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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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    Carrie



(1976)アメリカ
出演…シシー・スペイクス
パイパー・ロウリー
エイミー・アーヴィング
監督…ブライアン・デ・パルマ
★★★★


〔ストーリー〕
 狂信的な母親とふたり暮らしのキャリーは、いつも学校でいじめられていた。ある日、体育の授業後のシャワー中に初潮をむかえてパニックとなり、いじめっこたちを巻きこんで大騒ぎに。体育教師のデジャルダンの登場でなんとか騒ぎはおさまるが、それでもからかいが消えることはなかった。だが、いじめっこたちには知らない事実があった。なんとキャリーは、テレキネシス(念動力者)だったのだ…


 ついに登場させてしまいました、デ・パルマ監督の「キャリー」です。
原作はもちろん、アノ人! じつをいいますと、わたしはこの原作が大好きで、「シャイニング」とおなじくらい大々好きで、表紙がボロボロになっちゃって、いったい何回読みかえしたんだー! と、いうくらい、読みかえしてます。

 一般的には “実験的な作品だ” なんていわれてますけど、そんな批評家っぽいことをいう以前に、とんでもなくおもしろい作品ですよね。

 まず、キャラクター造形が抜群にすばらしい!
 
 いじめられっこキャリーがなにゆえいじめられっこなのか、原作ではこと細かに説明してくれるんですが、
(たといえば、…教会でひざまづいたら、スカートが縫い目にそって「バリッ」と音を立てて裂けちゃったキャリー、同級生のボビーにラブレターを書いたら、そのコピーをみんなに読まれちゃったキャリー、うっかり昼寝してたら、髪にバターを塗られちゃったキャリー、ダンスの時間につんのめって転んで前歯を折ったキャリー… などなど、超カワイソ~ なエピソードが延々とつづきます!)

 さすがシシー・スペイクス、見るからにいじめられっこ特有の哀れさ&滑稽さ&不気味さ&見ていてイラッとさせる表情で、キャリーになりきっています。と、いいますか、スクリーンの中では完全にキャリーが存在しちゃってますよね!

 公開当時から、これはホラーというより青春映画という意見が多かったようですが、わたしもその通りだと思います。ストーリーは単純に「いじめられっこの復讐譚」なんですが、そこにいきつくまでの経緯で、多くの人々が共感をおぼえるシーンが多々あって、それゆえに支持されているんじゃないかと思います。

 だって、パーティーに出たいのだけれど、着ていく服(ドレス)がないから、せっせと手作り… なんて、泣かせるじゃないですか~。
自分も変わりたいと思っているのに、周囲がそれを許してくれない… そんなキャリーのもどかしい想いも、手にとるように伝わってきちゃいます。

 思春期の少女が、心と身体にある変化をむかえて超能力パワーも開花させてしまう。キャリーは最後までモンスター扱いなのだけれど、こんなに人間的なモンスターはほかにいませんよね。
ブッ飛んでる母親役のパイパー・ロウリーの演技もすばらしいです。
「Dressed To Kill」「殺しのドレス」1980)でも書きましたが、この作品によってスターダムの道を歩みはじめた役者さんたちの初々しい姿を見ることができます。

 それにしましても、デ・パルマ監督の荒業オンパレード(スローモーション、360度カメラパン、スプリットスクリーン…  クライマックスのコマ割りのことです!)で、(すぐれた)映画って、こんなふうに撮るものなんだ!! と、ひどく感銘を受けた一作でもあります。
キング原作の映画化では、これがいちばんの出来では…?








授業中のキャリー。(手前が
イイヤツ・トミー)。ふだんか
ら、あまり目立たないように
しています。







母親のマーガレットは、かな
り変わった宗教観を持って
います!







いじめっこ・クリス役のナン
シー・アレンと、恋人の
ビリー(トラボルタ)。



すっごく幸せそうなキャリーと(スーの彼氏の)トミー(ウィリアム・カット)。
このまま終わったら、(たぶん、スーから略奪しちゃって)、ハッピーで爽やかな
シンデレラ・ストーリーになってました… が…






怒りの炎で、すべてを焼き
つくす~!!!
正直にいいます、カッコイイ
です、ハイ!







