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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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    The Faculty



(1998)アメリカ
出演…イライジャ・ウッド
ジョシュ・ハートネット
ジョーダナ・ブリュースター
監督…ロバート・ロドリゲス
★★★


〔ストーリー〕
 理系の目立たない生徒・ケイシーは、ある日グラウンドで奇妙な生物を発見する。その生物を水槽に入れたとたん、奇怪な形に変形して攻撃的な本性をあらわにした。やがて、ケイシーの周囲でやたらと水を欲しがる人々が出現するようになり…


 このレビューを書くまで、監督がロドリゲスだったとは知りませんでした! 
邦題は「パラサイト」です。
 
 脚本を担当したのは、「Scream」「スクリーム」1996)でお馴染みのケヴィン・ウィリアムソン。90年当時、キャピキャピ学園ものホラーって、ほんとに流行りましたよねー。この作品もその流れに思いきり乗っかった、お気楽ティーン・ホラーです。当時若手として注目されていた俳優さんたちが、わんさと出演しています。でも、監督がロドリゲスですからね、そこはさすがにロドリゲス、スピード感溢れる強引な展開には、もう釘付けです。

 いちばんの見どころは、ジョシュ・ハートネット(“ポスト・ブラピ” と呼ばれていたんですよ!)と、イライジャ・ウッドの初々しい演技です。このふたりがこんな大物に成長するとは思わなかったですね~。(とくに、イライジャは近年、出演する作品を選んでいますよね!)

 ストーリーもいたってわかりやすく、「The Thing」「遊星からの物体X」1982)「Invation Of The Body Snatchers」「SF/ボディ・スナッチャー」1978)系の、いわゆるSF侵略サスペンス。ともすると、既視感に占領されてしまいそうな画面ですが、テンポのよい展開と、山あり谷ありの見せ場作りが功を奏して、かなり痛快なティーン・ホラーとなっています。

 侵略SFですから、“だれが寄生されているのかわからない” というサスペンスで、けっこうハラハラ盛りあがるところがミソ。

 優秀どころはやはり、音楽方面になるでしょうか。
〈ピンク・フロイド〉やアリス・クーパーのカバーを中心に、参加有名人には、〈アリス・イン・チェインズ〉のレイン・ステリー、〈レイジ~〉のトム・モレロ、元〈ポルノ・フォー・パイロス〉のマーティン・ルーブルとステファン・パーキンス、ついでに、〈エアロスミス〉のプロデューサーのマット・サーレティック… すんごい豪華メンバーですね!! 調べているうちから驚いてしまいました。(さすがは顔の広いロドリゲス監督ですね~)。

 ロドリゲス監督が大ヒットしているいま、再見に値する魅力がギュッと詰まった、良作のホラーだと思います。







大きな青い目がうるうる。。。
十年もまえの作品ですけど、
イライジャってほんと、変わり
ませんね。









わたしもシーッされたい!!
ジョシュはひとりでカッコよすぎ。








外は大雨、校内に立てこもる
生き残り組の運命や、いか
に…!?!








水もしたたるイイ男…♪♪







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 〔C〕-Writer




Ramsey Campbell(ラムジー・キャンベル)

『母親を喰った人形』
(1976)
(ハヤカワ文庫)
『無名恐怖』(1981)(角川文庫)

Jonathan Carroll(ジョナサン・キャロル)

『死者の書』(1980)(創元推理文庫)
『我らが影の声』(1983) 
『月の骨』(1987) 
『炎の眠り』(1988) 
『空に浮かぶ子供』(1989) 
『犬博物館の外で』(1991) 
『沈黙のあと』(1992) 
『天使の牙から』(1994) 
『蜂の巣にキス』(1998) 
『薪の結婚』(2000) 
〈短編集〉
『パニックの手』(1995) 
『黒いカクテル』(1996) 

John Collier(ジョン・コリア)

『モンキー・ワイフ/或いはチンパンジーとの結婚』(1977)(講談社)
『炎のなかの絵』(1958)(早川書房)
『ザ・ベスト・オブ・ジョン・コリア』(ちくま文庫)
『ジョン・コリア奇談集』(サンリオSF文庫)
『ジョン・コリア奇談集Ⅱ』(サンリオSF文庫)

