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(2007)アメリカ
出演…エリン・ブラウン
ライアン・レックス
レジー・バニスター
監督…ロバート・カーツマン
★★☆
〔ストーリー〕
人里離れた森の奥の廃屋で、人類を“死” から解放しようと、おそるべき実験にいそしむヴィクター博士。彼は哀れな犠牲者を誘拐してきては、ゾンビをつくりだしていた…! そんな哀れな犠牲者のひとりが、ついに博士に報復、逃亡する。しかし、力尽きて倒れたところへ、運悪くハゲタカの群れが…
一方、森のべつの場所では、釣りにきていた叔父と幼い兄妹や、へヴィ・ロックの野外コンサートでキャンプする若者たちがいた…
パチモンぽいタイトルに、良識のある方は思わず引いてしまうかと思われますが、ご安心を! 監督を務めたロバート・カーツマンは、長らくホラー界にかかわってきた重鎮ともいえる人なんです。メイキャップや特殊効果でクレジットしている作品を挙げだしたら、ほんときりがないです。
ご参考と一例までに、
「Army Of Darkness」(「キャプテン・スーパーマーケット」1992)でしょ、「Pulp Fiction」(1994)でしょ、「From Dusk Till Dawn」(1996)でしょ、「Lord Of Illusion」(1995)に、「Scream」(1996)、「Wishmaster」(1997)なんてのもありました… それに、「The Faculty」(「パラサイト」1998)、「House on Haunted Hill」(「TATARI」1999)、「Thir13en Ghosts」(2001)、「Vanilla Sky」(2001)… ああ、ほんときりがない!
…で、彼が監督した(メイキャップも担当した)作品が続々と発表されています。ほとんどがB級ものらしいんですが、これはアタリ! な作品です。
さて、ゾンビです。
でも、ゾンビというよりは、マッドなサイエンティストです。
(そこはかとなく和やか~なムードの?)鬼畜人体実験ものです。
マッドなサイエンティストのヴィクター博士(アンドリュー・ディヴォフ)、森の奥の実験室で蘇生薬の開発にいそしむ日々です(…ん? どこかで聞いたような…?)。ある日とうとう、年貢の納めどきが! マウスに逆襲されちゃいました~。マウスは120%ゾンビと化して森をさまようのですが、そこへ(なぜか)ハゲタカの一群が…!!
B級テイストだと思って安心して観ていると、しょっぱなからショッキングなシーンに出くわしてびっくりしました。(いまどきの事情では、これくらいフツーなんですかね…?)
そして、不運にも近くに居あわせたほのぼの家族と若者たちに悲劇が…!
…もうお気づきかと思われますが、どこかで見たような感たっぷりの、おいしいとこどりホラーです。見どころはゾンビ・ハゲタカなんですが、安っぽいCG処理にバカバカしいと思っていても、けっこう盛りあがっちゃいます。そのほかにも、ゾンビ・フィッシュなんかも登場します。どうせなら、ゾンビ・スネークやゾンビ・ラビットなんかも登場しても、楽しかったかもしれません(…すいません、余談です)。
B級なんですけど、ゾンビ映画としてのクオリティはなかなか高しです。
ヴィクター博士の犠牲になった失敗作連中、ゾンビというよりフリークで、これまた愛嬌たっぷりです。このあたり、ラヴクラフト御大の 『死体蘇生者/ハーバート・ウェスト』 みたいでキャラ立ちしていて楽しいです。
だって、ゾンビなのに、脳天で板を 「バコーン!」 と割って(← レスラー?)、いきなり首絞め~!
ゾンビなのに、「オレだってフツーになりたいんだー!」 と、ナイフで切りかかり~!
…などなど、オチャメな突っこみどころが満載なので、みなさんもそれぞれ探してみてくださいね♪
程よいテンポ、(ゾンビ映画としての)ストーリー性、バカバカしさ&グロテスク度と、いうことなしの充実した内容なので、けっこうファンを集める作品かもしれません。
ヒロインには、〈マスター・オブ・ホラー〉の「虫おんな」で不思議ちゃん少女を演じた、エリン・ブラウン。相変わらずカ~ワイイ♪ でございますー。
どっかで見たようなポーズ…
(→ ヒントはここ!)
感染者さん第○号。
このチビフリークがカワイイ♪
醜いってだけで、サクサクやっ
ちゃってもいいんですかー!!
お見苦しい画像ばかりなので、目の保養です。
ビッチなケイト役のエリン・ブラウン♪
…?? えーと、
これはなんでしょうね…?
