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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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   Aliens


(1986)アメリカ
出演…シガニー・ウィーバー
マイケル・ビーン
ランス・ヘンリクセン
ビル・パクストン
監督…ジェームズ・キャメロン
★★★★


〔ストーリー〕
 宇宙船ノストロモ号でエイリアンとの壮絶な戦いを終え、唯一の生存者となったリプリー。だが、睡眠カプセルの中に入って宇宙を漂い、発見されたときには57年の歳月が流れていた。現実に直面して絶望するリプリー。さらに、悪いことに、貨物船会社の上層部は、彼女の話を信じようとしない。そして、エイリアンの卵の巣である未踏の惑星LV426に、宇宙技術者とその家族たちが移住しているという信じられない話を聞いて、驚愕するのだが…


 「エイリアン2」です。前作「Alien」「エイリアン」1979)の正式な続編となっています。オリジナル・タイトルを見てもわかるとおり、複数形になっていますよね。ということで、この作品では、エイリアンがうじゃうじゃ出てきちゃう~!! というお話なのです。

 監督は、リドリー・スコットからジェームズ・キャメロンにバトン・タッチ。
キャメロン監督というと、これは非常によく知られている話なのですが、過去の傑作をうまーく現代風に作りかえるのが得意な人なんです。この作品にかんしていえば、古典SFホラー「Them!」「放射能X」1953)と、「Earth VS. Spider」「吸血原子蜘蛛」1958)の模倣が組みこまれています。冒頭の少女がひとりきりで人形を抱いて佇むシーンなんて、「放射能X」そのまんまだし、エイリアンが束になって襲いかかってくる迫力満点のシーンは、「吸血原子蜘蛛」というあんばい。

 じつは、なんとあの大ヒット作「タイタニック」(1997)だって、カルトなクラシック映画「Somewhere In Time」「ある日どこかで」1980)や、「レイズ・ザ・タイタニック」(1980)を元にしていると、海外では噂されているくらいなのです。

 でも、キャメロン監督のすごいところは、ただの過去作品の模倣にとどまらず、優れた素材をいかに上手に再利用するか、心得ているところ。よって、この作品はスピード感あふれる大傑作となってしまったのです。

 前作では男顔負けの活躍を果たして、ラストシーンで無防備な姿をさらすという、フェミニストも真っ青の展開を見せたリプリーですが、今作品では、少女を守る使命に駆られた強い母親役を演じています。たいするエイリアンも、女王エイリアン=最強ママン・エイリアンが登場! 母と母の激しい意地のぶつかりあいが見ものです!!

 また、アンドロイドのビショップ役に、ランス・ヘンリクセン。ヒックス伍長のマイケル・ビーンもカッコイイです。ビル・パクストンの泣きの入ったダメダメっぷり男もグッド。手に汗握る展開をお楽しみください。










リプリー、勇ましい!
背後にいるのが
マイケル・ビーンです。








ヒューマノイドのビショップ
(ランス・ヘンリクセン)。
頭脳明晰、冷静沈着!









ぼろぼろになって逃げま
わっていた少女ニュート
(キャリー・ヘン)を救出
するのですが…










女王エイリアン登場!!
 









リプリー、
がんがれ!!!!







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  The 7th Voyage
    of Sinbad


(1958)アメリカ
出演…カーウィン・マシューズ
キャスリン・グラント
トリン・サッチャー
監督…ネイザン・ジュラン
製作…レイ・ハリーハウゼン
★★★

〔ストーリー〕
 バクダッドの王子シンドバッドは、チャンドラ王国との平和条約締結を終え、婚約者のパリサ姫とともに帰途の航海中だった。そこへ海図にない島が出現、上陸してみると、黒魔術師のソクラがサイクロプスに追われているのを救出する。ソクラはサイクロプスの財宝から魔法のランプを盗みだしたようなのだが…


 あまりの懐かしさに観てしまいました、書いてしまいました。邦題は「シンドバッド7回目の航海」です。

 さて、みなさん、レイ・ハリーハウゼンというと、特撮映画の監督や特殊効果のスタッフとして、長年この業界にかかわってきた人なんですが、なんとこの作品が初のカラー映画だったのですね。

