個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、
小説のレビューなどをポツポツと…
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Vertige
(2009)フランス
出演…ヨハン・リベロ
ファニー・ヴァレット
ラファエル・レンレット
監督…アベル・フェリー
★★☆
〔ストーリー〕
フレッドとカーリーンのアマチュア・ロッククライマーをリーダーに、男女5人のグループが大自然に囲まれた山脈へとむかう。そこはロッククライマーたちには知られた場所で、彼らはスリルと冒険を楽しむはずだったが… スリルと冒険以上のものが待っていた!!
フランス産山岳ホラーです~
わたしはよく知らないんですが、最近フランスではコレ系のホラーが人気みたいです。ゴアよりもアクション重視のホラーですかね。
なんか、ずいぶん新鮮ですよね。山岳ホラー!!
ポスターからかなり期待しちゃいまして、わくわくしながら観たのですが… あの、ポスターにあるような、ロッククライミングしながら、殺人鬼に襲われちゃう!なんて、凄まじい内容ではありませんでした。結局クライミングとスラッシャーはべつものでして… ま~、よく考えてみたら、そんな無茶できるわけありませんもんね。
内容はものすごく簡単、男女5人が正体不明の殺人鬼に襲われちゃう! 「The Descent」(「ディセント」2005)っぽい展開でもありますが、オープニングから似ています。5人でそろって記念写真を撮るところからはじまるんですよ。これ、完全にフラグ…
ロッククライミング上級者のフレッド(ニコラス・ジロー)とカーリーン(モード・ワイラー)は恋人同士。友人カップルのチロエ(ファニー・バレット)とロリック(ヨハン・リベロ)、ギヨーム(ラファエル・レントレット)を誘って、大自然に囲まれたクライマーたちの聖地にむかいます。
で、チロエとギヨームも一応経験者なんですが、なぜかロリックひとりだけ初心者… ストーリーの展開上いたしかたないのかもしれませんが、ズブのド素人をふつう、こんな場所まで連れていかないですよ~! っていうくらい、ハイレベルな場所まで連れてっちゃいます。当然、ロリックは冷汗タラタラ、足もガクガク。途中で動けなくなっちまいます。
わたしは高いところは好きなので、わりと平気なんですけど、これは苦手なひとはかなり苦手なんじゃないですかね? それくらい、見おろしちゃうシーンばっかです。壮大です。見るひとによっては、かなりアレかと。
前半ちょっともたつくんですが、ほとんどのシーンがこうした大自然に囲まれた断崖絶壁といったものばかりでして、とりあえず風景はすごくいいです。クライマー気分をたっぷり満喫できました。
後半に入りまして、マダー? ねえ殺人鬼、マダー? と、待ってましたら… あらっ、これはまた、わりとフツーな殺人鬼なんですね…
登場シーンはガッカリ、殺害シーンも淡白すぎてそれほどなんですけど、明るいところで見たらけっこう気持ち悪かったです。どうせなら、とことん気持ち悪くしてもいいですよ! あと、ラストはなかなか盛りあがる展開になっていまーす♪
いまのところ、なにか新しい分野を模索中なのではないですかね、フランスは…?
舞台がちょっと新鮮味がありまして、けっこうおもしろかったです。それから、例によって例のごとく、フランスらしい悪趣味な隠し味もありますよ~
自然も高いところも大好きですけど、こういうの見ちゃうと、人間って自ら危険な場所に乗りこんでって、下手すると死んじゃうんですよね。
それと、冷汗タラタラ、膝ガクガクだったヨハン・リベロくんは、最近注目株の若手さんらしいです。
左から、カーリーン、フレッド、ロリック、チロエ、ギヨーム。
ほんと「ディセント」っぽいですね、完全フラグ。
こんなところを嬉々として進んでいくわけ
ですよ。きみたち、頭おかしいよ!
あーっと、
いわんこっちゃない、
ピンチ、ピーンチ!!
さらにピーンチ!!
(だから家でDVD観てれば
よかったのに~)
(2009)フランス
出演…ヨハン・リベロ
ファニー・ヴァレット
ラファエル・レンレット
監督…アベル・フェリー
★★☆
〔ストーリー〕
フレッドとカーリーンのアマチュア・ロッククライマーをリーダーに、男女5人のグループが大自然に囲まれた山脈へとむかう。そこはロッククライマーたちには知られた場所で、彼らはスリルと冒険を楽しむはずだったが… スリルと冒険以上のものが待っていた!!
フランス産山岳ホラーです~
わたしはよく知らないんですが、最近フランスではコレ系のホラーが人気みたいです。ゴアよりもアクション重視のホラーですかね。
なんか、ずいぶん新鮮ですよね。山岳ホラー!!
ポスターからかなり期待しちゃいまして、わくわくしながら観たのですが… あの、ポスターにあるような、ロッククライミングしながら、殺人鬼に襲われちゃう!なんて、凄まじい内容ではありませんでした。結局クライミングとスラッシャーはべつものでして… ま~、よく考えてみたら、そんな無茶できるわけありませんもんね。
内容はものすごく簡単、男女5人が正体不明の殺人鬼に襲われちゃう! 「The Descent」(「ディセント」2005)っぽい展開でもありますが、オープニングから似ています。5人でそろって記念写真を撮るところからはじまるんですよ。これ、完全にフラグ…
ロッククライミング上級者のフレッド(ニコラス・ジロー)とカーリーン(モード・ワイラー)は恋人同士。友人カップルのチロエ(ファニー・バレット)とロリック(ヨハン・リベロ)、ギヨーム(ラファエル・レントレット)を誘って、大自然に囲まれたクライマーたちの聖地にむかいます。
で、チロエとギヨームも一応経験者なんですが、なぜかロリックひとりだけ初心者… ストーリーの展開上いたしかたないのかもしれませんが、ズブのド素人をふつう、こんな場所まで連れていかないですよ~! っていうくらい、ハイレベルな場所まで連れてっちゃいます。当然、ロリックは冷汗タラタラ、足もガクガク。途中で動けなくなっちまいます。
わたしは高いところは好きなので、わりと平気なんですけど、これは苦手なひとはかなり苦手なんじゃないですかね? それくらい、見おろしちゃうシーンばっかです。壮大です。見るひとによっては、かなりアレかと。
前半ちょっともたつくんですが、ほとんどのシーンがこうした大自然に囲まれた断崖絶壁といったものばかりでして、とりあえず風景はすごくいいです。クライマー気分をたっぷり満喫できました。
後半に入りまして、マダー? ねえ殺人鬼、マダー? と、待ってましたら… あらっ、これはまた、わりとフツーな殺人鬼なんですね…
登場シーンはガッカリ、殺害シーンも淡白すぎてそれほどなんですけど、明るいところで見たらけっこう気持ち悪かったです。どうせなら、とことん気持ち悪くしてもいいですよ! あと、ラストはなかなか盛りあがる展開になっていまーす♪
いまのところ、なにか新しい分野を模索中なのではないですかね、フランスは…?
