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個人的にグッときたホラー映画(べつの意味でグッときたホラー映画も)なんかや、 小説のレビューなどをポツポツと…
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   Shutter Island




(2010)アメリカ
出演…レオナルド・ディカプリオ
ビル・キングズレー
マーク・ラファロ
監督…マーティン・スコセッシ
★★★☆



〔ストーリー〕
 大戦後のアメリカ。精神異常の犯罪者ばかりを収容する〈シャッター・アイランド〉にて、不可解な事件が発生する。絶壁に囲まれたこの孤島から、ひとりの女性患者が失踪したというのだ。事件を解明すべく、捜査官のテディとチャックは島に乗りこむが… 施設の責任者コウリー博士をはじめ、島の人間たちはなにかを隠している様子らしいのだが??


 そーなんです、扇情的な宣伝文句に乗っちゃったんです、
ミーハーな映画選択だったです!!

 …ふう、のっけから興奮してしまいましたが、なにかと話題になってるこの作品、ついでだからレビューしておきます。おもしろかったですよ。さすがマーティン・スコセッシ監督、映画の質が高いです。でも、原作が『ミスティック・リバー』のデニス・ルヘインだったなんて…!! まったく知らなかったです。もし、知ってたら、たぶん観なかったと思います…(← いえ、深い意味はないのデス!!)

 公開中ですし、たぶんこれからもたくさんの方がご覧になると思うので、あんまり下手なことは書きません。だけど… ですね、これだけはいわせてください。もう、最近の映画はやたらと派手に宣伝しすぎ~

 これ、自然にかまえて観ていたら、おおと、感動した佳作だと思うんです。でもなー、あんまり騒いでるもんで、つい期待しちゃうじゃないですか。んで、原作も『ミスティック・リバー』のひと…(← だーから、深い意味はないのデス!!!)

 よぶんに期待してしまうと、肩透かしをくらう作品かと思われます。あと、もうちょっとだけひとこと。
 これ、映画だからうまいこと成立しているのであって、小説でいまどきこれはど~うなのかなと、あてにならないズブな素人意見などをつぶやいてみました…

 スコセッシ監督とディカプリオは「ディパーテッド」(2006)以来のコンビです。今回は、ばりばりのサスペンス・スリラー。上映時間も2時間以上、セリフも長すぎるために、初の大人版日本語吹き替え上映あり、と、なんだか大作の予感ばっかりしちゃうんですが。出来はフツーなスリラーでした。あんまし謎解きは関係ありません。ですが、映画の質としては上等の部類に入ります。役者もいいし、舞台もいいし、映画そのものも高級感ただよっていて、2時間という長さを感じさせない。あっという間に終わってしまいます。

 1954年のアメリカ。精神異常者の犯罪者ばかりを集めた孤島〈シャッター・アイランド〉で、ひとりの女性患者が行方不明になるという事件が発生します。事件解明に乗りだしたのは、捜査官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)と、相棒のチャック(マーク・ラファロ)。病院施設は厳重な監視のもと、高い塀、脱走防止の電流と、とてもではありませんが、脱出不可能。おまけに、島の周囲は絶壁に囲まれています。

 こんな場所から、ほんとにひとりの人間が忽然と消滅するのは可能なのか? テディは施設責任者のコウリー(ビル・キングズレー)をはじめ、ひとりひとりに尋問にあたります。そして、消えた女性患者レイチェル(エミリー・モーティマー)の部屋の床下から、奇妙な暗号(?)が書かれた紙片を発見するのですが…

 ストーリーはごくフツーですが、舞台設定がすばらしく、はじまったとたん、映画の世界に瞬時に入りこめてしまう良質さ。これだけでもう、この映画は成功しているといってよいんではないでしょうか。日常からかけ離れた世界観に浸ること、これって、映画の第一条件ですもんね。

 映像美も凝ってますし、正攻法な映画の撮り方で、これから映画の世界を勉強したいというひとには、すごくいいお手本になると思います。わかりやすいこと、これもとっても大事!!
 ディカプリオは若いときのイメージがどうしても強いですけど、こんな役もしっくりくるようになったんだなーと、彼の成長の変化がわかります。ビル・キングズレーもいいし、あと、テディの妻役のミシェル・ウィリアムが印象的でした。