 ハリーハウゼンというと、多くの著名人に影響を与えたとても有名な方です。わたしのイメージでは、やはりガイコツ! このひとことにつきますね~。コマ撮りで動くガイコツのすごさ、生き生きとしたリアル感が圧倒的でした。もちろん、いま見てみると、苦笑いを禁じえないのですが、時代の流れといいましょうか、CG加工に慣れてしまった目からすると、逆に新鮮で、興味深く見れるものです。

 これもまた有名な話なのですが、ブラッドベリと高校時代からの親友です。デビュー作「The Beast from 20,000 Fathoms」「原子怪獣現る」1953)は、親友の短編 『霧笛』 を原作としているのですね。のちに日本のアイドル、ゴジラに多大な影響を与えたのも、有名なお話。
 
 ギリシャ神話を題材にした「Jason and the Argonauts」「アルゴ探検隊の大冒険」1963)「Clash of the Titans」「タイタンの戦い」1981)も、よくできていておもしろかったですねえー。ハリーハウゼンの特撮は、そのぎこちない動きゆえの不気味さといいますか、じっさいの役者さんたちとの不自然なズレ具合、妙な動きが偶然非現実らしく、怪物らしく見えて、ステキだったりするのです。

 「シンドバッド」シリーズは3作ありまして、この後、「The Golden Voyage of Sinbad」「シンドバッド黄金の航海」1973)「Sinbad and the Eye of the Tiger」「シンドバッド虎の目大冒険」1977)と、つづきます。どのお話も伝説の怪物たちと魔法に満ちた、スリル満点のファンタジーとなっています。









魔術師ソクラ(左T・サッ
チャー)と、シンドバッド
(マシューズ)。
    
                                                                                    
 





双頭の怪鳥現る!!







ランプの精(リチャード・
アイアー)と、パリサ姫
(キャスリン・グラント)。







みなさんが夢中になった
ガイコツ!!



 








サイクロプス現る!!







   The Stepfather


(1988)アメリカ
出演…テリー・オクイーン
シェリー・ハック
ジル・ショーレン
スティーヴン・シェレン
監督…ジョセフ・ルーベン
★★★


〔ストーリー〕
 自分の理想通りのアメリカン・ファミリーを作りあげるたびに、魅力的なシングルマザーに近づき、その夫におさまる男。だが、すこしでも理想に反する事実を目にすると、家族を惨殺してまた新たな母子を探す…!!
 母親スーザンとふたり暮らしの15才のステファニーの家に、母の恋人のジェリーが新しい父親として一緒に住むことになる。だが、やさしすぎるジェリーに彼女は不信感を抱きはじめて…


 80年代の佳作スリラーを見逃していました!
邦題では、「W ダブル/ステップファーザー」となっています。

 主演のジェリー/凶悪サイコちゃんを演じるのは、なんと大ヒットドラマ「LOST」で不思議ちゃんオジサン、ジョンを演じたテリー・オクィーンです。若い!でも、雰囲気はかなりイイです。そして、けっこうレベルの高い作品なんです… けれども、あまり知られていないようなんですよねー。ジャンル的にはサイコ・スリラーなのですが、その手の傑作群(アンソニー・パーキンスの「サイコ」シリーズ(1960~)や、アンソニー・ホプキンスの「Magic」「マジック」1978))などと肩を並べてもいいくらいの出来映えだと思います。

 おそらく、現実にあった事件をもとにしていると思われるのですが、(じっさいには “義父” ではなくて、実のお父さんが家族を殺しちゃったんですよ… ひ~、そろしすぎますね!!)、テリー・オクィーンの演じる殺人鬼ジェリーが静かな不気味さを醸しだしています。サイコ・スリラーというと、最初から「犯人」・「犠牲者」がわかっていて、登場人物も少なめで、そんななかで徐々に恐怖感を高めていく、というところに重点が置かれるかと思われるのですが、この作品は見事にクリア。

 オクィーンのジェリー(← もちろん偽名です)の一挙手一投足に、じわりじわりとコワさが募っていきます。

 「自分の気に入らない家族」、「理想からはずれる家族」だと判明しちゃうと、あっさり皆殺しにしちゃって、次の標的を探す… とんでもないサイコ男性なのですが、こんな人がなぜうまいこと再婚できちゃうのかというと、「普段は穏やかで知的」という二重人格でもあったりするのですから、余計に現実味があります。

 ジェリーが次に選んだのは、スーザンとステファニーの母子。スーザンは夫を信頼し、かつ惜しみなく愛情を注いでくれるよい妻。これは問題ありません。ですけど、生意気盛りのティーンエイジャーの娘ステファニーは、そう簡単には騙されませんでした…

