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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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  Schizo


(1976)イギリス
出演…リネ・フレデリック
ジョン・レイトン
ジョン・フレイサー
監督…ピート・ウォーカー
★★☆


〔ストーリー〕
 ロンドン。銀盤の女王と呼ばれた美人スケーターのサマンサは、婚約者の青年実業家アランと結婚式をあげることに。その記事が新聞に載ったとたん、とある郊外で、怒りにふるえる不気味な男がいた…!!
男はサマンサのもとに駆けつけると、以来彼女をつけ狙うようになる。サマンサにはまったく身におぼえがないのだが、なぜか男の顔に、過去のある記憶が呼びさまされて…??


 タイトルで思いっきりネタバレしてますやん~~!!!
でも、けっこうおもしろかったので。

 70年代のUKホラーです。これもカルトでいいのでしょうか。ピート・ウォーカーという監督さんは、ホラー映画ばかり撮ってる方でして、マニアの方にも人気が高いんですね。で、これはおとなしめの作品から観ちゃったことになるんです。ウォーカー三部作というのがありまして、「House of Wipcord」(1974)「Frightmare」(1974)「House of Mortal Sin」「魔界神父」1976)、こちらの作品群が、彼の作風を顕著にあらわしているんだそうです。

 この作風を簡単にいってしまいますと、陰湿、痛烈な皮肉、救いのないストーリー。(あ、これ、まんまイギリスっぽいじゃないですか!)もともとはポルノ映画専門の方だったんですが、ホラーをやりはじめたら、これがどんどん板についてしまったという。おまけに、どんより陰鬱ムードが好きなイギリス人にはうけちゃったのでしょう。

 で、本作はそんな監督の真骨頂が発揮されたあとに撮られた、ごくまじめなサスペンス。評価は一応高いんですけど、ファンからすると、これよりもあれとか、これがあるでしょー!! みたいな感じになっちゃうのかな… 知らなかったんですよ、えーん、スイマセン…

 ヒロインのサマンサ(リネ・フレデリック)は、国民のアイドル的な美人スケーター。実業家のアラン(ジョン・レイトン)との結婚も決まり、新聞で大々的に報道されていました。その記事を読んで、顔色を変える男(ジョン・フレイサー)が… この不気味な男、しがない労働者なのですが、その日のうちにトランクに荷物とナイフを詰めこんで、サマンサの暮らすロンドンへとやってくるのです…!!

 その日からサマンサは、薄気味悪い男につきまとわれるようになり、恐怖をおぼえはじめます。それをアランに訴えても、友人のべス(ステファニー・ビーチャム)に相談しても、なかなか信じてもらえません。
そしてある晩、たび重なる男の無言の脅迫に耐えかねて、意を決してアランの友人・ウィリアム(ジャック・ハスキン)のもとをたずねます。じつはウィリアム、精神科医だったのですが…

 サマンサがかわいい系の美人さんで、小柄でやたら子供っぽく見えたり、逆に色っぽくなっちゃったりと、いろんな表情が見れて楽しいです。アラン役の男性も、どこかで見たことあるような、よくあるイギリス系のイケメン俳優。サスペンスのツボも押さえていて、周囲に信じてもらえなくて孤立していくサマンサ、疑心暗鬼になっていく過程も丁寧に描かれてます。

 ヒロインも魅力的だし、演出も悪くないし… 足りない部分があるとすれば、ゴアひかえめ、ついでにちょっと冗長すぎちゃった~。もうちょっとテンポがよくて、ショックシーンが強ければ、ホラー強度も増したかもしれません。はっきりいって、監督さんも自分から白状しちゃってるとおり、三部作で燃え尽きちゃった感があるみたいです。そのへんが、ファンからするともの足りないんでしょうか。

 でも、わたし的にはけっこうよかったので、ウォーカー三部作はぜったい観ておこう候補にしときました! ついでに、この三部作はサスペンスじゃなくてホラー色全開で、宗教とか暴力メインのどぎつい内容です。へたなスプラッタより、トラウマが植えつけられちゃう危険性があるんだとか… むふー、楽しみでふ!!!

