are」)、カニバルホラーだったのですね。わりとシリアスなドラマでして、カニバル要素はあんまりないです。そう残酷じゃないから、映画好きな人たちにもうけいれやすそうです。
お話は、とある男性が街中で突然死しちゃうところからはじまります。彼は、ショーウィンドウのなかのマネキンに心を奪われて… じゃなくて、ショーウィンドウに映った自分自身にショックをうけてたんですね。で、そのまんま、ズキンとなって、倒れて死んじゃう。
そのころ、スラムな界隈に住んでいる家族たち、母アドリアナ(アドリアン・アクーレ)と長男アルフレド(フランシスコ・ヴァリレオ)と次男(名前、ド忘れ!!)、末娘のサビーナ(ミリアム・バルデラス)。
夫がもどってこないことを心配する母は、兄弟たちに、父のかわりに店をひらくようにと強要します。父は一応時計職人でしたが、それだけではとてもではないが、食べていけません。おまけに、新しい地主を名乗るオバサンから、場所代を払わないやつは置いておけないと、追いだされてしまう。そして、とうとう父の訃報を知ることになり…
唯一の稼ぎ手(というか、食糧調達役だった)父親が死んじゃった手前、いままで人肉を食べてきた家族たちはどうするのか?? そういうお話。ですから、ホラー… じゃないんですよねー、なんか、不思議な雰囲気のドラマなんです。
まず、彼らがなぜカニバリズムになったのか?
というか、カニバリズムの必然性が、さほど感じられず… うーんと、必要に迫られて、とか、あくまで趣向、とかわかりやすいのじゃなくて、なんか、もうすでに生活の一部だから、みたいな前提のもとにストーリーが進んでっちゃうので… あれれれ? 緊張感とか、緊迫感とか、そういうのも感じられない。
もしかして、彼らは人間とはべつの種なのでは? なんて、深読みさえしちゃう曖昧さなのです。
で、さほどリアリティもなくて、ホラーでもなくて、なんでけっこう評価が高いのかというと、家族のドラマはまあまあ、思春期の息子・娘たちの成長(というか、父が死んだことによって迫られる自立の過程)が、けっこうよく描かれている。
おもしろいなと思ったのは、人喰いって、いままでは対象がホラーな被害者(都会からやってきた旅行者とか、道に迷っちゃったドライバーとか…)いきあたりばったりだったんですけど、この作品では、ちゃんと選んでます!!
この選び方も、自分より弱そう~ とか、襲いやすそう~、というのではない。ようは、セックス・シンボルなのです!!!
これはちょっと、新鮮ですよねー。でも、考えてみれば、好みじゃない人間なんて食べたくないかも… っていうか、おいしそうじゃないかも!! 脂ぎったきちゃないオッサンとか、ぜったい食べたくないですもん。三段腹のきちゃないオバサンも、ぜったい口に入れたくないと思うー。
ママのアドリアナは、ヒステリックでちょっとこわいです。
長男のアルフレドはマジメで不器用、次男は感情的で暴力的。そして、末娘のサビーナは…
メキシコっていうと、わたしはもっともこわい犯罪国家ってイメージがあります。ホラーな事件や死体なんて、日常茶飯事みたいな。だから、人喰い程度では、たいして衝撃的な題材ではないのかもしれません。それだから、カニバリズムの殺人鬼も、悩める一市民として描かれているのかも…?
煮えきらない感がやたらウズウズするんですが、これはこれで楽しめます。それから、ラストはホラーでス・テ・キ♪ あなたがカニバル好きでも、文学好きでもあっても…
手前が次男、不器用すぎる長男。
カニバルだけど、
悩める乙女。
ママ、こわいよ!!
兄妹たちは悩んだ末に…
ハント、
無理やり決行!!!
Tucker & Dale vs Evil
(2010)カナダ
出演…タイラー・ラビン
アラン・テュディック
カタリナ・ボーデン
監督…イーライ・クレイグ
★★★
〔ストーリー〕
タッカーとデイルは親友同士、気のいい田舎者。ところが、都会からキャンプに訪れていた若者グループと出会ってしまったことから… 彼らに危険人物と思われてしまい、沼で溺れかけた仲間のひとり、アリスンを助けた現場を、彼女を襲っていると勘ちがいされてしまい…?!?