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   Angel Heart


(1987)アメリカ/カナダ/イギリス
出演…ミッキー・ローク
ロバート・デ・ニーロ
リサ・ボネー
シャーロット・ランプリング
監督…アラン・パーカー
★★★☆


〔ストーリー〕
 50年代のニューヨーク。私立探偵のハリー・エンゼルは、黒人居住区の教会で謎めいた富豪の紳士・ルイから仕事の依頼を受ける。ルイの話では、戦前の人気歌手フェイバリットという男を探してほしいというのだ。フェイバリットは戦争後遺症で、精神病院に入院しているというのだが…


 ミッキー・ロークが超カッコよかった、「エンゼル・ハート」です。
原作は、ウィリアム・ヒョーツバーグの 『堕ちる天使』
この小説の邦訳が出たとき、“ハードボイルドとオカルトを融合させた、新しいジャンルのミステリー!” なんて宣伝文句がついていました。いまとなっては、ジャンル・ミックスはめずらしくもなんともない話ですが、当時はそれほど鮮烈だったんですねー。
 
 アラン・パーカーが映画化したこの作品、原作から匂いたつアンダーグラウンドな魔都・ブルックリン、黒人居住区の怪しげな民間信仰、ブードゥーな雰囲気などをそのまま表現しています。ハリー役のミッキー・ロークは、無精髭、いいかげんで、だらしなくて、よろよろしてるわりには、ずるがしこい~… そして、だれが見ても負け犬! と、まさにはまり役!
(このころのミッキー・ローク、役者さんとしてほんとにステキでしたよね~!)

 パーカー監督は「Midnight Express」「ミッドナイト・エクスプレス」1975)や、「Mississippi Burning」「ミシシッピー・バーニング」1988)などといった作品が代表作にあげられるような、いわば社会派の監督さんです。この作品は彼にとっては異色作になるわけですが、この完成度、構成の見事さ、ほぼ完璧に近いスタイリッシュなサスペンスということで、ほかの多くの作品にも影響を与えました。

 ストーリーは、ハリーが依頼人の話を聞いて、人探しをするところからはじまるのですが、彼がいくところに殺人事件が続発、迷路のような奇怪な悪夢に入りこんでしまいます… 

 …ここで、ハリーが迷いこむ悪夢の世界をことごとく補強するかのように、暗闇に回転する換気扇、螺旋階段、薄汚れたビルとビルの谷間、光と影のなかに鮮やかに滴る赤い血… といったイメージが、生々しいまでに連打! パーカー監督の凝りに凝った映像美を見ているだけでも、めまいを起こしてしまいそうです。

 ミッキー・ロークに負けじと、デ・ニーロも怪演!
女占い師マダム・ゾーラ役のシャーロット・ランプリングや、彼女の娘役のリサ・ボーネットも、印象的なキャラクターとして登場します。

 あまりくわしいことは書けませんが、一見単純なストーリーに思えて、観る人が観ると非常に難解な物語のようです。
これと似たタイプの映画として、キアヌ・リーブスがやっぱり悪夢に迷いこんじゃう、「The Devil's Advocate」「ディアボロス/悪魔の扉」1998)なんてのもありました。こちらの作品も大好きだったりします








ハリー・エンゼルはもう、彼しか
考えられません!
負け犬探偵役がはまりまくってる、
ミッキー・ローク。






50年代のブルックリン。
チャンドラーな世界ですね~。
 






デ・ニーロの迫力もすごいです。
役者同士の火花が散ってます!






マダム・ゾーラの娘、エピファニー
役のリサ・ボーネット。薄幸そうな
雰囲気が印象的。






調査をつづけるうちに、エピファ
ニーはハリーになついてしまう
のですが…







    『死者の書』

原題 『The Land Of Laughs』
1980
ジョナサン・キャロル:著
浅羽芙子:訳
創元推理文庫


〔ストーリー〕
 高校教師のトビィは、のみの市で知りあった風変わりな女性・サクソニーと恋に堕ちる。ふたりが共通して熱心なファンである童話作家・故マーシャル・フランスの故郷ゲイレンを訪ねようと、休暇をとって旅に出ることにする。だが、ふたりはまだ知らなかった。その町は、けして足を踏み入れてはならない場所だったのだ…!