 上等なスリラーなんですけど、雰囲気は最初から最後までホラーっぽいです。そのへんがまた、得点を高くしちゃった理由のひとつ。こういう設定って、〇〇に似てますよね… と書こうとして、それじゃすぐにネタバレになっちゃうな? と思い、やめておきました。勘のいい方なら、上のあらすじだけでわかっちゃいそうです。

 くどくど書いちゃいましたが、デニス・ルヘイン、いい作家さんだと思います。要は個人の好みの問題なんですよね!『ミスティック~』は、原作も映画もすこぶる評判がよかったので、やっぱり期待しすぎちゃったんですよ… そしたら、ミステリでもホラーでもなく、メロドラマだったと…

 今回いちばんいいたいことは、過剰な期待は禁物!…あ、もちろん映画はすばらしかったですよ。過剰な期待さえなければ、もっと楽しめたと思います。











島に到着した
テディとチャック。









施設責任者の
コウリー。








つぎからつぎへと、
謎は深まり…?!








テディの幻想にあらわれる、
妻のドロリス。













この島にはいったいなにが隠されているのか…???







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   Faceless



(1987)フランス
出演…ヘルムート・バーガー
ブリジット・ラーエ
クリストファー・ミッチャム
監督…ジェス・フランコ
★★★


〔ストーリー〕
 著名な美容外科医のフランクは、恋人のナタリー、妹のイングリットと3人でクリスマスの買い物を楽しんでいた。デパートの駐車場にもどったときに、突然ひとりの女に詰めよられる。彼女はフランクのレーザー治療によってひどい火傷を負ったといい、無惨な傷跡が残ったというのだ。フランクは彼女を相手にせず、逆上した女はサプライズプレゼントだといって、硫酸を浴びせかけるが… 彼をかばって浴びてしまったのは、妹のイングリットだった…!!


 やっと観ました、ジェス・フランコの「フェイスレス」
ジェス・フランコ作品は、いつも微妙な評価になってしまうことが多いんですが、これ、いいですよね! 都会的だし、洗練されてるし、構成もキッチリしていておもしろい。なにより、ヘルムート・バーガーがカッコいい~

 えーと、たしかジョルジュ・フランジュの「Les Yeux sans visage」「顔のない眼」1959)もフランス映画だったはず。古典の名作ですよね。それにインスパイアされた作品だと思うのですが、とにかく驚きました、気合入りまくってる!! フランコ監督、こんなにちゃんとした作品も撮れるじゃないですかー(← あ、ズブの素人が失礼しました!)、ストーリーもおもしろいんですけど、役者さんの個性的な面々の影響が強いようです。

 主役のフランクは、ヴィスコンティ映画の常連だったヘルムート・バーガー。ふたりは恋人同士でもあったのですよね。若いころのヘルムート・バーガーは、もう、彫刻のようにうつくしかったですよ。歳をとってからはさらに渋さに磨きがかかりました。あの凛とした顔立ちがたまらないのです~、あんまりかっこよかったんで、画像はいつもより多めに!

 ストーリーは、美容外科医のフランクは患者に逆恨みされて、彼をかばった妹のイングリット(クリスティン・ジェーン)が顔にひどい火傷を負ってしまうことからはじまります。じつはわたし、イングリットはずっと彼の娘だと思ってました。でも、妹だったんですよね。妹のわりに(?)意味深なシーンがあったりしまして、たぶんフランス特有の倒錯も入っているのでしょう。

 恋人のナタリーには、ブリジット・ラーエ。ファニーフェイスな美人でして、さまざまな場面で、いろいろ楽しい衣装チェンジをしてくれます。ナタリーはフランクの病院で働く看護婦なのですけど、ナースの衣装もなんだかコスプレっぽい。

 自分のために、ふた目と見られない姿となってしまった妹… 彼女を救うため、フランクはナタリーの協力をあおいで、皮膚移植しようと試みます。それには新鮮な、うつくしい、完璧なコンディションの肌をもつ若い娘が必要だったのです…