ひさびさのアタリなコメディ・ホラーでっす!!
本作は、田舎ホラーのパロディかと思わせて… じつは、田舎男に萌える映画だったりしますー♪
監督のイーライ・クレイグは、これが初の長編作品だそうです。「The Rage: Carrie 2」(「キャリー 2」1999)にも出演されてるところを見ると、もともとホラー好きの方なんでしょうか。非常にテンポがよくて、最後まで楽しく観ることができました。家族でも安心してご覧になれる、ホンワカしたハッピーなホラー映画です。
とりあえず、解説です。
タッカー(アラン・テュディック)とデイル(タイラー・ラビン)は、親友同士。タッカーはどこにでもいる、田舎育ちの気のいい兄ちゃんで、デイルはちょっと頭が弱くておひとよし。タッカーが兄貴分で、デイルにいろいろと教えてやっているって、関係ですね。そこを、なんにも知らない都会の若者集団がやってくる。
若者集団はチャド(ジェシー・モス)をはじめとする、総勢8人。そこには美人のアリソン(カタリナ・ボーデン)もいて、デイルはいっぺんで彼女に惹かれてしまいます。けれども、田舎免疫のない若者たちは、ふたりの粗野な恰好におそれおののいて、勝手に脳内危険人物に指定してしまいます…
その晩、湿地帯で魚釣りするタッカーとデイル。
すぐ近くのキャンプ場からやってきた、バカ騒ぎする子供たち。
偶然アリソンの姿を見かけたデイル、彼女を驚かしてしまい、水のなかに落としてしまいます。どうにか彼女を救出するふたりですが… その姿を物陰から見ていた若者集団、なんと、アリソンが襲われているー!! と勝手に勘ちがいしてしまうのです… そこからはじまる、おバカな自滅型ホラーです~。
図式としましては、田舎モンと悪ガキを戦わせてみたら、田舎モンのほうが強かった!! という、お話。
若者集団のリーダー的なチャドがまず、ちょっぴりアブナイ傾向があります。んで、他7名はアホの子ときているから、事態はどんどんいらん方向に突き進んでしまう… あとやっぱり、海外の田舎って、都会人をバカにするのが常なんですかね。
こういう、勘ちがいからくる自滅型ホラーってありましたでしょうか? なんか、あるようで、ないような、でも、あるような…
田舎ホラーのパロディということで、いろんな田舎要素が入ってきて楽しいです。田舎はまず、致命傷になりそうな農具がたくさんあるからいいですよね! ウフフー、どれを使うの? と、おおいに期待しちゃいます。
コテコテのホラーのように見うけられますが、じつはギャグ要素はすくなくて、あくまでテーマだけで笑わせてやろう、という意気込みの感じられる作品。だから、細かいところも芸が凝ってておもしろいのです。ハチに刺された箇所が地味~ にひいてくところなんか、本編とは関係ないんですけど妙におかしかったです。
ふたりの登場シーンのおおげさな音楽から、笑えちゃう!
タッカーの男気も惹かれるのもよし、デイルたんに萌えるのもよし。そして、デイルたんの恋の行方は…??(← じつは、こっちが本筋だったりするー)。
結論としましては、アホな子は敵にまわしてはやっかい、味方にしても頼りない… たいして、田舎モンは敵にまわすとおそろしいし、味方にするとけっこうなサポートになる!! と。自然に囲まれた生活と力仕事が、彼らを無敵にするのですか…??
このふたりの顔にピンときたら、ぜひともご覧になりましょう!!
なんでこうなるの?
だからー、
なんでこうなるのっ!!
アリソンの姿に見とれて
しまったことから…
なんでこうなる
NOーーー!!!
…だから、
な、なんでこうなるの??