 ストーリー紹介に、とてもホラーな書き方をしてしまいましたが、これはホラーではありません… いえ、れっきとしたホラーです。出版元を見ると、推理文庫から出ていますね。なるほど、ミステリ要素もたっぷりです… それに、ファンタジーな部分もあります。ファンタジーといっても、かなりダークですけどね。いいえ、それ以上に、“ジョナサン・キャロル的” としかいえないような、特異な世界観を紡ぎだしている、おそるべき処女作でもあります。

 近ごろ観念的になりすぎて、読者には伝わりにくい “アチラの世界” にいってしまわれたのでないかと、もっぱら噂されていましたが… またすこしずつ(?)もどってきてくれているような、ジョナサン・キャロル。
経歴も顔写真もなにやらナゾめいている方ですが、この処女作にかぎっていえば、

 こ~んなすごい人がいていいの!!

 …というくらい、たまげてしまった作品です。オソロシイです。読後、キングが興奮のあまりファンレターを書いてしまったというのも、超有名なお話です。

 キャロルの小説の魅力は、登場人物たちの織り成す会話や、ウィットあふれるエピソード、ときに知的すぎる作者の薀蓄にあるわけですが、全体的なトーンはとても無邪気。それでいて、不気味。
この、「無邪気」で「不気味」という対極の魅力を持つ世界観というものを、読んだことがない方にど~う説明したらいいのやら…!!

 物語の冒頭そうそう、不思議設定にびっくりしてしまいます。トビィは高校教師なんですが、亡き父親は超有名俳優でした。その影響もあってか、小学生のころから精神科に通っていました… !
トビィは見てくれも悪くないので、簡単に女子を自宅に連れ帰ることができるんですが、壁一面に飾ったマスクを気味悪がられて、結局うまくいきません…

 …とまあ、こんな日常が淡々とつづくんですが、なぜかこうしたユーモア(?)あふれるエピソードが重なるうちに、不穏で不気味な空気も増していく。コワい、これが異常なほど、コワいんです! まさしく、特異な才能だと思います。真似しようとしても、たぶん、だれもできないんじゃないでしょうか… ??

 また、すぐれているのは人物描写だけではなく、ストーリーの細部にまで神経がいきわたっています。物語の重要な役割を果たす童話作家・マーシャル・フランスなんて、訳者さんはあまりの緻密な情報量に、実在する人物かと思って探しちゃったんだとか…
この作家さんの特色をほかのものにたとえるとしたら… “ものすごく繊細なレース” のよう。それも、凡人には理解できない複雑な方法で編んだ感じです。

 ラストの一文に衝撃を受けてしまったわたしは、なかなかこの魔力から抜け出すことができませんでした。
なお、『月の骨』『炎の眠り』『空に浮かぶ子供』 の三部作もオススメです。
とんでもなくオソロシくて、カッコイイ。
まだ読んだことがないという方は、ぜひ!!




 

   La Terza Madre


2007)イタリア/アメリカ
出演…アーシア・アルジェント
クリスチャン・ソリメノ
アダム・ジェームズ
ダニア・ニコロディ
監督…ダリオ・アルジェント
★★★☆


〔ストーリー〕
 老朽化した墓地の工事の最中に、区画外から古い棺が発掘された。そこには謎の箱が。数日後、箱はローマの美術博物館に送られてくる。絵画修復の技術を学ぶために訪れていた学生サラと、研究員のジゼルは、中からあらわれた短剣やローブ、不気味な三体の像に心を奪われる。それは、マーテル・ラクリマルムと呼ばれる魔女の遺物だった…


 じつをいいますと、だいぶ以前に鑑賞し終えていたのですが、レビューを書くのをずっと迷っていました… そして先日、某新聞のDVD紹介コーナーで、アルジェント監督の「Inferno」「インフェルノ」1980)が紹介されていました。その記事タイトルがなんと、“ホラーなのに笑える”

 そうなんですよ、みなさん!! このさい、ぐっと正直になってしまいましょう! アルジェントって、けっこう笑えるんですよ!!
   