Nancy A. Collins(ナンシー・A・コリンズ)
 
『ミッドナイド・ブルー』(1995)(ハヤカワ文庫)
『ゴースト・トラップ』(1995)
『フォーリング・エンジェル』(1995)
『ブラック・ローズ』(1996)

Robert Cormier(ロバート・コーミア)

『チョコレート・ウォー』(1974)(扶桑社)
『ぼくが死んだ朝』(1979)(扶桑社)
『果てしなき反抗』(1985)(扶桑社)
『フェイド』(1988)(扶桑社)
『わたしたちの鳴らす鐘』(1990)(ほるぷ出版)
『ぼくの心の闇の声』(1992)(徳間書店)
『真夜中の電話』(1995)(扶桑社)
『心やさしく』(1998)(徳間書店)

Robin Cook(ロビン・クック)

『コーマ/昏睡』(1977)(ハヤカワ文庫)
『スフィンクス』(1979)
『ブレイン/脳』(1980)
『フィーバー/発熱』(1982)
『ゴッドプレイヤー/神を演じる者』(1983)
『マインドベンド/洗脳』(1985)
『アウトブレイク/感染』(1987)
『モータル・フィア/死の恐怖』(1988)
『ミューテイション/突然変異』(1989)
『ハームフル・インテント/医療裁判』(1990)
『ヴァイタル・サインズ/妊娠徴候』(1991)
『ブラインドサイト/盲点』(1992)
『ターミナル/末期症状』(1993)
『フェイタル・キュア/致死療法』(1993)
『アクセプタブル・リスク/許容量』(1994)
『コンテイジョン/伝染』(1995)
『インヴェイジョン/侵略』(1997)
『トキシン/毒素』(1998)
『ベクター/媒体』(1999)
『アブダクション/遭遇』(2000)
『ショック/卵子提供』(2001)

John Coyne(ジョン・コイン)

『レガシー』(1979)(ヘラルド映画文庫)
『闇から生まれた子供』(扶桑社)

Michael Crichton(マイクル・クライトン)

『華麗なる賭け』(1966)(角川文庫)
『殺人グランプリ』(1967)(ハヤカワ文庫)
『緊急の場合は』(1968) 
『ファラオ発掘』(1968) 
『アンドロメダ病原体』(1969) 
『生存率ゼロ』(1969) 
『毒蛇商人/スネーク・コレクション』(1969) 
『五人のカルテ』(1970) 
『エデンの妙薬』(1970) 
『ジャマイカの墓場』(1970) 
『サンディエゴの十二時間』(1972) 
『ターミナル・マン』(1972) 
『大列車強盗』(1975)
『北人伝説』(1976)
『失われた黄金都市』(1980)
『スフィア/球体』(1989)
『インナー・トラヴェルズ/旅、心の軌跡』(1988)
『ジュラシック・パーク』(1990)  
『ライジング・サン』(1992) 
『ディスクロージャー』(1993)
『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク2』(1995)
『エアフレーム/機体』(1996)
『タイムライン』(1999) 
『プレイ/獲物』(2002)
『恐怖の存在』(2004) 
『NEXT』(2007) 
 





   Enduring Love


(2004)イギリス
出演…ダニエル・クレイグ
サマンサ・モートン
リス・エヴァンス
ビル・ナイ
監督…ロジャー・ミッシェル
★★★☆


〔ストーリー〕
 穏やかな陽気の午後、大学教授のジョーと恋人で彫刻家のクレアは、オクスフォード郊外の静かな丘でピクニックを楽しんでいた。そこへ、幼い子供を乗せたまま空に飛び立とうとする気球が流れてくる。ジョーと現場に居合わせた3人の男性は、とっさに走りよって助けようとした。が、子供を救出したとたん、ひとりの男性をロープにしがみつかせたまま、突風に煽られた気球はふたたび空へ。力つきた男性は、ついに地面に落下してしまい…


 ひきつづき、イギリス映画のご紹介です。邦題は「J の悲劇」です。今回はサスペンスなんですが、多分にアートな映画です。

 ロジャー・ミッシェル監督というと、「ノッティングヒルの恋人」(1999)という、大ヒットしたラブストーリーがありました。あの映画のおかげで、ノッティングヒルの土地の値段が跳ね上がったくらいなんですよ、映画効果ってすごいですねー。(当時ノッティングヒルに住んでいる人たちは、映画様々でした)…なんと、「ノッティング~」に出演していたリス・エヴァンスが、今回の物語の重要な役どころです。「ノッティング~」とは想像もつかないほどリアルでシリアスで、寒気がするほどこわく、哀れな映画でもあります…!