 “ステファニーに見切りをつけた時点で惨劇がはじまる” という、いわば、時限爆弾を抱えてストーリーが展開するのですが、地味ながら丁寧な演出で、音楽もセンチメンタルな風情でよかったり。

 スーザン役のシェリー・ハックもいいんですけど、ヒロインのステファニーを演じるジル・ショーレンがカワイイです~ 「Phenomena」「フェノミナ」1985)当時のジェニファー・コネリーを彷彿させます。美少女ファンは要チェックですね!
ほかに、ジェリーに母と妹を殺害されたジム(スティーヴン・ショレン)も登場します。(「American Gothic」「アメリカン・ゴシック」1988)でポール役を演じた方です~)。ジムはジェリーに復讐しようと、彼を追っているのですが…

 簡素なストーリーながら、じりじり迫ってくるオクィーンの狂気と、健気なステファニーの息詰まる戦いが見ごたえじゅうぶんです。
なお、2009年にはリメイクも決定したんだとか。どんなふうに仕上がるのか、いまから楽しみですね。










うら若い妻と幼い娘を殺害
するという、非人間的シー
ンから幕を開けます…!!
オクィーン、とにかく若い。









髪を切って、髭まで剃り落と
した変身後。真面目な不動
産販売員で、とても殺人鬼
には見えません。









ステファニー役のジル・ショーレン。
少女の勘は鋭いんです!






幸せな家族を夢見るも…




邪魔する人間は
容赦しません!!







  『戦慄の
    シャドウファイア』


原題 『Shadowfires』
(1987)
ディーン・R・クーンツ:著
白石朗:訳
扶桑社文庫


〔ストーリー〕
 エリックは天才的な遺伝子工学者。その才能で莫大な富と名声を築いていたが、別居中の妻レイチェルとの離婚訴訟中に、車に撥ねられて死んでしまう。そして、彼の死体が市の死体公示所から消失した。不穏な気持ちを隠しきれないレイチェルと恋人のベンは、独自の調査を開始するが、ナゾの追っ手が彼らに迫っていた…!!


 今回は、クーンツの作品を紹介したいと思います。

 いまや大ベストセラー作家となったクーンツ、(現在はRを抜いて、ディーン・クーンツ表記になっています)、その地位を築くまでには、さまざまな名義であらゆるジャンルの小説を書いてきました。
この作品は、なかでもわりと評判のいい、リー・二コルズという女性名義で書かれたものです。二コルズ名義ではほかに、『邪教集団トワイライトの追撃』 (…すんごいタイトルです!)なんて佳作もあります。かくいうわたくしも、この作品でクーンツをはじめておもしろい! と、思ったものなんです。

 クーンツというと、いかにもベストセラー作家というポジションらしく、多才、量産、ゆえに薄っぺらい(ファンのみなさま、ごめんなさい~)という感想が多いのですが、事実、わたしもそう思っていました。これは映画 「Hideaway」「ハイダウェイ」1995)でも書いたことなんですが、登場人物がみんないい人すぎる、ハンサムすぎる、美人すぎる、善悪の区別がはっきりしすぎている… などなど、キングのような重量感のある小説を読み慣れている人にとっては、「リアリティがない!」 という厳しい意見も。

 …でもでも、この作品は、そんなクーンツでもよかったんだ、じゅうぶんおもしろいんだ!! と、納得させてくれた一作でもあります。クーンツのよさはまさに、そのストリーテラーにあったんですね~。 次から次へととんでもないアイデアで本を書きつづけるクーンツ、この作品も、そのとんでもアイデアがたくさん詰まっています。

 まず、オープニングが一風変わっています。
主要人物がいきなり死んじゃうし! エーッ、なにこれ?!  と、意表をつかれること必至のはじまりです。そしてそこから、ジェットコースター並みのとんでもストーリーがはじまっちゃうのです。

 未読の方の感動を阻害しないために、あまりくわしいことは書きませんが、この作品ではクーンツの苦手面・キャラ設定、リアリティなどが、ストーリーのおもしろさによってほとんど気になりません。ストーリーのおもしろさ! これ、いちばん大事なことなんですよね。どんなにうまく書けたって、リアリティがあったって、つまんなくちゃ意味がありませんもの。