 英語タイトルは、「Mother Of Tears」、そうです、ザ・魔女三部作の待ちに待った完結編です。2作目の「インフェルノ」からは、なんと27年も経過していたんですね。それだけに、ファンの思い入れもひとしおかを思います。じっさいわたしも、すごく期待していました。 過剰なくらい、期待しすぎていたかもしれません。

 オープニングそうそう、今度のアルジェントはなにかがちがう! というくらい、気合入りまくりです。こんな気合の入ったアルジェントは観たことありません。中世の魔女歴史や美術や音楽がジャ、ジャ、ジャーン! と次々登場して、いやがうえでも気分を盛りあげます。心臓バックバクです。
 そして、アーシア(ヒロインのサラ)登場。

 …あれ? アーシア… ちょっと見ないうちに、(ずいぶんお父さんにそっくりに)…
 
 なんて気をとられているうちに、さっそく事件発生です。サラが席を外したとたん、ジセルにとんでもない災難が…!!
このシーン、超ド級のパーフェクトでした。どれくらいパーフェクトかといいますと、本気でちびりそうなくらいオソロシかったです。なんどもいってしまいますが、こんなアルジェント見たことありません。

 …と、物語がひと段落ついて、魔女登場。あっちから、こっちから、いろんなところから、魔女が集結してきます。この魔女軍団、どこの記事で読んだのか忘れてしまったのですが、その方が書いたとおりの風貌です。ミュージカルの「キャッツ」そっくりです。さて、このあたりから、ホラーとしての雲行きがだいぶ怪しくなってまいります!

 キャッツな魔女軍団、サラの恋人のマイケル(アダム・ジェームズ)に嫌がらせ!
ついでに、サラにも嫌がらせ!

 キャッツな魔女軍団なんですが、いろんな人種から成り立っているので、当然(?)ジャパニーズな魔女(欧米映画の禁じ手、ジャパニーズ要素ですよ~!)なんかもいまして、駅のホームに立ちすくむサラを目ざとく発見、「チョトマテ!」「シモーネ、イケ!」と、思いっきりかたことの日本語で命令します(← たぶん、エライんだと思います)。
 
 列車に逃げこむサラ! しつこく追いかけてくるジャパニーズ・魔女! 列車に乗ったとたん、「あらあら、どうしましょう…」って、流暢な日本語… (って、さっきのは、ジャパニーズ・サービス?) そして、エエェェェな驚愕展開!!

 …ふう、興奮して、思わずあらすじを書いてしまいそうになりました、すみません。

 このように(?)世にもオソロシく見えたアルジェントも、じつは微妙なお笑い要素てんこ盛りだったんですね。ファンの方に怒られるのを承知でいってしまいますが、冷静に考えてみれば、「Suspiria」(1977)の恐怖の昇華自体が奇跡だったのかもしれません… (フーパー監督も、「The Texas Chainsaw Massacre」(1974)以上とまではいかなくても、同等のものをまだ撮れてませんしね…)でも、「Non Ho sonno」(2001)はいい感じだったんですけどね。「Il Cartaio」「デス・サイト」2004)も悪くなかったです… いえ、この作品が悪いとはけしていってないです!! でも、お笑い要素が恐怖感を消している、それだけはたしかです…!

 映画としては、おもしろいです。といいますか、迫力や雰囲気で見せてますね。
ホラーとしては、前半は最強! 中盤から… 微妙なズレ具合が、またおかしい!

 魔女シリーズの完結編ということで、“アルジェント映画の総決算” のような感じにもなっています。イイ男な刑事・エンゾ役にクリスチャン・ソリメノ、美人魔女(マーテル・ラクリマルム)にはモラン・アティアス、○○役にダリア・ニコロディ(← 彼女の変貌にまた、わたしはおったまげてしまいました~)。
個人的には、ラストのズレっぷりがいちばんおかしくて、そうとうツボにはまってしまったんですが、みなさんの笑いのツボはどこでしょう…?









美学生役のアーシア。








サバトなムードの魔女集会
です。当然、おヌードです。
熱気むんむんです!







ウド・キアも、ふたたび登場!