 調べてみましたら、原作もあったのですね。ぜんぜん知りませんでした! 『黒い犬』 でブッカー賞を受賞した、イギリス人作家イアン・マキューアンの 『愛の続き』 という作品だそうです。この原作のタイトルもまた、“きます” よね~。本作を観終わったあとは、感慨深いことひとしおなんです。

 冒頭の気球の事故シーンがまず、驚くほどショッキングです。平和なピクニックが一転して悲劇に変わり、偶然その場に居あわせた人たちを思いもしない「運命」に巻きこんでしまいます。

 新ボンド(!)ことダニエル・クレイグ演じる大学教授のジョーは、知性的で理論的な思考を好む、非常に理屈っぽい人。同棲中の恋人クレア(サマンサ・モートン)と休日にピクニックを楽しんでいると、突然悲鳴が聞こえてきます。青々とした緑の丘と真っ赤な気球という組みあわせが、ハッとしちゃうほど鮮やかでもあり、不吉な予感を表現していて秀逸。まだ悲劇が起こっていないうちから見る者をハラハラさせて、なんともいえない動揺に襲わせていきます。

 気球というのは「熱力」で空に浮かびあがるものですが、「風」の役割がじつは重要なんです。大の男が4人で必死に降ろそうとしても、そう簡単に地面に着地させられるものではありません。気球が徐々に空に浮かびあがるにつれて、ひとり、またひとりと、危険を察してあきらめていく男たち。でも、ただひとりだけ、最後まであきらめようとしない男性がいました… その勇気と忍耐力が仇となって、彼は悲惨な死を迎えてしまいます。

 理屈人間のジョーはこの事実にすっかり打ちのめされて、事故のあとも落ちこんでしまいます。そこへ、おなじ“気球仲間” のジェッド(リス・エヴァンス)という若い男性がやってきて、「ぼくたちは話しあわなければならない」といいます。また、ジェッドは死んだ男性の名前が、「ジョン」であったことを、ジョーに告げます。

 …えーと、ですね。おおまかなあらすじを述べてしまいますと、これは○○のお話なのですが、よくある形だけの陳腐な○○ものとは百八十度ちがって、登場人物たちの心理状態をじつに丹念に、冷静に追っているので、重厚で知的なドラマといった雰囲気です。(…そのあたりのところは、おそらく、原作の負うところが大きいのでしょうけど)、豪華な役者さんたちの白熱した演技も見事です。それから、カメラワークもうつくしいですね! ヨーロッパ映画のカメラワークって、どうしてこんなにアートチックできれいなんでしょう。

 まだ未見の方のために、あまりくわしくは書けないのですが、(この作品は、まったくの予備知識なしで観ることをオススメします)、これは原作のタイトル通り、「愛」についての映画です。ラストの余韻がものすご~く深いのですけど、エンドロールのあとに挿入されるワンカットで、またゾゾゾ~…!!

 それから最後に、邦題となっている「J」はもちろん、主人公のジョー、ジェッド、亡くなったジョンの3人のことを指しています。











ダニエル・クレイグ演じる
ボンド、じゃない、ジョー!
理屈っぽい男性は好き
ですか?






恋人のクレア(サマンサ・
モートン)と。
「愛」は人知によってコント
ロールできると思っている、
理屈人間のジョーですが…






ナゾの男ジェッド(リス・エ
ヴァンス)登場!
「ノッティング~」のおバカ役
からは想像もつかないほど、
不気味です!








ジョーにつきまとうように
なったジェッドの狙いと
は…??











これは、いったい…??