 これとおなじように万人にもオススメできる作品として、さきにもあげました、“カルト宗教団体に狙われちゃう母子の恐怖の物語”、 『邪教集団トワイライトの追撃』 (だ~から、なんなのこのタイトルはっ!)、 “上昇志向の強い美人のオネエさんが狙われちゃうサイコ・ミステリ” の 『ウィスパーズ』、 “田舎町にすんごいモンスターが出てきちゃう”  『ファントム』 も、非常におもしろくて安定した小説の醍醐味があります。とくに、一見スタイリッシュなヒロイン・サスペンスに思える 『ウィスパーズ』 は、後半はまったくの予定調和なのですが、それを差し引いても、前半が複雑怪奇でおもしろすぎるっっ!! 一読の価値あり!






    The Happening


(2008)アメリカ/インド
出演…マーク・ウォールバーグ
ズーイー・デシャネル
ジョン・レグイザモ
アシュリン・サンチェス
監督…M・ナイト・シャマラン
★★★


〔ストーリー〕
 ある朝のこと、ニューヨークでそれははじまった… 人々がなんの前触れもなく、唐突に死にはじめたのだ! 不気味な死の伝染はあっという間に広がり、やがて街中で、道路で、あらゆる人々が不可解な自殺をはじめる。フィラデルフィアで科学の講師を務めるエリオットは、ニュースを聞いて不安に思い、妻のアルマ、友人のジュリアン、ジュリアンの幼い娘のジェスを連れて、ジュリアンの母親の家へむうかおうと列車に乗るのだが…


 ナイト・シャマランの最新作です。
ナイト・シャマランというと、だれもが思い出すのは「The Sixth Sense」(1999)ですよね。「シックス・センス」の大成功によって、一躍その名を世界中に知らしめた彼なのですが、その後はわりと苦戦しているようです。「Unbreakable」「アンブレイカブル」2000)「Signs」「サイン」2002)は、一応それなりにまあまあな評価のようだったんですが、その後は撃沈… その失敗というのも、「シックス・センス」のような脚本の妙を観客が求めてしまうからだと思います。

 さて、今回はなんと、不条理ホラーなんですね。
タイトルにもあるとおり、これは原因も正体も不明の奇怪すぎる出来事と、それに振りまわされる無力な人々の恐怖を描いています。そしてなんと、初のR指定を受けています。オープニングからかなりショッキングです。そういう意味では、いままでにないくらいなまぐさいナイト・シャマランとなっています~。

 ニューヨークの公園で、悲鳴があがったのに無反応な人々を不審に思う女性。集団で立ち止まって、うしろ歩きするという不可解な行動をとる人々。ふと横の友人を見ると、言葉もあやふやに、突然頭に差していたヘアピンで首筋を…!!

 こんな感じで、突然意味もなく、人々が自殺するという現象がまたたく間に広がっていきます。建物の屋上から建設作業員が降ってくるというシーンといい、ひとつの拳銃で通りすがりの人々が次々頭を撃ちぬくというシーンといい、ショックを受けることまちがいなしの冒頭です。

 これはなんなの? いったいなにが起きているの?? 不安と恐怖も高まるんですが、先にも書きましたとおり、そこになんらかの説明や原因が究明されるわけでもなく、ただ異様な雰囲気とその出来事が広がっていくだけです。

 正体不明の恐怖は「未知のウィルス」かもしれず、「伝染病」かもしれず、それとももしや、なにか “巨大な意志の力” が働いているのか…?! そんな想像をあれこれ膨らませてくれるコワさなのですが、いかんせん、展開が地味なんです。わたしも「シックス~」の呪縛にかかってしまっているのでしょうか。シャマラン監督はすばらしいアイデアをポンポン出す人なんですけど、脚本はやっぱり、デビュー作を越えられないのでしょうかね~…

 自殺方法も千差万別でして、車で突っこむ、手首を切るなんてオーソドックスなものから、動物園のトラの檻に入ってみたり、芝刈り機に刈られてみたり…!!(笑)。そうなんです、シリアスかと思わせて、笑わせてくれるシーンも多々ありました。
もしかしたら、不気味なんだけど笑えてしまう、そんな終末を狙っていたのかもしれません。

 主人公のエリオットには、マーク・ウォールバーグ。エリオットの友人役のジョン・レグイザモがごくフツーの父親として出演していて、印象的でした。










突然自殺を図る女性!