舞台がちょっと新鮮味がありまして、けっこうおもしろかったです。それから、例によって例のごとく、フランスらしい悪趣味な隠し味もありますよ~
自然も高いところも大好きですけど、こういうの見ちゃうと、人間って自ら危険な場所に乗りこんでって、下手すると死んじゃうんですよね。
それと、冷汗タラタラ、膝ガクガクだったヨハン・リベロくんは、最近注目株の若手さんらしいです。
左から、カーリーン、フレッド、ロリック、チロエ、ギヨーム。
ほんと「ディセント」っぽいですね、完全フラグ。
こんなところを嬉々として進んでいくわけ
ですよ。きみたち、頭おかしいよ!
あーっと、
いわんこっちゃない、
ピンチ、ピーンチ!!
さらにピーンチ!!
(だから家でDVD観てれば
よかったのに~)
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Coffin Rock
(2009)イギリス・オーストラリア
出演…リサ・チャペル
ロバート・タイラー
サム・パーソンソン
監督…ルパート・グラッソン
★★☆
〔ストーリー〕
海辺の町で暮らすロブとジェシー夫婦。ふたりは子供を望んでいたが、いつまでたってもその幸運は訪れない。夫婦で不妊治療の専門病院にかかると、その受付には院長の息子のエヴァンが。エヴァンはひそかにジェシーに好意をいだいていて、ある晩ジェシーとロブが喧嘩してしまったとき、彼女に近づこうとするのだが…
一部で、「Wolf Creek」(2005)みたいなスリラーという声があがってるんですが、殺人鬼はでてきません。これは一応、ホラー…? まあ、リアル重視のホラーという意味では、たしかに「Wolf Creek」っぽいかもしれませんね。
「Wolf~」 のときは、殺人鬼がごくフツーのおじさんという、その設定がやたらリアルでこわかったんですけど、こちらはごくフツーの青年ストーカーが登場します。そして、ホラーというよりはサスペンス・ドラマですね… わりと、昼メロ的な!
ロブ(ロバート・タイラー)とジェシー(リサ・チャペル)は、長らく子供を望んでいるのですが、なかなか恵まれません。ジェシーはしょっちゅう妊娠検査計を使っているし、迷子になっている子供を見つけると、ほうっておけず、自分の子供のように抱っこしてしまいます… んで、ほんとうの母親からクレイジーあつかいされたり。
妻がぎりぎりまできているところを知って、ロブもなんとか努力しようとするのですが、なかなかその成果はあげられません。ふたりで不妊治療専門の医院に通いはじめて、お互いに検査をするのですが… じつは、ジェシーもロブも、どっちに原因があるのかわかっている様子なのですねー。ついには口論となって、やけくそになったジェシーのそばにやってきたのは… 不妊治療に通う医院の息子、エヴァン(サム・パーソンソン)でした。
エヴァンがストーカーと化すまでがなっかなかでして、ストーカーと化してからも、
う~ん? いえ、こわいんですけどね!でも、そのこわさは、ごくフツーの危ない青年のこわさです。じっさいにこんな青年いそうだなあ、女性のみなさん、気をつけてくださいね~!というこわさです。ようするに、ちょっと関係を持ってしまうと、相手にとっては本気になっちゃってたいへんヤヴァイ! というお話。
そして、ふたりの関係を知ってしまったロブはというと…?? こちらもまた、おっかないことになっちゃったり!
映画じたいはそんなにこわくはないんですけど、リアリティ重視のドラマという意味では、よくできているかと思います。あと、ストーリーとは関係なく、生理的嫌悪感を発するシーンがあります。たぶん、このシーンのおかげで、この映画じたいの評価も低くなっちゃってるかもしれません?
正直わたしもこういうのは苦手ですね~、いくら作りものとわかっていても…
エヴァン役のサムくんが屈折したイギリス青年を演じてまして、この方の不気味でない演技も見てみたいなという気がしました。
美人の人妻に近づく危ない青年、エヴァン。
ジェシーはつきまとわれる
ようになってしまいます。
夫のロブ。
ついには被害者まで…!!
ジェシーの運命は?!?
(2009)イギリス・オーストラリア
出演…リサ・チャペル
ロバート・タイラー
サム・パーソンソン
監督…ルパート・グラッソン
★★☆
〔ストーリー〕
海辺の町で暮らすロブとジェシー夫婦。ふたりは子供を望んでいたが、いつまでたってもその幸運は訪れない。夫婦で不妊治療の専門病院にかかると、その受付には院長の息子のエヴァンが。エヴァンはひそかにジェシーに好意をいだいていて、ある晩ジェシーとロブが喧嘩してしまったとき、彼女に近づこうとするのだが…
一部で、「Wolf Creek」(2005)みたいなスリラーという声があがってるんですが、殺人鬼はでてきません。これは一応、ホラー…? まあ、リアル重視のホラーという意味では、たしかに「Wolf Creek」っぽいかもしれませんね。
「Wolf~」 のときは、殺人鬼がごくフツーのおじさんという、その設定がやたらリアルでこわかったんですけど、こちらはごくフツーの青年ストーカーが登場します。そして、ホラーというよりはサスペンス・ドラマですね… わりと、昼メロ的な!