 〔B〕-Writer



〔このページは…!!〕
 重要かと思われる作家さん・作品名のリストをまとめてみました。
とくに、マークがついているものは必読と思われ~。(作品のない作家さんは、長編の邦訳が出ていません。しかーし、かなり重要なので表記しておきました!
あとでアンソロジーもまとめてみますので、そこで参考にしてください。)どれも貴重なものばかりですので、見かけたら即ゲット!! が基本ですよ。
随時追加していく予定です。


J. G. Ballard(J・G・バラード)

『狂風世界』
(1962)
(創元SF文庫)
『沈んだ世界』(1962)(創元SF文庫) 
『燃える世界』(1965)(東京創元社)
『結晶世界』(1966)(創元SF文庫)
『クラッシュ』(1973)(創元SF文庫)
『コンクリート・アイランド』(1974)(太田出版)
『ハイ-ライズ』(1975)(ハヤカワ文庫)
『夢幻会社』(1979)(サンリオSF文庫)
『22世紀のコロンブス』(1981)(集英社)
『太陽の帝国』(1984)(国書刊行会)
『奇跡の大河』(1987)(新潮文庫)
『殺す』(1988)(東京創元社) 
『女たちのやさしさ』(1991)(岩波書店) 
『楽園への疾走』(1995)(東京創元社)
『コカイン・ナイト』(1996)(新潮文庫)
『スーパー・カンヌ』(2001)(新潮文庫)
〈短編集〉
『時の声』(1962)(創元SF文庫)
『時間都市』(1962)(創元推理文庫)
『永遠のパスポート』(1963)(創元推理文庫)
『時間の墓標』(1964)(創元推理文庫)
『溺れた巨人』(1966)(東京創元社)
『残虐行為展覧会』(1970)(ハヤカワ文庫)
『ヴァーミリオン・サンズ』(1971~1973)(ハヤカワ文庫)
『死亡した宇宙飛行士』(1976)(NW-SF社)
『ウォー・フィーバー』(1990)(福武書店)

John Franklin Bardin(ジョン・フランクリン・バーデン)

『悪魔に喰われろ青尾蝿』(1948)(翔泳社)

Clive Barker(クライヴ・バーカー)
 
〈血の本〉シリーズ 
『ミッドナイト・ミート・トレイン』(1984~1985)(集英社文庫)
『ジャクリーン・エス』 
『セルロイドの息子』
『ゴースト・モーテル』
『マドンナ』
『ラスト・ショウ』
『ヘルバウンド・ハート』(1986)(集英社文庫)
『死都伝説』(1988)(集英社文庫)
『ウィーヴワールド』(1987)(集英社文庫)
『不滅の愛』(1989)(角川文庫)
『ダムネーション・ゲーム』(1985)(扶桑社ミステリー)
『イマジカ』(1991)(扶桑社ミステリー)
『アラバット』(2002~2004)(ソニー・マガジンズ)
『冷たい心の谷』(2001)(ヴィレッジブックス)

Charles Beaumont(チャールズ・ボーモント)

『夜の旅その他の旅』(早川書房)
『残酷な童話』(論創社)

Peter Benchley(ピーター・ベンチリー)

『ジョーズ』(1974)(早川書房)
『ビースト』(角川書店)

Ambrose Bierce(アンブローズ・ビアス)

『生のさなかにも』
(1891)
(創元推理文庫)
『死の診断』(1893)(角川文庫) 
『豹の眼』(1891)(角川文庫)
『修道士と絞刑人の娘』(1892)(創土社)
『悪魔の寓話』(1899)(角川文庫)
『悪魔の辞典』(1911)
(角川文庫)
    
Algernon Blackwood
(アルジャノン・ブラックウッド)

『ブラックウッド傑作選』
(創元推理文庫)
『死を告げる白馬』 (朝日ソノラマ文庫)
『妖怪博士ジョン・サイレンス』(1908~42)(国書刊行会/角川書店)

William Peter Blatty(ウィリアム・ピーター・ブラッティ)

『エクソシスト』
(1971)
(創元推理文庫)

Robert Bloch(ロバート・ブロック)

『サイコ』(1959)
(ハヤカワ文庫)
『サイコ2』(1982)(創元推理文庫)
『サイコハウス』(1990)(創元推理文庫)
『アーカム計画』(1979)(創元推理文庫)
『ザ・スカーフ』(1947)(新樹社)
『殺意の記憶』(1954)(早川書房)
『ろくでなし』(1960)(早川書房)
『トッド調査』(1960)(早川書房)
『都市国家ハリウッド』(1971)(ハヤカワ文庫)
『アメリカン・ゴシック』(1974)(早川書房)
〈短編集〉  
『楽しい悪夢』(1960)
(ハヤカワ文庫)
『血は冷たく流れる』(1961)(早川書房)
『切り裂きジャックはあなたの友』(1962)(ハヤカワ文庫)
『殺しのグルメ』(1978)(徳間文庫)
『夜の恐怖』(1958)(詳伝社文庫)
『暗黒界の悪霊』 (朝日ソノラマ)
 