Elm Street
Part 4: The Dream Master
(1988)アメリカ
出演…リサ・ウィルコックス
チューズデイ・ナイト
アンドラス・ジョーンズ
監督…レニー・ハーリン
★★★
〔ストーリー〕
フレディの毒牙から危うく逃れたクリステンは、平凡な高校生活を送っていた。だが、またしても悪夢が…
クリステンはおなじく悪夢を克服した友人・キンケイドとジョーイに警告するが、まじめに聞き入れてもらえない。そんななか、恋人リックの妹アリスに奇妙な変化が…
とうとう第四弾まできてしまいました、「エルム街の悪夢4/ドリームマスター・最後の反撃」です。
今回監督を担当するのは、レニー・ハーリン。同年には、「Prison」(「プリズン」 …囚人モノのうらめしや~!)なんて作品もあります。この2年後には、「Die Hard 2」、「Cliffhanger」(「クリフハンガー」1993)、それから、「The Long KIss Goodnight」(1996)なんて作品も。ざっとヒット作ばかり並べてみましたが、ホ
ラーもけっこう多いです。いわば、売れっ子の監督さんです。
ここまできてしまうと、フレディの復活方法も半ば強引(?)です。てっとり早く甦っちゃって、サクサク復讐に乗りだします。温かい目で見守っていきましょう。
ハーリン監督はド派手でベタベタなアクションを得意とする人らしく、本作品も非常にわかりやすくて、おマヌケな見せ場がてんこ盛り! です。
前作の正当な続編らしく、フレディ・ネエさんに騙されて危機に陥ったジョーイが、またまたセクシーな罠にあっさり騙されちゃいます。クリステンやキンケイドもがんばるんですけど、今回はアリスに活躍の場を譲ります。このアリスが、夢見がちで現実逃避癖があり、“ドリームマスター” なる力を持っているために、関係のない友人たちまで巻きこんでしまうんですが…
正直、“ドリームマスター” の特色がわかりにくいっ!
爆笑もののアクション・シーンと、それとは完全に対を為す幻想シーンとが、不思議なテンポを醸しだしています。駆け足で進んでいたと思ったら、「あれれ?」 と、急にゆるくなっちゃったり…(笑)。
フレディに戦いを挑むアリスも、お兄ちゃんのリックに負けず劣らず、マンガっぽいです。とくに、犠牲になった友人たちの遺品を身につけて、「わたしに力を!!」 ってエピソードなんか、少年マンガの世界ですよね~。
たいへん子供っぽいんですけど、ノリはよく、はたまた悪ノリしすぎて、エライことになっちゃってたりと、けっこうとっちらかっている内容かもしれません…
あらためて再見してみまして、「うーん…? これはフレディ・シリーズとして、どうなのかな…??」 と、悩んでいましたら、結末で見事に逆襲されちゃいました。
フレさんの毒牙にかかった子供たちの阿鼻叫喚図が、度肝を抜くほど迫力があります。このシーンだけでも、この作品は観る価値あり~!! な、快作に化けちゃっていました。
またしてもジョーイ(ロドニー・
イーストマン)、単純なエッチ
作戦に…!!
本作の主役のアリス(リサ・
ウィルコックス)。
マンガちっくにがんばります。
「エエ~!!」と、だれもが
どっちらけたグラサン・フレディ。
南国にフツーに登場するんだ
もんなあ…
おいしそうなピザですねえ…
って、なんか叫んでますよ!
キャーッ!! これはなに?
なんの罠??
詳しくは本編で!!