 スキゾ映画はたくさんありますが、これも良作のひとつとして数えられていいのでないでしょうか。
ラスト、とあるキャラのセリフが、未来を予知しているのですが… あーらら、これまたこわいですねー










不気味な男の目的は??







キャッ!!
シャワー中に急に
殺意を感じて…!!







べスもアラン(右)も、
サマンサの話を
信じられません。








どんどん追いつめられる
サマンサ。








そしてついに、
犠牲者が…!!!!







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  The Violent Kind


(2010)アメリカ
出演…コーリー・ナウフ
クリスティーナ・プロサリース
タイラー・コール
監督…ミッシェル・アルティエリ/
フィル・フローレス
★★★


〔ストーリー〕
 カリフォルニア。バイカーチームに所属するコーディは、友人やガールフレンドたちと、なじみの店の女主人の誕生パーティーをかねて、飲んで騒いで明けくれていた。ばかげたパーティーも終わって、メーガンの姉のミシェルが男友だちと夜のドライブにと、姿を消してしまう… と、ミシェルだけ血まみれになってもどってきた!! 彼女がいうには、車を停めていたら突然襲われたというのだが…??


 このポスター気に入ってて、けっこう期待していたんですけどねー、
なんていいますか、あの、わりとふつーの…

 〈ブッチャー・ブラザース〉って、コンビ名のことだったのですね。このクレジットだと、「The Hamiltons」「パニック・ゲーム」2006)「April Fool's Day」「血のエイプリル・フール」2008)、2年ごとにホラーを撮っていて、今回で3作めになります。余談ですが、「パニック~」はなんともいえない叙情感とか、青春してる雰囲気がホラーファンのあいだでたいへん話題になりました。わたしも好きでした!

 で、青春ホラー、ホラー・ミステリときて、今回は憑依ホラー。
なんでいきなり? 憑依ホラーなのなの…??

 あのう、いちばん最初に聞いたあらすじは、けっこうよかったんです。タイトルも恰好いいし、ホラーっていうと、よく「人喰い」とか感染したりするんですが、これは「暴力」が感染しちゃうのかな? などと、勝手に想像ふくらませてたんですが。いろんな意味で惜しい作品だったです。惜しいんですけど、前半の感触はなかなかよかったです。

 主人公は、バイカーチームの青年コーディ(コーリー・クナウフ)。彼らは地元のならず者、メンバーもしょっちゅうしょっぴかれて、暴力沙汰は日常茶飯事。たぶん、殺人もしてるんだろう? なんて、新聞で騒がれています。

 危険で惰性的な人生を送る彼らは、じつはちょっぴり退屈している…
ある晩、なじみのバーの女主人の誕生パーティーで盛りあがって、そのままあちこちで大騒ぎ… コーディは決まった彼女はいないのですが、女性たちは本気で相手にしてくれない。ぶーたれて、ひとりシェアハウスの階段で飲んでいると… 茂みのなかから、不気味な男が出てきたよ! でも、コーディは気づかない。

 そのころ、メーガン(クリスティーナ・プロサリース)が、姉のミシェル(ティファニー・シェピス)をさがしていました。ミシェルはおなじく、メンバーのひとりと車でどこかにしけこんじゃってまして、彼女だけ、血だらけになってもどってきます。「助けて!!」なにがあったかと、コーディや友人のQ(ブレット・ロバーツ)、ガールフレンドのシェイド(タイラー・コール)は仰天するのですが…

 コーディ役の人が自然体でいい感じで、前半(…というか、事件が起きるまで)が新感覚な雰囲気で、これは期待できそう!と、思えたんですけど。
うーんと、よくある憑依ホラーでした。タイトルにもなってる「ヴァイオレント」の移行を、もっと明確にしてくれるとおもしろくなったかと思うんですけど。途中から、ゾンビ? エクソシスト? みたいなパターンになっちゃいます。

 でも、騒ぎの元凶となる「アンデッド」グループが、なかなかキャラがたってて楽しいです。本人たちも楽しそうに演じています。このキャラ、もうちょっとつきぬけた感じになってれば… ついでに、ブラックだったり、ばかげてたりすれば? 血糊もたくさん使ってるわりには、ゴアでもないし、残酷さもないし、めずらしい展開もないし、えーと、どうしてこんな感じになってしまったのかな…

 結局どういう方向に進めたかったのか、いまいち消化不良な作品になっちってました。観終わってしばらくたったら、どんな内容だったか忘れかけてますし! 次回作にまた期待します。











コーディ(左)と
Qたん。










まみれの誘惑!!