左から、ジェス(アシュリン・
サンチェス)とジュリアン
(ジョン・レグイザモ)と、
エリオット(マーク・ウォール
バーグ)。







道のむこうに動物の死骸
が…! 左がアルマ
(ズーイー・デシャネル)。




正気を保った数少ないメンバーたちと、
いくあてもない逃避行をつづけるエリオットたちですが…



とうとう三人だけになってしまいました…
はたして希望を見いだすことはできるんでしょうか…??






    Otis


(2008)アメリカ
出演…ボスティン・クリストファー
アシュリー・ジョンソン
イレーナ・ダグラス
ダニエル・ステーン
監督…トニー・クランツ
★★☆


〔ストーリー〕
 悪名高い連続少女誘拐犯のオーティスは、美少女を監禁、殺害してしまうということをくりかえしていた。ある日、ピザの出前の仕事に出かけたオーティスは、出てきたライリーにひと目惚れ。さっそく彼女を誘拐してしまう。そしてライリーの家族たちは、頼りにならない捜査陣に不信感を募らせはじめて…


 わりと評価のよろしいこの作品、なんか不思議なテンポで、徐々にズレた方向に(?)物語が進んでいきます。ホラーというよりは、スリラー系のブラック・コメディですね。そして、こういう分野ではちょっとめずらしい、いつもは脇役になっちゃう「被害者の家族」に焦点があてられています。ようするに、一応、美少女変態フェチ V.S. 核家族でファイト!! という構図になっています~

 主人公のオーティスを演じるボスティン・クリストファーは、ヌボ~ッとしたばかでかい図体に野暮っちい服装と、見るからにアブナイ雰囲気プンプンのモテないくん。自分好みのカワイイ女の子を誘拐してきては、特別にあつらえた地下室に監禁、「キム」と勝手に名前をつけて、ラブラブな関係になろうと努力していました。ですが、なぜかいつも失敗。泣く泣く遺体を処理していました…

 そこへ、運命の出会いが!
ピザの出前先で、新たな美少女・ライリー(アシュリー・ジョンソン)にひと目惚れ。翌日、あっという間に誘拐しちゃいます。今度こそラブラブな関係に… と、ウキウキのオーティス。そのころ、ライリーの家族はてんやわんやです。大事なひとり娘がいま世間を騒がせている連続少女殺人鬼にさらわれちゃったんですから! 
心穏やかでいられるはずがありません。

 ストーリーがまた、いかにもアメリカ的な解決法になっているんですよねー。「警察に任せられないのなら、自分たちでおとしまえをつけてやるっ!」 という、強気な発想でガンガンンいきます。個人尊重精神とでもいうんでしょうか、家族の対応が、まさにそれ。

 たいして、オーティスはどうかというと、じつはそれほど凶悪な人物でもなかったり。オープニングの少女が死亡するのは事故だし、少女監禁といっても、チアガールの格好をさせてみたり、ちょっとした寸劇をやってみたり、プロムの真似事をしてみたり…と、わりとカワイイもんなんです。

 家族の過激な応戦がブラックな笑いを誘うんですが、これがひいてはメディアの正義、小児性愛者にたいする過激な反応にもつながっていきます。
だって、だれだってかわいいひとり娘が誘拐されたら、無事に帰ってきたとしても、絶対無事じゃすまされない! と思っちゃいますもんね。 その気持ちはよくわかるのですが… さて、家族はライリーの敵討ちをとることができるんでしょうか…??

 はっきり申しあげまして、なかなか気まずい内容となっております。ズレだした時点から、かなり気まずいです(笑)。
結局、オーティスにも家族にも、どちらにも感情移入できないんですが、なんだか最近の事件・裁判報道や、それに踊らされちゃうわたしたちとしては、身につまされるような映画でした。









ライリーから手渡されたお札を
凝視するオーティス
(ボスティン・クリストファー)。
この後、匂いも嗅ぎます。

 




捕まっちゃったライリー
(アシュリー・ジョンソン)。
電気が通ってるから、気を
つけてー!!






デへへへ…
オーティスの脳内イメージ
では、楽しいプロムの帰り道
です。











美人なママ(イレーナ・ダグラス)。
キッチン用品が武器?







おっとりパパ(ダニエル・ステーン)。
最初はいやいやながらも、乗り気で参戦!




弟のリード(ジャレッド・カーニッツ)。
若いだけあって、手加減しません。
最新作は「Dance of the Dead」(2008)







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女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

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 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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