 これまでジェス・フランコ作品といいますと、「Die Sage des Todes」「ブラディ・ムーン/血ぬられた女子寮」1981)と、「Les Avaleuses」「吸血処女イレーナ/鮮血のエクスタシー」1973)しか観ていないのですが、これは硬派な作りで最後までひっぱります。ほんとにこれがジェス・フランコ? といいますか、いままでわたしが抱いていたジェス・フランコ像はなんだったんだ!! というくらい、ぜんぜん気色がちがうんですよ。主演がヘルムート・バーガーということもあって、画面が自然と品よくなっちゃうしー。

 といっても、フランコお得意の残酷描写てんこもりです。特殊メイクもかなり力入ってます!! このころの特殊メイクって、チープで愛嬌があってよいですよね。ただたんにグロイわけではないと。

 フランクの力になりたいナタリーは、ファッションモデルのバーバラ(キャロライン・モンロー)に狙いをつけ、彼女をさらってきてしまいます。けれでも、彼女は大会社の社長のひとり娘だったのです…

 結末がこんなだったんだ! という意外性もあって、この高得点になっちゃいました。フランコ作品はどうやら、この映画から入っていくのが正解みたいです。

 あと、まったくの余談なんですが、予告に入っていた「There was a little Girl」(1981)がやたらめったらおもしろそうなんで、興奮しちゃいました。邦題がわからないのですが? み、観たいですぅ…!!

 





若かりしころのヘルムート・バーガー。






この冷たさがよいのですよ!






ステキですね~、
美貌がヴィスコンティの目にとまったのですね。






ぎゃーっ!!
これがすべての悲劇の
はじまりとなり…





フランク役の
H・バーガー。
渋い!!
カッコイイ!!
整いすぎ!!








ナタリーと、
従僕のゴードン。








美女が目を覚ますと、
たいへんなことに~!!!







   The Reeds




(2009)イギリス
出演…アナ・ブリュースター
O・T・ファグベンル
カール・アッシュマン
監督…ニック・コーヘン
★★★

〔ストーリー〕
 週末を利用して、湿地帯に自然を楽しみにきたローラたち5人組。船をチャーターして、友人たちで気ままに過ごすはずが… じつは、出発当初からローラは不思議な女の姿を見るという、奇妙な経験をしていた。やがて、立ち入り禁止区域に入ったことにも気づかずに、船を進めてしまう彼ら。夜も更けて、静寂のなか、突然船は障害物に乗りあげてしまい…!!


 かなり思わせぶりな演出が目立つんですけど、こういうホラー・ファンタジーなんだなとわりきって観たら、まあまあよかったです。こちらも〈アフターダーク〉の1作。

 書き忘れちゃったようなので、一応補足しておきます。今回は「Dread」「Kill Theory」「Lake Mungo」「Skjult」「Hidden」)、「The Final」、あと、まだ観ていない「The Grave」「Zombies of Mess Destruction」と、本作の8本が参加作品です。そして、めずらしいことに~、今回はハズレがないみたいなんですよね。なんだかんだいって、全部観てしまうと思います! 補足の補足ながら、「Dread」と「Skjult」がいまんところよかったです~。

 …えーと、こちらは評価がイマイチなのですよ。
 
 ガッカリだったというひとと、ファンタジックでよかった!というひととで、二極しています。わたしはなかなかよかったかもと思いました。ただし、はじめに書いちゃいますけど、この作品もまた、例の流行りの「アレ」なんですよ、「アレ」。もー、なんだかな~、こうも連続して見せられちゃうと、安易なパターンと思えなくも… ない… かな?

 なんですが、ストーリーは一応おもしろかったです。雰囲気もちょっと変わってます。

 ヒロインのローラ(アナ・ブリュースター)はロンドンっ子。友人のニック(O・T・ファグベンル)、デーン(カール・アッシュマン)とシャギー(リース・チャップマン)のカップル、ジョー(ダニエル・カルタジローン)とメル(エマ・キャシャーウッド)の5人で、休日を利用して湿地帯に出かけます。陰鬱なロンドンから、たいして変わりばえのしない、ジメジメした湿地帯へ。このへんがもう、ナゾな展開ですが、ホラーな雰囲気ですからよしとしましょう!