囚われの身となった
シェイドとコーディ、
メーガンは…










そのころ、Qたんは!!










完全ゾンビですねん…







  Kolobos

(1999)アメリカ
出演…エイミー・ウェバー
ドニー・テラノーヴァ
二コール・ペレリーヌ
監督…ダニエル・リアトウィック/
デヴィット・トッド・オクヴァーク
★★★


〔ストーリー〕
 雨の夜、交通事故によって病院に運びこまれた女性。救出された彼女は、「コロボス…」という、謎の言葉をつぶやく。
すこしづつ記憶をとりもどしていく彼女は、新聞広告により、ある心理実験に参加したことを担当した医師に告げる。それは、人里離れた山荘に、数名の男女が共同生活を送るというものだった…


 邦題だと、「ホーンテッド・ハウス」。ちなみに、幽霊はひとつも出てきません! タイトルにもなってる “コロボス” とは、切り刻まれた遺体のことをいうんだそうです。

 見逃しちゃってた作品だったんですけど、なかなかおもしろくてよかったです。山荘、そこに見知らぬ男女が集う! あー、なんか、わくわくしちゃう殺戮の予感… 結末もだいたい予想はつきますが、テンポがよくって、キャラクターもいいし、初心者から上級者まで楽しめる内容でした。

 ヒロインは、キアラ(エイミー・ウェバー)という女性。彼女が交通事故によって、病院に運びこまれたわけですが、車に轢かれる以前にうけたらしい、ひどい怪我を負っていました。不審に思った担当の女医が、彼女からすこしずつ事情を聞こうとするのですが… ショックを受けているらしく、なかなか記憶がもどりません。
そして、彼女の口からようやく聞かされる内容とは…

 心理実験とかー、山荘に集められる男女とかー、もう使い古されたワンパターンなんですけど。これがけっこう期待を裏切らないストーリーのよさとテンポのよさで、いっきに最後まで観れちゃう出来でした。

 キアラはどうも、精神不安定な女の子でして、薬を服用してます。残酷な絵ばかり描いているし。その対極なのが、ティナ(プロミス・ラマルコ)という元気のいいノリノリ娘。ほかにも、おなじく参加者のトム(ドニー・テラノーヴァ)、主催側のエリカ(二コール・ペリレーヌ)とゲアリー(ジョン・フェアリー)とか。

 部屋のあちこちにはカメラがあって、彼らのことを随時テープに録画してます。そして、そのカメラをのぞく人物というのは…

 殺害方法がいろいろ凝ってまして、ソフトホラーかと思わせて、わりとゴア。こいうの、陳腐になっちゃう場合が多いんですけど、これはうまい具合に成功しています。つぎになにが起こるのかなとか、期待させる間もよいです!

 …まあ、そういう系のお話なんですけどね。ですが、「ホーンテッド~」という邦題からは想像できない、ノリのいい娯楽ホラーなので、機会がありましたらどうぞ。
結末のなんともいえない不快感、不安感なんかも、コロボス…












病院で目ざめたキアラ。
彼女にいったいなにが?







きゃー!!
女医さんの目がっ!!








山荘に集まったみなさん。






ガラスのむこうから、
こんにちはー







どえらいことに
なってきましたよ!!