Mirror Mirror
(1990)アメリカ
出演…クリスティン・ダッティロ
レインボー・ハーヴェスト
カレン・ブラック
イヴォンヌ・デ・カーロ
監督…マリーナ・サージェンティ
★★☆
〔ストーリー〕
内気で社交下手な少女メーガンが、母親のスーザンと新しい家に越してくる。そこで見つけた古い大きな姿見をひと目で気に入り、自室に置くことに。メーガンの過激なゴス・ファッションは、転入先の高校でも浮いていた。だが、正反対の性格のニッキと仲よしになって、すこしずつ周囲を溶けこみはじめるが…
わりと出来のいい部類に入る作品だと思うんですが、ほとんどレビューを見かけないので、書いてみました。邦題は、「ザ・ミラー/悪魔の棲む鏡」です。
さて、青春ホラーです。いじめられっ子です。
アメリカのいじめられっ子もの(とくに、少女限定)とくると、なぜかゴス・ファッションが多いです。健康的で明るい子がまとも、という外見重視の国でもあるので、日本みたいにわかりにくい理由でいじめられたりしません。そのへんのところが、観ているほうにも親切で、陰湿でなくてよかったりします(笑)。
ヒロインのメーガンを演じるレインボー・ハーヴェスト、フツーにしてるとわりと美人なんですが、「Beetlejuice」(「ビートルジュース」1988)のウィノナ・ライダーより過激です。転校したてというのに、初日から浮きまくっています。
そこへ、お約束のいじめっ子登場! もうひとりのヒロイン・ニッキ(クリスティン・ダットロ)と委員長を競っている、人気者のシャーリーンです。わざとらしいクスクス笑いや、とりまき連中とささいな嫌がらせ計画をしたりなんかして、ことあるごとにチクチクいじめます。いいですねえ~♪
ストーリーはタイトルから想像できる範囲のものなんですが、サスペンスのツボを押さえていて楽しいです。ニッキと仲よくなったメーガン、ちょっとずつ明るくなるんですが、そこはやっぱり天然ゴスっ子、ニッキのようにはなれません。積極的でもないし、ボーイフレンドもいない。精神的に弱い子が鏡の魔力にとりつかれてしまい、それをだんだん悪用するようになってしまいます。
現代の基準からすると、ショッキング度はやや弱めですが、「くるぞ、くるぞ…!」 というお馴染みのパターンは裏切りません。“自分がなったら最高にイヤだなー” 度では、シャワー室に入ったシャーリーンの末路なんですが、ニッキのドッペルゲンガーもたいへん不気味でした。(…どう不気味かは、本編でお楽しみになってください!)
キャストもなにげに、ホラー好きにはお楽しみな人たちばかりです。メーガンの母親役に、カレン・ブラック(初代マザー・ファイヤフライ!)、古物商の女主人エメリンに、「American Gothic」(1988)のママン(イヴォンヌ・デ・カーロ)! (← 余談ですが、お若いときには、それはそれはうつくしい女優さんでした!)
画面をブルーにして(鏡の中から見ている視点で)、少女の不安定さを狙っていることはわかるんですが、いまいちほろ苦さや、現実の痛みなんかが足りない…
…ですが、基準点にはじゅうぶん達している良作です。青春ものにハズレは少ないですね♪
奇抜なファッションでモジモジ…
当然、嘲笑の的にされちゃい
ます。
鏡から血が滴ってきました!
(…さて、だれがメーガンを見て
いるんでしょう?)
いじめっ子シャーリーン(チャー
リー・スプラドリング)のサービス
カット♪ この後、とんでもないこと
が起きちゃいます!
メーガンに親切にしたばっかり
に、悪夢に巻きこまれてしまった
ニッキですが…??
ラストでは、鏡の中からなにか
出てきます…!!!
(2007)アメリカ
出演…ジョエル・デヴィット・ムーア
アンバー・タンブリン
ザカリー・リーヴ
監督…アダム・グリーン/
ジョエル・デヴィット・ムーア
★★☆
〔ストーリー〕
喘息持ちで神経症の孤独な青年・メイスンの話し相手は、テレコミュニケーターの仕事で接客する電話のむこうの他人だけ。そんなある日、おなじく孤独な雰囲気の女性アンバーと知りあう。メイスンは唯一のとりえの画才で、アンバーをモデルに絵を描くことに。だが、毎夜不思議な声と強迫観念にとりつかれるようになり…
「Hatchet」(2006)で世界的に大注目を浴びた、ホラー界の新星・アダム・グリーンとジョエル・ムーアのコンビの2作目です。今回はなんと、ものすごくシンプルなスリラーです。では、感想から述べたいと思います。
ものすごーく無難に仕上がっています。
主人公のメイスンを演じるジョエル・ムーア、この作品では喘息持ちに神経症に強迫観念つきという、かなり危なっかしくて暗い青年を演じています。
前作「Hatchet」では、さまざまなキャラクターが登場していました。グロあり、お色気あり、笑いありと、たいへん賑やかで楽しい要素が満載でした。ムーアはとぼけた青年役だったのですが、この作品では百八十度ちがいます。でも、個性的な顔立ち(?)が功を奏しているといいますか、たいへん魅力的な役者さんです。だから、この作品で彼に焦点をあてたのは、大正解だったと思います!