Ray Bradbury(レイ・ブラッドベリ)

『華氏451度』(1953)
(ハヤカワ文庫)
『火星年代記』(1950)(ハヤカワ文庫)
『たんぽぽのお酒』(1957)(晶文社) 
『ハロウィーンがやってきた』(1972)
(晶文社) 
『なにかが道をやってくる』(1962)
(ハヤカワ文庫)
『死ぬときはひとりぼっち』(1985)
(サンケイ出版) 
『黄泉からの旅人』(1990)
(福武書店) 
『塵よりよみがえり』(2001)
(河出出版) 
〈短編集〉
『黒いカーニバル』(1947)
(ハヤカワ文庫)
『刺青の男』(1951)
(ハヤカワ文庫) 
『太陽の黄金の林檎』(1953)
(ハヤカワ文庫)
『十月はたそがれの国』(1955)
(創元SF文庫)
『メランコリーの妙薬』(1959)(早川書房) 
『よろこびの機械』(1964)
(ハヤカワ文庫) 
『ウは宇宙船のウ』(1962)
(創元SF文庫) 
『スは宇宙のス』(1966)
(創元SF文庫)
『キリマンジャロ・マシーン』(1969)(ハヤカワ文庫)
『とうに夜半を過ぎて』(1976)(集英社文庫)
『万華鏡』(1965)(サンリオSF文庫)
『火の柱』(1975)(大和書房)
『悪夢のカーニバル』(1984)(徳間書店)
『恐竜物語』(1983)(新潮文庫)
『バビロン行きの夜行列車』(1997)(角川書店)
『二人がここにいる不思議』(1988)(新潮文庫)
『瞬きよりも速く』(1996)(ハヤカワ文庫)

Poppy Z. Brite(ポピー・Z・ブライト)
   
『ロスト・ソウルズ』(1992)
(角川書店)
『絢爛たる屍』(1996)(角川書店)

Edward Bryant(エドワード・ブライアント)
 

Guy Burt
(ガイ・バート)
 
『体験のあと』(1993)
(集英社)
『ソフィー』(1994)(読売新聞社)





 

   The Cottage



(2008)フランス/イギリス
出演…リース・シェアスミス
アンディ・サーキス
ジェニファー・エリソン
監督…ポール・アンドリュー・ウィリアムス
★★☆


〔ストーリー〕
 デイヴィットとピーターの兄弟は、知人のアンドリューと3人で共謀して、マフィアのドンの娘を誘拐、彼女の父親から身代金をせしめようと計画する。しかし、マフィアの追っ手はすぐそこに迫って、いまにも報復が行われようとした、そのとき…!! 追っ手よりも凶悪な、第三の人物がいたのでーす…!!!


 イギリス製です、ええ、イギリス製なんです。

 イギリス産のホラー映画というと、わたしはすぐに「Severance」(2006)を思い浮かべてしまうんですが(…それくらい、こってりイギリスしていましたから)、最近になって思うことは、イギリス人だったら、だれでもこれくらいのハイなレベルのホラー映画を撮れちゃうんじゃないのかなー? ということです。(…たぶん、だれでもってことはないと思いますが…)

 すこし以前に、「Botched」(2007)という新作を観たんですが、ストーリーといい、芸達者な役者さんたちといい、コミカルで小気味いいテンポといい、場ちがいなクラシック音楽といい(流行り?)、非常によく似ています。といいますか、やっぱりイギリス人はみんな、こんな映画が撮れちゃうんだと思います! すごいですね、イギリス!!