 出発当初から、ローラは不吉な予感を感じます。船着場へむかう途中、不思議な女の姿を目撃するのです。彼女はなぜか、ローラのことを知っている様子? そして、ナゾめいた微笑を残してどこかに消えてしまいます。不審に思いながらも、船を借りて乗りこむのですが…

 ガッカリな感想を持ってしまったひとの理由はですね、これだけ盛りあげておきながら、脅威の正体が〇〇だった!! というものらしいのです。うーんと、まあ、あんまり既成概念にとらわれないほうがいいかも、と書いておきましょうか。でも、雰囲気は変わっていてよかったです。とらえどころのない幻想シーンが何度も挿入されて、だから、その正体はなんなの? ということになったとき、最終的にはこれはダークファンタジーだったんですね、となっちゃいます。
 
 流血場面はさほどですが、よくわかんない不穏な雰囲気とか、湿地帯のジメジメ感とか、ちょいと緊張感がありました。でー、問題の〇〇ですが… もうちょっと、どうにかならんかいな! あんまりにフツーすぎて、ほんとにガッカリです。で、結局最後の最後、オチはそれかい!! と、憤慨したところで、この映画の見どころは、よくわかんない緊張感と、じわじわくる幻想や不条理シーン、これにつきると思います。

 なんといっても、〈アフターダーク〉参加作品ですからね、一応良作です。











ヒロインのローラ。
美人だ!!









ナゾの女…










だれかが船の
まわりにいるのっ!!









ニックに迫る、
恐怖の正体は…??







   Stag Night



(2008)アメリカ
出演…キップ・パルドュー
ヴァネッサ・ショウ
ブレッキン・マイヤー
監督…ピーター・A・ドウリング
★★★


〔ストーリー〕
 クラブからの帰り道。マイクは友人のトニー、カール、ジョーといっしょに、最終の地下鉄に飛びこむ。偶然居合わせたのは、クラブで見かけたクレアとブライタのふたり組。ジョーとクレアはいい雰囲気になり、トニーもブライタいちょっかいを出そうとする。読書を中断されたブライタは怒り、痴漢撃退スプレーを噴射するトラブルに。あわてて仲裁しようとして、ちょうど列車が赤信号で使われなくなった駅に停まった。頭を冷やすためにおりたところ、列車は5人を残して走り去ってしまう。途方に暮れた彼らは、つぎの駅まで歩こうと線路づたいに進むのだが…


 これはイイ!!
ホラー黄金期の80年代テイストなノリが楽しい、厳密にはスリラーでいいのでしょうか。さほど期待しないで観たぶん、新鮮な驚きなどがあっておもしろかったです。

 まずですね、アイデアがよいのですよ。
 NYの地下鉄なんて、たぶん使われなくなった廃線やトンネル、地下道や下水道なんてのがたくさんあるんだと思います。じっさいに東京の地下も、迷路になっていたりして。その巨大な地下迷路に、世間の法則も常識も逃れて、おっかなーいひとたちがひそんでいたら…!! そんな、事実どこかにありそうなお話のホラー・スリラー。この監督さんはなかなかよかったので、チェックしといてもいいかもしれません。

 物語は、マイク(キップ・パルドュー)が友人のトニー(ブレッキン・マイヤー)、カール(スコット・アドキンス)、ジョー(カール・ゲアリー)と最終の地下鉄に飛びこむところからはじまります。その列車には偶然、さっきまでおなじクラブにいたクレア(レイチェル・オリヴァ)とブライタ(ヴァネッサ・ショウ)の美女ふたり。

 男どもは当然盛りあがって、クレアたちに話しかけます。クレアはジョーと意気投合した様子。いっぽうブライタは、しつこくからかうトニーにブチ切れしてしまい、痴漢撃退スプレーを噴射しちゃいます。(←わたしもこれ、ほしいよう!)