ロブ(ロバート・タイラー)とジェシー(リサ・チャペル)は、長らく子供を望んでいるのですが、なかなか恵まれません。ジェシーはしょっちゅう妊娠検査計を使っているし、迷子になっている子供を見つけると、ほうっておけず、自分の子供のように抱っこしてしまいます… んで、ほんとうの母親からクレイジーあつかいされたり。
妻がぎりぎりまできているところを知って、ロブもなんとか努力しようとするのですが、なかなかその成果はあげられません。ふたりで不妊治療専門の医院に通いはじめて、お互いに検査をするのですが… じつは、ジェシーもロブも、どっちに原因があるのかわかっている様子なのですねー。ついには口論となって、やけくそになったジェシーのそばにやってきたのは… 不妊治療に通う医院の息子、エヴァン(サム・パーソンソン)でした。
エヴァンがストーカーと化すまでがなっかなかでして、ストーカーと化してからも、
う~ん? いえ、こわいんですけどね!でも、そのこわさは、ごくフツーの危ない青年のこわさです。じっさいにこんな青年いそうだなあ、女性のみなさん、気をつけてくださいね~!というこわさです。ようするに、ちょっと関係を持ってしまうと、相手にとっては本気になっちゃってたいへんヤヴァイ! というお話。
そして、ふたりの関係を知ってしまったロブはというと…?? こちらもまた、おっかないことになっちゃったり!
映画じたいはそんなにこわくはないんですけど、リアリティ重視のドラマという意味では、よくできているかと思います。あと、ストーリーとは関係なく、生理的嫌悪感を発するシーンがあります。たぶん、このシーンのおかげで、この映画じたいの評価も低くなっちゃってるかもしれません?
正直わたしもこういうのは苦手ですね~、いくら作りものとわかっていても…
エヴァン役のサムくんが屈折したイギリス青年を演じてまして、この方の不気味でない演技も見てみたいなという気がしました。
美人の人妻に近づく危ない青年、エヴァン。
ジェシーはつきまとわれる
ようになってしまいます。
夫のロブ。
ついには被害者まで…!!
ジェシーの運命は?!?
Town Creek
(2009)アメリカ
出演…ドミニック・パーセル
ヘンリー・ケイヴィル
マイケル・フェスベンダー
監督…ジョエル・シューマカー
★★★
〔ストーリー〕
第二次世界大戦中の1940年代、ドイツ移民が暮らす〈タウン・クリーク〉のアッシュブルック農場に、政府機関を通じてヴィルトという男がやってくる。男は歴史学者と名乗り、不思議な力を持つといわれている、ルーン文字が刻みこまれた石を見たいと申しでるのだが…
そして、現在。救命士のエヴァンは病気がちの父と、失踪した兄ヴィクターの家族たちの面倒をときどき見ている。家族はみんなヴィクターのことをあきらめていたが、エヴァンはいまだに彼の生存を信じていた。そして、その夜、突然髪がぼさぼさにのびたヴィクターが帰ってきた…!!
「Dod Sno」(「デッド・スノウ」2008)から、またまたナチス・ゾンビが人気みたいです。今回は、農場でお馬さんやワンちゃんたちと戯れて大暴れ~!!
あとから「Blood Creek」に改題されたもようです。
こういうのってむかしからありまして、とりあえず、ナチスやエイリアンを悪者にしちゃえば、どこからも文句があがらないし、その手っ取り早さ、お手軽さが人気なんだと思います。
監督のジョエル・シュマーカーは、「8MM」(「8mm」1999)、「Phone Booth」(「フォーン・ブース」2002)、「The Number 23」(「ナンバー23」2007)なんかを撮った超ベテランです。あ、「The Phantom of the Opera」(「オペラ座の怪人」2004)なんてのもありました。
チェックされてる方も多いと思うんですけど、これがあんまり宣伝されてないんですよね。
エヴァン(ヘンリー・ケイヴィル)は救急救命士。尊敬していた兄のヴィクター(ドミニック・パーセル)は、数年前から行方不明、お墓も立てられちゃってまして、家族はみんな彼のことをあきらめていました。でも、エヴァンはどうしても信じられない。
じつは、近くにアッシュブルックという閉鎖された農場がありまして、そこは突然気の狂っちゃったパパが家族を惨殺、有名な心霊スポットとなっておりました。
ある夜、悪夢にうなされるエヴァン… そして目を覚ますと、そこには消えたはずの兄貴が!! 「兄貴!いままでどこにいたの??」 兄貴は髪はぼさぼさ、恰好もボロボロで、なんかえらい興奮しちゃってます。興奮する兄貴がいうことには、「やっと逃げてきた!ひどい目に遭わされたんだ!ヤツラに復讐してやる~っっ!!」
兄貴はもともと軍人なので、やられたらやりかえす!! という根性がありまして、しょっぱなからやる気満々になっちゃっているのであります。なんだかよくわかんないエヴァンも、兄貴のために復讐に同行することに。彼らがむかったのは、あの有名な心霊スポット、アッシュブルック農場でした…
とにかく、物語の舞台となる農場にいくまでが早いです。兄貴もエヴァンもショットガンをぶっぱなすのが早いです。農場にはなぜかおとなしそうな家族がいまして、しかし、兄貴がいうように悪者には見えません。けれど興奮する兄貴、「ヤツはどこだー?!」と、またまたショットガンぶっぱなし。おそれおののくエヴァンは、リーズ(エマ・ブース)という少女を発見するのですが…
まず思ったのは、こういう映画が一般的にうけるホラーではないかということでした。展開も早いし、わかりやすいお化けもでてくるし、お化けと主人公たちの戦いという、これまたわかりやすい構図。
ゾンビがあんまりゾンビしてないのが、個人的にはちょっと残念だったんですけど、まあ、楽しいです。これは確実にみなさんもご覧になれるヒット作だと思います。
すごくおもしろいんですけど、なんだか出来がふつうに良すぎちゃいまして、そのあたりの優等生臭(?)が鼻につきました… なんていうのは、わたしの勝手な思いこみなんですけどね… ええ、たぶん!!
とりあえず、だれが観ても楽しいエンターテイメントに仕上がっています。楽しいんですけど、観終わったらなにも残んないんですけどね… っていうのも、やはりわたしの気のせいですかね?? 気のせいです!!
とにかく、一応よく出来たホラー映画でーす♪
歴史学者ヴォルトの正体
は…?
(M・フェスベンダー)。
美少女リーズもなにかを
隠している様子?
兄貴の復讐につきあわされ
ちゃった、エヴァン。
「あり?おれ、なんで
こんなことしてんの?」
ただの復讐が、悪魔退治に
なっちゃった!!
ヴィクたん、うしろ!