  Seuseung ui eunhye



(2006)韓国
出演…ソ・ヨンヒ
イ・ドンギュ
オ・ミヒ
監督…イム・デウン
★★★


〔ストーリー〕
 定年後、海辺の町でひとり暮らしをするパク元教師。彼女は車椅子生活のため、教え子であったミジャが進んで世話をしていた。恩師を励ますためにと、卒業から16年ぶりに、かつての同級生たちを招くことに。だが、やってきた6人の男女は、先生にたいして複雑な思いをかかえていた…


 邦題だと、「師の恩」でいいのでしょうか。
韓国ホラーです。例によって、韓国ホラーの結末なアレ。

 物語は、車椅子のパク元先生(オ・ミヒ)と、彼女の面倒を見ている教え子のミジャ(ソ・ヨンヒ)からはじまります。ヒロインのミジャは、なんか、よくある韓国映画に登場する、いかにもないい子ちゃんぶりを発揮してます。このいい子ちゃん、近ごろ先生が元気がないので、かつての同級生たちを招いてみようかしら! と思いたつ。

 そこにやってきたのが、すっかり大人になった男女6名。
優等生だったセホ(ヨ・ヒョンス)とウニョン(ユ・ソラ)は婚約中、クラス一のデブだったスニ(イ・ジヒョン)はイイ女になってるし、反対に、オッサン化しちゃったダルボン(パク・ヒョジュン)、イケメンのミョンホ(イ・ドンギュ)、いまだ少年みたいなジョンウォン(チャン・ソンウォン)。

 パク先生はおおはしゃぎ、だけど、集まったメンバーはどこか浮かない様子。というのも、みんなそれぞれ、先生にイジメられた、暗ーい過去をかかえていたからなのです!!
大人になったいまでもそれが忘れられない。でも先生は、都合の悪いことは全部忘れちゃって、すっかり “アタシ、いい先生だったの!” ”退職してからも生徒に慕われるなんて、なーんて幸せ!” って、記憶修整入っちゃってます。

 イジメといっても、パラハラというべきか、田舎の小学校だから教師が絶対的。それで、パク先生はやりたい放題。家が貧しいのをからかったり、体罰で障害者にしちゃったり、セクハラで精神的に追いこんじゃったり… そりゃもう、たいした先生でした!

 だから、この再会には積年の怨念と殺意が渦巻いていたのです… それ以上に、もっともーっと強い殺意が潜んでいたのです!! という、再会の場の殺人鬼モノです。

 内容がまず、好きなんですよ。教師のイジメって、陰湿で暗いイメージでいいですよねー(笑)。やっぱりアジアン・ホラーの特徴は、陰険でなくちゃ!!
本国でもけっこう評判はよかったそうで、複数の視点から物語が進むのも、いかにも韓国ホラーっぽいかもしれません。でも、さほど無理してませんし、複雑でもありません。

 惜しいなーと思った点は、殺人鬼モノなのにゴア描写チョビっと。(これがタイホラーだったら、ネチネチやってくれたと思うんですけど!!)…あと、ヒロインの影が薄すぎる。殺人鬼のウサギ仮面くんも、マイケルとかフクロウ仮面とか見ならわなくちゃ!

 いちばんちがうかなーと思ったのは、やはり結末ですよ。この手の復讐ホラーは、犯人が身の上を語ったりしてはいけません! 不敵に、闇のなかに消えていかないと… そっちのほうがより効果的だし、ずっと不気味ですよねっ… て、これはあくまでわたし個人の意見なのです。

 全体的な暗いトーンと結末からストーリーを追う構成は好みなので、いちいち注文をつけてみました。ですが、わりと良質なサスペンスだったりするのです。あと、NGコードの〇〇も出るけどね!











ひさびさに集まった
メンバーですが…








先生の過去の記憶は、
なにか封印してません
か…?









浜辺で寝ちゃったミョンホ
の前にあらわれたのは…









あららー!!
これは痛そうですねー!!








吊られちゃってますー、
白目むいてるからもう
ダメぽ…







  La casa dalle
finestre che ridono


(1976)イタリア
出演…リーノ・カポリッキオ
フランチェスカ・マルチアーノ
ピーナ・ボリオーネ
監督…プピ・アヴァティ
★★★


〔ストーリー〕
 教会のフレスコ画を修復するために、とある田舎町に招かれた青年ステファーノ。おなじ船に乗っていた美人・フランチェスカは教師で、ホテルで知りあったふたりは、しだいに惹かれあっていく。フレスコ画は殉教者を描いたもので、身体中をナイフで刺されるという凄惨な内容だった。ステファーノを推薦した友人アントニオは、「この町はどこかおかしい」と、不安をこぼす。そして到着そうそう、ホテルに不気味な電話がかかってくる。「フレスコ画に手を出すな」という、不気味な脅し文句をうけるのだが…??