ジゼル役のコロリナ・カタロニ・タッソーニ。
彼女のシーンは、ホラー映画史上に残る戦慄と
ショックだと思います。








神秘学の権威のギレルモ
(フィリッペ・リーロイ)。
アヤシイ科学を使います!









そして、美人魔女出現!










肉感的魔女も出現!!








はしゃぐ魔女軍団!!!









これも…魔女
(…デスカ??)









すったもんだのすえ、変態プ
レイ
まで見せつけられて、
アーシアも大困惑です!













                              アルジェント!!
                             なにはともあれ、アルジェント!!





   Disturbia


2007)アメリカ
出演…シャイア・ラブーフ
キャリー・アン・モス
デヴィット・モース
サラ・ローマー
監督…D・J・カルーソ
★★★


〔ストーリー〕
 自動車事故で父を亡くした高校生のケールは、校内で教師に暴力を振るってしまう。裁判所命令で、3ヶ月の自宅軟禁をいいわたされた彼は、暇つぶしに隣人の生活を覗き見することに。そこへ、カールソン一家が引っ越してくる。カールソン家にはおなじ年齢の美少女アシュリーがいた。友人のロニーと盛りあがるケール。だが、ある夜殺人事件らしきものを目撃してしまってから、彼の身に危険が迫りはじめて…!


 すごくがあるキラキラの青春ドラマ、「ディスタービア」です。
“覗き” ものサスペンスというと、当然筆頭にあげられるのが、ヒッチコックの「Rear Window」「裏窓」1959)。そうです、これは現代版「裏窓」なんです。

 主人公のケール少年を演じるのは、「Transformers」「トランスフォーマー」2007)で、やっぱりさえない高校生を演じたシャイア・ラブーフくん。友人のロニー(アジア系ですよ! アーロン・ヨーくん)も、当然のことながらさえない雰囲気です。

 彼らの立ち振舞いや会話なんかが、すごーく等身大の高校生の男の子してます。青春です。青クサイです。意味なんかないです。でも、ヤツラは楽しいんです、だからいいんです! …って、ここに颯爽と登場してストーリーに起伏を与えるのが、またしても当然のことながら、夢のようにうつくしい女の子。

 わたしはこの設定だけで、この作品がすっかり気に入ってしまいました。
だって、まるでマンガ的ですよね(笑)。いかにもモテなさそうな男の子のまえに、ある日突然、さえない運命を激変させてくれる美少女が!! って~…
 
 この美少女、「さあ、好きなだけ見てちょうだい~」」といわんばかりに、毎日自宅のプールでステキなビキニ姿を披露してくれます。夜になると、窓辺でヨガなんかも披露してくれます。(アシュリー、無防備すぎ!) おなじ女性のわたしとしましては、「こんな無邪気な少女が存在するわけない!」と思うんですが、それをいってはおしまいです。映画ですから、がないといけません。

 このハッピーな、どこまでもケールに都合のいいように作用します。

 毎日変態のように覗き見していたというのに、美少女は怒るどころか(…というか、フツーなら気味悪がると思うんですけど)、お友だちになってくれます。恋が芽生えかけます。しかも、ケールとおなじように覗きが趣味になってしまいます。そしてある晩、信じられない出来事が…!
 
 この映画のもっとも成功している点は、定番のサスペンスと、こうしたキラキラな青春ドラマを融合させたところにあると思います。ホラー要素はたしかに薄いんですが、文句なしのテンポ、娯楽性があるので、あっという間に結末まで観ることができます。

 母親のジュリー役には、トリニティのキャリー・アン・モス。
アシュリーを演じたサラ・ローマーもいいんですが、コミカルなロニー役のアーロンくんも注目です!(今後ももっと、活躍してほしいですね~

 お手軽な青春ドラマしてますけど、原典が「裏窓」ですから、主人公が“現実復帰すること” がテーマにもなっています。この場合、囚われていたのは自宅ではなくて、父親の死なんですね。