(2009)アメリカ
出演…ドミニック・パーセル
ヘンリー・ケイヴィル
マイケル・フェスベンダー
監督…ジョエル・シューマカー
★★★
〔ストーリー〕
第二次世界大戦中の1940年代、ドイツ移民が暮らす〈タウン・クリーク〉のアッシュブルック農場に、政府機関を通じてヴィルトという男がやってくる。男は歴史学者と名乗り、不思議な力を持つといわれている、ルーン文字が刻みこまれた石を見たいと申しでるのだが…
そして、現在。救命士のエヴァンは病気がちの父と、失踪した兄ヴィクターの家族たちの面倒をときどき見ている。家族はみんなヴィクターのことをあきらめていたが、エヴァンはいまだに彼の生存を信じていた。そして、その夜、突然髪がぼさぼさにのびたヴィクターが帰ってきた…!!
「Dod Sno」(「デッド・スノウ」2008)から、またまたナチス・ゾンビが人気みたいです。今回は、農場でお馬さんやワンちゃんたちと戯れて大暴れ~!!
あとから「Blood Creek」に改題されたもようです。
こういうのってむかしからありまして、とりあえず、ナチスやエイリアンを悪者にしちゃえば、どこからも文句があがらないし、その手っ取り早さ、お手軽さが人気なんだと思います。
監督のジョエル・シュマーカーは、「8MM」(「8mm」1999)、「Phone Booth」(「フォーン・ブース」2002)、「The Number 23」(「ナンバー23」2007)なんかを撮った超ベテランです。あ、「The Phantom of the Opera」(「オペラ座の怪人」2004)なんてのもありました。
チェックされてる方も多いと思うんですけど、これがあんまり宣伝されてないんですよね。
エヴァン(ヘンリー・ケイヴィル)は救急救命士。尊敬していた兄のヴィクター(ドミニック・パーセル)は、数年前から行方不明、お墓も立てられちゃってまして、家族はみんな彼のことをあきらめていました。でも、エヴァンはどうしても信じられない。
じつは、近くにアッシュブルックという閉鎖された農場がありまして、そこは突然気の狂っちゃったパパが家族を惨殺、有名な心霊スポットとなっておりました。
ある夜、悪夢にうなされるエヴァン… そして目を覚ますと、そこには消えたはずの兄貴が!! 「兄貴!いままでどこにいたの??」 兄貴は髪はぼさぼさ、恰好もボロボロで、なんかえらい興奮しちゃってます。興奮する兄貴がいうことには、「やっと逃げてきた!ひどい目に遭わされたんだ!ヤツラに復讐してやる~っっ!!」
兄貴はもともと軍人なので、やられたらやりかえす!! という根性がありまして、しょっぱなからやる気満々になっちゃっているのであります。なんだかよくわかんないエヴァンも、兄貴のために復讐に同行することに。彼らがむかったのは、あの有名な心霊スポット、アッシュブルック農場でした…
とにかく、物語の舞台となる農場にいくまでが早いです。兄貴もエヴァンもショットガンをぶっぱなすのが早いです。農場にはなぜかおとなしそうな家族がいまして、しかし、兄貴がいうように悪者には見えません。けれど興奮する兄貴、「ヤツはどこだー?!」と、またまたショットガンぶっぱなし。おそれおののくエヴァンは、リーズ(エマ・ブース)という少女を発見するのですが…
まず思ったのは、こういう映画が一般的にうけるホラーではないかということでした。展開も早いし、わかりやすいお化けもでてくるし、お化けと主人公たちの戦いという、これまたわかりやすい構図。
ゾンビがあんまりゾンビしてないのが、個人的にはちょっと残念だったんですけど、まあ、楽しいです。これは確実にみなさんもご覧になれるヒット作だと思います。
すごくおもしろいんですけど、なんだか出来がふつうに良すぎちゃいまして、そのあたりの優等生臭(?)が鼻につきました… なんていうのは、わたしの勝手な思いこみなんですけどね… ええ、たぶん!!
とりあえず、だれが観ても楽しいエンターテイメントに仕上がっています。楽しいんですけど、観終わったらなにも残んないんですけどね… っていうのも、やはりわたしの気のせいですかね?? 気のせいです!!
とにかく、一応よく出来たホラー映画でーす♪
歴史学者ヴォルトの正体
は…?
(M・フェスベンダー)。
美少女リーズもなにかを
隠している様子?
兄貴の復讐につきあわされ
ちゃった、エヴァン。
「あり?おれ、なんで
こんなことしてんの?」
ただの復讐が、悪魔退治に
なっちゃった!!
ヴィクたん、うしろ!
Bajo la sal
(2008)メキシコ
出演…ウンベルト・スリタ
リカルド・ポランコ
プルタルコ・ハザ
監督…マリオ・ムニョス
★★★
〔ストーリー〕
岩塩坑の小さな田舎町サンタローザ・デ・ラ・ソルで、謎の連続殺人事件が発生。被害者はすべて若い女性、塩漬けにされていた。都会からやってきた刑事トルヒーヨが捜査の指揮をとり、被害者の共通点を探そうとする。一方、町の葬儀屋の息子ヴィクターは、母の死以来心をとざすようになっていた…
メキシカン・ホラーの登場です~!
これが手堅い作りでして、けっこうおもしろかったんです。英語タイトルは「Under the Salt」です。
メキシコ・ホラーかあ… ほかにどんなものがあるんだろう? と、調べてみましたら、ああ、「Kilometro31」(「Km31」2008)なんてのがありましたねー、観てませんけど… それと一緒に、なんか、メキシコで有名なホラー作家がおっそろしい事件を起こしたようでして、そっちの記事のほうがいっぱいヒットしちゃいました。こわ~!
物語は、岩塩坑で成り立っている小さな町からはじまります。
ある日、作業員がトラックを移動中、塩のなかから遺体を発見!うぎゃー!! あの、塩漬けと書きましたが、塩漬けされちゃうと、水分が抜けてほんとにこんなミイラみたいになっちゃうんですかね?