 仰天したマイクたち、あわてて仲裁に入る、といいますか、トニーを助けに入ります。そこで偶然列車が赤信号で停まり、いまでは使われなくなった駅が目の前に。思わず外に飛びだすブライタ。つづいてクレア、マイクたちも列車を降りてしまいます。すこし外の空気を吸って、頭を冷やすだけだったのに… 車掌は彼らに気づかずドアをしめてしまい、そのまま発進してしまいます。

 古い駅に取り残されてしまった5人。仕方なくふたつのグループにわかれて、マイクとブライタたちはつぎの駅を目指して歩きはじめるのですが…

 ここで、地下に住みついたバケモンのような浮浪者たちに襲われちゃうという、なかなかリアルな設定です。この浮浪者グループ、見た目はそんなにこわくありません。汚い格好に長髪で、「ガオー!!」って襲いかかってくるだけ。で、なにがそんなにこわいのかというと?被害者の視点のキッチリぶれない姿勢が、たまらなくスリルを生みだすんですねー。

 地下鉄という場所を利用して、一風変わった切り株もあったりして、その方面もたいへん満足できる内容となっています。浮浪者グループの武器もいろいろあって楽しいですよ。あんまり書くとなんですけど、わたしは最初の犠牲者が死んじゃった… と思ったら、まだ生きてた!ってシーンで、ガツンときちゃいました。このとき、彼の正面には物陰に隠れた仲間たちがいるんですよ。で、完全に目があっちゃう… う~ひ~、こういうリアルさが、わたしは大好きなんです! この監督さん、かなりセンスがあると見ました!!

 登場人物たちも、最初は垢抜けないのですが、物語が進むにつれて個性を発揮していきます。というよりも、見せ場を与えられて大活躍していきます! ベタなノリなんですけどね。ベタベタな演出も大好き! だから、感情移入もしやすく、キャラが死んじゃうたびにどひ~っとなっちゃいます。

 で、これだけおもしろいのに、なぜか世間一般的な評価は低かったり? その理由もなんとなくわかっちゃったり。画面が暗すぎることにくわえて、へんにカメラがブレまくってるんですよ。そこへ、やたらとコマの早いシーンがきたりすると、も~う、なにがなにがなんだかなんだか!!
 
 惜しいな~、非常ーーっに惜しい!

 ですが、じゅうぶんハラハラドキドキできる快作です。オススメ!!
『オフスプリング』の映画化作品なんかより、こっちのほうがずーっとこわくてスリル満点だったりして!









主人公のマイク。
ん?
人の気配がする…?







カールとブライタ。
カールはじつは、
すごくいいやつ。





トニー。
いいかげんそうに
見えて、
トニーもじつは、
めちゃいいやつ!!






すぐそこに光が
見えるのに…
だれも気づいて
くれない~!!





そこのころ、
クレアとジョーは…
暖なんかとってる
場合じゃないですよ!!







   Survival of the Dead



(2009)アメリカ/カナダ
出演…アラン・ヴァン・スプラング
デヴォン・ボスティック
ウェイン・ロブソン
監督…ジョージ・A・ロメロ
★★★☆


〔ストーリー〕
死者が歩きはじめて、8日後。北アメリカの海岸沿いの小さな島で、住人たちは生きるための戦いをくりひろげていた。おなじころ、軍人のクロケットは3人の部下と、偶然出会ったティーンエイジャーの少年をしたがえて、汚染されていない地域を探していた。陸路を断たれた孤島なら希望があるのではないかと、孤島にむかうために桟橋を目指すが… そこには、島を追いだされたオフリンをはじめとするグループが篭城していた…


つい最近、息子さんの作品を観たばっかりなんですけど、今度はお父ちゃんの逆襲~!!
上記のポスターの時点では、まだタイトルが決まっていなかったようですね。

さーて、ロメロですよ、ロメロ。かなり頑固に、意固地に、ゾンビ映画を撮りつづけていますよね。やはりロメロでゾンビとくると、ウケがいいんでしょうね。今回はまた、すごーく評価に悩む内容でした! で、おもしろいか、おもしろくないかと訊かれれば、一応おもしろかったんです。地味にね。