 話がだいぶ逸れてしまいましたが、お国柄のユーモア・センスなのか、本作品を担当したポール・アンドリュー・ウィリアムスにしてみても、とことん「自虐的な笑い」を追求するあたりが非常にうまいです。ホラーを撮ったのはこれが初めてのようなんですが、以前からやったことがあるかのように、じつにこなれています。…といいますか、やはりイギリスでは、日常茶飯事でこんな黒い笑いが横行しているのではないでしょうかね!(…Mr.ビーンにしてみても、ブラックなユーモアが活躍する回がけっこうありましたからね~)

 デイヴィット(アンディ・サーキス)とピーター(リース・シェアスミス)のでこぼこ兄弟が、友人を巻きこんで誘拐を企てるんですが、しょっぱなから危ういミスばかりです。
マフィアのボスの娘を誘拐してくるんですが、この娘、かわいらしい外見やアニメな声とは裏腹に、かなりのファイティング・ガールです。このファイティング・ガールのトレイシーを、ジェニファー・エリソンが演じているんですが、ちょっとだけ(いまの)ブリたんに似ています。

  …でも、気合の入っている写真を見ると、とても同一人物とは思えないような美女に変身しています。(女はコワいですねー、みなさんも騙されないように、気をつけましょうね
 
 いちばんの見どころは、ぼこ担当のピーターの七変化でしょう。この方、本国では有名な演劇青年でして、老人から少女(!!)まで演じわけることのできる、すぐれた役者さんなんだそうです。本作品でも、そんな彼の多才ぶりの一端を垣間見ることができます。トレイシーにボコられるピーター!! デイヴィットに怒られるピーター!! おののくピーター!! 殺人鬼を前にして、女の子みたいに悲鳴をあげつづけるピーター… って、ダメダメなパターンばっかりですね~、すいません(笑)。

 オープニングからラスト(…っていうかな?)までだれずに、楽しいノリでけっこうなスプラッタをしていきます。コミカルなホラーの場合、「笑い」と 「グロテスク」の強弱が大切だと思うんですけど、そういうことにかけては職人肌といいますか、危なげなところがひとつもありません。日本人の監督さんも、ぜひ見習ってほしいですね。
次回作もぜひ(ホラーで)撮ってほしい、期待の新人さんのひとりだと思います










「ひ~…!!」 
ぼこ担当、ピーター(リース・シェア
スミス)の危機一髪!!







「あっ、あれは?!」
でこ担当、デイヴィッド(アンディ・
サーキス)が納屋で発見したものは??







暴力娘のトレイシー
(ジェニファー・エリソン)!
ブリ似だなーと、思ってたら…











やっぱり似てました!
(いろんな意味で!)
こちら、気合入れ後仕様。
女は化けるんですよ~、
みなさんも、ご注意を 




さんざん殴られちゃって、
鼻血まみれのピーター。
「はひ~、
(冷蔵庫にあった)冷たい
お豆さんが気持ちイイ…」







    Rose Red


(2002)アメリカ
出演…ナンシー・トラヴィス
マット・キースラー
キンバリー・J・ブラウン
マット・ロス
監督…クレイグ・R・バクスリー
脚本…スティーヴン・キング
★★★


〔ストーリー〕
 “超自然現象を計測して、実在しているということを証明したい” という野心を持つ心理学者のジョイスは、怪奇現象で有名な〈ローズ・レッド〉と呼ばれる広大な屋敷に、6人の超能力者を招いて実験を開始することに。メンバーは彼らのほかに、〈ローズ・レッド〉の所有者にあたる、創立者の子孫でジョイスの恋人のスティーヴン、6人目の能力者の自閉症のアニーの姉レイチェル。
 だが、ジョイスに対抗心を燃やす同僚のミラーは、彼女を潰そうと新聞部のケヴィンをスパイとして送りこむ。〈ローズ・レッド〉が「男性を殺し、女性を行方不明にさせる」というおそろしい屋敷だとも知らずに…


 キングが脚本を担当したテレビ映画「ローズ・レッド」です。脚本担当といっても、書き下ろしですので、もちろん原作はありません。それゆえのいきあたりばったりストーリーといいますか(笑)、それまでの映画化作品とくらべると、ずいぶんアラが見え隠れするんですが、いかにもキングらしい、幽霊屋敷になっています。