失踪事件はほかにもたくさん起きてまして、いなくなったのは若い女の子ばかり。町の警察だけでが埒があかないと、刑事トルヒーヨ(ウンベルト・スリタ)が着任してきます。トルヒーヨ、さっそく遺体の検分にあたると… その場所は、セペダ葬儀屋。父親(ファン・カルロス・バレット)と高校生の息子ヴィクター(リカルド・ポランコ)のふたりできりもりしてるんですが、じつは、父親のほうはしばらく前から仕事ができません。
妻の死後、遺体恐怖症みたいになっちゃってまして、ヴィクターが代わりに処置を施してあげてるんですね。で、ヴィクターのほうも母親の死に落ちこんでいて、わりとあぶないオタク少年になっちゃっています。バービーとケン人形を使って、こま撮りでホラー・アニメーションをせっせと作ってるんですよ。ほかにも、部屋中ホラー映画がいっぱい、行方不明者の新聞の切り抜き記事もいっぱい…
こういうホラー・オタク少年が出てきますと、わたしは無条件で共感をおぼえてしまうんです。だって、もしわたしが男だったら、ぜったいこんななっちゃってたと思いますもん! ロック好きで、ホラー映画ばっかり観てて、反抗的だし、ケンカっぱやいし、なに考えてるのかわからないし…
このヴィクターの作るアニメーションなんですが、まるでていえぬさんの作品のようによくできています。といいますか、これ、ぜったいていえぬさんを参考にしてると思います! 本筋よりも、こっちのほうがホラーしているくらいかもしれません。
トルヒーヨが着任して間もなく、またべつの遺体を発見。こちらも損傷が激しく、しかし足首に残っていた刺青から、ブレンダという少女だということがわかります。ブレンダにはイザベル(イレーネ・アズエラ)という親友がいまして、葬儀場にやってきた彼女を見たヴィクター、彼女に惹かれるようになるのですが…
こういう小さな田舎町が舞台だと、登場人物もかぎられてしまいますし、ありきたりな展開です。でも、手堅いから、一応最後まで観てみるか~、と、ラストになりましたら、結末が思いもしないほどよかった。外国映画って、どうしてこんなにせつない結末が多いんでしょうね? 余韻たっぷりのラストになってます。
最後に、ヴィクターがイザベルにプレゼントしたアニメーションの内容がわかります。すると、ほんとは殺人事件ではなくて、こっちを描きたかったんだなーというのがわかるようになっています… 良作です!
ぎゃー!!
ものすごいものが発見され
てしまいました…!!
ホラオタ少年・ヴィクターくん。
世のオタク少年、みんながんばれ!
協力の要請をうけてやって
きた、トルヒーヨ(左)。
トルヒーヨはイザベル
から話を聞くことに
なりますが…
一方、ヴィクターも
彼女に興味を
もつようになります。
(2008)メキシコ
出演…ウンベルト・スリタ
リカルド・ポランコ
プルタルコ・ハザ
監督…マリオ・ムニョス
★★★
〔ストーリー〕
岩塩坑の小さな田舎町サンタローザ・デ・ラ・ソルで、謎の連続殺人事件が発生。被害者はすべて若い女性、塩漬けにされていた。都会からやってきた刑事トルヒーヨが捜査の指揮をとり、被害者の共通点を探そうとする。一方、町の葬儀屋の息子ヴィクターは、母の死以来心をとざすようになっていた…
メキシカン・ホラーの登場です~!
これが手堅い作りでして、けっこうおもしろかったんです。英語タイトルは「Under the Salt」です。
メキシコ・ホラーかあ… ほかにどんなものがあるんだろう? と、調べてみましたら、ああ、「Kilometro31」(「Km31」2008)なんてのがありましたねー、観てませんけど… それと一緒に、なんか、メキシコで有名なホラー作家がおっそろしい事件を起こしたようでして、そっちの記事のほうがいっぱいヒットしちゃいました。こわ~!
物語は、岩塩坑で成り立っている小さな町からはじまります。
ある日、作業員がトラックを移動中、塩のなかから遺体を発見!うぎゃー!! あの、塩漬けと書きましたが、塩漬けされちゃうと、水分が抜けてほんとにこんなミイラみたいになっちゃうんですかね?
失踪事件はほかにもたくさん起きてまして、いなくなったのは若い女の子ばかり。町の警察だけでが埒があかないと、刑事トルヒーヨ(ウンベルト・スリタ)が着任してきます。トルヒーヨ、さっそく遺体の検分にあたると… その場所は、セペダ葬儀屋。父親(ファン・カルロス・バレット)と高校生の息子ヴィクター(リカルド・ポランコ)のふたりできりもりしてるんですが、じつは、父親のほうはしばらく前から仕事ができません。
妻の死後、遺体恐怖症みたいになっちゃってまして、ヴィクターが代わりに処置を施してあげてるんですね。で、ヴィクターのほうも母親の死に落ちこんでいて、わりとあぶないオタク少年になっちゃっています。バービーとケン人形を使って、こま撮りでホラー・アニメーションをせっせと作ってるんですよ。ほかにも、部屋中ホラー映画がいっぱい、行方不明者の新聞の切り抜き記事もいっぱい…
こういうホラー・オタク少年が出てきますと、わたしは無条件で共感をおぼえてしまうんです。だって、もしわたしが男だったら、ぜったいこんななっちゃってたと思いますもん! ロック好きで、ホラー映画ばっかり観てて、反抗的だし、ケンカっぱやいし、なに考えてるのかわからないし…
このヴィクターの作るアニメーションなんですが、まるでていえぬさんの作品のようによくできています。といいますか、これ、ぜったいていえぬさんを参考にしてると思います! 本筋よりも、こっちのほうがホラーしているくらいかもしれません。
トルヒーヨが着任して間もなく、またべつの遺体を発見。こちらも損傷が激しく、しかし足首に残っていた刺青から、ブレンダという少女だということがわかります。ブレンダにはイザベル(イレーネ・アズエラ)という親友がいまして、葬儀場にやってきた彼女を見たヴィクター、彼女に惹かれるようになるのですが…
こういう小さな田舎町が舞台だと、登場人物もかぎられてしまいますし、ありきたりな展開です。でも、手堅いから、一応最後まで観てみるか~、と、ラストになりましたら、結末が思いもしないほどよかった。外国映画って、どうしてこんなにせつない結末が多いんでしょうね? 余韻たっぷりのラストになってます。
最後に、ヴィクターがイザベルにプレゼントしたアニメーションの内容がわかります。すると、ほんとは殺人事件ではなくて、こっちを描きたかったんだなーというのがわかるようになっています… 良作です!
ぎゃー!!
ものすごいものが発見され
てしまいました…!!
ホラオタ少年・ヴィクターくん。
世のオタク少年、みんながんばれ!