さて、根暗でビョーキなメイスンくん、当然恋人も、親しい友人もいません。ですが、彼は薄気味悪いヤツというよりも、ちょっとかわいそうな感じの人です。おまけに、絵の才能があったりします。いわゆる、世間に溶けこめない、傷つきやすい芸術家タイプなんですねー。
孤独なメイスンくんは、理想の女性を思い描いて、絵に託す日々… そして、ときどき襲ってくる不可解な強迫観念とナゾの声…??
ある日、お昼時間に会社のベンチでスケッチブックを広げていると、「かわいらしい女性ね」と、声をかけられます。メイスンの同僚で、おなじく孤独な雰囲気をもつ女性・アンバー(アンバー・タンブリン)です。彼女は「The Grudge 2」(「呪怨/パンデミック」2006)で、サラ・ミシェル・ゲラーの妹を演じた方です。いってはなんですが、地味なこの役柄がぴったりです(笑)。
根暗で病んでるメイスンくんが、病んでるなりにアンバーと親しくなろうとします。アンバーもそんなメイスンに好意を抱きます。このままハッピーにいくかと思わせて、やはりナゾの声と脅迫観念が、メイスンくんを放っておかないのでした…
たぶん、「Hatchet」で盛りあがった方には、そうとう地味な作品と映るかもしれません。でも、丁寧な本の書き方や構成など、ラストまで見入ってしまう内容になっています。なにより、スラッシャーとは別方向にいこうとした彼らの意気込みは、じゅうぶん買えると思います。
ただ、この方たちのセンスや力量なんかを考えてみると、もっと格上の作品がつくれるんじゃないのかなー? と、勝手に期待してしまうんですが。。。
いまのところ、グリーン&ムーア・コンビのベスト作品は、おあずけということで…
気まずい距離感です。
サンドイッチも食べにくいです。
メイスンの上司のベーカリー
(ザカリー・リーヴ)。
なんだかんだいって、だんだん
仲よくなっていきます。
メイスンを苦しめるナゾの声と、
フラッシュバックの正体は…?
(2006)カナダ/アメリカ
出演…ネイサン・フィリオン
エリザベス・バンクス
マイケル・ルーカー
グレッグ・ヘンリー
監督…ジェイムズ・ガン
★★★☆
〔ストーリー〕
アメリカ南西部ののどかな田舎町。町の有力者・グラントの妻スターラは、年の離れた魅力的な高校教師。グラントは毎日スターラのことが気が気ではないが、過剰な愛情にかえって疎まれてしまう。やけを起こしたグラントは、女友達のブレンダと飲んだ勢いで森に出かけるが、そこで異様な物体を発見して…
本日やっと、「スリザー」を鑑賞しました。
隕石とともにやってきた、奇怪なパラサイト生物!! クリーチャーのすばやい動きや、ぞろぞろ群れをなして這いまわる気色悪さもさることながら、ヌルグチャ~なスプラッタ感がまた、たまらない一品です。
こういうストーリーって、小説でもマンガでも、あげるときりがないですよね~。
でも、こんなにストレートに表現してくれている映画って、いままでなかったかもしれません。
ジェイムズ・ガン監督は、「Dawn Of The Dead」(2004)で脚本を担当していた人で、これが監督デビュー作。しかも、なんとトロマ出身なんだそうです。そのせいあってか(?)、侵略SFホラーの過去作品へのオマージュがいっぱい。楽しいB級テイストが全編溢れていて、ブラックな味つけもたっぷりです。
ありがちなストーリーをラストまで飽きさせないのは、クリーチャーの変異にさまざまな段階があるところでしょうか?
魅力的な若妻を手に入れたグラント(マイケル・ルーカー)、人も羨む身分ですが、夫婦のコミュニケーションはいまいち苦手のようです。ささいなことでケンカをして家を飛びだし、隕石が墜落した森にのこのこ出かけてしまいます。そこで、あっという間にパラサイト~!
胸の下あたりからニョロニョロ出てくる触手が、卑猥でグロテスク。なのに、妙に愛嬌があります。こんな感じで、グラントがどんどんバケモノ化していくお話かと思っていたら、もっとオッソロシイ(…でも、やっぱりおかしいんです!)変異をしちゃうパターンもありました。これも期待を裏切らない展開といいますか、どんどん、どんどん、楽しいことになっていっちゃいます~♪
…端的にいいますと、
ゾンビ化!
そして、グラント化!(← …って、なに? と思った方、くわしくは本編で!)