「Diary of the Dead」「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」2007)ほど話題を集めるとは思えないんですが、最近のホラー映画とくらべると、スピード感も、ショッキングさもないんですが… ゾンビシリーズとしては、ちょっとずつ進化しているんでしょうか。今回は「ダイアリー」のようなリアリティ追求はやめて、じっくりドラマに専念しています。それでおもしろいのが、ロメロはこういうほうが、ゾンビとしてのリアリティが強いようです。

クロケット(アラン・ヴァン・スプラング)はケニー、シスコ、サリーの3人を部下を連れて、ゾンビ戦線を続行中。途中でティーンエイジャーの少年(デヴォン・ボスティック)と出会い、かわいそうなので拾っていくことにします。彼らが目指すのは、北アメリカの海岸沿いに位置する小さな島。島ならゾンビがすくないんじゃないか、この考え、ゾンビ映画のお約束です。そこで船を使おうと、桟橋にむかうのですが…

桟橋の小屋には、島を追いだされたばかりのオフリン(ウェイン・ロブソン)をはじめとする、田舎モンの元気なオッサングループがおりました。オッサンたちはやる気まんまん、クロケットたちを元気に狙撃しはじめます。

今回のテーマはずばり、人間の愚かしさと矮小さ!! かな? ゾンビ現象にくらべたら、こういう人間の浅ましさとアホらしさって、ほんと、どーでもいいことばっかです。こんな究極の事態に直面しながら、なぜ争う?? 不思議でなりませんが、これが人間の本性なんでしょうね。で、オフリンじいさんがまた元気で、小憎らしくって、主役はクロケットなのか? オフリンなのか? いちばんキャラ発揮していたかもしれません。

さてさて、こうしたいろんな障害を乗り越えて、クロケットたちは無事島にたどりつくことができるのでしょうか…??

さっきも書きましたけど、あくまで人間ドラマ重視の内容なので、ドキドキハラハラの追いかけっこなどありません。ちょーっと大人むけの内容ですかね? 地味という意味でです。でも、ときどきニヤリとさせるジョークもはさんできて、キャラもそれぞれ立ってておもしろかったです。好きなキャラクターがいつ死んじゃうんじゃないかと、地味にドキドキしたりしてね。わたしは、「あっ、釣れた!」「また釣れた!」ってシーンがおもしろかったです。

巨匠の名前を前にして、どうしてもバッサリ評価ができないわたくし… 皮肉もきいてるし、ストーリーもちゃんと意味があっておもしろいんですけど、最近のホラーがリアルすぎるのか? 刺激が強すぎるのか?

じっくり楽しむドラマということにしておきましょうかね、うーん…
でも、「ダイアリー」とどっちが好みかと訊かれると、わたしはこちらのほうが好きですねー











ゾンビ相手に、
余裕綽々のオフリン。









あーっ!!
食われちゃった…






こういうの、はじめて
かもしれないです。
美形ゾンビ!









リーダーのクロケット。
カッコイイ!!







サリーもなかなか見ごたえがあります。
勇ましい女兵士。











ロメロ監督が好きそうな男の子ですよね。
デヴォン・ボスティック。







   The Final



(2010)アメリカ
出演…マーク・ドナト
リンゼイ・セイデル
ジャスティン・アーノルド
監督…ジョーイ・スチュワート
★★★

〔ストーリー〕
 高校を卒業間近のエミリーは、友人がいなくていじめられっこ。いつもカーティスやブリジットらにからかわれていた。おなじように、デーンやアンディらおとなしい少年たちも、ブラッドリーをはじめとする人気者にいじめられていた。
 エミリーたち排他されるメンバーはつるみあい、いじめっこグループに復讐する計画を練る。チャンスは卒業パーティーをかねた仮装パーティーで、だれにも邪魔されずに報復をするのだ…!!