 どうも最近、新作を観る意欲が湧きません。。そこで、カルト映画漁りばかりしてました。おもしろい作品があったので、いくつか。

 未公開作品なんですが、「笑む窓のある家」というタイトルが定着しているみたいです。さすがにクラシック、カルトで未公開となると、情報がなかなか入ってこないんです、ううー、なにぶんド素人ですから… なので、こんなおもしろい作品があったなんて、ぜんぜん知りませんでした!

 監督のプピ・アヴァティのフィルモグラフィをざっと見ると、「追憶の旅」「いつか見た風景」「恋は結婚式のあとで…」などなど、青春ものや恋愛ものが多いみたいです。が、これはあくまで日本の流通イメージ。もともとこの監督さんは、神秘主義によって頭角をあらわした方なんだそうで、国内では、恐怖映画の第一人者の呼び声が高いんだとか。だから、「Zeder」「ゼダー/死霊の復活祭」1983)「L'arcano incantatore」「オーメン黙示録」1996)なんて作品もあったりするのです!

 お話は、とある小さな町の教会のフレスコ画を修復するため、ステファーノ(リーノ・カポリッキオ)が招かれるところからはじまります。この町には船で渡るんですが、同乗者に美人(フランチェスカ・マチアーノ)もいました。彼女は教師としてこの町にやってきて、ホテルもいっしょ。馴れない土地で、なんとなく肩身のせまい同士、しだいに仲よくなっちゃいます。

 ステファーノが修復する絵は、殉教者を描いたものなんですが、これがちょっと例を見ないくらい残酷で具体的なもの。(↓)下の写真でもわかるとおり、グッサグサに刺されまくってます。この絵を描いた画家は、およそ20年前に死んだんだとか。さっそく修復にとりかかるステファーノですが、その晩から奇妙なできごとが。ホテルに電話がかかってきて、「フレスコ画には触れるな!」と、警告をうけるのです。

 じつは、教会の司祭にステファーノを紹介したのは、友人のアントニオ。しかし、アントニオの様子もどこかおかしく、なんだか見張られているみたいに周囲を気にします。そしてその晩、とうとう事件が起こってしまいます…!!

 観終わった感想は、ストーリーがとても丁寧、ワンシーンもその繊細さが伝わってくるほど気を使った印象。ですが、この時期イタリアン・ホラーというと、あの巨匠だったり、この巨匠だったり…
この監督さんは、その系のホラー監督さんではありません。ですから、残酷描写もなく、そのへんが紹介されなかった理由なんでしょう。うーん… 非常に残念です!

 なのですが、これはいま観てもじゅうぶんおもしろいし、 視覚で観客をつかむホラーじゃなくて、丹念にエピソードを積み重ねた結果、最終的にどーん! と、恐怖がやってくるホラー。知的で品のいい画ばっかりですが、邦題にもなってる “笑む家” の悪夢的イメージは強烈な印象を残します。

 そう思って安心して観ていたら… うあぁ!!
この結末は、ひさしぶりにゾクッときました! 知的で品がいいけど、けっこうこわいよ!! 軽いショックで頭がボーっとなっちゃったし!!

 未公開として埋もれさせるには、あまりにもったいない質の高さです。機会がありましたらぜひ、ご覧になってみてください。
ちなみに、「ゼダー/死霊の復活祭」は、キングの『ペットセマタリー』の元ネタではないかという噂があるんですが… 真偽をたしかめるわけじゃありませんけど、こっちも観てみたいです!!










主人公のステファーノ。
うしろが問題の絵。








こんなかわいい女教師と、
知りあいになっちゃうわけ
で!








修復をつづけていくと、
なにやら不気味な絵が
出てきましたが…?