協力の要請をうけてやって
きた、トルヒーヨ(左)。
トルヒーヨはイザベル
から話を聞くことに
なりますが…
一方、ヴィクターも
彼女に興味を
もつようになります。
The Box
(2009)アメリカ
出演…キャメロン・ディアス
ジェームズ・マースデン
フランク・ランジェラ
監督…リチャード・ケリー
★★★
〔ストーリー〕
1976年、ヴァージニア。高校教師のノーマ、NASAの技術者のアーサーは、ひとり息子のウォルターと平和に暮らしていた。ある早朝、玄関チャイムを鳴らす音が。ノーマがしぶしぶ出てみると、走り去る黒のキャデラックと玄関前に置かれた箱を発見する。箱の中身は、中央に赤いスイッチがそなえつけられた、これまた木箱。なんだろう? 配達する家をまちがえたんだろうか?
翌日、箱に入っていた手紙の送り主とおぼしき、顔の一部が欠けた男・スチュワートがやってくる。彼がいうには、これから24時間以内にスイッチを押せば、百万ドル進呈するという。しかし、その代わりに…
「Donnie Darko」(「ドニー・ダーコ」2001)のリチャード・ケリーの最新作~
原作は、リチャード・マシスンが脚本を書いた〈新トワイライトゾーン〉の「欲望のボタン」。余談ですが、コーミアの 『フェイド』 は彼が監督することになりそうですね。
えっと、あの、その、今回はずばり正直に感想からいいましょう!
期待しすぎた~~
マシスンのドラマは未見なので、くらべることはできないのですが、内容はまったくちがう感じになっているようです。だって、もとは短編、こちらは例によって例のごとく、やたらと長いドラマになってますもん。ケリー監督は、「ドニー・ダーコ」 のときもそうだったのですが、好ききらいがはっきりわかれる監督さん。好きな方は、複雑な伏線の張り方、ナゾだらけのファンタジーという雰囲気が、たまらないかと。つまらないと感じてしまうひとは、「えー、そんだけの内容を、なぜここまでひっぱる?」 といったことになっちゃうんでしょうか。
ちなみにわたしは、「ドニー・ダーコ」 は好きです。複雑な展開、ちょっと気持ち悪い(?)不可解さみたいなのが、十代の少年の心境とぴったりマッチしてました。
で、この作品もやっぱりおんなじように、不安定で不安で、複雑なナゾだらけ。
ノーマ(キャメロン・ディアス)は高校教師。夫のアーサー(ジェームス・マースデン)は、NASAの研究員です。この、“NASAの研究員” というだけでも違和感アリアリなんですけど、いちばん違和感アリアリだったのは、ふたりが夫婦だということ~!
オープニング、おなじベッドで寝てるシーンからはじまるんですが、ちがう意味でドキッとしちゃいましたよ。だって、どう見ても 「おねいさんとその弟」 にしか見えないんですもん! でなければ、どう見ても 「大女優さんとマネージャー」… (ファンの方がいたらごめんなさいね~)
あきらかにキャスティング・ミスかと思われます。が、まあ、結末に近づくと、それほど違和感は感じなくなってきます。といいますか、見なれてきます!
舞台が70年代だし、物語も70年代テイスト。ショートショートの枠組みに、いろんなナゾやドラマや神秘性をふくませて、それなりにひとつの長編として成立してはいるんですけど…
ううーん、まず、内容がしごく単純すぎですよね。
ここにひとつの箱がありまして、箱の上にはボタンがあります。このボタンを押せば、一億円進呈しちゃいまーす!! ただし、どっかでひとり、だれかが死んじゃうんだけどねえ~
全体的に不穏で不思議で、70年代のアメリカをファンタジックに描いているんですけど、今回はどーも、わざと観客を混乱させるために、いろんな不思議を絡めてきた! そんな印象を持っちゃいました… おかしいですねー? わりと好きな監督さんだったんですけど…
評判のほうもずばり二極してまして、お好きな方は大絶賛、うけつけない方は、「え、たったそんだけ?」ってなことになっちゃってますが。
わたしはいまのところ、中立の立場にしておきます。
マシスン原作ということで、期待しすぎてしまったんですかね? でも、いまさらこのオチは古いような気もしますが… というのは、気のせいでしょうかね、たぶん気のせいです!!
なんだか、いい意味でも悪い意味でもハリウッド映画でした。わたしはゴリ押しな結末がどうしても苦手なので、「Knowing」(「ノウイング」2009)とおなじ評価になっちゃいました~
さて、みなさんの評価はいかに?
このボタン押すと、一億円
もらえるんだと!
(わたしなら速攻押す!)
キャメロン・ディアス、
すごく美人なんですけど、
夫婦という設定は…
姉さん女房ならいいか!
見るからにヤヴァイお顔の
オジサン。
(フランク・ランジェラ)
夫婦の決断が、この後思い
もしない展開に…??
ファンの方のためにもう
一枚。
今回は、ステキな笑顔は
封印されちゃってます。
(2009)アメリカ
出演…キャメロン・ディアス
ジェームズ・マースデン
フランク・ランジェラ
監督…リチャード・ケリー
★★★
〔ストーリー〕
1976年、ヴァージニア。高校教師のノーマ、NASAの技術者のアーサーは、ひとり息子のウォルターと平和に暮らしていた。ある早朝、玄関チャイムを鳴らす音が。ノーマがしぶしぶ出てみると、走り去る黒のキャデラックと玄関前に置かれた箱を発見する。箱の中身は、中央に赤いスイッチがそなえつけられた、これまた木箱。なんだろう? 配達する家をまちがえたんだろうか?
翌日、箱に入っていた手紙の送り主とおぼしき、顔の一部が欠けた男・スチュワートがやってくる。彼がいうには、これから24時間以内にスイッチを押せば、百万ドル進呈するという。しかし、その代わりに…
「Donnie Darko」(「ドニー・ダーコ」2001)のリチャード・ケリーの最新作~
原作は、リチャード・マシスンが脚本を書いた〈新トワイライトゾーン〉の「欲望のボタン」。余談ですが、コーミアの 『フェイド』 は彼が監督することになりそうですね。
えっと、あの、その、今回はずばり正直に感想からいいましょう!