カッコつけてますけど、やってる
ことは変態&犯罪ですよ!
(よい子はマネしないでね







美少女登場!
秒殺されました↑








最近母親役がすっかり板に
ついちゃった(?)キャリー・
アン・モス。








いつものように水着姿を覗き見
していると、玄関のチャイムが
鳴ってドッキンしちゃってる図。
 








ケールはITオタクなので、
こういうときには使えます(笑)。







   Twilight Zone: 
   The Movie

1983)アメリカ
出演…ヴィック・モロー
キャスリーン・クィンラン
ジョン・リスゴー
監督…ジョン・ランディス/
スティーヴン・スピルバーグ/
ジョー・ダンテ/ジョージ・ミラー
★★★☆

〔ストーリー〕
 ご存知、1959年から65年までCBSで放送された、大人気TVドラマ・シリーズの映画化。プロローグと4話のオムニバス形式。
〈第1話〉
 セールスマンのビルは、根っからの人種差別主義者。その日もバーで、友人たちに人種差別ネタであらぬ愚痴をこぼしていた。そしてバーを出ると、彼をとりまく世界は…
〈第2話〉
 〈サニーヴェイル老人ホーム〉に、ひとりの不思議な黒人男性・ブルーム氏がやってくる。ブルーム氏は朗らかに、生気を失ったようになった入居者たちに勧めた。「…人は遊びを忘れたときから、歳をとりはじめてしまいます。どうです、今夜、庭で一緒に缶蹴りをしませんか?」
〈第3話〉
 教職を辞めたばかりのヘレンは、気ままなひとり旅に出ることに。だが、途中のドラッグストアで出会った少年・アンソニーを家に送りとどけたことから、信じられない悪夢がはじまり…
〈第4話〉
 飛行機恐怖症のヴァレンタイン氏は、なんとか恐怖を克服しようとジェット旅客機のシートに座っていた。折りしも、外は暴風雨。ヴァレンタイン氏の脳裡に、痛ましい飛行機事故の映像がよぎる。…と、そのとき、窓の外に見えたものは…!


 「トワイライト・ゾーン/超次元の体験」です。オムニバス映画の金字塔ですね!
原作は、リチャード・マシスン、ジェローム・ビクスビー、ジョージ・クレイトン・ジョンソン、ロッド・サーリング。同名の文庫本が出ています。

 「トワイライト・ゾーン」シリーズというと、オリジナルをわたしは一度も観たことがありません…(小説版なら知っているんですが…)。ファンの方からすると、おそらく、そうとう感慨深いものがあるかと思われますが、当時ノリにノッていた若手監督4人が結集しただけあって、日本のテレビ界にも多大な影響を与えました。後続の作品群が、その証拠です。

 個人的に、いちばんのお気に入りは、ダンテが担当した〈第3話〉悪魔少年ものです。TVから飛びだしてくるモンスターがおもしろいですし、キッチェでカラフルな悪夢のオンパレードに目を奪われてしまいます(…ここに登場する、口を奪われた少女がトラウマでした~!)。
それから、スピルバーグの〈第2話〉の老天使ものも、後味がホンワカ~、だけど、ちょっぴりビターな結末にジンときます。
ランディス担当の〈第1話〉のヴィック・モロー(…撮影後、不慮の事故で亡くなったそうです)の演技にも、けっこうキます! 
だけど、やっぱりいちばんの傑作は、ジョージ・ミラーの〈第4話〉ですかね~!!

 未見の方は、探してでも観てみてください!







バーで毒舌吐きまくりのビル
(ヴィック・モロー)。
外に出たとたん、
「…ん? なにコレ…?」と、
思ってる間に…






ナチス登場!
気づいたら、ユダヤ人
という設定で…!!
 






すべてをあきらめていた
コンロイ(ビル・クィン)の前
に、ブルーム(スキャットマン・
クロザース)があらわれて…









真夜中の缶蹴りで、
ミラクルな魔法が…!!









ヘレン(キャスリーン・クィンラン)は、
不思議な少年アンソニー(ジェレミー・
ライト)の自宅に招かれるのですが…






どう見ても家族には見えない
(?)男女が、必死でアンソ
ニーのご機嫌とり。
(← 夕食にお菓子だって!)







離陸したとたん、パニクっちゃう
ヴァレンタイン(ジョン・リスゴー)。
「お客さん、落ちついてください!
ほかの方にも迷惑ですよ!」と、
一度はなだめられるものの…









うきゃーお!!! やっぱり
なんかいるじゃんよう!!」







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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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