おなじくよそ者感覚に悩む、
運転手のマルコ。










ステファーノは消えた画家
の謎にとりつかれてしまい…







  Kaboom



(2010)アメリカ/フランス
出演…トーマス・デッカー
ハーレイ・ベネット
ジュノ・テンプル
監督…グレッグ・アラキ
★★★☆


〔ストーリー〕
 スミスはゲイ経験のある男の子、でも、女の子にもふつうに興味がある。カレッジのルームメイトは典型的な遊び人サーファーのレックス、親友はレズビアンのステラ。ある晩、レイヴパーティーに出かけたスミスは、不思議な夢の余韻をひきずって、運命の出会いを期待してしまう。そこには運命以上の、奇怪な事件が待っていた…!!


 トーマス・デッカーがバイセクシャルというので、つい。
カオスな青春は、愛とセックスと陰謀が満ちあふれています!!

 グレッグ・アラキ監督は、日系三世の方でして、主にインディペンデンス系でゲイ映画を撮っている方です。「Mysterious Skin」「ミステリアス・スキン」2004)は、わたしも大好きでした! あの作品で、ジョセフ・ゴードン・レヴィットのファンになったといっていいくらい。今回は、「ターミネーター/サラ・コナー・クロニクルズ」でおなじみのトーマス・デッカーが、バイ役になってしまうと! 前から思ってたんですけど、デッカーはゲイ役(バイ役も)よく似合います。

 スミス(デッカー)は、よくあるふつうの男の子。カレッジでルームメイトのレックス(アンディ・フィッシャー・プリンス)に、たまにエッチな妄想して欲情もしてますが、かわいい女の子にも興味があるし、できればセックスもしたい。そんなバイ典型の好奇心旺盛っ子です。

 親友は、これまたレズビアンのステラ(ハーレイ・ベネット)。ステラのステディは、ローレライというミステリアスな女の子だけど、なんだか不思議な魔力があるみたい。

 スミスは近ごろ、おかしな夢ばかり見て、そこには女の子、知らない人たちがたくさん登場します。なにか運命を感じた彼は、レイヴパーティーに出かけた晩、ソウルメイトでもいるんじゃないかとさがしていると…

 いた、いた!
そこに立ってる男の子、
ちがう、あそこに立ってる女の子、
ちがう、そこの美人のきみ!!

 なんて思ってる間に、靴にゲロを吐かれてしまいます。クッキーをさしだされて、齧ってみたら薬が入ってたみたいです。おかしなトリップに浸りながら、外に出たところ、急に赤い髪の女の子に助けをもとめられて…

 導入部がこんな感じです。
今回はポップでぶっ飛んだ内容なので、さほど真剣に観る必要はなくて(笑)、おおいにのびのび楽しみながら観ましょう。軽快なノリで、サクッと最後まで観れちゃうお話ですが、アラキ監督なりに攻撃的な部分だってひそかにありますけどね。

 お気楽なバイ青年の青春を描いているようでいて、やっぱり価値観の逆転が根底にあるみたいです。
でも、だれだって、トーマス・デッカーになれるのなら、バイ生活を送ってみたい!! …そう思うのは、わたしが多少変態だからでしょーか? いえ、そんなことないはず!!

 今回は批評家たちの高まる評価に満を持しての作品ですが、アラキファンにも定評のある、初期作品を彷彿させる内容になってます。また、デヴィット・リンチの「ツイン・ピークス」にも強く影響されたとのこと。一応スリラーなんですが、コミカルでカラフルな内容は、ティーンの混沌そのものを表現しているのかも。

 あなたはあなた、わたしはわたし。
でも、わたしって、いったいなに???

 この作品をきっかけに、アラキ監督の評価がいちだんと高まりそうです。この感覚は、乗りおくれたらダメよー!!  









ぱっちりおめめ、
長ーいマツゲ、
ヒヨっこ臭がバイ役に
ぴったりなんです!!







みなさんもご承知のこと
と思いますが、
ゲイ要素のある男性は
モテるんです。










モテるんです。









このサーファーが、
にくい、にくいのよぅ!!









ステラの恋人は
魔女ってホント??








ときどき見る
不思議な夢は…







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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
ねこじかんです

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