期待しすぎた~~
マシスンのドラマは未見なので、くらべることはできないのですが、内容はまったくちがう感じになっているようです。だって、もとは短編、こちらは例によって例のごとく、やたらと長いドラマになってますもん。ケリー監督は、「ドニー・ダーコ」 のときもそうだったのですが、好ききらいがはっきりわかれる監督さん。好きな方は、複雑な伏線の張り方、ナゾだらけのファンタジーという雰囲気が、たまらないかと。つまらないと感じてしまうひとは、「えー、そんだけの内容を、なぜここまでひっぱる?」 といったことになっちゃうんでしょうか。
ちなみにわたしは、「ドニー・ダーコ」 は好きです。複雑な展開、ちょっと気持ち悪い(?)不可解さみたいなのが、十代の少年の心境とぴったりマッチしてました。
で、この作品もやっぱりおんなじように、不安定で不安で、複雑なナゾだらけ。
ノーマ(キャメロン・ディアス)は高校教師。夫のアーサー(ジェームス・マースデン)は、NASAの研究員です。この、“NASAの研究員” というだけでも違和感アリアリなんですけど、いちばん違和感アリアリだったのは、ふたりが夫婦だということ~!
オープニング、おなじベッドで寝てるシーンからはじまるんですが、ちがう意味でドキッとしちゃいましたよ。だって、どう見ても 「おねいさんとその弟」 にしか見えないんですもん! でなければ、どう見ても 「大女優さんとマネージャー」… (ファンの方がいたらごめんなさいね~)
あきらかにキャスティング・ミスかと思われます。が、まあ、結末に近づくと、それほど違和感は感じなくなってきます。といいますか、見なれてきます!
舞台が70年代だし、物語も70年代テイスト。ショートショートの枠組みに、いろんなナゾやドラマや神秘性をふくませて、それなりにひとつの長編として成立してはいるんですけど…
ううーん、まず、内容がしごく単純すぎですよね。
ここにひとつの箱がありまして、箱の上にはボタンがあります。このボタンを押せば、一億円進呈しちゃいまーす!! ただし、どっかでひとり、だれかが死んじゃうんだけどねえ~
全体的に不穏で不思議で、70年代のアメリカをファンタジックに描いているんですけど、今回はどーも、わざと観客を混乱させるために、いろんな不思議を絡めてきた! そんな印象を持っちゃいました… おかしいですねー? わりと好きな監督さんだったんですけど…
評判のほうもずばり二極してまして、お好きな方は大絶賛、うけつけない方は、「え、たったそんだけ?」ってなことになっちゃってますが。
わたしはいまのところ、中立の立場にしておきます。
マシスン原作ということで、期待しすぎてしまったんですかね? でも、いまさらこのオチは古いような気もしますが… というのは、気のせいでしょうかね、たぶん気のせいです!!
なんだか、いい意味でも悪い意味でもハリウッド映画でした。わたしはゴリ押しな結末がどうしても苦手なので、「Knowing」(「ノウイング」2009)とおなじ評価になっちゃいました~
さて、みなさんの評価はいかに?
このボタン押すと、一億円
もらえるんだと!
(わたしなら速攻押す!)
キャメロン・ディアス、
すごく美人なんですけど、
夫婦という設定は…
姉さん女房ならいいか!
見るからにヤヴァイお顔の
オジサン。
(フランク・ランジェラ)
夫婦の決断が、この後思い
もしない展開に…??
ファンの方のためにもう
一枚。
今回は、ステキな笑顔は
封印されちゃってます。
Moon
(2009)イギリス
出演…サム・ロックウェル
ケヴィン・スペイシー(声のみ)
出演…ダンカン・ジョーンズ
★★★☆
〔ストーリー〕
近未来、地球の資源は枯渇する一方で、なんとか手を打とうと考えた人類は、月の自然ガス 「ヘリウム3」 を利用することを思いつく。ガスの発生場所を探す会社 〈ルナー〉 に雇われたサムは、月面基地に3年間契約で、たったひとりで逗留していた。相棒は、ロボットのゲッティのみ。そして、そろそろその契約期間も終わり、愛する妻とまだ幼い娘に会えるというころ… ひとりきりのはずのサムは、何者かの気配を感じはじめるようになって…??
ダンカン・ジョーンズというこの監督さん、なんと、デヴィット・ボウイの息子さんなんだそうですよ! へえ~、お父さんが有名人で、お家も超お金持ち、それに才能もあるだなんて… なんて憎たらしい~、じゃなかった、うらやましい!!
そういえば、ボウイも〈スペース・オディティ〉なんてヒット曲がありましたよね。今回はずばり、極限状態に置かれた人間のスペース・ディメンシア(宇宙空間で起こる精神異常のこと)なんですよ…
…と、書きたいところなんですが、これがぜんぜんちがいました。わたし、こういう映画に非常に弱いです。あの、あんまり書くとねたばらしになっちゃうので、書きませんが、これはせつないなあ~
本作はサム・ロックウェル(役柄でもサム)のほぼひとり芝居状態、ケヴィン・スペイシーは彼の相棒のロボットの音声のみで出演しています。
わたしはこの作品を観るまで、サム・ロックウェルという方がどんな役者さんなのか知らなかったんですよ。でも、どうも見おぼえがありまして、「The Green Miles」(「グリーンマイル」1999)で殺人鬼を演じた方だったんですね。あと、「チャーリーズ・エンジェル」(2000)でも悪役を演じてらっしゃいました。なんか、“カメレオン俳優” なんて仇名がつけられているようですが、たしかに本作を観るかぎりでは、悪役の面影は微塵もありません。それで、このひとありきの映画にもなってます。
サムは月面基地にたったひとりで滞在、3年間そこにとどまっていて、ヘリウムガスの発生地を探すという任務を負っていました。ひろい基地にたったひとりきり、ロボットのゲッティ(ケヴィン・スペイシーの声)だけが話し相手。たまに家族から映像レターが届きまして、ああ、会いたいなあ、愛娘はずいぶん大きくなったなあと、しんみりしたり。模型に熱中したり、植物を育てたりと、なんとか陽気に過ごしています。
さて、そのさびしい任務もそろそろ終わり、やっと地球に帰れる! というころ。月面をスペースバギーで移動中に、彼はだれかの人影を見たように思います。んっ? なんだいまの?? あわてた拍子に、事故ってしまうサム。けれど、その気のせいはその後もどんどん強くなっていくのです…
一応スリラーということになってるんですけど、これは特異な状況に置かれたとき人間はどう反応するか? そもそも、人間の根本とはなにか? そんなことを問いかけてくる、シンプルなように見えて、じつに複雑で奥深ーいお話。サム・ロックウェル、いままでよく知らなかったんですか、じつにいい役者さんだと思います! この作品を観て、いっぺんで好きになってしまいました。
あの、ちょっと哀しげで滑稽な表情が、ほんといい味を出してくれるんですよ~。
人間はだれしもひとりじゃ生きられない。地球から遠く離れた場所で、いつしか彼は、自分はいったい何者なんだろう? という、シリアスな問題に直面しなければならなくなってきてしまいます… ううーん、これはかなりキツイ。この手のSFって、母なる地球から遠く離れているということに、わたしはいちばん恐怖を感じてしまうんです。
サムのおかしくて、ときに悲しい自然な演技と、ロボット声のスペイシーのやりとりがおもしろかったです。でも、だんだんロボットもなにを考えてるのかわからなってきちゃって、疑心暗鬼が生まれちゃったりしてね。
このように、ほとんどサム・ロックウェルの演技力のみで構成されてるんですけど、スタッフもかなりスペシャリストなひとたちを集めたんだろうな、というのが作品の完成度の高さからわかります。あと、音楽もいいです。さすがボウイの息子さん! なかなか盛りあがらせてくれますよ。
デビュー作でここまでオリジナリティがあって、世間の注目を集めちゃうとは、これはかなりの期待の新人さんになるようです。やはり蛙のお子さんは蛙ですね~、うらやましいっっ!!