 今回の〈アフターダーク〉のなかで、いちばん観たかったのがこれ!
ちょ~っとばかし想像していたのとちがったんですけど、わりかしおもしろかったです。

 監督さんのジョーイ・スチュワートは、いろんなインデペンデス系映画にかかわってきた方らしいです。で、今回がやっとデビュー作。ほかのラインナップ作品とくらべると、元気があるほうなんですかね?

 エミリー(リンゼイ・セイデル)は地味ないじめられっこ。毎日のように、同級生のカーティスやブリジット、へザーの3人組にいじめられています。おなじように、やっぱり地味めでおとなしい、アンディ(トラヴィス・テッドフォード)やデーン(マーク・ドナト)や、彼の仲間たち。仲間といっても、いじめられっこ同士で自然とグループ形成するようになった、そんな感じです。彼らをいじめてるのは、カーティスたちとも仲のいい、乱暴者のフットボールのヒーロー、ブラッドリー(ジャスティン・アーノルド)。

 もうすぐ卒業間近なのですが、エミリーたちには夢も希望もない。いじめも一応、その原因になってるのですが、そもそも彼ら自身にそれぞれ問題があるようですね~…
 家庭内にいざこざがあったり、コミュニケーションがうまくいかなかったりと、どんどん悲観的になっちゃう。んで、ついに我慢の限界まできたとき! いじめっこたちに、キッツーいお仕置きをしてやろうと決意するのです。

 このお仕置きなんですが、こっちの痛みを思い知らせてやる、いままでの報復をしてやる! という意味なので、けして殺したりはしません。ただ、今後の彼らの人生でとりかえしのつかない、かなりえげつない復讐法になっております。

 高校生の閉塞感とか、自己実存できない欲求不満とか、ちょっとうまい具合に描かれてるんですけど、これははっきり好き嫌いがわかれそうな映画でしょうか~

 だって、復讐リーダーとなるデーンに、「ああ、たしかにおれはモンスター。でも、おまえらがつくったんだよ」といわせるところなんか、イマドキの犯罪者ぽいんですもん。自己中すぎるし。で、とりかえしのつかないことに至る経緯として、ほんとにそんなひどい苦痛を味わってきたのか? このあたりにも、中途半端に疑問が残ります。たまにちがった方向にもいっちゃうし。かといって、ユーモアもないんですよー。わたしはもうすこし、肩の力をぬける部分があってもいいかなと思いましたけど…

 前半は低脳ないじめっこたちにムカ入って、後半から犯罪者に変貌したいじめられっこたちに共感もできず… うーん、といっても、そんなに緊張感もないし、殺伐とした暴力性もない。これ、いったいどういう感じで観たらいいんだろう? とか、ずいぶん悩んじゃいましたよ。

 ですが、高校生たちがいっぱい出てきて、残酷なシーンもたくさんあるので、それなりになかなかおもしろいです。こういうのが許容範囲に入るかどうかで、作品の評価も決まると思います。
 なんだか感触的にもよくわかんなかったのでー、いまのところ保留にしといて、監督さんの真価が決まるのは、2作目以降からになりますかね??














笑ってられるのもいまのうちー!!生意気ないじめっこ軍団。









ガスマスクをかぶった
デーン。







エミリーは復讐の
機会をうかがい…








あ~らら、
痛そうですねー、
これはかわいそう!!









さ~て、
どんなふうに
お仕置きしよっかな、
フン、フン…







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(いちおう)プロフィールです
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ななみといいます
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女性
自己紹介:

 独断と偏見で、ホラー関係(広い意味でのホラーですので、SFやファンタジーなんかもやってます)のレビューを書いてます。コメント大歓迎です。新情報や、こんなのもあるよ!って情報などなど、寄せてくれるとありがたいです。

〈好きかも♪〉
 おにぎり、猫たん、ジャック・ホワイト、ブクオフ、固いパン、高いところ、広いところ、すっげー大きな建造物、ダムとか工場とか、毛玉とり、いい匂い…

〈苦手かも…〉
 かます、説明書、道案内、カマドウマ、狭いところ、壁がすんごい目の前とか、渋滞、数字の暗記、人ごみを横切る、魚の三枚おろし…
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