 もともとキングという人は、オリジナリティはそれほどない人でした。(…ここで、「エエーッ!!」 と驚かれた方、一例までに、大ヒット作 『トミー・ノッカーズ』 は、ラブクラフトの短編 『宇宙からの色』 が原典、映画もヒットしました『シャイニング』 は、ジャクスンやマシスンが元ネタ、超能力ものは、ジョン・ファリスなどなど… つまり、筋金入りのホラー・オタクちゃんだったのですね~)

 そんなホラー生き字引のような人が幽霊屋敷の脚本を書いてみると、ああ、いかにも! な展開が目白押しとなっています。

 *まず、キャラクターの作り方がいかにも。

 キングというと、善悪をくっきり区別して、いかにもマンガちっくに、大袈裟なくらいに描いて滑稽にしてしまうのが得意なんですが、本作でもそれが生かされています。

 ナンシー・トラヴィス演じるヒロインのジョイスは、オカルトに傾倒した心理学者。実証をもってして名をあげようと野心を燃やしているのですが、おなじく心理学部の教授ミラーは、そんな彼女を目の敵にします。このミラーを小憎らしいまでに演じてくれるのが、デイヴィット・デューク。彼は不幸にも、撮影中に突然死してしまったため、本作が遺作となってしまいました。彼らのやりとりで、作品にメリハリが生まれています。また、ミラーの手先のケヴィンもいい邪魔者になっています。

 *枠役の活躍がいかにも。
 
 ミラー教授が急死してしまったため、脚本をあわてて書き直して、ほかの人物に焦点を当てることになりました。それが、「過去を読みとる能力」 に長けているものの、いまだに母親離れ(それとも、子離れ?)できていないエメリー(マット・ロス)の超絶ママン、ミセス・ウォーターストン。キングというとマザコン、マザコンというと、これまたキングですもんねー、これはお約束です(笑)。

 このママンがまた、ひどいのなんのって。完全に息子を食いものにしてます。息子が稼いだお金でくだらないぬいぐるみなんか山ほど買ってくるわりには、冷蔵庫の中はゴミばっかり… こんなダメ母、アメリカにはほんとにいそうだからコワいです。

 *前半で蒔いたタネが開花するのもいかにも。

 キングというと、伏線、伏線というと、これまたキングですよね。こちらでは、幽霊屋敷の王道、「(よくない)影響を受けて、次第に本性をあらわしていく登場人物」 がサブ・テーマになっています。自身の研究のことばかりで頭がいっぱいのジョイス、ジョイスの恋人で学生のスティーヴンは、幼いころのトラウマを抱え、かつ没落した両親に育てられたために、いまいち押しが弱いイイ男。集められた6人の超能力者も、それぞれ強さと弱さをあわせ持っています。

 *最後に、キングなエッセンスを見つけて楽しみましょう!

 書いた本人がキングなんですから、いかにもなエッセンスがあちこちにちりばめられています。オープニング、最高最強の超能力者、アニーの少女時代、隣家に石を降らせてしまうエピソードはもちろん、『キャリー』(元ネタはジャクスンの 『山荘奇談』)。それから、「家」に憑りつく悪意うんぬんは、 『セイラムズ・ロット』 でも長々と語られていました。そして、アニーを欲しがるその「家」の動機は、やはり 『シャイニング』 ですね!

 テレビ映画というと、CM前に必ず切迫するシーンを入れたりとか、つなぎの部分が微妙だったりと、小さな難があるんですが、そういったことが気にならなければ、じっくり楽しめるゴースト・ストーリーではないかと思います。(…しかし、あいかわらず前フリが長い~っ!)



 

 
 こちらが噂の〈ローズ・レッド〉邸。シスコに実在しています。(← ウソ)
過去に数十人の不明者を出しているそうです… (ホンマかいな…!)



  

 





ジョイス演じるナンシー・トラヴィス。
「The Legend Of Hell House」(1973)
でいったら、フローレンス役かな?







「悪いこというのはこの口か? ん? 
この口か?」と、超能力仲間に
思いっきりいじめられてるエメリー
(マット・ロス)。
うしろのパム(エミリー・デシャネル)
の表情もおもしろい(笑)。








噂の超絶ママン(ローラ・
ケニー)!!
ひ~~、なんかよくわかんない
けど、ごめんなさい~~。。。















〈鏡の広間〉にて。
アニー(キンバリー・J・
ブラウン)を呼ぶ霊の
正体は?!






 
 

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 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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