ん?だれかいた?!
…だって、だれかいる気が
するんだもん!
やっぱりだれか
いるよう!!!
あれっ? うしろにいるのは…??
(右端にいるのがゲッティです)
(2009)イギリス
出演…サム・ロックウェル
ケヴィン・スペイシー(声のみ)
出演…ダンカン・ジョーンズ
★★★☆
〔ストーリー〕
近未来、地球の資源は枯渇する一方で、なんとか手を打とうと考えた人類は、月の自然ガス 「ヘリウム3」 を利用することを思いつく。ガスの発生場所を探す会社 〈ルナー〉 に雇われたサムは、月面基地に3年間契約で、たったひとりで逗留していた。相棒は、ロボットのゲッティのみ。そして、そろそろその契約期間も終わり、愛する妻とまだ幼い娘に会えるというころ… ひとりきりのはずのサムは、何者かの気配を感じはじめるようになって…??
ダンカン・ジョーンズというこの監督さん、なんと、デヴィット・ボウイの息子さんなんだそうですよ! へえ~、お父さんが有名人で、お家も超お金持ち、それに才能もあるだなんて… なんて憎たらしい~、じゃなかった、うらやましい!!
そういえば、ボウイも〈スペース・オディティ〉なんてヒット曲がありましたよね。今回はずばり、極限状態に置かれた人間のスペース・ディメンシア(宇宙空間で起こる精神異常のこと)なんですよ…
…と、書きたいところなんですが、これがぜんぜんちがいました。わたし、こういう映画に非常に弱いです。あの、あんまり書くとねたばらしになっちゃうので、書きませんが、これはせつないなあ~
本作はサム・ロックウェル(役柄でもサム)のほぼひとり芝居状態、ケヴィン・スペイシーは彼の相棒のロボットの音声のみで出演しています。
わたしはこの作品を観るまで、サム・ロックウェルという方がどんな役者さんなのか知らなかったんですよ。でも、どうも見おぼえがありまして、「The Green Miles」(「グリーンマイル」1999)で殺人鬼を演じた方だったんですね。あと、「チャーリーズ・エンジェル」(2000)でも悪役を演じてらっしゃいました。なんか、“カメレオン俳優” なんて仇名がつけられているようですが、たしかに本作を観るかぎりでは、悪役の面影は微塵もありません。それで、このひとありきの映画にもなってます。
サムは月面基地にたったひとりで滞在、3年間そこにとどまっていて、ヘリウムガスの発生地を探すという任務を負っていました。ひろい基地にたったひとりきり、ロボットのゲッティ(ケヴィン・スペイシーの声)だけが話し相手。たまに家族から映像レターが届きまして、ああ、会いたいなあ、愛娘はずいぶん大きくなったなあと、しんみりしたり。模型に熱中したり、植物を育てたりと、なんとか陽気に過ごしています。
さて、そのさびしい任務もそろそろ終わり、やっと地球に帰れる! というころ。月面をスペースバギーで移動中に、彼はだれかの人影を見たように思います。んっ? なんだいまの?? あわてた拍子に、事故ってしまうサム。けれど、その気のせいはその後もどんどん強くなっていくのです…
一応スリラーということになってるんですけど、これは特異な状況に置かれたとき人間はどう反応するか? そもそも、人間の根本とはなにか? そんなことを問いかけてくる、シンプルなように見えて、じつに複雑で奥深ーいお話。サム・ロックウェル、いままでよく知らなかったんですか、じつにいい役者さんだと思います! この作品を観て、いっぺんで好きになってしまいました。
あの、ちょっと哀しげで滑稽な表情が、ほんといい味を出してくれるんですよ~。
人間はだれしもひとりじゃ生きられない。地球から遠く離れた場所で、いつしか彼は、自分はいったい何者なんだろう? という、シリアスな問題に直面しなければならなくなってきてしまいます… ううーん、これはかなりキツイ。この手のSFって、母なる地球から遠く離れているということに、わたしはいちばん恐怖を感じてしまうんです。
サムのおかしくて、ときに悲しい自然な演技と、ロボット声のスペイシーのやりとりがおもしろかったです。でも、だんだんロボットもなにを考えてるのかわからなってきちゃって、疑心暗鬼が生まれちゃったりしてね。
このように、ほとんどサム・ロックウェルの演技力のみで構成されてるんですけど、スタッフもかなりスペシャリストなひとたちを集めたんだろうな、というのが作品の完成度の高さからわかります。あと、音楽もいいです。さすがボウイの息子さん! なかなか盛りあがらせてくれますよ。
デビュー作でここまでオリジナリティがあって、世間の注目を集めちゃうとは、これはかなりの期待の新人さんになるようです。やはり蛙のお子さんは蛙ですね~、うらやましいっっ!!
ん?だれかいた?!
…だって、だれかいる気が
するんだもん!
やっぱりだれか
いるよう!!!
あれっ? うしろにいるのは…??
(右端にいるのがゲッティです)
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(いちおう)プロフィールです
HN:
ななみといいます
性別:
女性
自己紹介:
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…
〈苦手かも…〉
かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。
〈好きかも♪〉
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かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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