(2010)カナダ
出演…タイラー・ラビン
アラン・テュディック
カタリナ・ボーデン
監督…イーライ・クレイグ
★★★
〔ストーリー〕
タッカーとデイルは親友同士、気のいい田舎者。ところが、都会からキャンプに訪れていた若者グループと出会ってしまったことから… 彼らに危険人物と思われてしまい、沼で溺れかけた仲間のひとり、アリスンを助けた現場を、彼女を襲っていると勘ちがいされてしまい…?!?
ひさびさのアタリなコメディ・ホラーでっす!!
本作は、田舎ホラーのパロディかと思わせて… じつは、田舎男に萌える映画だったりしますー♪
監督のイーライ・クレイグは、これが初の長編作品だそうです。「The Rage: Carrie 2」(「キャリー 2」1999)にも出演されてるところを見ると、もともとホラー好きの方なんでしょうか。非常にテンポがよくて、最後まで楽しく観ることができました。家族でも安心してご覧になれる、ホンワカしたハッピーなホラー映画です。
とりあえず、解説です。
タッカー(アラン・テュディック)とデイル(タイラー・ラビン)は、親友同士。タッカーはどこにでもいる、田舎育ちの気のいい兄ちゃんで、デイルはちょっと頭が弱くておひとよし。タッカーが兄貴分で、デイルにいろいろと教えてやっているって、関係ですね。そこを、なんにも知らない都会の若者集団がやってくる。
若者集団はチャド(ジェシー・モス)をはじめとする、総勢8人。そこには美人のアリソン(カタリナ・ボーデン)もいて、デイルはいっぺんで彼女に惹かれてしまいます。けれども、田舎免疫のない若者たちは、ふたりの粗野な恰好におそれおののいて、勝手に脳内危険人物に指定してしまいます…
その晩、湿地帯で魚釣りするタッカーとデイル。
すぐ近くのキャンプ場からやってきた、バカ騒ぎする子供たち。
偶然アリソンの姿を見かけたデイル、彼女を驚かしてしまい、水のなかに落としてしまいます。どうにか彼女を救出するふたりですが… その姿を物陰から見ていた若者集団、なんと、アリソンが襲われているー!! と勝手に勘ちがいしてしまうのです… そこからはじまる、おバカな自滅型ホラーです~。
図式としましては、田舎モンと悪ガキを戦わせてみたら、田舎モンのほうが強かった!! という、お話。
若者集団のリーダー的なチャドがまず、ちょっぴりアブナイ傾向があります。んで、他7名はアホの子ときているから、事態はどんどんいらん方向に突き進んでしまう… あとやっぱり、海外の田舎って、都会人をバカにするのが常なんですかね。
こういう、勘ちがいからくる自滅型ホラーってありましたでしょうか? なんか、あるようで、ないような、でも、あるような…
田舎ホラーのパロディということで、いろんな田舎要素が入ってきて楽しいです。田舎はまず、致命傷になりそうな農具がたくさんあるからいいですよね! ウフフー、どれを使うの? と、おおいに期待しちゃいます。
コテコテのホラーのように見うけられますが、じつはギャグ要素はすくなくて、あくまでテーマだけで笑わせてやろう、という意気込みの感じられる作品。だから、細かいところも芸が凝ってておもしろいのです。ハチに刺された箇所が地味~ にひいてくところなんか、本編とは関係ないんですけど妙におかしかったです。
ふたりの登場シーンのおおげさな音楽から、笑えちゃう!
タッカーの男気も惹かれるのもよし、デイルたんに萌えるのもよし。そして、デイルたんの恋の行方は…??(← じつは、こっちが本筋だったりするー)。
結論としましては、アホな子は敵にまわしてはやっかい、味方にしても頼りない… たいして、田舎モンは敵にまわすとおそろしいし、味方にするとけっこうなサポートになる!! と。自然に囲まれた生活と力仕事が、彼らを無敵にするのですか…??
このふたりの顔にピンときたら、ぜひともご覧になりましょう!!
なんでこうなるの?
だからー、
なんでこうなるのっ!!
アリソンの姿に見とれて
しまったことから…
なんでこうなる
NOーーー!!!
…だから、
な、なんでこうなるの??
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
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