ヒロインのスターラを演じるエリザベス・バンクスが、清楚なわりに妙に色っぽくて、しかも驚くほど奮闘してくれるというステキなキャラクターです。
また、ネイサン・フィリオン演じるハンサムな警官ビルが、おいしいところを持っていってしまうという、これもありがちなパターンなのですが、(わたしとしては、中年男グラントの悲哀なんかを、もっとベタベタに描いてくれてもよかったと思います…)
「キャー!! ヤダ、ヤダッ!やめなさい
ようっ!」と、注意されてるにもかかわらず、
木の棒でツンツンしちゃうグラント。
「アナタ、どうしたの…?!」
グラントの異変にようやく気づい
たスターラ(…もっと早く気づいて
あげてください!)
「もう、いままでのオレじゃ
ないんだ~!!」
駆けつけた警官隊(中央がビル)
が、見たものとは…?
…そりゃもう、こんな場面に出くわしたりしたら、まともな言葉なんか出てこない
ものです……
(ご愁傷さまです…)
(2006)チェコ/アメリカ
出演…エドワード・ノートン
ジェシカ・ビール
ポール・ジアマッティ
ルーファス・シーウェル
監督…ニール・バーガー
★★★
〔ストーリー〕
20世紀初頭のオーストリア。奇術に魅せられた青年アイゼンハイムは、幼馴染みのソフィーとしだいに心を通わすようになる。しかし、アイゼンハイムは貧しい指物大工の倅で、ソフィーは支配階級の娘。身分差のため、無理やり引き離されてしまう。
十数年後、ウィーンで謎の奇術師として活躍する彼の舞台に、ソフィーがやってくる。思いがけない再会に心を揺らすふたり。だが、彼女はレオポルド皇太子と婚約したばかりの身だった…
厳密にはホラーではないのですが、すばらしい作品だったので、(ついでに、エドワート・ノートンのファンでもあるので♪)、レビューさせていただきます!
これとちょうどおなじ時期に、「The Prestige」(2006)なんて作品もありました。あちらが超豪華キャスト勢揃いだったのにくらべて、こちらはノートンとポール・ジアマッティ以外は、ほとんど知られていない役者さんばかり…
…でも、作品としてはぜんぜん遜色ありません!
思えば、「プレステージ」も、けっこうホラーな内容でした。「プレ~」が、舞台の裏側をとことん描いた、超現実的な大掛かりマジックだったのにくらべて、この作品はほどよく品のよい、あくまで映画的なアプローチをする奇術モノ。
それでいて、リアリティでいったら、こちらのほうがなぜか上という雰囲気です。
原作は、スティーヴン・ミルハウザーの 『幻影師・アイゼンハイム』。
物語は、警察官僚ウールを演じるポール・ジアマッティの回想で幕をあけます。
…再会をはたしたアイゼンハイムとソフィー、ふたたび激しく燃えあがってしまうのですが、婚約者のオーストリア皇太子(ルーファス・シーウェル)は、非常に嫉妬深い人でした。婚約者の心変わりをぜったい許すはずがありません。このままでは、ふたりの命さえ危ないかもしれない…
アイゼンハイムとソフィーは逃げる準備をするのですが、ここで思わぬ事態に巻きこまれてしまいます…!
この映画の見どころは、やはり、アイゼンハイムのイリュージョンにあるわけですが、それらのシーンははなから現実離れしたCGという演出です。これでしらけるかとお思いでしょうが、じつはその逆で、イリュージョニストが観客に見せる幻想(=幻覚?)なので、まるきりニセモノには感じられないのです。いいえ、どちらかというと、ありえる部類に入ってしまう展開になっているのです。
観客たちの見ているものがほんとうに起こっていることなのか、集団催眠なのか、はたまた、なにかのトリックなのか… 真実はどれなんだろう… と、考えたところで、アイゼンハイムの目的って、いったいなんなんだろう…??
ここまで考えが及んだころには、見事に彼の術中にはまってしまっている、というわけです。
エドワード・ノートンのはりつめた演技力が、とにかくすばらしいです。ジアマッティの警官もはまり役ですし、ソフィー役のジェシカ・ビール、レオポルド役のルーファス・シーウェル、ともに健闘しています。
鑑賞後がすがすがしくて、さらに高感度アップです!
穏やかな暗さと神秘性が魅力
のアイゼンハイム。
奇術の腕は超一流です。
未来の皇太子妃は、かつて
愛を誓った女性でした!
警察官僚のウールは、レオポルド皇太子と
懇意な仲なのですが…
舞台の上で再会してしまった
ふたり。さて、アイゼンハイム
の胸中は…?
10 | 2024/11 | 12 |
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独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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